2026年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 42,726 100.0 3,873 100.0 9.1

 

3 【事業の内容】

 

当社グループは、当社、子会社11社、関連会社1社で構成され「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける。」ことをMissionとし、養殖事業、国内加工事業、海外加工事業、海外卸売事業の4つの事業を柱としてビジネスを展開しています。サーモンを中心とした川上から川下までの垂直統合型ビジネスモデルで、グローバルに事業を展開し、その結果として、自己資本利益率や売上高営業利益率などの指標において上場会社平均を上回る実績を達成しています。

 

各事業における事業会社名及びその系統図は、次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 


 

 

各事業の概要は、次のとおりであります。

 

(1)養殖事業

生食用のサーモントラウトを養殖し、国内外に向け販売する事業であります。

Musholm A/Sにおいては、毎年約3,500~4,000トン強のサーモントラウトを生産しております。さらにサーモン養殖の世界的なリーダーであるノルウェーの養殖との差別化を図るため、卵を持たせる養殖を行っています。その一部は当社向けに輸出され、以下で説明する国内加工事業に使われます。当社グループ以外には、魚の身の部分はヨーロッパ諸国へスモークサーモンの加工用原料として、卵はいくらを生産しヨーロッパ各地へ、あるいはいくら加工用原料としてヨーロッパ各地へ販売しております。

日本国内におきましては、2017年6月に青森県西津軽郡深浦町に日本サーモンファーム株式会社を設立し、サーモントラウトを生産しております。サーモン養殖先進国であるデンマーク子会社Musholm A/Sの大規模生産のノウハウを活用し、孵化から養殖まで一気通貫した生産体制を構築しております。

 

日本サーモンファーム株式会社の海面養殖イメージ

 


 

サーモン養殖は自然と地域のバックアップを受けて行う事業です。サーモン養殖に適した青森の地で地元企業としての強みを生かし、地域と一体となって事業を進めています。例えば国内では、河川を利用した中間養殖を行うにあたっては水利権が、海面養殖を行うにあたっては区画漁業権の行使が必要です。当社グループは、地元漁協の組合員として区画漁業権を行使し、サーモン養殖を行っています。

 


 

 

 なお、当社グループでは、養殖事業の一部においてASC認証を取得しております。

 ASC認証とは、水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が管理運営する養殖に関する国際認証制度で、養殖場が自然環境の汚染や資源の過剰利用を行っておらず、その養殖事業に持続可能性が認められることを認証するものです。近年はASC認証のある原料を使った製品を取扱いの中心に据える国内の大手スーパーマーケットなども増えて来ています。

 

 

(2)国内加工事業

国内加工事業及び後述の海外加工事業は、魚卵・成魚を原料として顧客の要望にそって加工し、販売を行う事業です。

国内加工事業における加工拠点は青森県青森市に所在する第一~第三工場です。第一工場では数の子及びたらこと、当社グループ日本サーモンファーム株式会社の養殖サーモンを主に加工しております。第二工場ではイクラと筋子の加工をしております。国内のスーパーマーケットや外食向けの販売が主ですが、最近ではアジア圏の大手回転寿司チェーンへの輸出も増えております。2026年3月には委託加工先の工場を取得し、当社の第三工場として養殖サーモンの一次加工、魚卵関連製品の加工等を行い、加工キャパシティーの拡大とともに加工拠点の分散化によるリスク分散を図っております。

 

青森第一工場で製造した数の子製品          Musholm A/S魚卵原料から製造したイクラ製品


 

    青森第一工場内たらこ製品製造ライン


 

 

 

(3)海外加工事業

 海外加工事業は、海外の加工拠点において水産加工品を製造する事業です。国内加工事業と同様に、当社養殖事業からの原料仕入れに加え、自社仕入れチームが自身で良質な原料を世界中から調達し加工販売まで行います。

  海外加工事業における拠点は以下の3つです。

①当社東京事業本部

 当社の東京事業本部では、貿易実務、海外加工場の生産管理、国内外への販売活動を行っております。

 

②ミャンマーの自社グループ工場(Okamura Trading Myanmar Co., Ltd.)

 2017年9月、ミャンマーのティラワ経済特区内に子会社Okamura Trading Myanmar Co.,Ltd.を設立しました。同経済特区内は日本企業の進出が進んでおり、日本水準のインフラが整っております。主にサーモン原料の寿司ネタ加工を行っております。

 

  外部仕入原料のサーモンハラス寿司スライス製品  Okamura Trading Myanmar Co., Ltd. 外観


 

③ベトナムのパートナー工場

当社とは20年来の関係があるベトナムの大手水産加工工場とパートナー契約を結んでおります。契約の内容は「第2 事業の状況 5 重要な契約等」をご参照ください。同工場では、サーモン原料の寿司ネタ加工の他、サバ原料を始めとした焼成済みの焼き魚・煮魚製品の加工も行っております。生産された製品は日本国内消費向けに輸出される他、後述のシンガポールやマレーシアなどの現地販売拠点に向けても出荷されます。

 

 

 

(4) 海外卸売事業

シンガポール(Okamura Trading Singapore Pte., Ltd.)、マレーシア(Xenka Trading (M) Sdn. Bhd.)、台湾(Okamura Trading Taiwan Co.,Ltd.)、タイ(Okamura Trading (Thailand) Co., Ltd.)、ベトナム(Okamura Trading Vietnam Co., Ltd.)、香港(Okamura Trading Hong Kong Co., Ltd.)、オランダ(Okamura Trading Netherlands B.V.)に拠点を有しており、現地の日系スーパーマーケットや日本食レストランに、日本から輸入した日本食材を販売しております。顧客のニーズに応じて他社から幅広く商材を調達しておりますが、自社グループ内で養殖・加工した商材も当事業を通じて海外市場に販売しております。顧客のニーズに合わせた製品をタイムリーに、そして日本基準のきめ細やかなサービスをもって提供しております。

 


 

 

 

 Okamura Trading Singapore Pte., Ltd. 自社倉庫


 

 

 Xenka Trading (M) Sdn. Bhd.の事務所及び配送トラック


 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 ①当期の経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループの経営成績の状況の概要は次のとおりであります。

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や輸出に持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調が続いているものの、中東情勢や金融資本市場の変動など、景気を下押しするリスクに留意が必要な状況となっています。一方で、当社グループの主な事業地域である東南アジアの経済環境は、内需外需に支えられ、概ね堅調に推移しました。

当社グループにおきましては、中期経営目標2030において、国内養殖量の拡大と海外卸売事業売上の拡大を最重要課題として位置付けています。当連結会計年度において、国内の養殖事業は、地方自治体との養殖場適地開発の協力強化や、中間養殖場及び新規バージ船の導入に向けた設備投資が順調に進みました。また、海外卸売事業については、東南アジア諸国の旺盛な経済需要を基に事業拡大傾向が継続しています。

当連結会計年度の業績につきましては、海外加工事業において販売価格の転嫁が追い付かず営業利益が減少したものの、国内加工事業の主力製品であるいくら製品について、市中の原料不足・市場供給量不足から想定を上回る販売単価で推移したことで販売額が増加し、全体としては概ね順調に推移したと捉えています。

経常利益については、外貨建債権の為替換算損益が営業外損益の大きなファクターになっています。当連結会計年度においては、これが前期比で621百万円プラスに作用しています(当期は為替差益398百万円、前期は為替差損222百万円)。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ7,380百万円増の42,726百万円(前期比120.9%)、営業利益は前連結会計年度に比べ851百万円増の3,873百万円(前期比128.2%)、経常利益は前連結会計年度に比べ1,240百万円増の4,056百万円(前期比144.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ762百万円増の2,782百万円(前期比137.7%)となりました。

各セグメントの事業概況は次のとおりであります。

(単位:百万円/%)

 

売上高

前期増減

前期比

セグメント

利益

前期増減

前期比

養殖事業

10,952

1,692

118.3

772

△466

62.3

国内加工事業

12,767

3,368

135.8

2,610

1,432

221.7

海外加工事業

15,457

1,369

109.7

700

△340

67.3

海外卸売事業

15,328

4,284

138.8

1,044

440

172.9

調整額※

△11,779

△3,334

139.5

△1,253

△214

120.6

合計

42,726

7,380

120.9

3,873

851

128.2

 

※調整額はセグメント間取引及び全社費用等であります。

 

 

(養殖事業)

当期の国内養殖量については、海面養殖における育成不良、生鮮販売量を増加させるため水揚げ時期を早めたことにより前期比△93トンの3,383トンの水揚量となりました。販売面においては、生鮮販売が好調に推移したことにより生鮮販売量及び販売額が増加しましたが、海面養殖の育成不良等により利益率が低下しました。

デンマーク子会社による海外養殖においては、海面養殖場における生育不良、相場影響による販売単価低下等により利益率が低下しました。

上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,692百万円増の10,952百万円(前期比118.3%)、セグメント利益は466百万円減の772百万円(前期比62.3%)となりました。

なお、デンマーク子会社であるMusholm A/Sは国際財務報告基準(IFRS)を採用しており、養殖事業の損益には、IAS第41号「農業」に従った売却コスト控除後の公正価値により評価した結果(売上原価△79百万円)が含まれております。

(単位:百万円)

売上高

 

10,952

営業費用

材料費、人件費、販管費等

10,259

小計(公正価値評価を除いたセグメント損益)

692

営業費用

公正価値評価による影響額

79

合計(セグメント損益)

772

 

 

(国内加工事業)

いくら、筋子については、北海道秋鮭不漁等による国内材料不足により販売価格相場が上昇、当社のいくら製品も想定を上回る水準での販売単価推移となり、販売額が増加しました。また、長期単価契約の販売先に関する契約単価の見直しも順調に進み、相対的に利益率の高いいくら商品の販売割合が増加したこと等により利益率が改善しました。

上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ3,368百万円増の12,767百万円(前期比135.8%)、セグメント利益は1,432百万円増の2,610百万円(前期比221.7%)となりました。

 

(海外加工事業)

為替や仕入相場の影響による原料価格上昇に対して一定の値上げを実施した結果、製品及び商品の販売量が減少し、加えて価格転嫁が追い付かなかったことから粗利率が低下しました。また、従業員数の増加による人件費増加等の影響により販売費及び一般管理費が増加いたしました。

上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,369百万円増の15,457百万円(前期比109.7%)、セグメント利益は340百万円減の700百万円(前期比67.3%)となりました。

 

(海外卸売事業)

東南アジア諸国における日本食マーケットの拡大を背景に、当事業は拡大を続けてきました。当連結会計年度においてもこの傾向は継続しており、売上は順調に拡大しました。利益率については、販管費率の改善と円安による仕入価格の低下により、大きく改善されました。

上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ4,284百万円増の15,328百万円(前期比138.8%)、セグメント利益は440百万円増の1,044百万円(前期比172.9%)となりました。

 

 

 

②当期の財政状態の状況

当社グループの財政状態は次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は46,920百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,593百万円増加しました。これは主な要因としては、国内加工事業において魚卵の仕入を進めたこと等により原材料及び貯蔵品が9,992百万円増加したこと、加工委託先への原料支給が進んだことにより、未収入金が1,590百万円増加したこと等によるものです。固定資産は13,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,773百万円増加しました。これは主に事業拡大に伴う設備投資による増加であります。

この結果、総資産は60,639百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,367百万円増加しました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は35,015百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,978百万円増加しました。これは主に、運転資金として短期借入金が12,596百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は5,904百万円となり、前連結会計年度末に比べ712百万円増加しました。

この結果、負債合計は40,919百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,691百万円増加しました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は19,719百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,676百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を2,782百万円計上したこと等により利益剰余金が2,426百万円増加したこと等によるものです。

 

③当期のキャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、8,264百万円の支出(前期比11,801百万円の収入減少)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益を4,096百万円計上し、有償支給取引に係る負債が1,532百万円増加した一方で、当社主要事業がそれぞれ事業拡大傾向であることにより売掛金残高の増加が631百万円生じたことに加え、国内加工事業において魚卵の仕入を進めたこと等により棚卸資産残高が11,725百万円増加したことなどによるものです。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,709百万円の支出(前期比1,723百万円の支出増加)となりました。

当社の最重要課題である養殖量拡大に向けて養殖設備への投資を進めたことに伴い、有形固定資産の取得による支出が2,717百万円(前期比746百万円の支出増加)となったことなどによるものです。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、12,628百万円の収入(前期は1,931百万円の支出)となりました。

これは主に、原材料仕入等の運転資金目的での借入を進めたことにより短期借入金の純増減額が12,596百万円生じたためです。

 

以上に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額177百万円を調整した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ831百万円増加し、5,246百万円となりました。

 

 

 

④生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

養殖事業

10,952

118.3

国内加工事業

12,767

135.8

海外加工事業

1,462

103.5

海外卸売事業

-

-

合計

25,181

125.5

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2.金額は、販売価格によっております。

3.海外卸売事業については、自社生産設備を保有していないため、記載を省略しております。

 

b 受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

養殖事業

7,529

124.9

国内加工事業

10,505

120.8

海外加工事業

9,418

98.1

海外卸売事業

15,271

138.6

合計

42,726

120.9

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の状況に関する分析

 外国の政情・政策不安に端を発した為替相場の乱高下や株式市場の不安定な動きの中において、当社グループは増収・増益となりました。
 増収の主な要因は、養殖事業における国内養殖売上の拡大、海外市場の拡大です。国内養殖量は前シーズンから93トン減少して、当シーズンは3,383トン(2026年4月~7月までの水揚量)となりましたが、生鮮需要の高まりにより売上高は増加いたしました。海外加工事業においては国内向け売上が前年並みに留まった一方で、アジア市場の拡大により、海外卸売事業で売上が順調に増加いたしました。なお、国内加工事業においては、魚卵漁獲量不足から魚卵供給量が減少し、魚卵相場が上昇した中で、一定の在庫を保有していたことにより堅調に推移いたしました。

 増益の主な要因は上記、海外卸売事業における売上高の増加に基づく利益額の増加と、国内加工事業において、契約更新による単価見直しが順調に進んだことによる利益率の好転であります。

 

b. 財政状態に関する分析

棚卸資産の増加と有形固定資産の増加を主要因として総資産額が増加しています。負債純資産側では借入金の増加、有償支給取引にかかる負債の増加、利益剰余金の増加を主要因として負債純資産が増加しています。

・棚卸資産の増加

当社グループではどの事業も拡大基調にあるため、棚卸資産は増加傾向にあります。当連結会計年度末においては、有償支給先への原料の支給が前連結会計年度と比較して増加し、営業倉庫に保管する商品及び製品についても順調に増加いたしました。

 

・有形固定資産の増加

 有形固定資産の増加については養殖設備への増加が主な内容になります。特に国内養殖の規模拡大は当社の成長戦略の最重要課題となっていますので、今後も引き続き、積極的な設備投資を行っていく方針です。

 

・借入金の増加

 上記の在庫投資と設備投資のために要する資金は主に借入金で賄っており、その結果として負債が増加しています。

 

・有償支給取引に係る負債の増加

 有償支給先への原料の支給をした場合において当該負債を計上することとなりますが、棚卸資産の増加で記載のとおり、当連結会計年度は前連結会計年度と比較して、有償支給先への原料の支給残高が増えたことにより、増加しています。

 

・利益剰余金の増加

 親会社株主に帰属する当期純利益を順調に計上していることにより増加しています。

 

 

 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

a. キャッシュ・フローの状況の分析

 営業活動によるキャッシュ・フローは、8,264百万円の支出(前連結会計年度は3,536百万円の収入)となりました。

 税金等調整前当期純利益を4,096百万円計上や有償支給取引に係る負債の増減額1,532百万円を計上しましたが、国内加工事業において魚卵の仕入を進めたこと等に伴う棚卸資産残高の増減額△11,725百万円を計上したことなどにより、営業キャッシュ・フローはマイナスとなっています。

 当社グループは事業の性質上、元々在庫回転期間が比較的長くなる傾向がありますが、そういったなかで事業規模拡大に伴い恒常在庫水準は年々上がっているため、大きなトレンドとして在庫投資に資金を要する傾向が継続しています。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、3,709百万円の支出(前連結会計年度は1,985百万円の支出)となりました。当社グループの成長に向けた主要課題として、国内の中間養殖場のキャパシティ拡大、成長するアジアの日本食需要への対応力強化があります。特に国内中間養殖場の拡大は重要課題であり、当連結会計年度においても泊川中間養殖場(秋田県八峰町)の建設工事を進め、生簀の増設等生産キャパシティ拡大のための投資を行いました。前連結会計年度に公表した中期経営目標2030に記載のとおり目標生産数12,000トンに向け、必要な設備を順次計画的に建設しています。

 以上のように在庫投資や設備投資に多くの資金を投入していますが、その資金は自己資金及び外部借入で調達しています。当連結会計年度においては、原材料仕入等の運転資金目的での借入を進めたことなどにより、財務活動によるキャッシュ・フローは12,628百万円の収入(前連結会計年度は1,931百万円の支出)となっています。現時点において、金融機関とは良好な関係を維持しており、資金調達環境に特段の懸念はありません。

  なお、現金及び現金同等物の残高は、次期連結会計年度以降の資金繰り見込みを踏まえ、当連結会計年度末時点の必要水準を確保した残高となるよう、借入金返済とのバランスを考慮しております。

 株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、連結株主資本配当率(DOE)に基づく安定配当を行う方針です。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当社グループの資本の財源は、自己資金及び金融機関からの借入であります。借入に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備資金は主に長期借入金で調達しております。運転資金需要のうち主なものは、養殖事業における飼料代金、国内加工事業及び海外加工事業における原料仕入代金、海外卸売事業における商品仕入代金であります。設備資金需要のうち主なものは、養殖施設(冷凍設備や船等含む)や、国内加工工場(裁断機や浄化設備等)の設備投資代金であります。

 当社グループでは、事業活動を円滑に行うため、金融機関との当座貸越契約等を利用し、実需に応じた資金調達を実施し、流動性を確保しております。当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。

 

 ③  重要な会計上の見積及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたって、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性等の資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらは、過去の実績や将来の事業計画等に基づき合理的に算出しておりますが、見積りの不確実性から実際の結果と異なる可能性があります。

また、海外子会社における生物資産評価については、生物資産を公正価値で測定し、取得価額との差額を損益(売上原価の繰入または戻入)として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生存率等を見積もる必要があることから、市場の動向等により結果が大きく変動する可能性があります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的な検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、「海の恵みを絶やすことなく世界中の人々に届け続ける」ことをMissionとし、サーモン養殖事業、加工事業(国内加工、海外加工)、海外卸売事業を主な事業としております。これにより、「養殖事業」「国内加工事業」「海外加工事業」「海外卸売事業」の4つを報告セグメントとしております。

各事業の内容は下記のとおりであります。

「養殖事業」…青森及びデンマークにおけるサーモンの養殖と成魚販売

「国内加工事業」…筋子、いくら等の魚卵製品の国内工場における加工販売

「海外加工事業」…サーモン、さば等の魚介類の海外工場における加工販売

「海外卸売事業」…魚介類を含む日本食品の海外での卸売

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

連結財務諸表計上額

(注2)

養殖

事業

国内加工

事業

海外加工

事業

海外卸売

事業

計

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 外部顧客への売上高

6,030

8,693

9,599

11,022

35,345

-

35,345

 セグメント間の内部
 売上高又は振替高

3,229

704

4,488

22

8,445

△8,445

-

計

9,260

9,398

14,087

11,044

43,790

△8,445

35,345

セグメント利益

1,238

1,177

1,040

603

4,060

△1,039

3,021

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 減価償却費

880

212

8

272

1,374

15

1,389

 

 (注) 1.セグメント利益の調整額はセグメント間取引消去が△144百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△894百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

3.セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象となっていないため、記載しておりません。

 

 

当連結会計年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

連結財務諸表計上額

(注2)

養殖

事業

国内加工

事業

海外加工

事業

海外卸売

事業

計

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 外部顧客への売上高

7,529

10,505

9,418

15,271

42,726

-

42,726

 セグメント間の内部
 売上高又は振替高

3,423

2,261

6,038

56

11,779

△11,779

-

計

10,952

12,767

15,457

15,328

54,505

△11,779

42,726

セグメント利益

772

2,610

700

1,044

5,126

△1,253

3,873

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 減価償却費

982

251

7

350

1,592

24

1,617

 

 (注) 1.セグメント利益の調整額はセグメント間取引消去が△38百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,215百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

3.セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象となっていないため、記載しておりません。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自2024年7月1日 至2025年6月30日)

1 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

アジア

その他

合計

シンガポール

マレーシア

その他アジア

20,000

3,731

3,212

4,724

3,676

35,345

 

(注) 1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:百万円)

日本

デンマーク

その他

合計

5,340

3,576

1,188

10,104

 

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

 

当連結会計年度(自2025年7月1日 至2026年6月30日)

1 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

アジア

その他

合計

シンガポール

マレーシア

その他アジア

22,693

4,768

4,751

6,229

4,282

42,726

 

(注) 1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

(表示方法の変更)

前連結会計年度において「その他アジア」に含めていた「マレーシア」の売上高は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度から独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の「2 地域ごとの情報 (1)売上高」の組替を行っております。

この結果、前連結会計年度において、「その他アジア」に表示していた7,936百万円は、「マレーシア」3,212百万円、「その他アジア」4,724百万円として組み替えております。

 

(2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:百万円)

日本

デンマーク

その他

合計

6,455

4,552

1,471

12,480

 

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自2024年7月1日 至2025年6月30日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自2025年7月1日 至2026年6月30日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自2024年7月1日 至2025年6月30日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自2025年7月1日 至2026年6月30日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自2024年7月1日 至2025年6月30日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自2025年7月1日 至2026年6月30日)

「養殖事業」において、当社の連結子会社であるLoejstrup Dambrug A/SによるFarmer/Fish Farmer/Landlord Farm Shop by Peter Holmからの事業譲受に伴う負ののれん発生益21百万円及びLoevlund Dambrug ApSからの事業譲受に伴う負ののれん発生益18百万円を特別利益として計上しております。