2025年7月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

cowcamo(カウカモ)事業 不動産企画デザイン事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社1社(株式会社ツクルバボックス)の計2社により構成されております。

当社グループは、「住まいの『もつ』を自由に。『かえる』を何度でも。」をビジョンに掲げ、情報通信技術、デザインを高次に融合させることで、誰もが個性豊かな生き方を実現できる仕組みを提供すべく事業活動を行っております。

なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(1) cowcamo(カウカモ)事業

当事業では、ITを活用した中古・リノベーション住宅流通プラットフォーム「cowcamo」において、オンラインメディアを通じた物件情報流通サービス、自社エージェント(※1)による売買仲介サービス、定額パッケージも含めたリノベーションサービス、自社企画商品の開発・販売を主なサービスとして提供しております。

当事業の特徴は、中古住宅流通のバリューチェーン(※2)を、テクノロジーを用いて統合している点にあります。具体的には、中古・リノベーション住宅における一連の顧客体験の統合・刷新(特徴①-1)、住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化(特徴①-2)、顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用(特徴②)にあります。

当事業では、中古・リノベーション住宅に特化した住宅情報メディアサービス及びエージェントによる仲介サービスを提供しております。主な収益源は、中古・リノベーション住宅の売買に関して売手及び買手から受領する売買仲介手数料、その他付随するリノベーション等の斡旋手数料等、自社企画商品の販売収益であり、広告掲載料等は受領しておりません。

 

特徴①-1:中古・リノベーション住宅購入における一連の顧客体験の統合・刷新

当事業では、オンラインの住宅情報流通メディアを中心に、中古・リノベーション住宅の購入体験の統合・刷新を図っております。具体的には、従来の店舗やチラシ、物件情報検索サイトを通じた画一的な物件情報流通に対して、ソーシャルメディア等のチャネルに特化し、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアとしての物件情報流通モデルを確立しております。また、会員向けに、当社グループ独自の物件情報データベースからユーザーの嗜好にあった物件を選定・提案するネイティブアプリ(※3)や、住宅購入検討プロセスにおけるエージェントとのコミュニケーションをオンラインチャット上で行うことができるネイティブアプリを相次いで開発し、多数の会員を有する住宅購入サービスへと成長いたしました。

なお、「cowcamo」における会員数は55万人に達しております。

 

特徴①-2:住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化

一連の業務フローにおいて自社開発したシステムを活用することにより、高い生産性と顧客満足の両立を図っております。具体的には、顧客の個別的な嗜好性や住まい探しの状況を一元的に把握・管理することが可能な顧客管理システム、エージェントによる顧客への提案支援、顧客とのアポイントメント管理、業務の優先度管理等を支援する業務支援システム、顧客とのコミュニケーションを円滑化・効率化するチャットアプリなど、一連の業務フローが全て自社開発プロダクトによりシステム化されております。これにより、各々の業務プロセスにおいて高い生産性を実現するとともに、非熟練者でもオペレーションを遂行できることから事業拡大に柔軟に対応可能な組織の拡張性を実現していると考えております。当社グループの組織的能力である特徴①-2により当社グループのサービス価値である特徴①-1の提供が実現していると考えております。

 

特徴②:顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用

cowcamoでは、前述したメディアサービス、エージェントサービスを通じて、顧客ニーズやリノベーションのデザイン、物件・取引情報等の多数のデータを蓄積しております。これらのデータを解析・活用することで、ユーザーのニーズの分析や、最適なリノベーション企画の立案、販売価格の推計等が可能となります。当事業ではこれらを応用し、当サービスを利用する売主・事業者に対してリノベーション物件の商品企画や販売支援などの業務支援サービスの提供や自社企画商品の開発・販売を行っております。これにより、収益機会が拡大するとともに、cowcamoのユーザー・会員に適した物件の供給が増大し、サービス全体の価値向上に寄与するものと考えております。

 

〔用語説明〕

(※1)

エージェント

 

エージェントとは、顧客の住まい探しから物件購入における仲介業務を行う不動産仲介者のこと。

 

 

(※2)

バリューチェーン

 

バリューチェーンとは、一連の事業活動を、個々の工程の集合体ではなく価値の連鎖として捉えること。

 

 

(※3)

ネイティブアプリ

 

Apple Inc.が運営する「App Store」やGoogle Inc.が運営する「Google Play」等のアプリマーケットよりプログラムをダウンロードして利用するアプリケーションのこと。

 

 

 

 


 

 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。なお、経営上の客観的な指標等にかかる分析につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等」をご参照ください。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度においては、景気は、米国の通商政策等による影響が一部にみられるものの、緩やかに回復しています。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要です。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要があります。

当社グループがターゲットとする中古マンション市場においては、2025年7月度の首都圏中古マンションの成約件数は3,979件(前年同月比24.6%増)と9ヶ月連続で上昇しました。また、成約㎡単価は85.47万円(同8.2%増)と63ヶ月連続、成約価格は5,303万円(同5.0%増)と9カ月連続でそれぞれ前年同月を上回って推移しています。在庫件数は44,689件(同0.4%増)とほぼ横ばいながら2024年4月以来15ヶ月ぶりに増加しました。

このような経済環境のもと、当社グループは、営業活動などにおける生産性向上に注力しながら、主力サービスである中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」のマーケティング活動を強化することで、事業規模の拡大を推進してまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は8,099,031千円(前年同期比47.7%増)、営業利益は274,513千円(前年同期比76.8%増)、経常利益は199,747千円(前年同期比75.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は106,639千円(前年同期比50.6%減)となりました。

 

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

当連結会計年度末における総資産は6,141,447千円となりました。

財政状態の状況につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 財政状態の分析」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,821,511千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は1,477,686千円となりました。これは主に、棚卸資産の増加1,619,740千円などの資金減少要因が、税金等調整前当期純利益161,111千円などの資金増加要因を上回ったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は76,238千円となりました。これは主に、貸付けによる支出30,544千円、敷金及び保証金の差入による支出24,332千円、有形固定資産の取得による支出22,224千円などによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は1,503,564千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,041,100千円などの資金増加要因が、長期借入金の返済による支出1,106,660千円などの資金減少要因を上回ったことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

当社グループは主に、インターネット上において、中古・リノベーション住宅の売主と買主のマッチングを実現するプラットフォーム「cowcamo」の運営(cowcamo(カウカモ)事業)を行っております。提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社はcowcamo(カウカモ)事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年8月1日

至 2025年7月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

cowcamo(カウカモ)事業

8,099,031

47.7

合計

8,099,031

47.7

 

(注) 1.主要な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

 

② 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して1,919,897千円増加し、6,141,447千円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比較して1,834,821千円増加し、5,802,240千円となりました。これは主に、販売用不動産が673,007千円、仕掛販売用不動産が933,903千円増加したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末と比較して85,076千円増加し、339,206千円となりました。これは主に、有形固定資産が14,053千円増加し、投資その他の資産が71,022千円増加したことによるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して1,788,400千円増加し、4,209,747千円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比較して1,792,196千円増加し、3,499,629千円となりました。これは主に、短期借入金が739,184千円増加し、1年内返済予定の長期借入金が866,236千円増加したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末と比較して3,796千円減少し、710,118千円となりました。これは主に、長期借入金が68,204千円増加した一方で、社債が72,000千円減少したことによるものです。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して131,496千円増加し、1,931,700千円となりました。これは主に、株主資本が124,135千円増加し、新株予約権が5,467千円増加したことによるものです。

 

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、8,099,031千円(前年同期比47.7%増)となりました。主力事業であるcowcamo(カウカモ)事業のサービス改善及び営業組織体制の強化、並びにマーケティング強化による集客数の増加などの施策に注力し、事業規模拡大を推進してまいりました。

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、4,555,629千円となりました。これは主に、自社企画商品における仕入取引によるものであります。この結果、売上総利益は3,543,401千円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、3,268,888千円となりました。集客増加に向けたマーケティング強化に注力しつつも、生産性向上に取り組むことで、売上総利益販管費率を改善しました。この結果、営業利益は274,513千円となりました。

(経常利益)

当連結会計年度において営業外収益が5,442千円、営業外費用が80,208千円発生しております。この結果、経常利益は199,747千円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度においては、特別利益を11,028千円計上しております。また、本社に係る移転関連費用や2025年9月12日発表「一部インターネット上の発信情報に関する調査結果のお知らせ」に関連する特別調査費用等などによる特別損失を49,663千円、法人税等合計を54,472千円計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は106,639千円となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあったサービスの展開等により、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものには、cowcamo(カウカモ)事業における人件費、外注費、広告宣伝費等があります。必要資金の確保及び流動性リスクの未然防止または低減の観点から、市場環境や長短のバランスを勘案して、内部資金の活用及び借入により調達のほか、社債の発行等の調達手段を行い、資金調達手段の多様化を図っております。

 

セグメント情報

 

(セグメント情報等)
【セグメント情報】

前連結会計年度(自  2023年8月1日  至  2024年7月31日)

「当連結会計期間(報告セグメントの変更等に関する事項)」に記載のとおりであります。

 

当連結会計年度(自  2024年8月1日  至  2025年7月31日)

 当社グループは、cowcamo(カウカモ)事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

(報告セグメントの変更等に関する事項)

 当社グループは、報告セグメントを従来「cowcamo(カウカモ)事業」及び「不動産企画デザイン事業」の2区分としておりました。しかし、2023年11月1日付で、不動産企画デザイン事業を会社分割(簡易新設分割)により新設会社に承継させたうえで、新設会社の株式の全てを譲渡したことにより、当連結会計年度より報告セグメントを「cowcamo(カウカモ)事業」の単一セグメントに変更しております。

 この変更により、前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメント情報の記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2023年8月1日  至  2024年7月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年8月1日  至  2025年7月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年8月1日  至  2024年7月31日)

 

 

 

(単位:千円)

 

cowcamo

(カウカモ)事業

不動産企画デザイン事業

全社資産

合計

減損損失

20,472

20,472

 

 

当連結会計年度(自  2024年8月1日  至  2025年7月31日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年8月1日  至  2024年7月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年8月1日  至  2025年7月31日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年8月1日  至  2024年7月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年8月1日  至  2025年7月31日)

該当事項はありません。