2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ホテル事業につきましては、以下の事業等のリスクがあります。

① 訪日外国人旅行客の減少

 為替相場の状況や地政学的リスクの高まりなどにより、訪日外国人旅行客が減少し、稼働率及び客室単価が低迷する場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、運営ポートフォリオを拡大し利用顧客層を拡充することで、業績に与えるリスクの低減を図っております。

 

② 自然災害や伝染病の発生

 当社グループのホテルが、大規模地震や自然災害の発生により、建物や施設に損害を被り、一時的な営業停止となった場合や広域の伝染病の流行により、旅行や団体行動に制限が生じた場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 賃貸不動産の契約及び運営委託契約の条件変更及び中途解約

 当社グループが一括借上している或いは運営受託しているホテル建物オーナーが、経済情勢等の理由により賃貸借契約又は運営委託契約を同条件で継続できなくなった場合、また中途解約となった場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、長期の賃貸借契約等の安定的な収益が確保できる契約形態による出店を推し進めることで、当該リスクの低減を図っております。

 

④ 保有物件の不動産リスク

 当社グループが運営しているホテルでは、当社グループが土地と建物を保有している物件や土地を賃借し建物を保有している物件があります。当該保有物件については、災害等によりホテル運営が行えなくなった場合や物件に被害が発生した場合、並びに不動産市況が悪化した場合などに減損などの損失が発生する可能性があります。

 

⑤ 食中毒等の事故

 当社グループの運営するホテルは、安全衛生には充分な配慮を行っておりますが、万が一に事故が発生した場合などに、一時的な営業停止や評判の悪化により、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは年間を通してホテルを運営しており、当該事業等のリスクは、常時顕在化する可能性があります。当社グループでは、事故防止を徹底するとともに、事故が発生した場合の対応方法を定め業績への影響の低減を図っております。

 

⑥ 海外事業

 当社グループがフィリピンにおいて運営するホテルは、海外拠点であることによる特有のリスクがあります。同国の政治情勢、インフレーション、金利動向などが不安定となり当該海外拠点の経済全体に悪影響を与えるリスクがあります。また、急激な為替変動が当社に不利益を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 情報システム・情報管理

 当社グループでは、円滑な業務遂行のためIT機器、情報システムを導入しております。事故、災害、人為的ミス等により、IT機器、情報システムの機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの事業運営に重大な影響を与えるリスクがあります。また、事故等の被害状況に応じて対策のための費用が発生する可能性があります。

 

 不動産事業につきましては、景気後退や供給過剰等による賃料水準の低下や不動産市況の悪化などにより保有不動産の資産価値が減少することがあります。その場合、保有不動産の評価損、減損などにより損失を計上する可能性があります。また、不動産開発事業につきましては、規制当局からの許認可の取得の遅延、建築コストの上昇、開発スケジュールの遅延、不具合の発生等により、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 当社グループは、複数の金融機関と借入契約を締結しております。当該借入契約の一部において財務制限条項が付されており、事業活動をする上で、これらを遵守する必要があります。なお、これらの財務制限状況に抵触することとなった場合には、借入先金融機関からの請求により、当該借入れについての期限の利益を喪失する可能性があり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、各金融機関との交渉を行い、財務制限条項に抵触することとなった場合にも、期限の利益喪失の権利行使をしない旨の同意を得るように努めます。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社グループは、株主への還元手段として配当を行うことが重要であると認識しております。当社では、新たに中期経営計画(2024年度から2026年度)を策定し、株主還元の方法として、業績に応じた利益還元を当社の配当政策の基本方針とし、2027年3月期までに連結配当性向を30%とする目標を掲げております。

 当社は、大変遺憾ながら2008年3月期を最後に過去16期にわたり無配が継続しておりますが、早期の復配の実現を優先課題と位置付け、今後の業績見込みを踏まえて2025年3月期末の配当予想を1株当たり3円(連結配当性向25.3%)として復配を行う予定としております。

 当社グループでは、当社グループの成長戦略の着実な実施により収益力の向上と財務体質強化を推し進め、2026年3月期以降も継続的かつ安定的な配当に向け取組んでまいります。なお、実際の配当につきましては、2025年3月期の業績等により修正される可能性がございます。

 内部留保金につきましては、当社の財務体質の強化を図りながら企業価値の最大化を図るべく、当社グループのホテル運営プラットフォームの拡大のための成長資金、スポンサーグループとの共同投資の資金などに充当する所存であります。

 当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。よって、中間配当と期末配当の年2回の剰余金を配当することが可能であり、配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。