リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業リスク
① 国内スポーツ小売業界の市場動向について
当社グループが属するスポーツ・レジャー用品業界におきましては、景気や個人消費の動向など国内の経済状態が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
世帯収入が伸びない中で生活必需品などの値上がりが続く場合には、スポーツ・レジャー用品への支出が抑制されることが考えられます。その他、既存のスポーツ・レジャー用品販売業者に加え、異業種からの新規参入企業や、インターネットショップ等の新たな業態との競争も生じている他、ナショナルブランドメーカーも消費者への直接販売(DtoC)を拡大するなど、競争環境は激しくなっております。
当社グループといたしましては、「スポーツデポ」「ゴルフ5」の更なる専門性強化、アウトドアに特化した専門店である「アルペンアウトドアーズ/マウンテンズ」の拡大による競争力の向上、マーケティング活動の推進による仕入数量の適正化および仕入先との継続的な交渉による仕入価格の引下げ等を行い、収益構造の強化を図っております。
ただし、今後日本国内におきましては人口減少が予想されており、当社グループの想定を上回る速度で市場規模の縮小が進行し、他社との競争激化により事業競争力が相対的に低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 季節的変動、および自然災害の発生について
当社グループの商品は、ゴルフ部門、スポーツライフスタイル部門、競技・一般スポーツ部門、アウトドア部門、ウインター部門から構成されておりますが、全般的に季節的変動の影響を受けることがあります。当社グループは、近年、冷夏や猛暑、暖冬や集中豪雨といった異常気象とも言える天候要因での販売不振が度々発生し、店舗における収益性の低下も招いています。当社グループといたしましては、商品構成の変更、自主企画商品の拡充、商品力の強化、および仕入・在庫コントロール精度の向上等により季節的変動の影響を低減させることに努めております。ただし、想定を超えた異常気象や、大地震、台風等の大規模自然災害の発生は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 店舗の出退店について
当社グループは、一般スポーツ市場の開拓を目的とした「スポーツデポ」、ゴルフ市場の開拓を目的とした「ゴルフ5」、アウトドア市場の開拓を目的とした「アルペンアウトドアーズ/マウンテンズ」の出店を継続して行うとともに、市場縮小および他社との競合等により採算が悪化した店舗については、改装または閉鎖をすることにより、競争力の向上に取り組んでおります。
そのため、出店に伴うオープン前の人件費、広告宣伝費および設備投資による減価償却費等の負担増により、当社グループが想定した売上高を確保できない場合には、収益性が低下する可能性があります。また、退店時におきましては、退店した土地建物を転貸することにより解約損の発生の抑制に努めておりますが、新たな借主を確保できない場合には、店舗設備の除却損に加えて、店舗解約損が一時的に発生することとなります。
当社グループは、日本国内で事業を展開しておりますが、売場面積が1,000平方メートルを超える新規出店および増床については、大規模小売店舗立地法の規制を受けており、都市計画、交通、地域環境等の観点から配慮を求められております。
当社グループにおいては、売場面積が1,000平方メートルを超える店舗の出店が中心であるため、これらの調整過程の中で、計画通りの出店もしくは増床が出来ず、出店計画の変更、延期等が発生する可能性があります。
④ 消費者の嗜好変化について
当社グループはゴルフクラブ、スキー・スノーボード用品等、趣味性の高い商品を取り扱っているため、消費者の嗜好の変化による影響を受けております。
当社グループといたしましては、商品企画精度の向上を図るとともに、販売動向に沿った自主企画商品の開発、供給に努めることにより、消費者の需要喚起を図っておりますが、消費者の嗜好の変化に対応できず、適切な商品政策が実施できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人材確保に関するリスク
当社グループは約400店舗を運営しており、多数の社員・アルバイトが勤務をしています。スポーツ専門店として、スタッフの専門性や販売力が業績向上の大きな要因となっており、充分な人材確保が進まない場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ システム・情報セキュリティリスクについて
当社グループは、店舗POSを始め、自社ECサイト、商品の発注、在庫の管理など多岐に渡る情報システムやネットワークを活用しております。これらのシステムについては充分なセキュリティや障害対策を実施しておりますが、想定外の事象によって障害等が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業継続に関するリスク
当社グループは、日本全国での商品販売を主たる事業として展開していますが、それを支える本社機能は株式会社アルペンの本社がある愛知県名古屋市に集中しています。大規模な地震や台風などの自然災害、或いは火災や停電、通信ネットワーク障害等が発生し、本社の施設等に損害が生じて本社機能が停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループで販売する商品は、多数のお取引先様からのナショナルブランド商品と自社が工場に生産を発注するプライベートブランド商品で構成されています。従いまして、大規模な自然災害の発生や世界的な感染症の蔓延などにより商品調達やサプライチェーンの寸断が発生する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)財務リスク
① 資金調達リスクについて
当社グループでは、安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社グループがこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の変動について
当社グループは、過年度より、資産価値が低下したリゾート施設等の固定資産の売却・除却、関係会社株式の評価減および減損会計の適用等、財務体質および収益性の改善に取り組んできたことにより、財務体質の改善が相当程度進んでいるものと認識しております。
ただし、当社グループは、業態上、総資産に占める有形固定資産の比率が相対的に高いことに加えて、今後におきましても新規出店等により、当該資産の構成比率は高まるものと考えております。そのため、店舗設備等の収益性の低下、地価等の下落等が生じた場合には、損失が発生する可能性があります。
③ 為替変動の影響について
当社グループは、価格競争力のある商品調達を行うことを目的として、一部の商品を海外から直接、もしくは海外メーカーの日本法人等から間接的に仕入れております。
当社グループは為替変動リスクを抑制するために、為替予約等のヘッジを行っておりますが、為替レートが急激に変動した場合には、仕入原価の上昇要因となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 敷金保証金の回収可能性について
当社グループは土地所有者との間で長期賃借契約を締結し、主に店舗用地を確保しておりますが、店舗閉鎖等、当社グループの事情による中途解約については、出店時に支払った敷金保証金が返還されない場合があります。さらに、出店後の土地所有者の信用状態が悪化した場合においても、敷金保証金が返還されない可能性があります。
(4)コンプライアンスリスク
① 個人情報の取り扱いについて
当社グループにおいては、インターネット通販顧客およびアルペングループメンバーズ会員等の個人情報を有しているため、個人情報保護規程の整備、従業員の教育、個人情報の漏洩防止対策等の安全対策をとり、個人情報の漏洩の防止に取り組んでおります。
ただし、顧客情報が流出し、当社グループの信用力が低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 製造物責任について
当社グループは、国内外の工場で厳格な品質管理を行い、各種製品を製造していることに加えて、万一の場合に備えて製造物責任賠償に係る各種保険に加入しております。
ただし、大規模なリコール等につながる製品の欠陥が生じた場合には、加入している保険の補償額限度内で賠償を賄える保証がないだけでなく、多額のコストの発生、当社グループの信用力の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社グループは、消費者の健康で豊かな生活の実現に貢献することを通じて、将来にわたっての企業体質の充実と事業展開の拡大を図り、株主に対する利益還元と自己資本利益率の向上を基本方針としております。
配当につきましては、安定的かつ継続的な配当を実施することを基本とし、業績の進捗状況に応じて配当性向を勘案のうえ、株主に対し積極的な利益還元を行う方針であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり50円の配当(うち第2四半期末配当金25円)を実施いたしました。
内部留保資金につきましては、今後予想される小売業界内における競争の激化に対処すべく、経営基盤の更なる充実・強化のため有効投資に活用する方針であります。
当社は、第2四半期末配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としておりますが、このほか、基準日を定めて剰余金の配当を行うことができることとしております。なお、これらの剰余金の配当の決定機関は取締役会であります。
当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨定款に定めております。
なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は次のとおりであります。
決議年月日 |
配当金総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年2月7日 |
963 |
25 |
取締役会決議 |
||
2024年8月23日 |
963 |
25 |
取締役会決議 |