リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの事業における市場について
① リユース市場
リユース市場は、リユースへのニーズが底堅いことに加えて、サステナビリティへの取り組みが求められるにつれ、循環経済の一環として参入する企業の増加が続き、市場規模は拡大が続くものと思われますが、同時に競争が急激に過熱した場合は、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
② ゴルフ用品市場
ゴルフ用品市場は、市場内競争に加えて他レジャー市場との競争が続くものの、コロナ禍ほどではないにしろゴルフ人気は安定して推移し、短期的には市場規模に大きな変化は起こらないものと思われますが、競争が急激に過熱した場合は、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(2)外部環境の影響について
① ゴルフに関する環境
当社グループの取り扱い商材の中心であるゴルフ用品は嗜好品であり、外部環境の影響を受けやすいという特徴があります。また、プロゴルフツアーの盛況度、ヒット商品の有無、流行及びゴルフ競技に関するルール改正などは、いずれも消費者の購買行動に与える影響度が大きく、当社グループは常にゴルフに関する各種動向の把握に努めております。しかしながら、ゴルフに関する環境が急激な変化に見舞われる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 気候など自然に関する環境
近年、甚大な自然災害が幾度となく発生しており、今後も猛暑、台風、豪雨及び地震などによる自然災害が発生する可能性があります。屋外スポーツであるゴルフ関連市場における気候変動の位置付けは年々重要度が増しており、自然災害の発生によりゴルフのステークホルダー並びに当社グループの従業員及び店舗などが被害を被った場合、温暖化の進行によりゴルフ関連市場がその状況に適応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 感染症に関する環境
新型コロナウイルスやインフルエンザに代表される感染症は今後も流行が懸念され、感染症の流行により以下などの状況となる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・国又は自治体による休業要請などに伴う営業自粛又は時短営業により、通常通りの店舗営業が困難な場合
・緊急事態宣言発出などによる広域の外出自粛により、店舗の来店客数が減少する場合
・サプライチェーンが正常に稼働せず、メーカーなどからの商品供給が滞る場合
・店舗においてお客様と接触を控えることにより、通常通りの接客が困難な場合
・当社グループ内で集団感染が発生し、通常通りの営業活動が困難な場合
なお、新たに感染症が流行した場合は、今般の新型コロナウイルス感染症への対応をベースとして取り組んでまいります。
④ 人口に関する環境
日本は少子高齢化が進み、近年の人口は減少局面を迎えております。今後、日本の人口減少に伴ってゴルフ人口も減少し、ゴルフ関連市場が縮小する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)中古ゴルフクラブについて
① 買取り
「ゴルフドゥ!」の主力商品である中古ゴルフクラブは、新品商材と異なり店舗などにおける買取りが仕入れに相当し、流通量が限られるため仕入量の調整が難しく、かつ如何に良質な商材を確保できるかが重要な要素となっております。中古ゴルフクラブの在庫不足に対しては、直営店とフランチャイズ店をネットワークでつなぐ在庫共有システム「まっすぐネット」を活用し対応を図っておりますが、中古市場における流通量不足に伴って、買取相場の高騰及び商品原価の上昇となった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 新品ゴルフクラブと中古ゴルフクラブの関連性
中古ゴルフクラブの販売価格は、新品ゴルフクラブの販売価格の影響を受けやすく、新品ゴルフクラブの値下げに伴う中古ゴルフクラブの相場下落により販売時の粗利益率が低下する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 中古ゴルフクラブの在庫状況
当社グループは、「ゴルフドゥ!」の直営店を展開するうえで「豊富な品揃え」を差別化戦略の柱としておりますが、中古ゴルフクラブの在庫確保が計画通りに進まず出店計画や販売計画を見直す場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)「ゴルフドゥ!」フランチャイズチェーンについて
① 「ゴルフドゥ!」フランチャイズシステム
「ゴルフドゥ!」フランチャイズシステムは、フランチャイズチェーン本部である当社とフランチャイズ加盟店が対等なパートナーシップと信頼関係に基づき共存共栄を図るため、それぞれの役割を担うものであります。当社は、フランチャイズ加盟店に対し直営店の運営で得たノウハウや商品を提供することと併せ、フランチャイズ加盟店の問題点を共有かつ解決に導くコンサルティングを行い、「ゴルフドゥ!」チェーンの発展に努めております。しかしながら、どちらか一方にでも不祥事などが発生し、「ゴルフドゥ!」チェーンのブランドイメージが毀損する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、フランチャイズ加盟契約は、当社又はフランチャイズ加盟店のどちらかによる事前告知がない限り自動更新され、フランチャイズ加盟店からの申し出に基づく契約期間中の解除は、当社とフランチャイズ加盟店の合意により認められます。なお、立て続けにフランチャイズ加盟店が契約解除に至った場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 「ゴルフドゥ!」フランチャイズ加盟店の出店
「ゴルフドゥ!」フランチャイズ加盟店の出店は、事前の綿密な市場及び物件調査ののち、当社の経営会議を経て出店場所と開店日が最終的に決定されます。しかしながら、フランチャイズ加盟企業(者)を含む外部環境の急変などにより計画通りに出店が進まない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)店舗の出店及び出店費用について
当社グループは、2024年3月31日現在で「ゴルフドゥ!」直営店(「ゴルフドゥ!NEXT」、子会社が運営するフランチャイズ店を含む)を25店舗(茨城県1店舗、栃木県1店舗、埼玉県6店舗、千葉県3店舗、東京都5店舗、神奈川県1店舗、兵庫県1店舗、山口県1店舗、福岡県2店舗、佐賀県1店舗、熊本県2店舗、大分県1店舗)及び「シューラルー」のフランチャイズ店を1店舗(栃木県)運営しており、出店の方針は「ゴルフドゥ!」は郊外のロードサイドに大型店舗、「ゴルフドゥ!NEXT」は「ゴルフドゥ!」を上回る大型店舗、「シューラルー」はショッピングモール内としております。出店に際しては、綿密な調査による優良物件の確保を目指しておりますが、立地、賃料及び面積など全ての条件を満たす物件は限られ、出店計画の遅れや想定外となる費用などが発生する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、出店費用は、主に利益の内部留保と金融機関からの融資で賄う方針ですが、計画通りの資金調達が困難で出店計画が変更となる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)敷金及び保証金について
当社グループの本社、営業所、物流センター及び直営店などの不動産物件は、建設協力金方式を含む賃借が基本となっております。賃貸借契約に際しては、賃貸人に敷金及び保証金を差し入れており、直営店など不動産物件の賃借の増加に伴い、敷金及び保証金の残高は増加する可能性があります。なお、当敷金及び保証金は期間満了などによる賃貸借契約解消時に、各物件の契約に従い返還されることになっておりますが、当社グループに起因しない賃貸人側の諸事情により、その一部又は全額が回収できなくなる場合や、契約満了前の当社グループの都合による中途解約によって違約金の支払が必要となる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)法的規制について
① 古物営業法
当社グループは、中古ゴルフクラブなどの古物を取り扱うにあたり、「古物営業法」を遵守しております。古物である中古のゴルフクラブやウェアの買取り及び販売を行う際には、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を得ることが義務付けられており(同法第5条)、当社グループの「ゴルフドゥ!」直営店並びに「ゴルフドゥ!オンラインショップ」などのECサイト及びECモール店舗は、埼玉県で古物商の営業許可を取得しております。また、米国のThe Golf Exchange,Inc.は、カリフォルニア州の「Secondhand Dealer License」を取得しております。
免許 |
監督官庁 |
番号 |
古物商許可証 |
株式会社ゴルフ・ドゥ 埼玉県公安委員会
スクエアツウ・ジャパン株式会社 埼玉県公安委員会 |
第431010007249号
第431060030268号 |
なお、「古物営業法」では、買い取った品が盗品であると判明した場合、1年以内であればこれを無償で被害者に回復することとされており(同法第20条)、被害者に当該品を返還する場合は損失が発生いたします。また、同法に違反し古物商許可の取り消しや営業停止などの処分及び罰則を科される場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 中小小売商業振興法 / 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)
当社グループは、「ゴルフドゥ!」のフランチャイズチェーン展開を行うにあたり、「中小小売商業振興法」及び「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」を遵守しておりますが、同法に違反し営業停止などの処分及び罰則を科される場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、フランチャイズ加盟店とより強固な信頼関係の構築に努めておりますが、フランチャイズ加盟店からフランチャイズ契約に関する訴訟が提起された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定商取引に関する法律
当社グループは、自社ECサイトである「ゴルフドゥ!オンラインショップ」及び「ゴルフウェアユーズド」並びにECモールに出店する「GOLF J-WINGS」、「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」及び「メルカリShops ゴルフドゥ!」を運営するにあたり、「特定商取引に関する法律」を遵守しておりますが、同法に違反して営業停止などの処分及び罰則を科される場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)個人情報保護について
当社グループは、各種小売り業を運営するにあたり、「個人情報保護法」を遵守しております。中古ゴルフクラブなどの古物を買取る際には、「古物営業法」により売主の住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書の交付を受けることとされており(同法第15条)、これらの個人情報は帳簿などに記載又は電磁的方法により記録し管理しております。また、「ゴルフドゥ!」並びに「ゴルフドゥ!オンラインショップ」などのECサイト及びECモール店舗において、当該会員の住所、氏名、生年月日、性別、電話番号及びメールアドレスなどを取得して販売促進などに利用しており、当該会員の個人情報も帳簿などに記載又は電磁的方法により記録し管理しております。なお、当社は一般財団法人日本情報経済社会推進協会が付与する「プライバシーマーク(Pマーク)」を2007年に取得しており、個人情報を適切に管理及び運用する体制を整備し、加えて当社グループの従業員に対し「個人情報保護」に関する教育を定期的に実施しております。しかしながら、不測の事態によって個人情報が外部へ流出し、当社グループの信用低下や損害賠償請求などの状況となる場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があり、さらには当社グループのみならず、フランチャイズ加盟店や個人情報の取り扱い委託先で、外部流出などの事故が発生した場合においても、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)不正利用防止について
自社ECサイトである「ゴルフドゥ!オンラインショップ」並びにECモールに出店する「GOLF J-WINGS」、「ゴルフ ドゥ 中古クラブ楽天市場店」及び「メルカリShops ゴルフドゥ!」のクレジットカード決済において、クレジットカード情報の盗用などによる不正利用(利用者成り済まし)による被害を受ける場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、発生の可能性は低いと考えますが、クレジットカード会社など外部における原因により当社グループが被害を受ける場合においても、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループ内での不正については、不測の事態に備え十分な不正防止対策を構築しており、極めて発生の可能性は低いと考えます。しかしながら、当社グループ内で不正が発生し当社グループの財務などの状況が悪化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)子会社の業績について
スクエアツウ・ジャパン株式会社と米国にあるThe Golf Exchange,Inc.は、ゴルフ用品の卸売りを主な事業目的としており、米国商品を中心に取り扱っております。しかしながら、米国における経済をはじめとする社会情勢や社会環境の変化、主要な仕入取引先及び販売取引先の業績や体制などの変化、為替相場の急激で大きな変動が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)人事について
① 採用及び離職
当社グループは、「ゴルフドゥ!」店舗を始めとし、各事業運営の維持、発展にあたり、採用を最重要課題と捉えており、積極的な採用活動を行っております。しかしながら、小売り業における採用は新卒、中途を問わず熾烈な争奪戦が繰り広げられており、目標とする採用数に達しない場合、求める水準の人材を採用できない場合及び転職などにより離職が相次いだ場合は、「ゴルフドゥ!」店舗を中心として事業運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 育成
ゴルフショップに対する顧客の要求水準は年々高まっており、当社グループは顧客の要求水準を満たすため、独自の人材育成プランを導入しております。しかしながら、顧客の要求水準を満たすサービスなどを提供しうる人材の育成が進まない場合は、「ゴルフドゥ!」店舗の運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 引き継ぎ
企業の成長には次世代へバトンをつなぐことが欠かせません。しかしながら、質、数を問わず人材難により、知識、技術、ノウハウなどを次世代に引き継ぐことが進まない場合は、営業部門、管理部門を問わず事業運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)為替相場の変動について
当社及びスクエアツウ・ジャパン株式会社は、米国にあるThe Golf Exchange,Inc.から商品を輸入しているため、特に米ドル/円の為替相場に急激で大きな変動が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)市場金利の変動について
当社は、金融機関からの融資により資金を調達しているため、市場金利の変動に伴って貸出金利に大きな変動が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主への利益還元を経営の重要課題と位置付け、利益配当につきましては、事業展開と経営基盤の強化に必要な内部留保の充実に努めつつ、業績に応じた配当を中間配当と期末配当の年2回行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり5円の配当を実施することを決定いたしました。この結果、当事業年度の配当性向は△27.04%となりました。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、企業体質の充実強化及び今後の事業展開のための財源として利用していく予定であります。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年6月27日 |
12,532 |
5 |
定時株主総会決議 |