リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 投融資回収のリスク
当社グループは、今後の事業拡大及び収益力向上のため、企業の買収や子会社設立、アライアンスを目的とした事業投資等を実施する場合があります。当社グループは、投融資案件に対しリスク及び回収可能性を十分に事前評価し、投融資を行っておりますが、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予測することは困難な場合があり、投融資先の事業が計画通りに進展しない場合や、効率的な経営資源の活用を行うことができなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、今後もシナジーを最大限に活用し、グループ全体の企業価値向上を目指してまいりますが、事業展開が計画通りに進まないことに伴う収益性の低下や時価の下落等に伴い、資産価値が低下した場合は、減損損失の発生や売却等により、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(2) 景気の下振れによる不況リスク
日本における将来の景気減退又は経済減速等の経済不振は、当社グループが事業展開する乳製品や調味料などの商品・外食サービスに対する購買力や需要に影響を与える可能性があります。現在、為替の円安進行や国際情勢の不安定化による原材料・燃料等の高騰により、一時的に景気の後退に至っておりますが、今後も、様々な外的要因により、景気の下振れによる不況に陥った場合、当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。当社グループは、各種のコスト削減策を実施することにより収益基盤を強化しております。
(3) 自然災害に係るリスク
当社グループ子会社の運営する外食チェーン店舗(販売事業)及び工場(生産事業)が、日本国内はもとより海外にも点在しており、これらが台風・地震・疫病などの自然災害にさらされる可能性があります。これらの災害に見舞われた場合は、店舗の休業や工場の生産停止を余儀なくされるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(4)海外事業に係るリスク
当社グループでは、欧州地域(英国、オランダ、ドイツ)を中心に事業展開を行っております。ウクライナ情勢等の紛争、政治的変動や為替相場変動のほか、各国の制度・習慣・宗教の違いなどにより、予期しえない事象が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(5) 原材料の調達に係るリスク
販売事業におきましては、当社が運営する外食チェーン店で使用する原材料は、大部分が農業生産物であり、その種類も多種多様にわたります。そのため天候不順や食用家畜に対する伝染病の流行などが、原材料調達を困難にする可能性があります。また、政府による緊急輸入制限措置(セーフガード)の発動など、需給関係の変動を伴う事態が生じる可能性があります。流通事業及び生産事業におきましては、原材料及び商品の多くを海外から調達しております。そのため、調達国における紛争、需給状況の変化や法律及び規制の変更、社会的混乱等により、調達コストの上昇や供給不足となる可能性があります。また、当社グループが調達する主要原材料や重油等のエネルギー資源は、その価格が市況により変動する可能性があります。これらの結果当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) 食材の安全及び衛生管理に係るリスク
異物混入、伝染病(BSEや鳥インフルエンザ等)及び食品偽装問題など、食の安全に対する社会の関心が高まっております。当社が事業を継続するためには、安全・安心な食材を確保する努力が求められています。しかし、何らかの要因により食品事故等が発生した場合、当社のブランド・イメージが低下するほか損害賠償を求められることがあり得ます。このような事情が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(7) 出店政策に係るリスク
販売事業におきましては、商圏調査や賃料、投資後のシミュレーションなどを綿密に行った上で採算性を重視しながら出店を行っておりますが、景気動向や消費者のし好の変化などにより店舗が不採算化する可能性があり、これが当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8) 法的規制に係るリスク
当社ブランドで運営する店舗は、食品衛生法の規定に基づき、所管保健所の飲食店営業許可を取得しております。万が一食品中毒等の事故を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取消、営業の禁止、もしくは一定期間の営業停止処分などの処分を受けることがありうるほか、被害者からの損害賠償請求を求められる可能性があります。その結果、当社グループ全体の信用を毀損することになり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能があります。
(9) 人材確保に係るリスク
当社グループでは今後の業容拡大に伴う適切な人材確保が必要であると考えております。一方で少子高齢化社会の進行に伴い、人材の確保が困難となる場合や、人材の育成が順調に進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(10) 製造技術の継承と技術者の育成
当社グループの基本理念の一つである「日本の伝統的で良質な食生活や食文化を守り、次世代に伝えていく」という考えのもと、醤油、味噌、漬物及び清酒等の伝統食品の製造技術を継承すべく、後継者となり得る技術者の育成を行っておりますが、人材不足等により継承が円滑にできない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(11) 新商品開発
食品業界における商品開発は非常に競争が激しく、同一カテゴリーにおいて類似した後発商品の相次ぐ発売や価格訴求等により、当社グループ商品の優位性が短期間で失われる可能性があります。また、開発した新商品が市場において一定の評価を得られない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(12) 個人情報の管理に係るリスク
当社グループでは、顧客からのアンケート情報や住所等の情報を収集し、顧客満足度の把握及びサービスの向上に努めており、これら個人情報とマーケティング活用し、出店につなげております。個人情報の管理には万全を期しておりますが、何らかの理由で個人情報が外部に漏えいした場合には、損害賠償の発生や社会的信用の低下により、当社グル―プの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は株主に対する利益還元を経営の重要政策の1つとして認識しており、安定的な経営基盤の確保と株主資本利益率の向上に努めるとともに、経営上可能な限り最大の範囲で安定配当を行うことを基本方針としております。
なお、当社は定款に「毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録ある株主又は登録株式質権者に対して、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当をすることができる。」旨を定めております。
現在、当社グループでは事業再生計画の着実な実行により経営基盤の改善を進めておりますが、為替相場を背景にしたインバウンド需要の拡大、持続的な賃上げや雇用情勢の改善を背景に、経済環境の緩やかな回復が続くものと期待される一方、地政学リスクに起因する供給不足や価格上昇、円安による物価上昇に伴い、消費者の生活防衛意識の高まりが懸念され、先行きは依然として不透明な状況であり、今後の事業環境や財務状況等を勘案した結果、現時点において財務体質基盤の強化を図ることが最重要であると考え、当期の期末配当は無配といたしました。
なお、A種種類株式につきましては、定款第13条の2の定めにより、当社は剰余金の配当を行うときは、当該配当に係る基準日の最終の株主名簿に記載又は記録されたA種種類株式を有する株主又はA種種類株式の登録株式質権者に対し、同日の最終の株主名簿に記載又は記録された普通株式を有する株主又は普通株式の登録質権者に先立ち、A種種類株式1株につき、A種種類株式の1株あたりの払込金額1,000,000円及び前事業年度に係る配当後のA種累計未払配当金の合計額に対し、A種優先配当年率を6%として算出される額の配当をすることとしております。なお、2024年3月31日を基準日とするA種種類株式の配当20,000千円を2024年6月28日に株式会社地域経済活性化支援機構に対して実行いたしました。