2025年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    175名(単体) 17,811名(連結)
  • 平均年齢
    43.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.7年(単体)
  • 平均年収
    7,587,846円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 2025年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

無線・通信

7,548

〔524〕

マイクロデバイス

3,403

〔391〕

ブレーキ

1,645

〔100〕

精密機器

2,326

〔675〕

化学品

381

〔64〕

繊維

2,193

〔457〕

不動産

27

〔12〕

その他

82

〔42〕

全社(共通)

206

〔40〕

合計

17,811

〔2,305〕

 

(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しています。

 

(2) 提出会社の状況

 2025年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

 

175

〔71〕

43.2

17.7

7,587,846

 

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

不動産

9

〔2〕

その他

7

〔29〕

全社(共通)

159

〔40〕

合計

175

〔71〕

 

(注)1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2 平均年間給与は賞与を含んでいます。

3 上記従業員には出向者136人及び組合専従者2人は含んでいません。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社の労働組合は日清紡労働組合と称しUAゼンセン製造産業部門に加盟しています。労働組合との関係は相互の信頼と協調精神とにより順調に推移しています。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

(i) 提出会社

会社名

管理職に占める女性労働者の
割合(%)

男性労働者の
育児休業取得率
(%)

労働者の男女の賃金の差異
(男性の賃金に対する女性の賃金
の割合)(%)

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期雇用
従業員

日清紡ホールディングス㈱ ※

11.8

100.0

62.8

70.6

33.7

 

 

(ii) 主要な連結子会社

会社名

管理職に占める女性労働者の
割合(%)

男性労働者の
育児休業取得率
(%)

労働者の男女の賃金の差異
(男性の賃金に対する女性の賃金
の割合)(%)

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期雇用
従業員

日本無線㈱

1.8

77.1

76.6

77.5

68.8

㈱国際電気

2.1

66.7

75.9

74.4

61.4

日清紡マイクロデバイス㈱ ※

3.7

52.6

74.5

81.1

63.4

 

(注)1 当連結会計年度における実績を記載しています。

2 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

3 管理職に占める女性労働者の割合については、出向者を出向先の従業員として算出しており、管理職が存在しない場合は「―」としています。

4 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。対象労働者が存在しない場合は「―」としており、過年度に配偶者が出産した男性労働者が、当連結会計年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。

5 労働者の男女の賃金の差異については、全労働者の総賃金及び人員数により平均賃金額を男女別に算出し、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を区分ごとに表示しています。なお、※を付している会社はパートタイム労働者について労働時間を基に換算した人員数を用いています。男女いずれかの労働者が存在しない場合は「―」としています。

6 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。

 

 

 

提出会社の労働者の男女の賃金の差異について

 

提出会社では、性別による格差がない報酬制度を運用していますが、現時点では管理職や管理職一つ手前の等級に占める女性の割合が低いことから男女の賃金差異が生じています。(図表1)

2030年度までに女性管理職比率を女性正社員比率と同等にすることを目指しており、2023年度より女性社員へのキャリアの検討機会やリーダー育成を目的とした「女性リーダー育成プログラム」を継続的に実施しています。その他、現在進めているジェンダーギャップの解消に資する取り組みにより、管理職に占める女性の割合を適正に高めることで、男女の賃金差異の解消に繋がると考えています。女性管理職比率と女性正社員比率の推移は図表2の通りです。

なお、この取り組みの詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略 ③人的資本・多様性への取組」に記載しています。

パート・有期雇用従業員における男女の賃金差異の原因は、賃金が高いシニア社員層や嘱託社員における男女比率の違いです。特に、男性の中に賃金水準の高い特定の労働契約者が含まれていることが賃金差の主な理由です。

図表1


 

図表2


サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)ガバナンス

当社グループは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のコーポレート・ガバナンス体制及びリスク管理体制を構築しています。取締役会は、サステナビリティに関連するリスク及び機会についても、このコーポレート・ガバナンス体制の中で監視及び管理等の統制を行っています。

 

(2)戦略

当社グループでは2008年度より「CSR計画」を策定し、2016年度からKPIを定めて活動を進めてきました。また、2022年度からは「サステナビリティ推進計画」と名称を改め、社会と事業のサステナビリティの実現を目指し全従業員が目標達成に向けて活動しています。2024年10月に、「第6期サステナビリティ推進計画(2025~2027年度)」を策定するとともに、中期環境目標(達成年度2030年度)の4項目の内、2024年度末時点で達成が見込まれた「温室効果ガス(GHG)排出量の削減」と「売上当たりの水使用量の削減」のKPIを上方修正しました。「第6期サステナビリティ推進計画」の社会分野の目標については、外部からの要求に対応するため、活動の充実を目指して取り組みを見直し、主に目標の拡充とKPIの引き上げを実施しました。また、環境分野の目標については、中期環境目標の達成に向けたマイルストーンとして、取り組みは第5期の内容を踏襲し、KPIの引き上げを実施しました。

 

①経営基盤強化(サステナビリティ全般)

2025年12月31日時点における経営基盤強化(サステナビリティ全般)に関する戦略として、次の5つの重要テーマを設定しています。

●人権の尊重

●環境負荷に配慮したビジネスの展開

●人財マネジメントと育成

●コーポレート・ガバナンスの実効性向上

●責任あるサプライチェーンの構築

 

それぞれの重要テーマに関する基本的な考え方は次の通りです。

●人権の尊重

当社グループでは人権を「人びとがそれぞれの多様な選択において豊かな人生を歩むことができる権利」と考えています。企業には、この権利を守るため、人びとがそれぞれの思う幸せを目指して選択する機会を保障する責務があります。当社グループは、人びとの安全で安心な生活環境を守る製品・技術・サービスを提供することで、今を生きる自分も含めた人びと、そして特にこれからを生きる子どもたちがそれぞれ幸せで豊かな人生を送ることができる「ウェルビーイング」な社会の実現を目指しています。

 

●環境負荷に配慮したビジネスの展開

当社グループは、企業理念「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」の具現化を通して、従業員の多様性を重視しながら団結を進め企業価値の向上を目指しています。行動指針に「環境負荷への認識と配慮」を掲げ、環境行動について深く理解し、積極的に実践・行動しています。環境保全、省エネルギー、代替エネルギーを実現する新製品やシステム提案はもとより、環境破壊や気候変動による災害など人間社会が直面する課題に対してもソリューションを提供し、安全かつ安心な暮らしに貢献していきます。

 

●人財マネジメントと育成

当社グループは多様な事業を展開しており、各社各様の人事戦略を実行していますが、グループ共通の目指す姿として、長期人事戦略「Long-Term Vision」を策定しました。当社グループの従業員が2030年に目指す姿として、「全ての従業員が変化を楽しみ、高い目標に果敢に挑む」を掲げています。そのマインドと行動が“「挑戦と変革」の実践による継続的な価値”を生み、事業戦略の実現と利益創出、更には事業活動を通じた社会貢献(地球と人びとの未来を創る)につながると考えています。

 

●コーポレート・ガバナンスの実効性向上

当社グループは、グローバル経営とキャッシュフロー経営をベースに、コーポレート・ガバナンスなど組織文化の質的向上と、ROE重視の収益力向上や株価重視の経営など数値・業績面の量的成長を並行して実現しつつ、企業価値を中長期的に高めていくことが必要であると考えています。経営判断の原則を踏まえたリスクテイクのもと、迅速・果断な意思決定により、経営の効率性向上と透明性確保の両立、説明責任の強化、企業倫理の徹底を図り、企業理念に立脚したコーポレート・ガバナンスの確立に取り組みます。

 

●責任あるサプライチェーンの構築

当社グループは、行動指針に「コンプライアンスの徹底」、「公正かつ透明な取引」を掲げ、社会的ルール・企業倫理など広い範囲において常に公正で誠実に行動すること、および、健全な取引関係を通じた対等なパートナーとしてサプライヤーさまを尊重することを定めており、サプライチェーン全体でサステナブルな取引を目指しています。

当社グループのサプライチェーン全体でサステナビリティに取り組むため、その基本となる考えを法令遵守、公正取引、情報セキュリティ、環境保全、人権、安全衛生、品質・安全などの側面からまとめた「日清紡グループ サステナブル調達基本方針」を2015年に制定しました。近年の社会的要請に応じた見直しを行い、2024年に基本方針を改定し、同時に「日清紡グループ サステナブル調達ガイドライン」を制定しました。

当社グループの基本方針とガイドラインをサプライヤーさまにご理解いただきながら、サステナブル調達の取り組みを推進しています。

 

なお、重要テーマごとの主な取り組みについては、(4)指標及び目標に記載の通りです。

 

 

②気候変動対策

2025年12月31日時点における気候変動対策に関する戦略は次のとおりです。

 

●TNFD対応の概要

日清紡グループでは、自然関連課題による事業機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応を行うことが重要と考え、2024年度より、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に準じたリスク評価を実施しています。

自然関連課題の分析評価は、今後計画的に分析対象範囲の拡大、シナリオ分析等を実施し、分析の高度化を図ることを予定しています。また、今般の分析で特定された自然関連リスクについての対応策の検討、追加的な目標、管理指標の設定を検討する予定です。

日清紡グループでは、TNFDに基づくリスク評価を通して、自然関連課題が将来、日清紡グループに及ぼすリスクや機会を特定し、事業戦略の策定に活かすことで、より柔軟で堅牢な戦略を立案し、将来のリスクに対するレジリエンスを高めていきます。

 

●ガバナンス

日清紡グループでは、自然に関するリスク・機会に適切に対応するため、ガバナンス体制の中で仕組みを整備し運営しています。自然関連課題の責任は社長、執行役員で構成される経営戦略会議などの会議体が負い、自然関連課題への対応について議論するとともに、目標とその進捗状況を監督しています。その内容は適時取締役会に報告されています。

 

●リスクと影響の管理

日清紡グループは、重要な自然関連課題の依存・影響、およびリスクを特定するため、2024年度より無線・通信事業、ブレーキ事業、化学品事業、マイクロデバイス事業、精密機器事業、繊維事業の6事業を対象として、以下のステップで分析を行いました。

自然関連リスクの評価における第1ステップとして、分析対象とした事業による自然に対する依存と影響を、自然リスク評価ツールENCORE※により評価しました。次に分析対象とする原材料を選定した上で、事業に関連するバリューチェーン全体のリスク調査および評価を行いました。これらの評価結果を踏まえ、日清紡グループにおける自然関連リスクの重要課題を特定しました。特定した重要課題に対しては、日清紡グループの製造拠点の周辺および、バリューチェーンの上流における潜在的なリスクの懸念のある地域を分析しました。潜在的なリスクの懸念のある地域の分析に関する詳細は、「戦略」をご確認ください。

※ 国際金融業界団体NCFAや国連環境計画 世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCSC)が、自然関連リスクに関するさまざまな既存ツールの結果を一括で評価できるよう開発したツール。

 


 

 

●戦略

概要

日清紡グループは事業が多岐にわたるため、事業規模等を考慮し、2024年度は対象事業のバリューチェーンにおける重要な自然関連の依存、影響、リスク、機会等を分析しました。分析にあたっては国連環境計画が提供している自然リスク評価ツールなども使用しています。

なお、TNFDのフレームワークでは、先住民や地域コミュニティが自然環境の重要な権利者であると位置づけられており、自然そのものに加え、権利者の人権への配慮も重要とされています。

 

1. 自然資本への依存と影響の把握

TNFDの分類を参照し、事業別に上流・下流を含むバリューチェーン上における潜在的な依存と影響の内容について、分析を実施しました。分析にあたっては自然リスク評価ツールENCOREを使用しました。

 


 


 

2. 自然関連課題が事業に影響しうるリスク

TNFDにおける自然関連リスク分類を参照し、日清紡グループの事業に影響を及ぼしうる自然関連のリスクと機会を検討しました。検討にあたってはバリューチェーン上の上流、直接操業、下流それぞれにおいて、どのようなリスク、機会があるかを調査しました。

なお、今回の分析においては、初期的な分析として、リスクの分析に焦点を当てて実施しています。今後は、今回特定されたリスクをベースにシナリオ分析などを実施し、日清紡グループにとってのリスクをより詳細に分析していくとともに、機会についても検討を進めていきます。

 


 

3. 自然関連の重要課題

依存と影響、リスクと機会に関する調査・分析結果を踏まえて、外部ステークホルダーの関心を表す「自然リスク評価ツールENCOREを用いた依存と影響の評価結果」を縦軸に反映し、リスクが事業に与える影響度の評価結果を「事業との関係性」として横軸に反映して、2軸でマテリアリティマップを整理しました。マテリアリティマップから、「水・土壌・大気汚染」、「生態系の改変」、「水の利用」の3つを日清紡グループにおける自然関連の重要課題として特定しました。

「水・土壌・大気汚染」、「生態系の改変」については特に分析対象の事業で使用される原材料の調達において、依存、影響、リスクの面で強い関連性があると特定しています。また、「水の利用」についてはマイクロデバイス事業の半導体製造や繊維事業の綿花調達において強い関連性があると特定しています。

 


 

 

4. 潜在的なリスクの懸念のある地域の分析

日清紡グループの直接操業、バリューチェーン上流における企業活動が、特定された重要課題に関してセンシティブな場所に位置しているかを評価しました。直接操業については日清紡グループの国内外68拠点について、バリューチェーン上流は主要な鉱物資源および綿花について分析し、潜在的なリスクの懸念のある地域を特定しました。

各バリューチェーンの関連する重要課題や原材料に応じて評価拠点や使用ツールを選択し、地域ごとの潜在的なリスクの懸念の有無を識別しています。

 

バリューチェーンごとの関連する課題や原材料に応じた地域性分析の手法

バリュー

チェーン

関連する重要課題

関連する原材料

地域性分析の手法

上流

水・土壌・大気汚染※

主要な鉱物

・評価拠点:原産国における鉱山、製錬所
・使用ツール:IBAT/Water Risk Filter 等
・評価方法:拠点周辺の水質が高い、かつ生物多様性重要地域の有無を評価

上流

水・土壌・大気汚染※

農作物(綿花)

・評価拠点:綿花の生産地域
・使用ツール:IBAT/Water Risk Filter 等
・評価方法:拠点周辺の水質が高い、かつ生物多様性重要地域の有無を評価

上流

生態系の改変

主要な鉱物

・評価拠点:原産国における鉱山
・使用ツール:IBAT/Global Forest Watch 等
・評価方法:鉱山周辺で森林破壊が進行している、または生物多様性重要地域の有無を評価

上流

生態系の改変

農作物(綿花)

・評価拠点:綿花の生産地域
・使用ツール:IBAT 等
・評価方法:生産拠点周辺の生物多様性重要地域の有無を評価

上流

水の利用

農作物(綿花)

・評価拠点:綿花の生産地域
・使用ツール:Aqueduct 等
・評価方法:事業拠点流域における水資源量に対する取水量の割合を評価

直接操業

水・土壌・大気汚染※

すべて

・評価拠点:当社グループ拠点
・使用ツール:IBAT/Water Risk Filter 等
・評価方法:拠点周辺の水質が高い、かつ生物多様性重要地域の有無を評価

直接操業

水の利用

すべて

・評価拠点:当社グループ拠点
・使用ツール:Aqueduct 等
・評価方法:事業拠点流域における水資源量に対する取水量の割合を評価

※ 製造業における直接操業(工場・研究所等)、バリューチェーン上流の鉱物資源の採掘、農作物の栽培の汚染関連の影響では特に水質汚染が問題となるため、優先地域の分析においては水質汚染に関する分析に絞って実施

 

 

 

分析結果(バリューチェーン上流)

バリューチェーン上流の原材料の調達では、主要な鉱物資源および綿花を対象に分析を実施しました。

主要な鉱物資源については、一部で貿易統計情報による推定も用いつつ、バリューチェーン上流の資源調達国およびその主要鉱山(水質汚染については製錬所も含む)を推定し、資源調達国の「生態系の改変」、「水質汚染」について分析を実施しました。

結果、中国、オーストラリア、カナダ、ブラジル、ギニア、スウェーデンの各国の一部地域において、「生態系の改変」と「水質汚染」の双方の潜在的なリスクの懸念が、インド、インドネシアおよびジャマイカの一部地域において、「生態系改変」の潜在的リスクの懸念が確認されました。

なお、鉱物資源のうち、金については産出国によっては小規模に分散して採掘している特徴も見られ、そのような場合は調達先の国レベルでの分析としています。金に関しては、中国、ロシア、ガーナ、カザフスタン、コロンビアの各国において国内各地で広く「生態系改変」、「水質汚染」の潜在的なリスクの懸念が確認されました。また、オーストラリアおよびカナダの一部の鉱山で「生態系改変」、「水質汚染」の潜在的なリスクの懸念が確認されました。加えて、メキシコの一部の鉱山で「生態系改変」の潜在的なリスクの懸念が確認されています。

綿花については、主要な調達先である3カ国(アメリカ、ブラジル、オーストラリア)のいくつかの州の一部(アメリカ:カリフォルニア州、テネシー州の一部、オーストラリア:クイーンズランド州の一部、ブラジル:マットグロッソ州、バイーア州、ゴイアス州の一部)で栽培に伴う「生態系の改変」、「水質汚染」、「水の利用」の各テーマで潜在的なリスクの懸念がある地域が確認されています。

 

分析結果(直接操業)

「水質汚染」および「水の利用」に関して、日清紡グループの国内外直接操業拠点68カ所から潜在的なリスクの懸念がある拠点を特定しました。

「水質汚染」については東アジアの2拠点、「水の利用」に関しては東アジア、東南アジアを中心に16拠点で潜在的なリスクの懸念がある拠点が確認されています。

 

●指標と目標

指標

日清紡グループでは、自然関連の事業機会の取り込みとリスクの低減を目指しています。自然関連リスクを低減するため、温室効果ガス排出量や、温室効果ガス以外の大気汚染物質の排出量、水使用量、生物多様性保全活動の実施の指標を設定し、自然関連課題に対する対応策を推進しています。今後、自然関連課題の分析結果を踏まえ、TNFDに基づく指標の開示を準備していきます。

 

目標

日清紡グループは、企業理念を実現するために提供する価値・姿勢を定めているVALUEの一つとして、「地球環境にやさしい製品やサービスを提供し、すべての人びとにとって安心・安全な社会を誠実に実現」することを掲げています。また、「行動指針」に「環境負荷への認識と配慮」を掲げています。生物多様性保護への認識を深め、生物多様性保全活動を推進するため、日清紡グループの環境目標・KPIに温室効果ガス排出量削減、水使用量の削減、生物多様性保全活動の強化を掲げ、計画的に対策を講じています。

2024年度を達成年度とする「第5期サステナビリティ推進計画」における活動状況と実績を基に目標・KPIの見直しを行い、2027年度を達成年度とする「第6期サステナビリティ推進計画」の活動を2025年度よりスタートしました。

 

 

③人的資本・多様性への取組

2025年12月31日時点における人的資本・多様性への取組に関する戦略は次のとおりです。

 

人財育成

●経営幹部後継者の育成

・選抜型のリーダーシップ開発プログラム

目指す人物像を、顧客価値創造をリードする「共創型リーダー」に設定し、選抜型リーダーシップ開発プログラムを実施しています。

①アドバンス(執行役員級)、エグゼクティブ(本部長・部長級)プログラム

アドバンス(執行役員級)では、経営知識・マインド・役割行動を習得する選経営学講座・実践実学講座等を実施しています。

エグゼクティブ(本部長・部長級)では、経営学講座・実践実学講座に加え、技術知識と経営能力を兼ね備えた経営人財を育成するために技術経営大学院(MOT)や事業創出力・突破力を習得する実践型ワークショップを実施しています。

これらは、グループ共通のグローバルジョブグレードによる主要ポストの後継者候補リストを毎年作成するとともに、グレード及び後継者候補リストとプログラム受講を関連づけて実施しています。

②ミドル(課長級)、ベーシック(次世代リーダー層)プログラム

これらの下の層では各社推薦でミドル、ベーシックのプログラムも実施しています。ミドル(課長級)では、マネジメントプログラム、財務リーダーシッププログラム、マーケティングを社外派遣で実施、社内では事業力強化ワークショップを実施しています。そしてベーシック(次世代リーダー層)では、リーダーシッププログラムを実施しています。

 

優秀な人財の採用・定着

●優秀な人財の獲得および活躍促進

ビジネス環境が急速に変化する現代において、当社グループでは、従業員一人ひとりのスキルや専門性、経験を最大限に活かしながら、事業環境の変化や事業計画に即時に対応できる柔軟かつ戦略的な人財運営を目指しています。各事業・各職種に必要な経験・スキル・能力を明確に定義し、これらに基づいた採用・配置・育成をグループ横断的にすることで人財価値を最大化し、市場での競争優位性を確保してまいります。

人員年齢構成是正に向け、新卒に加えキャリア採用を強化しています。多様性の確保のために特に女性、外国人については積極的求人活動を実施したほか、優秀なキャリア採用者の獲得および活躍促進のため、以下の施策を実施しています。

① 採用競争力のある給与水準の維持

② 職務内容を明確にする役割等級制度

③ 勤務年数にかかわらず早期昇格を可能とする人事制度

④ さまざまな働き方や職業観に対応する複線型人事制度

⑤ テレワーク制度やサテライトオフィスなど働く環境の整備

⑥ キャリア採用者受入れ教育の充実とフォロー

⑦ 社員の知人などを紹介する社員紹介制度(リファラル制度)

⑧ 自己都合退職者に対しての再入社制度(リジョイン制度)

⑨ 勤続5年ごとに休暇と手当を支給する制度(ディスカバリー休暇制度)

 

 

ダイバーシティ&インクルージョン

エンゲージメントサーベイを活用した職場環境づくり

当社グループでは、価値観や行動のアップデートを当たり前とし、誰もがいきいきと自分らしく活躍できる組織を目指しています。その実現に向けて、①組織の状態、②個人の状態、③環境や制度の3つの観点から取り組みを進めています。そして進捗を確認するため、エンゲージメントサーベイを実施し、スコアや自由記述コメントから現状を分析し、継続的に風土改善活動を進めてまいります。

各社のトップとメンバーが一体となって取り組むため、各社にはサーベイ担当者を配置し、取り組み事例をグループ全体で共有しています。さらに、2022年より開始した心理的安全性に関する教育を継続的に実施し、全社員に共通の認識を浸透させていきます。

 

●ジェンダーギャップの解消(女性リーダー育成プログラムの実施)

女性活躍推進に関する課題を明確にするために女性社員とその上司に対してヒアリングを行ったところ、主に次の3つの課題が挙がりました。①経験を積むことと個別育成、②ロールモデルやパーツモデルの提示、③女性同士を繋ぐ社内ネットワークの充実です。

これらの課題に対処するため、当社では、早い段階からの育成と経験を積ませる取り組みを進めています。具体的には、管理職候補層や次世代層、さらには後輩を指導する立場の層に対して、「女性リーダー育成プログラム」を2023年から実施しました。プログラム終了後には、受講者の行動変容について上司にアンケートを実施し、昇格推薦状況や上司へのヒアリングを行い、その効果を確認しています。

 

●ジェンダーギャップの解消(管理職向け研修の実施)

今後は管理職向けアンコンシャスバイアスに気付き、適切に対応できるようにするための研修や多様な人財を活かすためのマネジメント力強化を目的とした研修を導入してまいります。

その他、持続可能な環境づくりのために、多様な人財が活躍できる制度の整備や健康増進策、風土改善活動など、全体的な取り組みも進めています。

これらの施策により、ロールモデルが増え、その下の世代の女性の活躍が広がり、将来的にはジェンダーギャップの解消に繋がると考えています。

 

●自律的なキャリア形成のサポート(多様なキャリア観のサポート)

一人ひとりが自分自身の弱みを克服し強みを強化することで、自分らしく力を発揮できるようになること、そして自律的に成長し続けられるようになることを目指し、諸施策を講じています。例えば、30代及び50代までの年代別キャリア研修を行い、キャリアを見つめ直しながら、前向きに成長していけるようなマインドを育む機会を提供しています。

また、キャリア相談窓口を設け、相談しやすい環境を整えているほか、異動の機会を広げるためにグループ公募制や自己申告制度があり、さらに社員の成長を支援する仕組みとして、メンター制度やキャリア面談を実施しています。そして自律的な学びをサポートするため、多様な学習コンテンツをいつでもどこでも受講することができるラーニングマネジメントシステムのメニューの拡充も進めています。

 

●多様な働き方の実現

当社グループは、多様性を尊重し一人ひとりの持つ個性と能力を活かして生産性の向上、働き甲斐の実感につなげるよう働き方改革を推進しています。テレワーク制度、フレックス制度や時差出勤制度により柔軟な働き方が可能となる制度の活用を促進しています。

当社において2025年度の男性育児休業取得率は100%でした。今後も取得率100%継続を目標にして関連制度の社内周知や職場の上司や同僚の理解を促進する活動をグループ全体で取り組んで参ります。

 

 

(3)リスク管理

当社グループのサステナビリティ全般、気候変動対策、人的資本・多様性への取組に関するマテリアリティ、主要なリスク、リスクの内容、リスクへの対応については、「3 事業等のリスク (マテリアリティと関連する主要なリスクと機会および対応)」に記載しています。

 

(4)指標及び目標

2025年12月31日時点における指標及び目標は次のとおりです。

①サステナビリティ全般及び気候変動対策

サステナビリティ全般及び気候変動対策に関する指標及び目標については、以下「a.第5期サステナビリティ推進計画の達成状況及び第6期サステナビリティ推進計画の目標」の重点活動項目のうち、環境・エネルギー分野の貢献:環境経営の推進、安全・安心な社会づくり:サステナブル調達の推進、労働安全衛生活動の推進、社員の健康づくり、品質・顧客満足度向上、社会貢献活動の展開、グローバル・コンプライアンス:グループ企業理念の実践、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメント活動の推進、情報セキュリティ対策の強化、並びに以下「b.温室効果ガス排出量」に記載しています。

②人的資本・多様性への取組

人的資本・多様性への取組に関する指標及び目標については、以下「a.第5期サステナビリティ推進計画の達成状況及び第6期サステナビリティ推進計画の目標」の重点活動項目のうち、安全・安心な社会づくり:人権の尊重、人財獲得・育成、エンゲージメント、ダイバーシティの推進に記載しています。

 

a.第5期サステナビリティ推進計画の達成状況及び第6期サステナビリティ推進計画の目標


 



 

 

b.温室効果ガス排出量


 


(注)2025年度実績は集計中のため、2024年度実績を記載しています。