リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループの株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、特段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため実際の結果と異なる可能性があります。
(1)市場環境について
外食業界は成熟した市場となっており、個人消費支出における選別化、中食・コンビニエンスストア等を代表とする業界を超えた顧客獲得競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。当社グループでは、メニューの改定等により既存店舗の売上高の確保を図ると同時に、直営店舗の新規出店による事業拡大を積極的に行ってまいりますが、外食産業における市場環境の悪化が進む場合には、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)店舗コンセプトについて
当社グループは現在、「鳥貴族」「TORIKI BURGER」「やきとり大吉」の3ブランドによる店舗展開を行っております。主要食材を鶏肉に絞り専門店として特化することにより、資本・人材・ノウハウの集中投下と業務オペレーションの均一化を行うことにより、景気変動に左右されにくい収益性の維持に取り組んでまいりますが、これらの施策が必ずしも継続的に顧客に受け入れられる保証はなく、その場合には当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)新規出店計画について
新規出店については、従来の不動産業者等からの外部情報に加え、取引先業者、取引先銀行からも幅広く情報を入手するように努めておりますが、当社グループのニーズに合致する物件が必ずしも確保されるとは限りません。また、仮に当社グループの計画に沿った物件を確保しても、計画した店舗収益を確保できない可能性があります。当社グループでは、新規出店の物件確保及び収益性の確保等に努めてまいりますが、新規出店が計画どおり遂行できない事態が発生した場合または計画した店舗収益を確保できない場合、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)賃貸借による店舗展開について
当社グループの本社事務所及び直営店舗はそのほとんどが建物を賃借しており、賃貸借契約に対して保証金等を差し入れています。2023年7月31日現在の敷金及び差入保証金の残高は1,826,276千円となっており、総資産に占める比率は9.5%であります。
当社グループは新規に出店する際の与信管理を徹底しておりますが、賃貸人の財政状態が悪化した場合、差入保証金(敷金・保証金)の一部または全部が回収不能となることや賃借物件の継続的使用が困難となることが考えられます。その場合、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)鳥貴族カムレードチェーン加盟店について
① カムレードチェーン加盟店の店舗展開について
「鳥貴族」では直営店の店舗展開のほか、カムレードチェーン加盟店による店舗展開の拡大を推進しております。当社グループはカムレードチェーン加盟店に対してサービスや衛生管理の指導を行う義務が生じ、その対価としてロイヤリティ収入等を収受しております。
外食産業全般の市場縮小やカムレードチェーン加盟に積極的な企業の業績悪化等により、カムレードチェーン加盟企業数が減少した場合、もしくはカムレードチェーン加盟企業の店舗が退店した場合には、ロイヤリティ収入等が減少し、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
② カムレードチェーン加盟店への店舗運営指導について
当社グループはカムレードチェーン加盟店に対してカムレード契約に基づき、ホールオペレーション、キッチンオペレーション及び衛生管理等の店舗運営に係る指導を実施しております。
しかし、カムレードチェーン加盟企業において当社グループの指導に従ったサービスの提供が行われない場合や衛生管理面の問題が生じた場合、当社グループブランドの価値が毀損し、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)商標権について
当社グループは商標権を取得し管理することで当社グループのブランドを保護する方針であります。
第三者が類似した商号等を使用し、当社グループのブランドの価値が毀損された場合、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)商品表示について
外食産業においては、一部企業の産地偽装や賞味期限の改ざん等が発生するなど、食の安全性だけではなく、商品表示の適正性、信頼性等においても消費者の信用を失墜する事件が発生しております。当社グループは、適正な商品表示のため社内体制の整備・強化に全社一丸となって注力しておりますが、食材等の納入業者も含めて、万が一、表示内容に重大な誤りが発生した場合には、社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)出店後の環境変化について
当社グループは新規出店をする際には、商圏誘引人口、競合店調査、賃借条件等の立地調査を綿密に行った上で意思決定をしております。しかしながら、当社グループの出店後に交通アクセスが変化した場合や、同業他社等から新規参入があった場合には、当初の計画どおりに店舗収益が確保できず、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材採用及び教育について
当社グループが安定的な成長を達成していくためには、優秀な人材の確保が必要であります。当社グループの経営理念を理解し、賛同した人材確保を最重要課題として、既存店舗に勤務しているパートタイマー・アルバイトからの社員登用や、中途採用だけでなく、新卒採用にも積極的に取り組んでまいります。また人材教育に関しては、実践的な技術指導に加え、理念教育を重点的に行う事により当社グループの核となり得る人材を育成してまいります。しかしながら、当社グループ直営店及びカムレード加盟企業の出店の拡大に対する人材の確保及び教育が追いつかない場合には、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)従業員の処遇について
① 短時間労働者に対する社会保険加入義務化の適用基準拡大について
当社グループの店舗運営において短時間労働者は不可欠なものとなっており、2023年7月31日現在で10,434名のパートタイマー及びアルバイトを雇用しております。そのうち社会保険加入義務のある対象者は少数でありますが、今後、短時間労働者の社会保険加入義務化の適用が拡大された場合には、保険料の増加、パートタイマー及びアルバイト就業希望者の減少等により、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
② その他労働法の強化等について
現状、当社グループは法令等で定められた労働規制等については適正に遵守しておりますが、今後この規制基準等が強化・拡大された場合には、法定福利費の増加及び人員体制強化に伴う費用の増加等により、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)法的規制について
当社グループは、「鳥貴族」「TORIKI BURGER」「やきとり大吉」の3ブランドで事業を展開しておりますが、事業に関する法規制等は多岐にわたっております。当社グループでは、コンプライアンス委員会を組織し、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、万が一重大な不祥事やコンプライアンス上の問題が発生した場合や、既存の法規制等の改正または新たな法規制等の制定が行われた場合には、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループ事業に関わる法規制等のうち、特に影響が大きいと考えられるものは以下のとおりです。
① 食品衛生法への対応について
当社グループは、食品衛生法(1947年法律第233号)の規定に基づき、管轄保健所を通じて飲食業の営業許可を取得し、各店舗では食品衛生管理者を管轄保健所に届け出ております。その上で、各店舗における衛生管理の強化に取り組んでおり、食中毒等の重大事故の未然防止に努めております。しかしながら、今後、食中毒等の事故が発生した場合には、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について
2001年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、食品残渣物の削減を義務付けられております。当社グループは食品残渣物を削減するための取り組みを鋭意実施しておりますが、今後法的規制が強化された場合には、その対応のために、設備投資等に関連する新たな費用が発生し、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
深夜0時以降も営業する店舗につきましては、深夜営業について「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」により規制を受けております。各店舗における届出等、当該法令に定める事項の厳守に努めておりますが、法令違反等が発生した場合には、一定期間の営業停止等が命ぜられ、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)鳥インフルエンザについて
当社グループは鶏肉の仕入ルートとして国内に複数の産地を確保しておりますが、同時多発的に鳥インフルエンザが発生した場合、鶏肉の確保が出来ず営業を休止せざるを得ない事態に至るおそれがあり、また、鳥インフルエンザの発生により鶏肉に対する風評被害が発生し消費者より敬遠される等の事態に陥った場合には、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)材料価格の高騰について
近年発生した原油相場高騰に伴う穀物相場等の高騰にとどまらず、天候不順による野菜価格の高騰並びに政府によるセーフガード(緊急輸入制限措置)等の発動など需給関係の急激な変動による食材価格の高騰の可能性等、当社グループが購入している原材料には価格が高騰する可能性のあるものが含まれております。当社グループは安心かつ安全な原材料の調達に向けた調達ルートの多様化に引き続き取り組んでまいりますが、このような事象が発生し、原材料価格が高騰した場合、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)有利子負債依存度について
当社グループは、店舗建築費用及び差入保証金等の出店資金を主に金融機関からの借入れにより調達しているため、総資産に占める有利子負債(借入金、リース債務)の割合が、2023年7月31日現在で29.8%と高い水準にあります。今後の出店等に伴う資金調達について、引き続き経済情勢や金利動向、財務バランスを総合的に勘案し、有利子負債の適正な水準の維持に努めながら事業展開を行う予定ですが、今後有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合には、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは財務基盤の安定化のため運転資金確保を目的に、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。それぞれ当該コミットメントライン契約及び借入金の中には財務制限条項が設けられているものがあります。従前より金融機関とは持続的に良好な関係を築いておりますが、同条項に抵触した場合、金利の上昇や、期限の利益を喪失することにより、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)減損損失について
外的環境の著しい変化等により、店舗収益性が悪化し、事業計画において計画した店舗収益性と大きく乖離した場合、固定資産及びリース資産について減損損失を計上することとなり、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)特定地域に対する依存度等について
当社グループの直営店舗出店地域は、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏が中心となっており、特に関西圏においては、大阪府に本社及びタレ工場を設置しております。
当社グループは当面の間上記3商圏を中心に事業展開を計画しておりますが、地震等の自然災害が発生し、店舗設備、本社社屋及びタレ工場の損壊などによる営業の一時停止や、道路網の寸断、交通制御装置の破損等により事業の運営が困難になった場合、あるいは同地域に特定した経済的ダメージが発生し消費者の消費環境が悪化した場合には一時的に来客数が著しく減少する可能性があります。また、自然災害等による店舗、本社社屋またはタレ工場設備の損壊の程度によっては、大規模な修繕の必要性から、多額の費用が発生する可能性があり、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)個人情報について
当社グループは、顧客満足度向上のために顧客情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」に定める「個人情報取扱事業者」に該当し、個人情報の取扱いに関して一定の義務を負っております。そのため当社グループでは、個人情報管理規程を策定し、社内の管理体制には万全を期しております。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、当社グループの信用低下による売上の減少や損害賠償による費用の発生等により、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)配当政策について
当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営目標と認識しており、剰余金の配当につきましては、毎期の業績、財政状況を勘案しつつ、将来の事業拡大のために必要な内部留保とのバランスを図りながら配当による利益還元を安定的かつ継続的に実施する方針であります。
しかしながら、当社グループの業績が計画どおりに進展しない場合には、配当を実施できない可能性があります。
(19)感染症の拡大による影響について
新型コロナウイルス感染症による影響につきましては、2023年5月に新型コロナウイルス感染症は感染症法上の位置付けが5類感染症となり一定の収束はみられたものの、新型コロナウイルス感染症だけではなく、今後、新たな感染症などの拡大が発生した場合は、来店客数の減少等が生じ、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、企業価値を継続的に拡大し、株主への利益還元を行うことを重要な経営目標と認識しており、毎期の業績、財政状況を勘案しつつ、将来の事業拡大のために必要な内部留保とのバランスを図りながら配当による株主への利益還元を安定的かつ継続的に実施する方針であります。
当社の剰余金の配当は、中間及び期末配当の年2回を基本的な方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当は株主総会、中間配当は取締役会であります。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、一層の事業拡大を目指すため、中長期的な投資原資として利用していく予定であります。具体的には、店舗の改装費のほか、今後の事業展開のための人材の育成など、将来の利益に貢献する有効な投資資金として活用しつつ、より一層の財務体質強化にも努める所存であります。
当社は、取締役会の決議により、毎年1月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年3月10日 |
46,488 |
4 |
取締役会 |
||
2023年10月25日 |
69,733 |
6 |
定時株主総会決議 |