2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    403名(単体) 8,732名(連結)
  • 平均年齢
    41.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.5年(単体)
  • 平均年収
    11,831,448円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

部門の名称

従業員数(人)

住宅

2,009

(453)

都市開発

1,315

(654)

海外

184

(6)

資産運用

181

(5)

仲介・CRE

1,925

(105)

運営管理

2,550

(2,901)

その他

19

(1)

全社(共通)

549

(46)

合計

8,732

(4,172)

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループ(当社及び連結子会社)からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループ(当社及び連結子会社)への出向者を含みます。)であり、臨時雇用者数(アルバイト、人材会社からの派遣社員を含みます。)は、各社の正社員の所定労働時間を基準に算出した年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の部門に区分できない管理部門に所属しているものであります。

3.前連結会計年度末に比べ従業員数が803人増加しております。主な理由は、2024年4月1日付でUDS㈱の全株式を取得したことに伴うものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

403

41.7

13.5

11,831,448

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含みます。)であります。

2.従業員は主に、野村不動産㈱をはじめとするグループ会社からの出向者であり、当連結会計年度におけるグループ会社との兼務者は380名であります。

3.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与はグループ会社との兼務者を含めた数値を記載しております。

4.平均勤続年数はグループ会社での勤続年数を通算しております。

5.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

 当社の従業員は、主に野村不動産㈱及びグループ会社からの出向者であるため、労働組合は組織されておりません。

 また、連結子会社のうち野村不動産㈱、野村不動産パートナーズ㈱には、それぞれ労働組合(従業員組合)が組織されており、2025年3月31日現在における組合員数は合計2,254名であります。
なお、労使関係は良好で、特記すべき事項はありません。

 

(4)女性管理職比率に関する状況

 

2025年3月31日現在

女性管理職比率(連結ベース)

14.9%

野村不動産株式会社

6.4%

野村不動産ソリューションズ株式会社

9.7%

野村不動産パートナーズ株式会社

2.4%

野村不動産ライフ&スポーツ株式会社

40.1%

UDS株式会社

45.5%

(注)人材・ウェルネス・D&I委員会にて課題や施策について審議し、女性活躍推進に係る各種取組みを実施しております。中長期的な比率の改善に向け、女性採用比率の向上、女性の継続就業・登用・リーダー育成に関する施策の実行等に取り組んでまいります。

 

(5)男性育児休業取得率に関する状況

 

2025年3月31日現在

男性育児休業取得率(連結ベース)

102.2%

野村不動産株式会社

111.3%

野村不動産ソリューションズ株式会社

102.9%

野村不動産パートナーズ株式会社

97.0%

野村不動産ライフ&スポーツ株式会社

110.0%

UDS株式会社

25.0%

(注)分母は該当年度に配偶者が出産した男性社員の数、分子は該当年度に出生時育児休業・育児休業・育児を目的とした休暇制度による休暇等を取得した男性社員の数となります。

 

(6)男女間賃金格差に関する状況

 

2025年3月31日現在

男女間賃金格差(連結ベース)

 全ての労働者

66.1%

うち正規雇用労働者

60.1%

 うちパート・有期雇用者

105.2%

(注)当社グループでは、男女間で同一の賃金制度を適用しており、同等級内において共通の処遇を行っております。また、人事評価に関しても男女共通の基準で実施しており、人事制度上の男女間の差異は設けておりません。一方、女性管理職比率が低いことが男女間の賃金差異の主要因となっております。女性採用比率の向上、女性の継続就業・登用・リーダー育成に関する施策の実行等の取り組みにより、女性管理職比率の向上を図り、男女間の賃金差異の縮小に努めてまいります。

 

 

(参照)常時雇用する労働者数が301人以上の企業における男女間賃金格差に関する状況

野村不動産株式会社

2025年3月31日現在

男女間賃金格差

 全ての労働者

57.5%

うち正規雇用労働者

56.2%

 うちパート・有期雇用者

60.0%

 

野村不動産ソリューションズ株式会社

2025年3月31日現在

男女間賃金格差

 全ての労働者

55.5%

うち正規雇用労働者

56.0%

 うちパート・有期雇用者

72.2%

 

野村不動産パートナーズ株式会社

2025年3月31日現在

男女間賃金格差

 全ての労働者

71.3%

うち正規雇用労働者

54.2%

 うちパート・有期雇用者

93.5%

 

野村不動産ライフ&スポーツ株式会社

2025年3月31日現在

男女間賃金格差

 

 全ての労働者

77.1%

うち正規雇用労働者

81.9%

 うちパート・有期雇用者

97.1%

 

UDS株式会社

2025年3月31日現在

男女間賃金格差

 

 全ての労働者

71.7%

うち正規雇用労働者

85.2%

 うちパート・有期雇用者

100.9%

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ課題全般

 本開示項目は、当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)を報告期間として作成しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①サステナビリティに関する基本的な考え方

 当社グループは、世界共通の課題である気候変動や災害の激甚化、人々の価値観の多様化など、経営・事業環境における変化を、新たな成長機会と捉えています。その機会を活かすには、グループとしての方向性を明確化し、社員一人ひとりが長期的な方向性をしっかりと共有することが必要であると考え、2050年のありたい姿として、サステナビリティポリシー「Earth Pride-地球を、つなぐ-」を策定・公表しています。このポリシーは、企業理念「あしたを、つなぐ」、そして、野村不動産グループ2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ - 幸せと豊かさを最大化するグループへ -」と一体のものであり、私たちの進むべき道を示す指針と位置づけています。また、当社ならではのサステナビリティのあり方として、「人」にフォーカスしたポリシーになっているのが大きな特長と言えます。

 サステナビリティポリシーは、当社グループが大切にしたい「人間らしさ」「自然との共生」「共に創る未来」の3つのテーマをベースにしています。さらに、これらを実現するために、2030年までに特に取り組むべき5つの重点課題(マテリアリティ)として、「ダイバーシティ&インクルージョン」「人権」「脱炭素」「生物多様性」「サーキュラーデザイン」を特定しています。

 

a.サステナビリティポリシー(2050年のありたい姿)

 

b.2030年までの重点課題(マテリアリティ)及び特定理由

 

(特定理由)

「ダイバーシティ&インクルージョン」

・様々なバックグラウンドや価値観を持つ多様な人材が、お互いを受け入れ、尊重し合い、それぞれが能力を最大限に発揮する状態の組織を目指すことが、当社の持続可能な成長には重要

「人権」

・社内外の関心・期待が高く、企業活動を行う上では必ず取り組まなければならないものであり、人権を軽んじると企業として存続することが出来なくなる

・事業に関わる全ての方々が、お互いを尊重してこそ、当社グループ自身が持続可能

「脱炭素」

・当社グループの事業は、天然資源やエネルギーを多く利用しており、環境問題は事業継続に影響する

・環境問題は、当社グループの事業だけでなく、ステークホルダーの生活や事業にも影響する大きな課題

「生物多様性」

・自然環境への貢献のほか脱炭素社会の実現にも貢献できる

「サーキュラーデザイン」

・資源が循環するための仕掛けを予め製品・サービスに組み込むことや、製品そのものの寿命を延ばすことで、出来るだけ廃棄物を抑制するような取組みであり、この取組みは、脱炭素社会の実現にも貢献できる

 

②ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティ活動の一層の強化・推進を図るために、2020年4月にサステナビリティ推進部及び「サステナビリティ委員会」を新設し、2021年4月より野村不動産ホールディングス代表取締役社長兼グループCEOが委員長を務めています。

 サステナビリティ委員会では、サステナビリティ方針とその目標に対する進捗状況の確認、及び活動計画の審議を行っています。また、審議した内容については、定期的に取締役会及び経営会議に報告し、経営計画や事業活動に反映させることで、監督される体制としています。

 なお、2025年3月期は、3回実施したサステナビリティ委員会にて、各重点課題(マテリアリティ)の推進として「GHGの算定および削減目標の見直し」、「新たな経営計画策定に向けたサステナビリティ戦略」、「当社グループのサーキュラーデザインの取組」、「人権デューデリジェンスにかかる新3カ年ロードマップ策定」等に関する審議を実施しました。あわせて、サステナビリティに関わる取り組みについて、グループ各社の議論をより活発化する目的で設定した部門事務局会議を3回、環境分科会を4回、人権分科会を3回の計10回開催しました。引き続きこの方針に沿ってPDCAサイクルを回し、サステナビリティ活動を推進していきます。

 

 

③戦略

 当社グループは、「サステナビリティに関する基本的な考え方」において示した、サステナビリティポリシー(2050年のありたい姿)「Earth Pride-地球をつなぐ-」の実現、2030年までの重点課題(マテリアリティ)への取組みによって、「当社グループの持続的な成長」と「持続可能な社会への貢献」に向け、事業を通じてサステナビリティを推進していきます。

 

④リスク管理

 サステナビリティ関連のリスクに関しては、取締役会及び経営会議が管理・監督するとともに、経営会議の下部組織であるサステナビリティ委員会及び人材・ウェルネス・D&I委員会で都度審議しています。また、事業に関する個別事項(ビジネス企画・商品企画等)については各事業部門で管理しています。

・サステナビリティ委員会は、サステナビリティ推進に関する方針・計画策定及び実績管理、グループ社員への理解浸透・各種情報開示等に関する事項、並びにグループ全体としての気候変動関連の方針・目標・リスク等について審議しています。

・人材・ウェルネス・D&I委員会は、事業戦略と連動した人的資本戦略の推進等を目的として、グループ共通の人材面での課題およびグループ各社の適所適材(配置・登用、育成、確保)に関する事項、働く環境の整備(ウェルネス・D&I)に関する事項等について審議しています。

 上記に加え、グループ経営に関する様々なリスクの審議を行うため、経営会議をリスクの統合管理主体として定め、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価及び分析を行い、各部門及びグループ各社に対して必要な指導及び助言を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告を行う体制としております。

 また、経営会議の下部組織として設置しているリスクマネジメント委員会では、リスク管理の実践を通じ、事業の継続及び安定的発展を確保するため、内部統制に関する事項及びグループ経営に係るリスクに関する事項等について審議しています。更に、各事業部門においても、マーケット(顧客企業、消費者)や法規制(建築、不動産等)に関するリスクを個々に調査・把握し、事業・商品等の企画に都度反映させるとともに、各事業部門で検討された事項のうち当社グループ全体に影響が大きい事項については、内容に応じて、取締役会・経営会議・サステナビリティ委員会・リスクマネジメント委員会に適宜報告されています。

 当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク(および機会)を含む各種リスクの識別・評価・管理体制については、「3 事業等のリスク」も併せてご参照ください。

 

(2)テーマ別

①気候変動

 当社グループは、土地やその他の天然資源、エネルギーを利用して事業活動を行っており、気候変動は当社グループの事業継続に大きな影響を及ぼす重要な経営課題であるとの認識のもと、2020年9月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、国内賛同企業による組織「TCFDコンソーシアム」へ加入しています。

 

a.ガバナンス

(ⅰ)取締役会による監督

 気候変動関連のグループ全体の方針・目標等については、「サステナビリティ委員会」で審議しています。同委員会は、これまで毎年3回以上開催のうえ、気候変動に関するリスク・機会の検討、グループGHG削減目標等の検討及びモニタリング等を行っています。また、サステナビリティ委員会の審議内容については、原則として半年に1回以上、取締役会及び経営会議に報告され、あわせて、グループ経営において重要な事項がある場合は、都度、取締役会及び経営会議に報告する体制としています。

 

(ⅱ)経営陣の役割

 当社グループでは、野村不動産ホールディングス代表取締役社長兼グループCEOがサステナビリティ委員会の委員長を務め、グループ全体でサステナビリティ・気候変動への対応を進めています。なお、グループCEOは、取締役会及び経営会議における執行側の最高責任者であり、サステナビリティや気候変動課題への対応を含む、企業としての持続的な成長を実現するために最善の意思決定を下し、関連する重要な業務を執行する責任を負います。

 

b.戦略

 当社グループは、気候変動の戦略を検討するにあたり、IPCC第6次評価報告書及びパリ協定における合意内容等を踏まえ、シナリオを用いた定性的な分析を行いました。気候変動が当社グループにとってどのようなリスク・機会をもたらしうるかを検討し、それらのリスク・機会をとらえる戦略と施策を検討・実施しています。

 

(ⅰ)分析の範囲

 当社グループは、住宅部門(マンション・戸建住宅の開発・分譲、ホテルの開発・賃貸・販売等)、都市開発部門(オフィスビル、商業施設、物流施設等)、海外部門(海外における不動産の開発等)、資産運用部門(REIT・私募ファンドの運用等)、仲介・CRE部門(不動産の仲介等)、運営管理部門(不動産の管理等)、その他より構成されますが、グループ全事業を分析の対象範囲としています。

 なお、GHG排出量の算定範囲として、当社グループのScope1・2・3すべてを対象としています。

 

(気候変動シナリオ分析の概要)

時間的範囲

2051年3月期迄

シナリオの設定

1.5℃シナリオ

パリ協定の達成および脱炭素社会の実現を念頭に置いた社会

4℃シナリオ

気候変動対策が十分に進展せずその結果として自然災害が激甚化した社会

参照文献

・国連IPCC第5次評価報告書(2014年)

「代表濃度経路(RCP)2.6」

「代表濃度経路(RCP)8.5」

・国連IPCC第6次評価報告書(2021年)

・IEA World Energy Outlook(2020年)

「持続可能な開発シナリオ(SDS)」

「すでに公表済みの政策によるシナリオ(STEPS)」

 

(ⅱ)リスク(及び機会)の特定

 TCFD提言では、気候変動に関わるリスク・機会について、移行リスク・機会(政策・法規制、技術、市場、評判)・物理的リスク・機会(急性、慢性)に分類しています。当社グループは、この分類に従い、各リスク・機会項目について、定量的閾値として、財務インパクトにおける影響度(小・中・大に分類)、顕在化する時間軸(長・中・短に分類)を特定しています。なお、定性的な要因で重要と判断されたリスク・機会は、現時点で定量化が困難な項目と認識しており、財務インパクトにおける影響度と顕在化する時間軸を「-」としております。

 

 

財務インパクト

影響度基準

影響度設定

連結事業利益への影響度

2024年3月期実績

(金額/年)

10%~

113億円~

5~10%

56~113億円

~5%

~56億円

0%

金額影響はない想定

-

想定不可

想定不可

 

時間軸基準

影響期間設定

想定期間

短期

~2025年

中期

~2030年

長期

~2050年

発生しない想定

-

想定不可

 

定性分析

定量分析

 

分類

項目

1.5℃

4℃

大分類

小分類

影響度

期間

影響度

期間

リスク

移行リスク

政策・法規制

ZEB、ZEH規制対応による工事費増

中~長期

炭素税:自社排出への課税(Scope1、2)

中~長期

短期

市場

炭素税:開発コスト増

(Scope3カテゴリ1)

中~長期

短期

省エネ設備等の投資

中~長期

評判

非ZEB物件の年間賃料損失

中期

技術

事業・商品等に対する信頼性等の変化

-

-

-

-

物理的リスク

急性

風水害の激甚化による損害増(洪水)

長期

長期

慢性

海面上昇被害(洪水)

長期

長期

気温上昇被害(猛暑日)

長期

長期

機会

移行機会

政策・法規制

省エネ技術、ZEB、ZEH等の補助金制度の拡充

-

-

-

-

市場

太陽光発電収益

-

-

-

評判

ZEB物件売却収益増

中期

ZEH物件売上増

中期

技術

事業・商品等に対する信頼性等の変化

-

-

-

-

CO2削減による資金調達コスト減

短期

短期

省エネ性能向上による光熱費減

中期

中期

 

 

c.リスク管理

 気候変動関連のリスクは、サステナビリティ委員会で審議され、取締役会及び経営会議が監督しています。

 上記に加え、経営会議をリスクの統合管理主体として定めた当社グループのリスク管理体制のなかでも、気候変動に関するリスクをモニタリング・評価・分析し、取締役会に報告しています。なお、当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク(および機会)を含む各種リスクの識別・評価・管理体制については、「3 事業等のリスク」も併せてご参照ください。

 

d.指標と目標

 当社グループでは、気候変動への対応を進めるために、GHG排出量及びエネルギー使用量の削減に関して、以下4つの目標を掲げております。

 

(ⅰ)2050年までのカーボンニュートラルの実現

(長期目標)

 2050年までに、当社グループ全体での Scope1・2及び3※1におけるカーボンニュートラルを実現。

 

(ⅱ)GHG排出量の削減

(中期目標)

 2031年3月期までに、当社グループ全体でのScope1・2及び3(カテゴリ1・11・13)※2のGHG排出量(総量)について、2020年3月期比、Scope1・2を60%削減、Scope3を50%削減。

※2025年3月SBT(Science Based Targets)認定取得済。

 

GHG排出量(Scope1・2)(千t-CO2)※3

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

132

129

98

75

 

GHG排出量(Scope3)

(千t-CO2)※3

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

1,287

1,916

1,868

2,060

 

※1 GHG排出量算定の国際的なスタンダードのGHGプロトコルに基づき、排出量目標を設定しておりま

   す。

Scope1:燃料の燃焼などの直接排出量

  Scope2:自社で購入した電気・熱の使用に伴う間接排出量

  Scope3:Scope1・2以外の間接排出量(カテゴリ1・11・13のみ)

当社グループは不動産事業の特性上、資本関係の如何に関わらず、保有する不動産物件単位で、権益の

多寡に応じて、経済的利益を取得、また財務方針及び経営方針を決定する権限を持っていることから、「財務支配力アプローチ」を採用しております。

Scope2の発生要因が主に電力の使用であることから、各連結会計年度における各拠点の電力消費量に、各連結会計年度末において入手可能な環境省の「電気事業者別排出係数」における全国平均係数等を乗じることによる見積りの方法に基づくロケーション基準にて算定しております。

※2 Scope3については、カテゴリ1(建物の建設時等)、カテゴリ11(販売した商品の使用時)および、カテゴリ13(下流のリース資産)を対象としており、2024年3月期実績で、Scope3の約9割をカバーしています。

※3 Scope1・2およびScope3(カテゴリ1・11のみ)のGHG排出量は、千t-CO2未満を四捨五入しております。

   また、当連結会計年度の排出量は、現在集計および精査をしており、当社ホームページにおきまして、2025年9月頃に開示することを予定しております。

 

 

 

 

(ⅲ)エネルギー使用量の削減

(中長期目標)

 2050年までに、当社グループ全体の消費電力を、100%再生可能エネルギー由来の電力とする。

(2022年1月RE100加盟済)

 

エネルギー消費量

(MWh)

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

381,817

379,428

382,231

380,366

 

(短期目標)

 2024年3月期までに、野村不動産㈱が保有する国内すべての賃貸資産※1の消費電力を、100%再生可能エネルギー由来の電力とする目標を掲げており、2023年3月期実績、翌2024年3月期にて達成しております。

※1 野村不動産㈱が電力会社と直接電力契約を実施する賃貸資産(テナント使用分含む)、野村不動産㈱が他者と区分・共有して保有する資産、売却・解体対象資産及び一部賃貸住宅の共用部は除く。

 

(ⅳ)新築物件における省エネルギー性能指標ZEH/ZEB oriented水準を確保(BEI値の達成)

 2030年までにZEH/ZEB oriented水準を確保するために、単年度ごとに達成すべきBEI値を設定し、同値の達成度を計測する。

※BEI値:Building Energy-efficiency Indexの略。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)の省エネ基準に基づく、建築物の省エネルギー性能を評価する指標。建築物の一次エネルギー消費量の水準を示す。

 

 

 

②人的資本

a.人的資本に対する考え

 当社グループでは、人材戦略を経営戦略と連動させ、目指す姿(企業理念・ビジョン)を実現することを「人的資本経営」と定義し、価値創造プロセスに位置付けています。

 また、目指す姿の実現のために、「グループ人事・人材開発ビジョン」を掲げ、人的資本の最大化に向けた人材戦略に取り組んでいます。

 

当社グループ「価値創造プロセス」における人材戦略および人的資本の位置付け

「グループ人事・人材開発ビジョン」

 

b.グループ人材戦略(三つの重点テーマ)

 当社は、経営会議の下部組織として、「人材・ウェルネス・D&I委員会」を設置しています。同委員会において、人的資本をグループ一体でマネジメントし、経営戦略と連動する人材戦略の在り方等について審議しています。審議内容は、原則として半年に1回以上、取締役会および経営会議に報告され、併せてグループ経営において重要な事項がある場合は、その都度取締役会および経営会議に報告する体制としています。

 また、当社は、2025年6月に、下記のとおりグループ人材戦略における三つの重点テーマを策定しました。2030年ビジョンの実現を目指し、グループの人的資本経営をより一層推進していきます。

 

(ⅰ)重点テーマ① ビジョンへの共感

 自ら成し遂げたい目標と会社のビジョンのつながりを創出

・ありたい姿:社員一人ひとりが会社のビジョンに共感し、自らの仕事で体現している状態

・基本方針:経営陣・マネジャーと社員との対話を促進、成し遂げたい目標を見つける機会を提供

(具体的施策)

 ・グループCEOから全社員への配信をはじめとした経営層からの発信

 ・エンゲージメントサーベイの実施

 

(ⅱ)重点テーマ② 働きがいの向上

 社員一人ひとりが能力を発揮し、成長できる環境づくり

・ありたい姿:社員一人ひとりが働きがいを感じ、自発的に成長しようとしている状態

・基本方針:人材育成体系の構築、ダイバーシティ&インクルージョンの実現、ウェルネスの推進

(具体的施策)

 ・グループ合同研修

 ・グループCEO・COOと社員との対話の場となるウェルネス推進ミーティングの実施

 

(ⅲ)重点テーマ③ 人材の配置・登用

 事業戦略と連動した人材配置と社員のキャリア形成の両立

・ありたい姿:事業戦略に合わせて迅速・柔軟に人材を配置・登用し、同時に社員のキャリア形成を実現

       している状態

・基本方針:注力領域へのリソースシフト、タレントマネジメントの推進、グループ間連携の促進

(具体的施策)

 ・人材戦略について議論する人材・ウェルネス・D&I委員会の実施

 ・人材育成や新価値創造を目的としたグループ間人材交流

 

c.指標と目標

 当社グループでは、サステナビリティポリシーの実現に向けた重点課題(マテリアリティ)として「ダイバーシティ&インクルージョン」及び「人権」を特定しており、計測指標(KPI)として以下を設定しております。その目標及び実績は下記の通りです。

目標

2024年3月期実績

2025年3月期実績

女性マネジメント職層比率 20%

14.7%

18.9%

男女育児休業取得率 100%

101.2% ※1

103.1% ※1

1on1ミーティングの実施率 100%

82.1%

82.6%

人権・ウェルネス・D&I 研修参加率 100%

100.0% ※2

100.0% ※2

※1 分母は該当年度に出産した女性社員および配偶者が出産した男性社員の数、分子は該当年度に出生時育児休業・育

   児休業・育児を目的とした休暇制度による休暇等を取得した女性社員および男性社員の数。

※2 グループ合同で実施したオンライン研修の参加率。