事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
不動産事業 | 33,695 | 99.3 | 5,020 | 99.1 | 14.9 |
ホテル事業 | 238 | 0.7 | 46 | 0.9 | 19.2 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社2社(株式会社アーバネットリビング、株式会社ケーナイン)の計3社で構成されております。
当社は設立以来、東京23区、駅徒歩10分圏内の開発立地にこだわり、投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売(卸売)を基軸事業として、分譲用マンション及び戸建住宅の開発・分譲、アパートの開発・1棟販売、事業用地の仕入販売、不動産売買の仲介並びに不動産賃貸業等の不動産事業を行ってまいりました。
当社グループは、設計事務所からスタートしたデベロッパーとして、実際に居住する方々のニーズに応えるだけでなく、効率性と芸術性の融合を目指して、外観や共有スペースにデザイン性やアートを加える等、「ものづくり」にこだわり、独自性を追求した自社ブランドの確立を進めてまいりました。
当社グループは、変動の激しい不動産業界の環境に対応するため、役職員数を最小限とする少人数体制のもと、アウトソーシングを最大限に活用した効率的かつリスクの少ないビジネスモデルを構築する一方で、金融機関の不動産融資の厳格化や不動産価格の大幅な変動に対処できる強い財務体質の構築と、固定収入となる賃貸用不動産の自己保有を進めてまいりました。
当社は、エンドユーザー向けの分譲・賃貸・マンション管理(小売・サービス)等の事業のために、2015年3月に100%子会社である株式会社アーバネットリビングを設立するとともに、ホテル開発という新たな事業領域参入に当たり、主にホテル経営の研究目的で2020年10月、東京・蒲田駅前で自社保有ホテル「ホテルアジール東京蒲田」を開業し、株式会社アーバネットリビングを通じて運営いたしております。
さらに当社は2024年2月に株式会社ケーナインを子会社化したことから、当社グループの中核事業に「東京・川崎・横浜の戸建・テラスハウス分譲及びアパート開発」を加え、事業領域を拡大しております。
なお、昨今のマンションニーズに対応するために、当社グループは従来の投資用ワンルームマンションにDINKS向けのプラン及びファミリータイプのプランを組み込んだ複合型のマンション(都市型賃貸マンション)開発を推進しております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、以下のとおりです。
(不動産事業)
(1)不動産開発販売
当社グループは、主な開発エリアを不動産価格が比較的安定している東京23区、駅徒歩10分圏内に原則特化するとともに、多数の土地情報及び市場の賃貸情報を収集し、設計事務所からスタートした当社のノウハウであるプラン設計と収益シミュレーションにより、一定利益が確保できる可能性の高い物件を厳選し、事業用地として取得しております。
事業用地取得後は、さらに詳細な調査・設計プランの検討を重ね、本来その土地の持つ収益性を最大限に発揮する事業プランを作成するとともに、当社グループが基調としておりますモノトーンの外観デザインや、オリジナルのアート作品を展示するエントランス、及び入居者の方々に対して定期的に実施しているアンケート調査に基づくユーザーニーズの実現(収納スペースの拡大等)により、他社物件との差別化を図っております。
当社グループの事業の中核である都市型賃貸マンションにおける販売先は、ワンルーム販売会社への専有卸、国内外投資家、一般法人及び相続税対策等の目的を有する日本の富裕層であります。
また、子会社の株式会社ケーナインは、主に東京23区南西部や川崎市・横浜市等を中心に戸建・テラスハウス分譲、アパート開発、建築工事及び用地の売却等を行っております。
(2)不動産仕入販売
当社グループは、自社による不動産開発販売事業のほか、他社開発分譲マンションの1棟専有卸や中古分譲マンションの戸別買取再販事業等も行っております。
(3)その他
当社グループは、前2事業のほか、不動産売買等の仲介業務、自社開発及び他社開発マンションの賃貸事業、不動産有効活用の提案、及び賃貸管理事業・マンション管理事業を行っております。
(ホテル事業)
当社グループは、2020年10月より「ホテルアジール東京蒲田」を開発・運営しております。これは、都市型賃貸マンションの開発・1棟販売をはじめとした当社グループの不動産事業がレジデンス分野に集中していることから、販売先の多様化を目指してホテル事業に取り組み、第1号開発物件を自社保有とすることで開発・運営に関するノウハウを蓄積する研究目的によるもので、東京・蒲田駅前にて全48室のホテルを運営しております。
当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高339億33百万円(前連結会計年度比21.3%増)、営業利益34億81百万円(同27.7%増)、経常利益27億87百万円(同14.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益18億50百万円(同8.8%増)となり、いずれの数値も、期初の業績予想を上回ることができました。
これは、当社グループが主に不動産事業において、「ものづくり」にこだわり、東京23区、駅徒歩10分圏内での都市型賃貸マンション開発・1棟販売というビジネスを推進し販売先から高い評価を得たことに加え、建築コストの急激な上昇の中においても、将来不安を抱えた若年層の不動産投資意欲、相続税対策を目的とした富裕層による需要及びファンド・リートを含めた国内外投資家による賃貸用不動産への需要に応えることができたことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、売上高は336億95百万円(前連結会計年度比21.4%増)、セグメント利益は50億19百万円(同29.6%増)となりました。
このうち、不動産開発販売につきましては、都市型賃貸マンション等12棟607戸及び戸建・テラスハウス分譲等43戸並びに用地9件の売却により、売上高は321億55百万円(同18.6%増)となりました。都市型賃貸マンション開発については、棟数・戸数ともに期初予定以上の売上を計上することができました。また、戸建・テラスハウス分譲等につきましては、株式会社ケーナインが主に東京23区南西部や川崎市・横浜市等において売上計上したものであります。不動産仕入販売につきましては、中古賃貸マンションの買取再販(1棟)により、売上高は7億27百万円(前連結会計年度は中古分譲マンション1戸46百万円)となりました。その他不動産事業につきましては、不動産仲介及び不動産賃貸業等により、売上高は8億11百万円(同38.6%増)となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業につきましては、「ホテルアジール東京蒲田」の宿泊料等により、売上高は2億38百万円(前連結会計年度比9.2%増)、セグメント利益は45百万円(同46.8%増)となりました。
これは、国内旅行需要及びインバウンドの増加等を背景に、前連結会計年度に比べて客室単価及び客室稼働率が上昇したことによるものであります。
当連結会計年度末における財政状態については、総資産が前連結会計年度末に比べ153億49百万円増加した623億22百万円、負債が前連結会計年度末に比べ130億66百万円増加した449億74百万円、純資産が前連結会計年度末に比べ22億83百万円増加した173億47百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ143億66百万円増加し、537億47百万円となりました。これは主として、都心のマンション用地について厳しい仕入環境が続く中、用地購入要員の増強や若手社員の成長により好立地のプロジェクト用地購入が進んだこと、また、株式会社ケーナインによる積極的な戸建・アパート用地等の購入により、棚卸資産が112億14百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ9億82百万円増加し、85億75百万円となりました。これは主として、賃貸用不動産等の購入により有形固定資産が9億26百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ8億61百万円増加し、146億70百万円となりました。これは主として、短期借入金が4億98百万円減少する一方で、1年内返済予定の長期借入金が5億50百万円、未払法人税等が3億4百万円、買掛金が2億65百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ122億4百万円増加し、303億4百万円となりました。これは主として、シンジケートローン等の運転資金及び用地購入に伴う借入金の増加が、物件の販売に伴う返済を上回ったことにより、長期借入金が123億61百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ22億83百万円増加し、173億47百万円となりました。これは主として、新株予約権の行使等により資本金及び資本剰余金の合計が11億27百万円増加し、利益剰余金についても、配当金支払による6億96百万円の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益18億50百万円の計上により11億53百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動において資金が減少した一方、財務活動において資金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ28億89百万円増加の113億98百万円となりました。
これは主に、積極的なプロジェクト用地及び賃貸用不動産の購入により、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなった一方で、用地購入に伴う長期借入等による収入が物件の販売に伴う長期借入金の返済による支出を上回った結果、財務活動によるキャッシュ・フローがプラスとなったことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の減少は、72億79百万円(前連結会計年度は29億78百万円の増加)となりました。これは主に、棚卸資産の増加が税金等調整前当期純利益の計上等を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、26億1百万円(前連結会計年度は81百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の増加は、127億70百万円(前連結会計年度は35億17百万円の減少)となりました。これは主に、用地購入に伴う長期借入等に伴う収入及び新株予約権の行使による株式の発行による収入が、物件の販売に伴う長期借入金の返済及び配当金の支払等による支出を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは不動産事業及びホテル事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
セグメント名称 |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
|||
販売高(千円) |
割合(%) |
前年同期比(%) |
||
不動産事業 |
不動産開発販売 |
32,155,913 |
94.8 |
18.6 |
|
不動産仕入販売 |
727,823 |
2.1 |
- |
|
その他 |
811,640 |
2.4 |
38.6 |
|
計 |
33,695,377 |
99.3 |
21.4 |
ホテル事業 |
238,329 |
0.7 |
9.2 |
|
合計 |
33,933,706 |
100.0 |
21.3 |
(注)1.不動産事業の不動産仕入販売の対前年同期比は1,000%を超えているため「-」と記載しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
三井不動産投資顧問株式会社 |
- |
- |
8,100,000 |
23.9 |
ケネディクス株式会社 |
7,926,863 |
28.3 |
7,095,070 |
20.9 |
東急不動産株式会社 |
8,249,688 |
29.5 |
6,636,574 |
19.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、期初の業績予想を上回る339億33百万円(前連結会計年度比21.3%増)となりました。
これは主に、当社が都市型賃貸マンション開発事業において高品質な「ものづくり」に強くこだわってきた結果、ワンルームマンション業界だけでなく、大手不動産業者を含む不動産市場において高い評価を受けていることに加え、施工業者との長期的な信頼関係を構築できており、綿密な協議等を重ねることで工程管理を徹底したことで、当連結会計年度に予定していたすべてのプロジェクトを完工・引き渡しができたことによります。また、物件ごとの販売戦略を明確化し、利益の極大化に努めた結果、期初に計上を予定していなかった1棟52戸の販売用不動産について、当連結会計年度の売上計上となったこと、さらに、株式会社ケーナインとのシナジー効果を徐々に具現化しつつ、同社が開発した高品質の戸建・テラスハウス等を適正な価格で売上計上できたことも、当連結会計年度の売上計上の伸張に大きく貢献いたしております。
b.営業利益
当連結会計年度における営業利益は、34億81百万円(前連結会計年度比27.7%増)となり、期初の業績予想を上回りました。
これは、主に、当社グループが創業以来、都心の都市型賃貸マンション開発を中核事業として、少人数体制で、「ものづくり」に拘り差別化に取り組んできた結果、国内外の販売先・投資家から商品性について高く評価されたことに加え、ゼネコン各社と協議しつつ工事原価の上昇抑制に努めたこと、ホテル事業の利益拡大及び株式会社ケーナインの利益が通期で上積みされたことによります。なお、当社グループが重要指標とする売上総利益率は、19.0%(前連結会計年度比2.4ポイント増)となりました。
しかしながら、開発用地の高騰と建設資材及び人件費の値上がりによる建築コストの上昇が続いており、今後も、売上総利益率を維持すべく、一層の営業努力が必要であると認識しております。
なお、販売費及び一般管理費は、本社移転や給与水準アップ等の人的資本への投資、租税公課及び株主優待制度への取り組みに係る費用等の増加に加え、株式会社ケーナインの通期費用計上等により、前連結会計年度比10億76百万円増加しております。
c.経常利益
当連結会計年度における経常利益は、27億87百万円(前連結会計年度比14.9%増)となりました。
当社グループは、開発プロジェクトにおける開発用地資金を金融機関からの間接金融によって賄っているため、開発プロジェクトの増加及び大型化と建築工期を中心とした開発期間の長期化等により、営業外費用である支払利息が増加する傾向にあります。当連結会計年度については借入金の増加により金融関連費用は増加しておりますが、融資に関する金利等の条件は市場金利の上昇分を除けば、前連結会計年度と概ね変化なく、取引金融機関とは引き続き良好な関係を維持しており、資金調達に問題はございません。しかしながら、金融環境の急変や支払条件変更等の不測の事態に備え、2024年12月にシンジケートローン形式による長期運転資金20億円を調達しております。
引き続き、金融政策の動向、物価の上昇、人手不足に起因する賃金上昇等、今後の経済状況や金融機関の動きについては、十分留意してまいります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、18億50百万円(前連結会計年度比8.8%増)となりました。これは、経常利益に特別損益項目を加減し、法人税等合計を差し引いたものであります。
前連結会計年度は、特別利益は保険解約返戻金等で1億7百万円、特別損失はありませんでした。当連結会計年度は特別利益、特別損失ともありませんでした。
法人税等合計については、前連結会計年度は7億99百万円、当連結会計年度は9億37百万円でした。また、法人税等調整額は、前連結会計年度は△80百万円、当連結会計年度は△3億48百万円となり、利益を増加させております。なお、当社では基本的な配当方針として、親会社株主に帰属する当期純利益から法人税等調整額の影響を排除した数値の40%を配当することとしております。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、主に都市型賃貸マンション開発事業又は戸建・テラスハウス分譲の開発販売事業を行うための事業計画に照らして、必要な資金を主に銀行からの長期借入により調達しております。長期借入金の返済期間は、事業計画における竣工・販売時期に対応して概ね1年~3年半であります。一時的な余資は主として安全性の高い金融資産(銀行預金)にて運用しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
資金の流動性における最大の項目である現金及び預金については、当社は過去のリーマンショックの経験から、東京23区、駅徒歩10分圏内という当社開発用地における土地価格の下落率を最大35%と想定し、毎月の用地購入から売買契約締結前の棚卸不動産総額の35%を確保するとともに、2年分の固定経費を保持することを目安としております。
c.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要の主なものは、不動産開発販売事業における開発用地の取得及び建築工事代金等のプロジェクト資金であります。資金調達につきましては、各プロジェクトや物件ごとに取引金融機関より調達しており、調達コストの低減に留意しつつ、借入金、現金及び預金の残高を検討材料としております。
d.資金調達
当社グループは、事業活動の維持及び将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保することに努めております。
当社グループは、資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、多数の金融機関と良好な関係を構築する一方で、新たな金融機関との取引開始による間接金融の拡大、エクイティ等の直接金融での資金調達を実施し、資金調達の円滑化と多様化に努めております。また、主要な取引金融機関とは良好な取引関係を長期にわたり維持しており、必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題ないと認識しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況
当社グループは大規模な経済変動に耐え得る企業であるために、キャッシュポジションの重要性を常に認識し、財務体質を強化するとともに、持続的成長と企業価値の向上を最重要項目として掲げてまいりました。
これまでの当社のビジネスモデルは、少人数かつアウトソーシングの活用を前提に、東京23区、駅徒歩10分圏内に都市型賃貸マンションの開発・1棟販売するというものでありましたが、昨今の都心土地価格高騰とプロジェクト用地の取得競争激化、さらには工事原価の上昇等の厳しい経営環境において「持続的成長」を展望するためには、事業領域の拡大が必要との考えに至りました。
この方針のもと、当社グループは2024年2月29日に株式会社ケーナインをM&Aでグループに取り込むことで、東京23区等におけるテラスハウスや戸建分譲、アパート開発事業等、事業領域の拡大が可能となりました。また、持続的成長への基盤構築に向けて、人的資本への投資を推進することで、グループ社員一人一人が活力に満ちた仕事ができるよう努めてまいりました。
こうした状況を踏まえ、当社グループは中期経営計画を策定し、2025年5月13日に「アーバネットグループ中期経営計画策定に関するお知らせ」を公表いたしました。当社グループは、この計画達成に向けて、都心好立地での都市型賃貸マンション開発を継続する一方、東京近郊での250戸を超える大型プロジェクトに取り組む等、物件を選別しつつも新しい領域に挑戦いたします。また、好調が続く東京23区内のテラスハウス開発事業、国内外の富裕層の集まる地域での宿泊施設開発に着手する等、持続的成長を見据えた投資を進めてまいります。
なお、当社の経営方針・経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標は売上総利益率であります。当連結会計年度の売上総利益率は、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.営業利益」に記載のとおり、前連結会計年度を2.4ポイント上回る19.0%となりました。これからも、引き続き売上総利益率の維持向上に努めてまいります。
当連結会計年度の実績値につきましては、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益のいずれについても、期初の業績予想を上回ることができました。
当連結会計年度における期初の予想数値に対する実績の状況を示すと、次のとおりであります。
項目 |
売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
親会社株主に 帰属する 当期純利益 (百万円) |
1株当たり 当期純利益 (円) |
予想数値 (A) |
32,000 |
2,800 |
2,450 |
1,730 |
53.77 |
実績値 (B) |
33,933 |
3,481 |
2,787 |
1,850 |
56.26 |
差額 (B)-(A) |
1,933 |
681 |
337 |
120 |
2.49 |
予想比 (%) (B)/(A) |
106.0 |
124.3 |
113.8 |
107.0 |
104.6 |
2025年6月期につきましては、都市型賃貸マンション・戸建等販売についての販売計画は588戸でしたが、実績は650戸と当初予定を上回りました。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは「不動産事業」、「ホテル事業」の2つを報告セグメントとしております。「不動産事業」は不動産開発販売、不動産仕入販売、不動産仲介、不動産賃貸事業等に関連する事業を行っております。「ホテル事業」はホテル運営等に関連する事業を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)
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(単位:千円) |
|
報告セグメント |
合計 |
調整額 (注)1 |
連結財務諸表 計上額 (注)2 |
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不動産事業 |
ホテル事業 |
|||
売上高 |
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
27,747,622 |
218,288 |
27,965,910 |
- |
27,965,910 |
セグメント間の内部 売上高又は振替高 |
- |
- |
- |
- |
- |
計 |
27,747,622 |
218,288 |
27,965,910 |
- |
27,965,910 |
セグメント利益 |
3,873,847 |
31,134 |
3,904,981 |
△1,178,617 |
2,726,363 |
セグメント資産 |
37,145,378 |
1,336,262 |
38,481,640 |
8,491,307 |
46,972,948 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
減価償却費 |
88,051 |
36,976 |
125,028 |
17,722 |
142,750 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
794,032 |
- |
794,032 |
5,372 |
799,404 |
(注)1.調整額は、以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額△1,178,617千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用等であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2)セグメント資産の調整額8,491,307千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない提出会社が保有する現金及び預金等であります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
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|
|
|
(単位:千円) |
|
報告セグメント |
合計 |
調整額 (注)1 |
連結財務諸表 計上額 (注)2 |
|
|
不動産事業 |
ホテル事業 |
|||
売上高 |
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
33,695,377 |
238,329 |
33,933,706 |
- |
33,933,706 |
セグメント間の内部 売上高又は振替高 |
- |
- |
- |
- |
- |
計 |
33,695,377 |
238,329 |
33,933,706 |
- |
33,933,706 |
セグメント利益 |
5,019,521 |
45,699 |
5,065,220 |
△1,583,858 |
3,481,361 |
セグメント資産 |
49,563,919 |
1,295,483 |
50,859,403 |
11,463,172 |
62,322,576 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
減価償却費 |
118,012 |
36,764 |
154,776 |
46,374 |
201,151 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
2,515,493 |
- |
2,515,493 |
356,625 |
2,872,119 |
(注)1.調整額は、以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額△1,583,858千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用等であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2)セグメント資産の調整額11,463,172千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない提出会社が保有する現金及び預金等であります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:千円) |
顧客の名称 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
東急不動産株式会社 |
8,249,688 |
不動産事業 |
ケネディクス株式会社 |
7,926,863 |
不動産事業 |
当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:千円) |
顧客の名称 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
三井不動産投資顧問株式会社 |
8,100,000 |
不動産事業 |
ケネディクス株式会社 |
7,095,070 |
不動産事業 |
東急不動産株式会社 |
6,636,574 |
不動産事業 |
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)
「不動産事業」において、株式会社ケーナインの株式の全てを取得し、新たに連結の範囲に含めたことにより、負ののれん発生益を20,867千円計上しております。なお、負ののれん発生益は特別利益のため、上記セグメント利益には含まれておりません。
当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
該当事項はありません。