リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<エンターテインメント事業について>
① 新型感染症の感染拡大による事業リスクについて
新型感染症の感染拡大によって、国や都道府県から緊急事態宣言の発令及び休業要請が出されるなどを受け、当社グループの直営店舗において稼働率が大きく下がった場合には、売上高やロイヤリティの減少などが想定されます。
② 競争の激化について
複合カフェ業界は業態の発展と認知度向上に伴い、新規参入企業の出店が増え市場規模が拡大してきましたが、一部地域では店舗の撤退・業態転換等によって店舗数が減少しております。当社グループは、今後も出店を推進して参りますが、地域によっては競合店との競争の激化による業績の低下や低迷により、店舗の撤退や移転を選択する場合があります。このような場合、それに伴い発生する費用や減収は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材の確保及び育成について
当社グループの運営する複合カフェは、24時間年中無休にて営業しております。このためアルバイトスタッフを中心として運営する時間帯があり、昨今の労働人口の減少もあいまって、従業員の確保に従前よりコストが生じております。定期的・計画的に従業員の募集を行っておりますが、店舗によっては、優秀な人材の確保ができない場合、充分な接客サービスに影響を与える可能性があります。従業員のサービスレベルの向上に向けた教育体制を構築し、レベルの確保に努める一方、システム開発を行い、セルフ化システムによる効率的な運営ができる設備を導入しております。
④ 著作権について
当事業の店舗において、顧客サービスの一部として設置・提供しているコンピュータにインストールされたソフトウェア等については、著作権法でその権利が保護されております。このため、当社グループが使用しているこれらのソフトウェアは、著作権者から業務用としての利用の許諾を受けたものだけを使用しております。
また、同じく店舗にて提供しております、漫画や雑誌等につきましても、著作権法上の著作物に該当いたしますが、当事業におけるこれらの提供は、同一店内での利用に限られており、現時点では貸与行為にあたらないと解釈されております。しかしながら、今後の法改正や著作権者側との何れかの取り決めが行われますと、業務利用が出来なくなる他、許諾料等の支払いが必要となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤ インターネットを利用した犯罪等について
当社グループの店舗において、顧客サービスの一部として提供しているインターネットは、情報収集やコミュニケーションのツールとして非常に優れた側面がある一方で、匿名性が高いことを利用しての、詐欺行為、個人・社会に対する誹謗中傷、迷惑メール等の行為が犯罪や不法行為として社会問題となることが見受けられます。当社グループでは、インターネットサービスを提供する店舗を利用する顧客全員について身分を確認のうえ会員登録を行うこととしており、会員のみインターネットの利用が出来るようにしております。また、業界団体である日本複合カフェ協会を通じて、都道府県警察等との情報交換を行い、これらの犯罪抑制に努めております。
⑥ 会員の個人情報の管理について
当社グループは運営する店舗において、顧客に対して会員登録を行っており、会員の個人情報を保有しております。また、これらの個人情報と会員番号が連動したデータベースを構築し、当社の本社サーバーにて管理しておりますが、関連する部署の社員は、随時これらの情報を閲覧することが可能となっております。このため、当社は、情報管理に関する規程を設け、最低限の社員のみが個人情報にアクセス可能な体制とセキュリティシステムを導入し、関連する部署の社員に対して情報の秘密保持を義務付けるなど、保有する個人情報が外部に漏洩しないよう管理体制の整備に努めております。しかしながら、不測の事態により当社が保有する個人情報が外部に漏洩した場合は、信用低下による売上減少や損害賠償費用等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 店舗物件の契約に関し、敷金等が返却されないリスクについて
当社グループの直営店舗の出店は、店舗用物件の賃借により行うことを基本としており、賃貸借契約の締結時に賃貸人に対して敷金を差し入れております。当該敷金は、基本的には契約の終了をもって当社に返還されることになっておりますが、貸主の経済的破綻等によりその一部または全額について回収が出来なくなる可能性があります。また借主である当社側の理由によって契約の中途解約をする場合は、契約内容に従って敷金返還請求権の放棄や違約金の支払いが必要となる場合があります。
一方で、更地に建物の建築を依頼し賃借を行う場合、建築費の一部を貸主に対し建設協力金として貸し付け、契約期間内に賃料との相殺で当社に返済される契約を締結する場合があります。当該建設協力金も敷金と同様に回収が困難となる場合、もしくは返還請求権の放棄が必要となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
<法的規制について>
当社グループは各事業において下記の各法令による規制を受けており、それぞれ許可を得て営業しております。それぞれの法令を遵守するための体制を構築し、業務に従事する社員全員に周知徹底を図り、コンプライアンスの観点から精度の向上に努めておりますが、これらの法改正等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
① 食品衛生法
② 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
③ 各都道府県の条例等
④ 個人情報保護法
<継続企業の前提に関する重要事象等について>
当社グループは、主力事業であるエンターテインメント事業における効率的な運営体制の強化と収益力の向上を図るとともに、システム事業の販路拡大や新規事業の企画・開発、また、子会社が運営する福祉事業の健全な運営等に積極的に取り組んで参りました。
新型コロナウイルス感染症による影響を受け、来店客数が減少したことを主な要因として当社業績は売上高、営業利益ともに大きく減少し、前連結会計年度まで4期連続で営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しております。当連結会計年度においては、営業利益127百万円、経常利益96百万円、親会社株主に帰属する当期純利益99百万円を計上し黒字化しておりますが、純資産は176百万円、自己資本比率は4.5%と厳しい状況が続いており、安定した財務基盤を構築するにはもうしばらく時間を要することが見込まれます。
以上により、当社グループの事業運営は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。当社グループは、当該状況を解消すべく、以下の対応策を実行して参ります。
① 資金の確保
連結子会社の株式譲渡、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、当面の運転資金は確保されております。主要取引金融機関の交渉等、資金の確保を継続的に行って参ります。
② 収益増
エンターテインメント事業においては、修繕や改装等の必要な投資は積極的に行い、集客力を強化することで収益力の向上を図るとともに、AOKIホールディングスのグループ会社である株式会社快活フロンティアが運営する店舗とのノウハウの共有、店舗備品の共同仕入れ等により運営コストの見直しを引き続き図って参ります。
システム事業においては、AOKIホールディングスのグループ会社の運営する店舗へのPOSや無人入会機の販売、客席PCの入替、QR鍵の導入等を進めております。今後更なる収益を目指して、QR鍵や省人化システム各種を、店舗運営の大きな課題となる人材不足に対応するシステムとして、同業他社だけでなく、店舗運営をする様々な業態へ拡販して参ります。
別途、バーチャル事業において様々なチャレンジを行い、VTuber関連ビジネスの開発及び早期の収益化に注力して参ります。
③ コスト削減
直営店舗の家賃減額、変動費の見直し等を継続実施し、全社的にかかるコストの把握、販管費の削減を行って参ります。また、運営体制の効率化によるコスト圧縮を引き続き行います。
これらの施策の実施により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在するものの、重要な不確実性は認められないと判断しております。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると位置づけており、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる」旨を定款に定めております。
しかしながら、2024年3月期の配当につきましては、現状の業績を鑑み、財務体質の強化及び内部留保の確保に努めるため、誠に遺憾ではありますが無配とさせていただきます。