2024年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 1,208 100.0 183 100.0 15.2

事業内容

3【事業の内容】

(1)事業の概要

当社は、あらゆる企業が事業活動を行う上で必要とする媒体(Webサイト、ECサイト、SNS、カタログ、映像、出版)そしてコンテンツの制作・管理・配信を支援するDXソリューション事業を営んでおります。

具体的には、当社設立初期からの中核技術であるDAM(注1)に係る知見とノウハウの蓄積から開発されたDXソリューション「CIERTO」を、様々な業種業態の企業・公共機関等の顧客へ提供しております。CIERTOにて提供するソリューション全体イメージ図は以下となります。
 

CIERTOは、組織内の膨大なデータ等の散逸・属人化を解消するのみならず、業務プロセスの変革による媒体・コンテンツの制作時間を削減することで生産性の向上を図るほか、多様化する各種媒体やデバイス向けに配信するコンテンツのブランディングの統一を実現し、ひいては顧客の業績向上に貢献していくことを目的としております。顧客企業の抱える課題とCIERTOによる課題解決のイメージは次のとおりであります。
 

 

なお、当社はDXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。

(2)当社のビジネス領域

当社は、自社プロダクト「CIERTO DAM」を主力とし、DAM及びその周辺領域においてDXソリューションを顧客へ提供しております。同じく自社プロダクトである「CIERTO PIM」は、DAMと連動して商品情報を管理するPIM(注2)機能を「CIERTO DAM」の拡張機能として提供するものであります。なお、「CIERTO DAM」と「CIERTO PIM」の両者を合わせて「CIERTO」というブランドで総称しております。

その他、海外他社との販売代理店契約に基づく連携拡張サービスとして、WM(Work Management)(注3)機能を搭載した「APROOVE WM」、そしてMCP(Multi Channel Publishing)(注4)機能を搭載した「WoodWing Studio」を提供しております。

 

当社のビジネス領域に関する各種プロダクトの特徴は以下のとおりであります。

 

①DAM(Digital Asset Management)

当社事業の主力である「CIERTO DAM」は、DAMの技術を採用しております。

DAMは、静止画、動画、音声、テキスト、3D、アニメーションなどのデジタル素材やコンテンツを一元管理するデジタル技術であります。

膨大な情報が飛び交う社会において企業内の情報も飛躍的に増大していることから、DAMは企業の販促活動を支える媒体・コンテンツの制作・管理・配信環境の生産性アップや商品・サービスのブランディングに欠かせないシステムであります。情報の一元化により、社内外の関係者によるスピーディな情報共有やフォーマットの異なる多種多様なメディアに対応するコンテンツ制作を同時並行的に進めることができます。同時に、ブランドロゴや商標のイメージ統一、著作権や肖像権等の各種権利及びブランドガイドラインの遵守によるブランドイメージの毀損防止に寄与すると考えております。

DAMの具体的な機能は、膨大なデータを集約するだけでなく、個々のデータに様々な情報(例:著作権、使用期限、使用権限等)を付加できることのほか、アプリケーションでファイルを開かなくても、ブラウザ上でプレビューを行いながら画像・動画の変換や共有が可能であるというものです。これは、一般的なクラウド型オンラインストレージサービスと異なる機能であり、コンテンツ制作者にとって、セキュリティを確保しつつ付加価値の高いサービスであります。

以上をふまえ、DAMの機能を総括すると次のようになります。

「CIERTO DAM」の基本機能と画面イメージは以下となります。


<多岐にわたるファイルプレビュー>

CIERTO DAMは画像、動画、3DCG、Adobe(InDesign、Illustrator、Photoshop等)、PDF、Office(PowerPoint、Word、Excel等)、HTML、CAD等、あらゆるデータをプレビューできるため、ダウンロードやアプリケーション起動は不要となり、効率的なデータ確認が可能になると考えております。


<コンテンツの利用制限管理>

CIERTO DAMは、画像等のコンテンツに付随する著作権情報や肖像権の管理が可能となり、コンテンツの不正利用等を防止し、コンプライアンス強化に資するものであります。使用許諾期間、権利者情報、利用範囲、肖像権などを付加情報として登録し、使用期限のアラート機能により、無断使用や契約違反を未然に防止できると考えております。


<AIの活用>

AIを活用して、類似画像検索機能、自然言語検索機能(「夏の青い空」などの曖昧な条件で正確な画像を検索)により柔軟な検索が可能となります。また、画像を解析し自動的に当該画像の付加情報として登録する自動タグ付け機能や、画像や動画内のイメージ化された文字情報を自動検出するOCR機能が活用可能と考えております。

 

 

②PIM(Product Information Management)

PIMは、販促媒体・チャネルを通じたプロダクトのマーケティングと販売に必要な情報を管理するシステムであり、一般的には商品情報管理システムと称される技術であります。商品に関する規格や詳細な記述、そしてグローバルに展開するための各種情報等、販促活動に関わるあらゆる情報を管理することが可能となっております。

当社においては、「CIERTO PIM」に当技術を採用しており、商品情報の管理機能だけでなく、商品情報の収集・配信・活用に必要なあらゆる機能が搭載されております。また、「CIERTO DAM」と連携することにより、商品情報に加えて商品の写真や動画、3Dデータ等の販促活動の効果を上げるためのリッチコンテンツをカタログ・ECサイト・Webサイト等の各種販促媒体に対して、円滑に配信することが可能になると考えております。

インターネット通信販売企業における通販サイト構築のほか、大手通信販売企業のカタログ等の制作において、「CIERTO DAM」のオプションとして利用いただいております。

以上をふまえ、PIMの機能を総括すると次のようになります。

 

CIERTO PIMの基本機能と画面イメージは以下となります。


<商品情報管理機能>

CIERTO PIMでは価格やサイズ、スペック、在庫情報などの商品情報を一元化することができます。さらに、CIERTO DAMと連携することで商品画像、紹介動画、マニュアル、カタログなどの販促活動における様々な業種業態の企業が必要とする関連コンテンツの統合管理が実現できると考えております。


 

 

<データ変換・配信機能>

EC、Web、SNS、カタログ等の販促媒体にコンテンツを配信する場合、媒体やデバイスごとに仕様が異なるため、仕様に合わせたデータ変換が必要になります。CIERTO PIMはCIERTO DAMと連携することで、配信先ごとの仕様に合わせたフォーマットや規格にデータ変換し、商品情報を各媒体に配信します。


<外部システム連携>

顧客ニーズに応じて、CMS(注5)(HeartCore CMS、WordPress等)、EC関連ソフトウェア(Shopify、ecbeing等)などの外部システムとCIERTO DAM|PIMとのAPI(注6)連携(顧客が契約・利用している各システムのAPI利用制限範囲内)に対応し、効率的なインテグレーションを実現可能と考えております。

 

③WM(Work Management)

WMは、媒体・コンテンツの制作工程における進行及びコミュニケーションを管理し、生産性を向上させる技術であります。

当社が販売代理店契約に基づき提供するWMは、ベルギーのAproove SAが開発した「APROOVE WM」であります。欧州のグローバルなハイブランド企業から米国の大手流通企業、研究所等の政府機関等、多くの企業・団体で利用されております。「APROOVE WM」は、プロジェクト管理、オンライン校正、スケジュール管理が主な機能であり、「CIERTO DAM 」とのAPI連携により、仕掛中業務の生産性向上を実現できると考えております。

「APROOVE WM」は、プロジェクトに関連するすべての情報を集中管理し、校正・確認・連絡・報告・承認などのプロセスは全て「APROOVE WM」にアクセスすることで可能となり、プロジェクト管理の厳格さを保ちつつ、メールや電話そしてミーティング等のコミュニケーションの多くは削減されます。

また、「APROOVE WM」は単独でも提供することが可能となっております。ただし、当社は、基本的には「CIERTO DAM」とセットで導入することを推奨しており、これにより、媒体・コンテンツ制作工程におけるDAMソリューションとして、プロジェクト進行中データの一元管理・共有を円滑に行うことができると考えております。

 

④MCP(Multi Channel Publishing)

MCPは、出版媒体コンテンツの制作及び配信をワンソースでプリントメディア、Web、SNS等、複数媒体に制作・配信のコントロールを実現する技術です。

当社が販売代理店契約に基づき提供するMCPは、オランダに本社を構えるWoodWing Sdn.Bhd.が開発した「WoodWing Studio」であります。「WoodWing Studio」は出版業界向けのソリューションとして20年以上の実績を持ち、大規模なメディア企業を初めとして国内外の多くの企業に導入されております。

出版媒体・コンテンツの制作には一般的に多くの関係者が関わり進行します。「WoodWing Studio」は全ての社内外の関係者がネットワークを介してオンライン上のマスターデータを共同編集する仕組みを提供します。ファイルの受け渡し/版管理はDAMと連動して行い、オンライン編集によるリモートワーク・在宅作業の実現と、共同編集による待ち時間・余剰作業の削減により、生産性向上とコストの削減が可能になると考えております。

当社においては、「WoodWing Studio」を「CIERTO DAM」にAPI連携することで、新聞社や大手出版社等へオプションとして提供しております。また、「WoodWing Studio」単独でも提供することが可能となっております。ただし、当社は、基本的には「CIERTO DAM」とセットで導入することを推奨しており、これにより出版業界向けの専門的なDAMソリューションとして、出版媒体・コンテンツ等の情報の一元管理やアーカイブシステムを円滑に活用できると考えております。


<WM「APROOVE WM」及びMCP「WoodWing Studio」とCIERTOとの連携イメージ>
 

 

 

(3)収益モデル

当社は、自社プロダクト「CIERTO DAM|PIM」及び海外他社との連携拡張サービスの顧客への提供を通して様々な収益を獲得しております。収益形態は、主に月額サービス費用を頂くサブスクリプション型(注7)と、主にライセンス費用を一括払いで頂くライセンス型(注8)等に分類されます。

 

収益形態

会計上の収益認識

導入時の獲得収入

導入後の獲得収入

サブスクリプション型

クラウド

初期技術収入

月額利用収入

ライセンス型

オンプレミス

ライセンス収入

月額ライセンス保守収入

初期技術費用

クラウド

オンプレミス

初期技術収入

-

保守サポート

保守

-

保守サポート等収入

システム

インテグレーション

その他の収益

周辺ハードウェア収入

周辺ソフトウェア収入

-

CIERTOカスタマイズ・独自拡張機能開発

開発

システム開発等収入

-

※「APROOVE WM」はサブスクリプション型のみでの提供となります。

 

上記のうち、導入後の獲得収入については当社全体売上の約5割を占め、安定収入として重要な地位を占めております。

 

(4)事業系統図

以上を総括すると、当社の事業系統図は次のとおりであります。

 

 

(注1)   DAM(Digital Asset Management)とは、画像、動画、テキストなどの多種多様なデジタルコンテンツを一元管理する手法であります。当社が提供するDAMは、専用ソフトウェアへのプレビュー対応や、画像・動画の変換機能、他システム連携等の販促及び出版媒体におけるコンテンツの制作・管理・配信を可能にする機能を有しております。

(注2)   PIM(Product Information Management)とは商品情報管理を指し、社内に散在する多種多様な商品情報を一元管理する手法であります。当社が提供するPIMは、商品の情報を一元管理するとともにDAMと連動することで商品画像や商品動画を統合管理し、フォーマットの異なる複数の販促媒体に配信を行う機能を有しております。

(注3)   WM(Work Management)とは、媒体・コンテンツの制作工程における進行及びコミュニケーションを管理し、生産性を向上させる手法であります。

(注4)   MCP(Multi Channel Publishing)とは、出版媒体コンテンツの制作及び配信をワンソースでプリントメディア、Web、SNSなど複数の媒体に配信コントロールすることを実現する技術です。

(注5)   CMS(Content Management System)とは、Webサイトの構築に必要となる文字情報、画像、デザイン、構成等の各種コンテンツや設定情報を一元管理し、簡便にWebサイトの更新や新規ページ制作ができるツールであります。

(注6)   API(Application Programming Interface)とは、特定のソフトウェアの機能やデータなどを、外部の他のプログラムで利用するための手順やデータ形式などを定めた規約であります。そして、API連携とは、APIを利用して、外部のアプリケーション、ソフトウェア、システム等と連携のうえ、機能を拡張することを指します。

(注7)   クラウドタイプでのサービス提供に適用する収益形態であります。サーバー購入などインフラの調達や整備は不要で、月額のサービス利用料を支払うことでCIERTO DAM|PIM、APROOVE WM、WoodWing Studioを利用することが可能であります。オンプレミス型に比べて、ネットワークの構成の変更や運用の手間が不要となります。

(注8)   オンプレミス(サーバー、ネットワーク機器、ソフトウェア等を顧客の施設内に設置して運用する利用体系)でのサービス提供に適用する収益形態であります。CIERTO DAM|PIMのライセンスを購入し、顧客側のクラウドタイプのプラットフォームに搭載するか、自社内の専用サーバーに搭載することで導入可能となります。オンプレミスタイプの導入には、ネットワーク構成の変更や運用を企業ごとに行う必要があり、機器購入費用や、運用コストが高額になる傾向があります。一方、高速LAN経由で直接サーバーにアクセスでき、大規模なストレージ容量をクラウドサービスに比べて安価に利用できるメリットがあります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における資産合計は1,107,663千円となり、前事業年度末に比べ25,603千円増加いたしました。これは、主に受託開発による仕掛品が37,340千円減少したものの、現金及び預金が60,028千円、売掛金が8,609千円増加したこと等によるものであります。

(負債)

当事業年度末における負債合計は325,029千円となり、前事業年度末に比べ89,715千円減少いたしました。これは、主に買掛金が2,748千円、1年内返済予定の長期借入金が6,000千円、未払金が2,485千円、前受金が49,230千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は782,633千円となり、前事業年度末に比べ115,319千円増加いたしました。これは、当期純利益122,319千円、剰余金の配当7,000千円によるものであります。

 

②経営成績の状況

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行され、2024年3月にマイナス金利を終了、日経平均株価は史上最高値を更新、公示地価上昇や春闘賃上げ率はバブル期以来の伸びを記録するなど、経済活動の正常化に向けた動きが進みました。一方で、ウクライナ及びパレスチナ情勢をめぐる地政学リスクの長期化、エネルギー資源や原材料の価格高騰、円安による物価の上昇等、依然として先行き不透明な状況下で推移しました。

このような環境の中、当社が事業展開する情報・サービス産業界ではChatGTP等の生成AIの話題性もあり、引き続きDXのニーズと関心は高い状況にあります。その結果、当社の事業も主力製品のDAMシステムであるCIERTOを中心に順調に推移しており、当社が訴求する「企業活動における媒体・コンテンツの制作・管理・配信のためのDXソリューション」のビジネスは着実にマーケットに浸透してきました。

継続ビジネスは、年初のサブスクリプション及び保守サービスの増収とその後の低いCIERTO解約率により売上に貢献しました。

新規ビジネスは、製造業企業及び流通・小売企業などの販促活動におけるCIERTO DAM|PIMの新規納入や、印刷・映像・情報サービス業におけるコンテンツ制作・管理を目的としたCIERTO DAMの新規納入が売上に貢献するとともに、CIERTO既存顧客に対する増設・拡張による案件が売上に貢献しました。また、出版・新聞業向けにWoodWing Studioとカタログ制作の進行管理としてAPROOVE WMの新規納入もあり、売上の増加につながりました。

以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,208,065千円(前年同期比14.4%増)、営業利益183,154千円(同31.5%増)、経常利益184,593千円(同31.5%増)、当期純利益122,319千円(同35.9%増)となりました。

なお、当社は、DXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べて60,028千円増加し、695,956千円となりました。

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況及び変動要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は112,420千円となりました。これは主に、税引前当期純利益187,055千円の計上、棚卸資産が37,340千円、未払費用が11,017千円、前受金が49,230千円減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は41,541千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,035千円、無形固定資産の取得による支出36,563千円が生じたことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は13,000千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出6,000千円が生じたことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

  当社は、DXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。

a.生産実績

 当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績をサービス区分別に示すと、以下のとおりであります。

サービス区分

当事業年度

(自 2024年1月1日

  至 2024年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

クラウド

576,769

117.5

オンプレミス

60,575

112.9

保守

237,032

109.1

開発

215,515

172.4

その他

118,172

69.9

顧客との契約から生じる収益

1,208,065

114.4

その他の収益

外部顧客への売上高

1,208,065

114.4

(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

DAMシステム「CIERTO」を中核に商品情報を管理する「CIERTO PIM」や、WebCMSやECサイト構築パッケージ等の外部システムとの連携強化に注力し、販売活動を実施したことにより、2024年12月期末時点のCIERTO DAM|PIMの新規契約数は31本(前年同期比5本増)となり、累計利用本数が247本、ARRが822,901千円(前年同期比21.8%増)となりました。また、CIERTOの解約率1.74%(前年同期比27.5%減)となりました。この結果、当事業年度の売上高は1,208,065千円(前年同期比14.4%増)となりました。

(売上原価、売上総利益)

売上原価は495,937千円(前年同期比14.7%増)となりました。この結果、当事業年度の売上総利益は712,127千円(前年同期比14.2%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当社の販売費及び一般管理費は、主に広告宣伝費、人件費、支払手数料、その他経費で構成されております。展示会の出展やSEO費用としての広告宣伝費や、現従業員の人件費、会計基幹システムや社内サブスクリプション費用などの支払手数料などの支出により当事業年度の販売費及び一般管理費は528,973千円(前年同期比9.2%増)となり、営業利益は183,154千円(前年同期比31.5%増)となりました。

(営業外収益・営業外費用、経常利益)

為替差益等の計上により、営業外収益は1,469千円(前年同期比24.4%増)、支払利息の計上により、営業外費用は29千円(前年同期比69.7%減)となりました。この結果、当事業年度の経常利益は184,593千円(前年同期比31.5%増)となりました。

(特別損失、法人税等、当期純利益)

特別利益は投資有価証券売却益により2,461千円発生しました。また税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を64,736千円計上した結果、当事業年度の当期純利益は122,319千円(前年同期比35.9%増)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、内部留保の充実を図るとともに、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現させることと、株主様への利益還元を考慮し、実施していくこととしております。

当社の資金需要の主なものは、開発に係る製造原価のほか、販売費及び一般管理費の人件費等の事業に係る運転資金であります。

当社は必要となった資金については、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものを活用しております。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表の作成にあたって採用している会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。