2025年2月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,097名(単体) 62,012名(連結)
  • 平均年齢
    44.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.8年(単体)
  • 平均年収
    8,320,143円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社における状況

 

2025年2月28日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

国内コンビニエンスストア事業

8,517

〔2,050〕

海外コンビニエンスストア事業

33,560

〔44,167〕

スーパーストア事業

11,414

〔35,664〕

金融関連事業

1,887

〔486〕

その他の事業

5,537

〔8,466〕

全社(共通)

1,097

〔14〕

合計

62,012

〔90,847〕

(注)1 従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は〔 〕内に月間163時間換算による月平均人員を外数で記載しております。

2 「全社(共通)」は当社の就業人員であります。

3 海外コンビニエンスストア事業の従業員数の減少は、7-Eleven, Inc.における雇用契約形態の変更に伴うものであります。スーパーストア事業の従業員数の減少は、SST事業の変革に向けた取り組みに伴うものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2025年2月28日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,097

〔14〕

44.6

16.8

8,320,143

(注)1 当社の従業員は、主として当社グループ会社からの転籍者であり、その平均勤続年数は、各社での勤続年数を通算しております。

2 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に月間163時間換算による月平均人員を外数で記載しております。

3 平均年間給与は、賞与を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

当社グループには、セブン&アイグループ労働組合連合会等が組織されております。

なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、3

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

16.6

72.7

79.1

77.2

85.7

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。当取得率の算出においては、正規雇用労働者を対象としております。

3 男女の賃金差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。賃金制度における性別による処遇の差はありません。

 

②主要な連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

 (%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率

 (%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1,3

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

21.1

58.8

60.0

78.1

76.8

株式会社イトーヨーカ堂

14.3

32.3

63.5

73.7

101.1

株式会社ヨークベニマル

31.5

2.1

51.9

68.1

132.4

株式会社セブン銀行

19.2

58.3

74.0

79.2

53.6

株式会社赤ちゃん本舗

27.4

100.0

57.2

72.1

110.2

株式会社セブン&アイ・フードシステムズ

11.6

62.5

65.2

79.2

100.6

株式会社ロフト

25.2

66.7

72.2

76.7

123.6

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。当取得率の算出においては、正規雇用労働者を対象としております。

3 男女の賃金差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。当社グループでは人事制度において男女の差はなく、給与制度においても、性別に関わらず一人ひとりの役割と貢献度合いを報酬に反映しています。しかし、グループ各社において、平均年齢や管理職比率は男性の方が高く、また育児など家庭との両立を図るため、時短勤務や地域限定を選択する社員は女性の方が多いことから、賃金の差異が生じています。差異の解消に向けて、引き続き、男性の育児休業の取得促進や長時間労働の削減など、従業員が働きやすい環境づくりに取り組むとともに、女性のキャリア支援や育成、管理職への積極的な登用などに取り組んでいます。

4 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (9)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、お客様をはじめとして、お取引先様、株主・投資家、地域社会、加盟店、そして社員を含めたすべてのステークホルダーの皆様から「信頼される、誠実な企業でありたい。」という社是にもとづき、SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる持続可能な社会の実現を目指しております。

 お客様の暮らしに寄り添い、お客様の生活様式から発想した新たな顧客体験価値を提供し続けることが、私たちの事業活動の原点であり、サステナビリティ(持続可能性)を追求するうえでの基本であると考えております。

 そのため、ステークホルダーの皆様との対話を通じて重点課題 (マテリアリティ)を特定し、社会と当社グループにとって重要性の高い社会課題に対し、本業を通じた解決に取り組んでおります。

 限りある地球環境や資源を活かし、未来世代につなげていくために、2019年には環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を発表しました。2030年、2050年の目指す姿と具体的な目標を掲げ、その達成に向けて4つのテーマごとにイノベーションチームを立ち上げております。それぞれのチームが多様な新技術の導入や、お客様、お取引先様、地域社会の皆様と連携した循環型社会の構築などを進め、グループ一丸となって環境負荷の低減に取り組んでおります。

 また、すべての人の人権を理解し、人権尊重の責任を果たすため、国際的な原則、基準を踏まえて「セブン&アイグループ人権方針」を定めております。本方針はすべての役員・従業員に適用し、すべてのビジネスパートナーに対しても継続的な支持をお願いすることで、ともに人権デュー・ディリジェンスの推進、人権の尊重に取り組んでおります。

 これらのサステナビリティの施策を通じて、中長期のリスクを軽減し、機会を積極的に活用することが、事業活動のレジリエンスと持続可能性を高め、国内外のお客様の暮らしになくてはならない存在として、当社グループの社会的・経済的価値の向上につながると認識しております。

 以降、(1)サステナビリティ共通、(2)気候変動、(3)人的資本・多様性について、それぞれ①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標及び目標の4項目を記載します。

 

(1) サステナビリティ共通

① ガバナンス

 当社は、社会課題の解決に貢献し、社会と当社グループの持続的成長を目指すため、事業活動を通じたサステナビリティ活動の推進・管理・統括を目的として、年2回開催する代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ委員会」をサステナビリティ基本規程に基づき設置しております。また、ステークホルダーの期待や要請に対応するために特定した重点課題(マテリアリティ)の解決及びコンプライアンスのさらなる徹底に資する事業活動を推進するために、同委員会傘下に具体的な施策の検討・推進を担う下部組織として5つの部会(コンプライアンス部会、企業行動部会、サプライチェーン部会、環境部会、社会価値創造部会)を設け、課題の解決並びに未然防止に取り組んでおります。

 傘下の5部会の活動状況は、「サステナビリティ委員会」において報告を受けて指導・改善を図るとともに、持株会社と事業会社の連携の強化を図っております。

 

●コンプライアンス部会

 グループ会社の社員が法令及び社会的規範を遵守し、お客様やお取引先様との間の公正取引を含むコンプライアンスを実践することは、当社グループの社是「信頼と誠実」の実現のために欠くことができない重要な基盤です。持株会社である当社は、グループ各社のコンプライアンス体制強化のサポート及び監督の実効性を確保し、グループ各社レベルでのコンプライアンスの徹底に努めております。コンプライアンス部会は、当社の執行役員総務法務本部長を部会長とし、当社の法務主管部門が部会運営を行うことで、具体的な施策の推進を図っております。

 

●企業行動部会

 グループ会社の社員が当社グループの社是を理解し、企業行動指針を遵守することは、当社グループの社是「信頼と誠実」の実現のために欠くことができない重要な基盤です。企業行動部会では、グループ会社の社員を対象に、社是や企業行動指針の周知、教育による意識向上など、企業行動指針の徹底を基軸とした活動を行っております。また、働きがいのある職場づくりを目指すため、カルチャー&エンゲージメントサーベイを実施するほか、女性や障がい者など多様な人財の活躍推進、介護と仕事の両立支援、長時間労働の是正をはじめとした労働環境の改善、休日・休暇の取得促進など、すべての社員が安心して働ける環境づくりを進めております。企業行動部会は、当社の執行役員最高人財責任者(CHRO)兼人財本部長を部会長とし、当社の人事主管部門が部会運営を行うことで、具体的な施策の推進を図っております。

 

●サプライチェーン部会

 国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」や「持続可能な開発目標(SDGs)」へ迅速に対応し、人権や環境に配慮した健全なサプライチェーンを構築することは、企業の重要な社会的責任の一つであると同時に、ステークホルダーからも強く求められております。サプライチェーン部会では、商品・サービスにおけるサプライチェーン全体での社会的責任を果たすため、お取引先様に「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」のご理解と実行をお願いしております。その遵守状況をCSR監査などを通じて定期的に検証・共有し、教育・啓発・是正を進めております。また、グループ各社ごとの品質向上と安全性の確保のため、当社グループの「品質方針」に基づいて、グループ各社の品質基準や管理体制の整備・強化を図ります。サプライチェーン部会は、当社の執行役員最高商品戦略責任者(CMDO)兼グループ商品戦略本部長を部会長とし、当社の商品戦略の主管部門が部会運営を行うことで、具体的な施策の推進を図っております。

 

●環境部会

 気候変動や資源の枯渇などの問題に対して、商品や原材料、エネルギーを無駄なく利用するとともに、お客様やお取引先様にもご協力いただきながらサプライチェーン全体で環境負荷低減に取り組むことは、社会の持続的な発展に資するとともに当社グループの持続的な成長につながる重要な要素です。そのため、環境部会では、2019年4月に取締役会で決議し、同年5月に公表した環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」に基づき、「脱炭素社会」、「循環経済社会」、「自然共生社会」の実現を目指した取り組みを推進しております。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)及び自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言も踏まえ、気候変動のリスクと機会について分析し、対応策の進化を図っております。環境部会は、当社の執行役員ESG推進本部長を部会長とし、当社の環境施策の主管部門が部会運営を行うことで、具体的な施策の推進を図っております。

 

●社会価値創造部会

 社会価値創造部会では、事業領域が拡大し、関係する社会課題が多様化するなか、社会課題の解決に取り組むことが新しいビジネス機会につながるという認識のもと、社会的価値と経済的価値の双方を生み出す事業の創出(CSV=共通価値の創造)を目的とした活動を行っております。持続可能な社会の実現に向けて、さまざまなステークホルダーとの対話を通じて特定した取り組むべき「7つの重点課題」に対して、これまで培ってきた事業インフラやノウハウなど、事業特性・経営資源を活かして本業を通じた社会課題起点の新規事業の企画・立案・実行に取り組むほか、お取引先様や社会起業家、NPOといった外部との連携も視野に入れて、取り組みの深化に努めます。社会価値創造部会は、当社の取締役執行役員最高戦略責任者(CSO)兼経営企画本部長を部会長とし、当社の経営企画主管部門が部会運営を行うことで、具体的な施策の推進を図っております。

 

② 戦略

 当社グループは社会課題解決と企業価値向上の両立を経営の根幹に据えて、サステナビリティの推進に積極的に取り組んでいます。事業と関係する社会課題や社会要請が多様化する中、特に重視すべき課題に集中して適切に対応するために、当社グループの事業領域と特に親和性の高い「7つの重点課題(マテリアリティ)」を特定し、課題解決に向けて取り組みを進めております。これらにより、本業を通じての社会課題及び重点課題を起点とした新たなビジネスモデルの創出に取り組んでおります。

<7つの重点課題(マテリアリティ)>

重点課題1:お客様とのあらゆる接点を通じて、地域・コミュニティとともに住みやすい社会を実現する

重点課題2:安全・安心で健康に配慮した商品・サービスを提供する

重点課題3:地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する

重点課題4:多様な人々が活躍できる社会を実現する

重点課題5:グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさを向上する

重点課題6:お客様との対話と協働を通じてエシカルな社会を実現する

重点課題7:パートナーシップを通じて持続可能な社会を実現する

 

重点課題のリスク及び機会

7つの重点課題

(マテリアリティ)

リスク

機会

①お客様とのあらゆる接点を通じて、地域・コミュニティとともに住みやすい社会を実現する

・生活拠点の減少により人口減少・過疎化・高齢化が進行し、販売機会が減少

・地域との連携不足に伴い計画どおりに新規出店が進まず、新たな価値の提供機会の損失

・生活インフラとしての社会的役割の拡大によるステークホルダーからの信頼獲得

・地域活性化による販売機会の拡大

②安全・安心で健康に配慮した商品・サービスを提供する

・商品事故及び店頭事故の発生による顧客の離反

・品質管理、表示等の法令違反による信用低下

・健康商品開発の遅れによる顧客の離反

・徹底した安全・品質管理による顧客ロイヤリティの向上

・健康配慮商品、お客様ニーズに即した新しい商品提供による販売機会の拡大

 

 

7つの重点課題

(マテリアリティ)

リスク

機会

③地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する

・気候変動がもたらす自然災害の増加による店舗・物流網への物理的損害

・異常気象がもたらす需給の変化や原油等原材料価格変動による、仕入価格の高騰

・食品廃棄・温暖化ガス排出などの環境負荷の高い企業イメージの定着による顧客の離反

・省エネや廃棄物削減、リサイクル、エネルギー供給源の見直しによるコスト削減

・環境対策先進企業としてのブランド価値の創出

④多様な人々が活躍できる社会を実現する

・差別・偏見などの放置による企業イメージの棄損、顧客の離反、従業員エンゲージメントの低下

・人財の確保困難や人財の社外流出

・次世代や若者世代、さまざまな価値観を持つ人々との対話・育成による将来の顧客の獲得、新たなサービスの開発

⑤グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさを向上する

・労働環境が改善しないことによる従業員エンゲージメントの低下

・人財の確保困難や人財の社外流出

・多様な人財の活躍による競争力の強化

・従業員の能力・自律性を高めることによる生産性の向上

・新規事業の開発と優秀な人財の獲得

⑥お客様との対話と協働を通じてエシカルな社会を実現する

・生活者のライフスタイルの変化や価値観の多様化への対応の遅れにより、商品とサービスを通じた新たな価値の提供機会の損失

・エシカル消費に対応した商品・サービスの提供による販売機会の拡大

・顧客協働による顧客ロイヤリティの向上

⑦パートナーシップを通じて持続可能な社会を実現する

・サプライチェーン上の労働環境・人権問題やコンプライアンス違反による商品供給の停止や品質の劣化及び、それらに伴う不買運動による社会的評価の低下

・持続可能な原材料調達によるレジリエンスの向上

・取引先・同業種・他業種協働による新たな商品・サービスの提供

・重点課題のリスク及び機会については、当社経営レポート2024(統合報告書)内「7つの重点課題(マテリアリティ)」(53頁・54頁)を以下のURLからご参照ください。

https://www.7andi.com/library/ir/library/mr/pdf/mr_pdf-04.pdf

 

重点課題解決に資する具体的な施策

7つの重点課題

(マテリアリティ)

具体的な施策

①お客様とのあらゆる接点を通じて、地域・コミュニティとともに住みやすい社会を実現する

1.地域社会に根差した経営

 お買物に不便を感じる方へのお届けサービスの拡大

(ネットコンビニ、ネットスーパー、移動販売車)

 食事に不便や困難を感じる方への家事を軽減する商品の開発・販売

 身近な拠点として地域防犯対策へ協力

②安全・安心で健康に配慮した商品・サービスを提供する

2.安全・安心で豊かな社会への支援

 栄養や健康に配慮した商品の開発と販売の拡大

 さらなる品質管理体制の強化

③地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する

3.環境に配慮した経営

 再生可能エネルギーの利用拡大を目的とした小売電気事業会社の設立

 プラスチック使用量削減やPETボトルの循環型リサイクル

 飼料化・たい肥化などの食品リサイクル、持続可能性が担保された商品の調達

④多様な人々が活躍できる社会を実現する

4.色々な価値観・ライフスタイルを認める社会の実現

 マタニティ・育児相談・保育園の運営

 出張授業の提供、障がい者支援

 

 

7つの重点課題

(マテリアリティ)

具体的な施策

⑤グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさを向上する

5.従業員がやりがいと達成感を得られる組織づくり

 DEIの推進

 人財育成・対話による従業員エンゲージメントの向上

 DXによる労働環境の改善

⑥お客様との対話と協働を通じてエシカルな社会を実現する

6.お客様と一緒に豊かな地域の実現

 余剰食品の寄付活動や環境保全イベントの開催

 お客様参加型の社会課題解決に資する取り組み

⑦パートナーシップを通じて持続可能な社会を実現する

7.お取引先様と一緒に豊かな社会の実現

 人権や地球環境に配慮したお取引先様との協業

 NPO・NGO、異業種・同業種企業との協働

 行政・自治体と連携した社会インフラとしてのサービスの拡充

・重点課題については、当社経営レポート2024(統合報告書)内「7つの重点課題(マテリアリティ)」(53頁・54頁)を以下のURLからご参照ください。

https://www.7andi.com/library/ir/library/mr/pdf/mr_pdf-04.pdf

 

③ リスク管理

 当社は、コーポレートガバナンスに係る各種委員会の一つとして、リスクマネジメント委員会を設置し、事業活動におけるリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っております。

 本リスク管理体制の中に、サステナビリティに関するリスクも含まれています。個別のリスクを含むリスク管理の詳細は、後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

 当社グループの事業を通じた「7つの重点課題(マテリアリティ)」の解決に資する活動目標については、各事業会社が重点課題ごとに設定しています。目標と実績の詳細は、当社サステナビリティデータブック2024(2024年2月期実績)内「データ集」(233頁以降)に記載しています。以下のURLからご参照ください。

https://www.7andi.com/library/dbps_data/_template_/_res/sustainability/pdf/2024_25_01.pdf

 

(2) 気候変動

 当社グループでは、重点課題の一つとして、前記「3.地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する」を定め、経営戦略においても気候変動への対応を経営課題の1つとして取り組んでおります。気候変動対応を加速するため、2019年、環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を発表し、具体的な取り組みテーマの一つに「CO2排出量削減」を定めました。この環境宣言において2030年の目標・2050年の目指す姿として定量目標を立て、グループ横断の推進体制を構築し、取り組みを進めております。TCFD提言に沿ったシナリオ分析では、気候変動に関わるリスク及び機会を事業体ごとに特定し、リスク低減と機会最大化を図る対応策を推進しております。

 

① ガバナンス

 サステナビリティ全体に関する推進体制については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」をご覧ください。下表は、気候変動対応に関する体制となります。また、2020年度より役員報酬において、2019年5月に策定した環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』におけるCO₂排出量の削減目標を非財務指標として、株式報酬の業績評価指標(KPI)に追加しております。

体制

役割

メンバー

取締役会

・気候変動問題に関する進捗・目標達成状況に関して年1回以上報告を受け、取り組みを監督

・方針・重要事項の見直し・決定

・取締役

・監査役

サステナビリティについて幅広い知見と経験を有する社内取締役及び社外取締役をメンバーとして構成

サステナビリティ
委員会

・年2回開催・気候変動問題にかかわる指標(CO₂排出量など)の推移や緩和・適応策の共有

・環境部会やグループ会社で実施される取り組みの承認と助言

・委員長:株式会社セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役社長

・委員 :グループ会社のサステナビリティ推進責任者(代表取締役社長等)、株式会社セブン&アイ・ホールディングスのサステナビリティ推進部門の責任者

体制

役割

メンバー

環境部会

・サステナビリティ委員会下部組織

・年2回開催

・気候変動問題への対応推進

・TCFD提言への対応推進

・部会長 :株式会社セブン&アイ・ホールディングス 執行役員ESG推進本部長

・メンバー:グループ会社のサステナビリティ推進部門責任者、気候変動対応実務部門責任者

 

② 戦略

1.TCFD提言に基づいたシナリオ分析

<経緯>

 当社グループは、2019年度~2021年度、営業利益の6割を占める(2019年当時)国内コンビニエンスストア事業を対象としたシナリオ分析を実施、コンビニエンスストア事業の固有リスクにつき一定の示唆を得ることができました。2022年度、地理的条件を同じくする国内事業として、スーパーストア事業のシナリオ分析を実施しました。2023年度からは、国内事業におけるシナリオ分析の結果を海外事業の分析に有効活用し、より効果的・効率的に7-Eleven, Inc. のシナリオ分析(気候に関連する物理的リスク・移行リスクと機会)を実施しました。2024年度から海外CVS事業の分析結果を開示し、国内事業のシナリオ分析のアップデートと対応策の進捗を確認しています。

*金融関連事業の株式会社セブン銀行においては、2021年にTCFD提言に賛同し、2024年には開示したシナリオ分析のアップデートと対応策の進捗を確認しています。

 

<分析の前提>

シナリオ*

脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)・温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)

*IEA(国際エネルギー機関)「World Energy Outlook」で示されているSTEPS、APS、NZE2050などのシナリオをはじめとして、政府や国際機関が発行した将来予測に関するレポートを参考に2つのシナリオを設定

分析手法

店舗が直接受ける物理的な影響に加え、店舗運営に伴って発生するコスト、店舗運営に大きな影響を与える商品のサプライチェーン(原材料・商品製造工場・商品配送)やお客様の行動について分析

対象年

国内コンビニエンスストア事業、スーパーストア事業:2030年時点の影響
海外コンビニエンスストア事業:短期(0~5年)・中期(5~10年)・長期(10~30年)

<対象の事業体>

・国内コンビニエンスストア事業:株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

・スーパーストア事業:株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル

・海外コンビニエンスストア事業:7-Eleven, Inc.

 

<事業環境>

●脱炭素シナリオ

1.5℃目標達成に向けてさまざまな法律や規制の導入が進み、その対応コストによる店舗運営コストの上昇や

ポートフォリオの多様化が求められる世界を想定しております。またこのシナリオでは、消費者のサステナブル商品やサービスへの関心、電気自動車への関心が高まり、それに応える商品を販売することが事業成長につながると見込んでおります。

●温暖化進行シナリオ

自然災害の発生増加や激甚化、気象パターンの変化が顕著に表れ、店舗などへの損害や原材料調達への影響、

また、気温上昇による店舗での冷房コストの増加が予測されるシナリオを想定しております。

<分析結果>

1. 認識した気候変動関連のリスクと機会

気候変動関連のリスクと機会及び対応策について、当社グループ共通事項と一部固有事項を認識しております。

*事業体ごとの詳細な分析結果については、当社サステナビリティデータブック2024(2024年2月期実績)内「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく対応」(44頁)を以下のURLからご参照ください。

https://www.7andi.com/library/dbps_data/_template_/_res/sustainability/pdf/2024_all_01.pdf

 

 

 

認識した重要なリスクと機会

対応策

脱炭素

シナリオ

<リスク>

・世界的な排出量規制や炭素税などのカーボンプライシング導入により、店舗運営にかかるCO₂排出量に対してのコスト負担や、サプライチェーンでのコスト増加による商品等への影響が発生(炭素税の財務影響予測については、後記「2.事業インパクト」をご参照ください。)

・電力小売価格上昇で電気料金支払い増加

・(海外CVS事業)消費者の嗜好の変化、新技術の採用、燃料効率の改善により、特に脱炭素シナリオにおいて

石油系燃料の需要が減少し、石油系燃料からの収益が減少(長期)

・(海外CVS事業)製品廃棄物規制による拡大生産者責任(EPR)関連コストの増加(中期)

・環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』に基づいたCO₂排出量削減の各施策推進(2013年度比で2030年50%削減、2050年に実質ゼロを目指す)

・店舗における省エネやエネルギー効率の改善に向けて、取り組みや投資の推進

・店舗での再生可能エネルギー比率の積極的な拡大

・サステナブルな商品やサービスの拡充

(低炭素商品、環境配慮型容器包装、ペットボトル回収・リサイクル、認証商品など)

・店舗でのEV充電サービスの推進(海外CVS事業:電気自動車用急速充電ネットワーク「7Charge」のEV用急速充電ポートを米国とカナダで配備予定)

・環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』プラスチック対策に基づいた、製品パッケージにおける各施策推進

・環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』食品ロス・食品リサイクル対策に基づいた、食品廃棄物の発生量削減施策を推進(焼却処分量の削減)

<機会>

・消費者のサステナブル商品やサービスへの関心が増加

・規制の強化や消費者の嗜好の変化により、EV充電の需要増加

・(海外CVS事業)エネルギー効率化対策に投資することで、エネルギー使用量を全体的に削減(中期)

温暖化進行

シナリオ

<リスク>

・深刻な自然災害の発生頻度や強度が強まり、店舗被害や商品損害、サプライチェーンの混乱、店舗へのアクセス遮断、休業による売上損失、またその復旧費の発生等で損害額が増加

・降水、気象パターンの変化により、商品原材料の収穫量減少に伴う商品原価上昇や水ストレス、サプライチェーンの混乱などが発生

・世界的な高温の増加に伴う冷房運転コスト上昇

・洪水や暴風雨などの悪天候時に取るべき危機管理計画の策定

・災害時の情報収集と早期復旧の体制構築(「セブンVIEW」など)

・野菜工場や陸上養殖などの調達拡大による安定的な仕入の確保

・店舗における省エネ推進、省エネ設備の導入

・お届け事業、ECサービスの拡大

<機会>

・夏季の高温によりお客様の外出頻度が低下し、お届け事業・ECサービスの需要が増加

 

2. 事業インパクト

・炭素税の影響(2030年)

項目

事業インパクト

国内コンビニエンスストア事業

135億円

海外コンビニエンスストア事業

142億円

スーパーストア事業

79億円

事業インパクトの合計金額

356億円

<前提>・炭素税額 :135ドル/トン-CO₂(IEA「World Energy Outlook2022」の最大金額)

    ・為替レート:140.67円/ドル(24年2月期決算時に使用したレートに合わせています)

 

 IEA「World Energy Outlook 2022」を参考に2030年時点の炭素税額を135ドル/トン-CO₂と設定し、最大金額でインパクトを試算。環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』に掲げる目標に基づいた取り組みを進めることで2030年の炭素税額を大幅に削減でき、更に、2050年目標であるCO₂排出量実質ゼロを実現することで、最終的に炭素税の影響はなくなると見込んでおります。

 

③ リスク管理

 当社グループの全社的なリスク管理体制の中に、気候変動に関するリスクも含まれています。

リスク管理の詳細は、後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

 環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」の4分野の指標・目標及び進捗は以下のとおりです。

 

  店舗運営に伴うCO2排出量の削減率(2013年度比)※1        オリジナル商品で使用する容器の環境配慮型素材の使用比率※2

 

  食品廃棄物の発生量※3                      持続可能な食品原材料の使用比率※5

 

  食品リサイクル率※4

 

※1 株式会社セブン-イレブン・ジャパン、7-Eleven, Inc.、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、株式会社シェルガーデン、アイワイフーズ株式会社、株式会社赤ちゃん本舗、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ、株式会社ロフトの9社の合計値

※2 オリジナル商品(セブンプレミアムを含む)で使用する容器の環境配慮型素材(バイオマス・生分解性・リサイクル素材・紙など)の使用比率。算出対象はオリジナル商品を取扱う7社(株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、7-Eleven, Inc.、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、アイワイフーズ株式会社、株式会社赤ちゃん本舗、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ)

※3 売上百万円あたりの食品廃棄物発生量。算出対象は食品関連事業会社5社(株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、株式会社シェルガーデン、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ)

 *7-Eleven, Inc.においては、正確な数値を算出する準備を進めています。

※4 算出対象は食品関連事業会社5社(株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、株式会社シェルガーデン、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ)

 *7-Eleven, Inc.においては、正確な数値を算出する準備を進めています。

※5 オリジナル商品(セブンプレミアムを含む)で使用する食品原材料のうち、持続可能性が担保された原材料の使用比率。算出対象は食品関連事業会社5社(株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、アイワイフーズ株式会社、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ)

 *7-Eleven, Inc.においては、正確な数値を算出する準備を進めています。

 

 また、パリ協定における「1.5℃目標」という世界が目指す姿に向け、当社グループの店舗運営に伴うCO₂排出量を、2013年比で2030年に50%削減、2050年には実質ゼロにすることを定めており、Scope3を含めたサプライチェーン全体でのCO₂排出量についても削減を目指しております。

 

●店舗運営に伴うCO₂排出量(Scope1、Scope2) 実績

・2023年度 2,603千t-CO(前年度と比較して3.0%の削減)

*株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、7-Eleven, Inc.、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、株式会社シェルガーデン、アイワイフーズ株式会社、株式会社赤ちゃん本舗、株式会社ロフト、株式会社セブン&アイ・フードシステムズの9社の合計値

*2024年度CO排出量は2025年8月~9月に当社ウェブサイトで公開予定です。

 

●店舗運営を除いたサプライチェーン全体のCO排出量(Scope3) 実績

・2023年度 173,523千t-CO

*株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、7-Eleven, Inc.、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、株式会社シェルガーデン、アイワイフーズ株式会社、株式会社赤ちゃん本舗、株式会社ロフト、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ、株式会社セブン銀行の10社

 

(3) 人的資本・多様性

① ガバナンス

 人的資本に関するガバナンスは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

  当社グループでは、創業以来、「信頼と誠実」の精神に基づき、挑戦・革新をし続けることで、新たな価値を共創する人財を育成してきました。その人財こそが当社グループの成長の源泉であるという考え方は普遍的なものです。そして、これからの不確実性の高い社会にあって、当社グループが世界トップクラスのリテールグループへと進化していくうえで、より一層人財の成長に注力していくことは不可欠であることから、今後の成長戦略を踏まえて3つの人財政策を重点的に進めています。

 

人財政策1 挑戦・革新し続けるカルチャーの醸成

 より変化が激しく予測困難な時代に、お客様のニーズに応え続けるためには、今まで以上に従業員一人ひとりが主体性を発揮した挑戦を続けられるような組織づくりが求められます。創業の精神を持ちながら、時代の変化に果敢に挑戦するというカルチャーの醸成を進めていきます。

 

・グループ理念研修

 当社グループは、社是に掲げる「信頼と誠実」の精神への理解を深め、挑戦・革新し続けるカルチャーを継承・浸透するため、グループ各社で様々な取り組みを行っています。

 当社では、グループの人財育成拠点として2012年に開設した伊藤研修センターで「グループ理念研修」を実施しています。同研修センターに併設した史料室では、グループ理念や挑戦・革新の歴史を学ぶことができます。2024年度の「グループ理念研修」には、当社従業員をはじめグループ会社の従業員約550名が参加しました。今後も、カルチャーの浸透に向けた取り組みを強化していきます。

 また、グループ各社においても、事業特性や職務に応じて整備した多様な研修を行っています。例えば、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンでは入社後、トレーニングストア(直営店)にて、実際に経営者(店長、副店長)として店舗を経営する期間を設けており、日々の現場における基本姿勢に基づく行動実践に役立っています。

 

・多様な人財が活躍できる風土の醸成と女性活躍推進

 当社グループでは、多様な人財一人ひとりが活躍・挑戦できる組織づくりのため、DEIを推進しています。2012年にはダイバーシティ推進プロジェクト(現DEI推進プロジェクト)を設置し、国内グループ横断の施策方針を示して各社の活動をサポートしています。また、グループ主要会社で構成する推進連絡会や情報共有会を定期的に開催して方針や各社の活動の進捗・課題を共有しており、好事例のスピーディーな水平展開を図っています。

 具体的な取り組みとして、世代間ギャップやアンコンシャスバイアスの解消を図る啓発活動や、LGBTQ+の理解促進など、様々な活動を行っていますが、現在、特に重点を置いているのが、女性の活躍推進です。2026年2月末までに女性執行役員比率、女性管理職比率(課長級、係長級)を30%とするグループ目標を設定しており、国内グループ各社で数値目標とアクションプランを策定しています。

 女性管理職候補者の育成を目的としたグループ横断研修「女性エンカレッジメントセミナー」では、経営方針やリーダーシップなどを学ぶ場を提供しています。経営陣からの応援メッセージやロールモデルとなる女性管理職の体験談を聞くことで、参加者の管理職への挑戦意欲が向上する効果も見られています。さらに、2022年からは、女性執行役員の登用を促進するため、「女性リーダーエンパワーメントセッション」も開始しています。

 また、北米の7-Eleven, Inc.では、すべての人が受け入れられ、尊重される環境を築くことが、企業理念の重要な柱のひとつとなっています。この理念を推進する主要な取り組みのひとつが、従業員主導のボランティアグループ「Associate Business Resource Group(ABRG)」です。ABRGはこの1年でメンバーを増やし、その活動をさらに広げてきました。また、才能ある社員を紹介する「Employee Spotlights」、「キャリア開発の機会」、「継続的な対話」といったプログラムを継続的に実施することで、従業員の多様な才能を社内全体で共有しています。

 

人財政策2 働きがい・働きやすさの向上

 従業員の主体性が十分に発揮できる環境と、それを実感できる働きがい・働きやすさの向上を目指しています。成長戦略の実現に向けては多様な従業員の活躍が欠かせませんが、それには従業員一人ひとりの価値観やワークライフバランスに合わせたきめ細かな対応と制度拡充が必要になると考えています。

 

・経営陣とのコミュニケーション促進

 グループ各社では、従業員と経営陣とのダイレクトなコミュニケーションの場を大切にしています。社長とのカフェミーティングや役員とのダイアローグセッションなどを通して、会社が目指す将来の方向性を理解し、従業員一人ひとりがありたい姿を明確にできるきっかけとなっています。

 

・従業員の健康促進

 当社グループでは、健康維持・未病、健康増進に向けて、定期健康診断の二次検診受診率の向上に向けた取り組みの推進のほか、健康保険組合との共同でのウォーキングイベントの定期開催、一定の年齢を迎える従業員への「人間ドックを無料で利用できる制度」の運用など、様々な取り組みを実施しています。これらの活動を通じ、従業員一人ひとりの健康意識は向上傾向にありますが、2024年春期の健康診断においてBMI値25以上の割合は男性:39.7%、女性:28.7%であり、今後も継続して改善の必要があると考えています。

 健康・運動習慣が浸透するよう、グループ一丸となって健康増進支援に取り組んでいきます。

 

・ワークライフバランスを応援する制度の充実

 当社グループでは、出産・育児、介護などのライフイベントの変化があっても安心して勤務を継続できるよう、様々な制度を設けています。

 当社グループ独自の育児休暇制度として、未就学児がいる従業員を対象にした、年に5日間の特別休暇制度があります。子どもの入園式や卒園式、運動会といった行事への参加など、育児全般を理由に取得できるため、導入当初から多くの従業員が利用しています。

 また、グループ各社でオンラインセミナーを開催するなど、男性従業員の家事・育児参画を促進する様々な施策を実施しています。

 今後も、従業員一人ひとりが、働きがい・働きやすさを実感できる制度の拡充を目指していきます。

 

人財政策3 戦略実現のための人財育成・採用

 今後「世界トップクラスのリテールグループ」になるためには、従業員の意識変革を図るとともに、専門知識・経験を持った人財との融合を促進することが不可欠です。グローバル領域へと歩みを進めながら、グループを牽引していく人財の育成と採用を強化していきます。

 

・グローバル人財の育成

 当社グループでは、「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略」という2030年に目指すグループ像を掲げ、グローバル規模で当社ブランドの価値向上に挑戦しています。

 その実現に向けて、グローバル人財の育成施策を強化・加速しており、2021年より開始した英語研修プログラム「Seven-Eleven English Training」や、海外短期留学プログラムもその一つです。また、グループ各社においても、社内研修や自己啓発支援制度などの成長支援策を用意しており、グローバル人財の育成を推進しています。

 

・経験者採用の実施

 当社グループでは、専門知識と経験を有する外部人財の採用(経験者採用)を実施しています。世の中の急速な変化とともに労働市場も日々変化しており、多様な人財が、培った知識と経験を活かし、それぞれの場面でその能力を十分に発揮できるよう、グループ各社では人事制度の見直しを進めています。また、入社区分や国籍、性別などにかかわらず、公平な目で能力・成果を評価し、管理職への登用を行っています。

 今後も幅広く人財を採用し、当社グループの強みを理解した「価値を共創する人財」として、「食」のバリューチェーンの構築と事業のグローバル化を推進し、北米やアジア各国で活躍することで、さらなるグループの成長につなげていきます。

 

効果測定の仕組み(カルチャー&エンゲージメントサーベイの実施)

 人財政策1「挑戦・革新し続けるカルチャーの醸成」、人財政策2「働きがい・働きやすさの向上」の達成度合いを測る指標として、カルチャー&エンゲージメントサーベイのスコアを用いています。

 当社グループでは、各組織のカルチャーとエンゲージメントの状態を客観的・定量的に確認し、より良い組織づくりに活かすため、「カルチャー&エンゲージメントサーベイ」を毎年1回実施しています。このサーベイでは、「カルチャー」に関する独自の調査項目(誠実さ、主体性の尊重、挑戦の推奨、風通しの良さなど)のスコアと「エンゲージメント」に関するスコアを算出し、それらの状況を可視化しています。

 2024年度は、国内26社、約59,000名を対象にサーベイを実施し、カルチャーの設問に対して肯定的な評価をした割合は70%、エンゲージしていると回答した割合(エンゲージメントスコア)は50%でした。

 サーベイ結果を踏まえて組織カルチャーや従業員エンゲージメントを改善するため、当社グループでは2021年より「エンゲージメント向上委員会」を設置しています。同委員会では、サーベイ結果を分析・課題整理したうえで、カルチャー醸成やエンゲージメント向上を図る施策を立案するとともに、その実行状況を定期的にモニタリングしています。また、サーベイ結果・施策実行状況は当社取締役会及びグループ各社の経営会議などへも報告しています。

 エンゲージメント向上に向けて、グループ各社における従業員と経営陣の対話や、社員食堂の改装、ワークライフバランスを支援する制度の導入など、従業員の声も活かしながら継続して施策を実施していきます。

 

③ リスク管理

 人的資本に関するリスク管理は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 指標及び目標

 当社グループでは、上記の取り組みにおいて、連結グループに属する全ての会社を含む記載は困難なため、指標に関する実績及び目標は提出会社と一部の連結子会社を含むものを記載しています。

 

(a) カルチャー&エンゲージメントサーベイ結果

 カルチャーの設問に対して肯定的な評価をした割合、エンゲージしていると回答した割合を示しております。

年度

カルチャー(職場)

エンゲージメント(会社)

2024年度

70%

50%

※ 国内グループ26社対象

 

(b) 女性執行役員比率・女性管理職比率

 

女性執行役員比率※1

課長級※2

係長級※2

2020年度

実績

13.6%

22.1%

32.4%

2021年度

実績

14.4%

23.3%

30.4%

2022年度

実績

15.7%

24.1%

36.8%

2023年度

実績

21.2%

27.3%

35.3%

2024年度

実績

19.2%

29.0%

34.6%

2026年2月末

目標

30.0%

30.0%

30.0%

※1 2020~2023年度は5月末現在、2024年度実績は2月末現在。グループ4社(株式会社セブン&アイ・ホールディングス、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル)合計。ただし、2022年度以前は株式会社そごう・西武、株式会社ヨークを含んでおります。

※2 毎年2月末現在。グループ8社(株式会社セブン&アイ・ホールディングス、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、株式会社ロフト、株式会社赤ちゃん本舗、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ、株式会社セブン銀行)合計。ただし、2022年度以前は株式会社そごう・西武を含んでおり、株式会社ロフトは含まれておりません。

 

 

(c) 男性育児休業取得率

 

2020年度

6.1%

 

2021年度

7.4%

 

2022年度

26.3%

 

2023年度

47.5%

 

2024年度

50.7%

※ グループ8社(株式会社セブン&アイ・ホールディングス、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、株式会社ロフト、株式会社赤ちゃん本舗、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ、株式会社セブン銀行)合計。ただし、2022年度以前は株式会社そごう・西武を含んでおり、株式会社ロフトは含まれておりません。