2024年2月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社は、成長戦略の達成などを通じ企業価値を向上させ、当社グループの持続的発展を図るため、実効性を伴う効果的な手法に基づいて各種リスクの適切な管理に取り組んでいます。この取り組みにより認識されたリスクのうち、リスクが顕在化する可能性の程度や時期及び影響の程度を踏まえて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクを以下に記載しています。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、これらのリスクはそれぞれ独立したものではなく、ある事象の発生により、他の様々なリスクが増大する可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。

 

<グループリスク管理体制>

当社グループは、当社及び当社グループ各社において、リスクマネジメント委員会等の会議体を設置しています。リスクマネジメント委員会は、原則半期に1回開催され、各リスク管理統括部署より自社のリスク管理状況に関する報告を受け、リスクの網羅的な把握、その評価・分析及び対策について協議し、今後の方向性を定めています。

一方、各種リスクについては、当社リスク管理統括部署を主体とするグループ横断の会議体等を通じて、該当するリスクに係る対応の方向性や各社のリスク低減の取り組み、更にリスクが顕在化する兆候を示す社内外の各種事例等の共有を図っています。

 

 

 

<リスク管理のPDCA>

当社グループでは、グループ内外の情報をもとに、「網羅的なリスクの洗い出し」「リスクの評価と改善策の立案」「優先順位付け」「改善活動とモニタリング」を実施しています。

また各社監査室は、定期的な内部監査を通じ、独立した立場で、リスク管理が効果的に実施されていることを検証し、各部署に対し、必要に応じてリスク管理向上のための助言を行っています。

<グループ成長戦略とリスク状況>

当社グループは、中期経営計画(2021-2025年)において、「食」の強みを軸とするグループ成長戦略を策定しています。これらの成長戦略を支える基盤として全社的なリスク管理を推進し、その一環として、成長戦略との関連性を評価しています。以下に、成長戦略を構成する主要事業に関連するリスク状況を記載します。

 

① 北米コンビニエンスストア事業

7-Eleven, Inc.は、北米コンビニエンスストア事業を拡大するために、オリジナル商品の強化、デジタル化とデリバリー事業の加速、7-Eleven, Inc.とSpeedwayの統合シナジーの創出、M&Aと新規出店を推進しています。

オリジナル商品の開発では、専用工場の調理製造能力の向上を目的とした設備の近代化を進め、オリジナル商品のバリューチェーンを強化し、品質と品揃えの向上を目指していますが、物流の混乱や食品安全の問題、ファスト・フードチェーン等との競争などの問題が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

デジタル化とデリバリー事業では、リアル店舗とデジタル・Eコマースプラットフォームのスピードと利便性を組み合わせる「7Rewards(ロイヤルティプログラム)」を通じて新たな体験価値と利便性を提供し、また、DXを活用したデリバリーサービス「7NOW」についても推進していますが、情報セキュリティ問題の発生や、お客様のニーズに応えられない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

7-Eleven, Inc.とSpeedwayの統合は、補完的な店舗基盤や店舗提供、戦略的な機会など様々なメリットをもたらすと期待しています。事業環境の変化や競争状況の変化により、成長機会やシナジー効果が実現しない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、ガソリン販売事業については、価格変動や環境法規制、電気自動車等の普及などにより、ガソリン需要が縮小する可能性があります。

北米コンビニエンスストア事業では、M&Aや新規出店による継続的な事業成長を目指していますが、競争の激化や環境法規制の変更、人財確保の難航化、訴訟、治安問題、気候変動・災害影響などが、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② グローバルコンビニエンスストア事業

7-Eleven International LLCは、7-Eleven, Inc.及び株式会社セブン‐イレブン・ジャパンとの連携を強化し、2025年までに日本と北米を除く地域で5万店舗、2030年までには全世界で30の国と地域に店舗を展開することを目指しています。これは、新規国の開拓だけでなく、戦略的投融資を通じて、海外市場での事業成長性を引き出すことで利益の拡大を図ります。また、新たな市場への進出を図るために、良好な市場を特定し、信頼できるパートナーと協力してブランド価値を向上させ、グローバル成長戦略を加速していきます。しかしながら、海外でのライセンシー展開には、政治的・社会的不安定、為替・貿易等の経済変動、環境やデータ保護をはじめとする法規制の変更・強化などが想定されます。これらの要因により、当社の成長力が制限され、当初想定した効果や利益が実現されない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 国内コンビニエンスストア事業

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、「セブンプレミアム」を中心とした「食」領域の強化、社会構造や消費形態の変化に対応した新たな店舗形態の実現、店舗による商品・サービスを基盤とした新規ビジネスの強化により、事業競争力の一層の強化と利益成長を加速させています。

コンビニエンスストア事業と当社グループの食品事業で培ってきた知見やネットワークを融合し、株式会社イトーヨーカ堂が育ててきたブランドである「顔が見える野菜。」「冷凍食品EASE UP」や、「セブンプレミアム」、新ブランドの「セブン・ザ・プライス」の拡充などにより品揃えを強化するとともに、生鮮品や冷凍食品、新しいカテゴリーの品揃えの充実が可能な新しいコンセプトの店舗フォーマットを作り、変動する社会の中においても更なる食のニーズに対応していきます。また、デリバリーサービス「7NOW」や、リテールメディアの活用による広告ビジネスへの参入など、新規ビジネスの強化を進めています。

しかしながら、お客様のニーズは絶えず変化しており、新たな価値を提供できなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ スーパーストア事業

スーパーストア事業について、株式会社イトーヨーカ堂では、グループ戦略の軸である「食」にフォーカスするべく、自主開発のアパレル事業からの完全撤退、首都圏へのフォーカス加速、首都圏事業の統合再編、プロセスセンターをはじめとする戦略投資インフラの整備と活用により、更なる利益成長が可能な収益構造の実現を目指しています。これらの施策については、外部変革エキスパートの起用により工程管理と完全実行を進めています。

ネットスーパー事業については、大型センター化による事業規模拡大、専用アプリを活用したお客様接点の拡充と買物体験の向上、店頭受取や店内ロッカー等の受取方法の多様化に挑戦し、お客様のライフスタイルや価値観に対応した新たな価値の提供を図っています。

しかしながら、スーパーストア事業の構造改革が計画どおりに進まない場合や、ネットスーパー事業が現在の競争力を維持できない場合、当初想定した効果が得られず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 金融関連事業

金融関連事業について、ATMプラットフォーム事業の拡大と電子マネー事業及びクレジットカード事業に引き続き注力しています。また、当社グループの共通IDである「7iD」を基軸とした金融商品・サービスの開発・展開を通じて、小売・金融一体の事業構造改革を推進しています。金融・決済関連システムのセキュリティと情報管理には十分な対策を講じていますが、外部攻撃の多様化や内部の人為ミス、業務委託先の管理不備などによる情報流出や改ざんのリスクは完全には回避できるものではなく、被害の規模によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループは、上記成長戦略を支える施策として、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。特に、お客様との接点を広げるためのグループ共通のIDである「7iD」を基軸に、品揃えの最適化や便利な買物体験の提供を通じ、更には金融戦略とも連携しながら、お客様のライフタイムバリュー向上につなげていきます。当社グループのお客様、ひいてはグループ全社を守るDX施策として、グループ共通のセキュリティ対策やグループ共通インフラの整備等に取り組みながら、運用の効率化やグループシナジーの発揮を目的とした基盤構築に向けた施策も実施しています。また、DX戦略を支える体制の更なる強化に向け、専門性の高い人財の獲得や既存人財に対するデジタルリテラシー向上施策等に継続的に努めています。しかしながら、競合他社も同様のサービスを強化しており、当社グループが競争力を維持できない場合、登録会員目標の未達や売上寄与率の低下などにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、戦略委員会において、これらのグループ重点戦略に関する進捗状況のモニタリング、及び戦略実現のための最適なグループ事業構造・戦略的選択肢(IPO・スピンオフ等)に関する包括的かつ客観的な分析・検証を継続的に実施し、これらの検証結果をもとに、当社グループの中長期的な企業価値・株主価値の最大化を目的とした提言を取締役会に対して行っています。

 

<リスク評価プロセス>

当社グループの内部環境の変化に加え、地政学リスクやESG関連リスクの高まりといった世界的な潮流の変化や、消費者の価値観の変化、ネット通販の拡大など事業環境の様々な変化をとらえる必要があります。特に近年では、先行き不透明な国際情勢など、企業活動を取り巻く環境の不確実性を高める要因が増大しています。

このような環境下において、これまでのリスク管理で主に対象としていた内部環境・短期的視点のリスクだけでなく、外部環境・中長期的視点のリスクを加え、内外環境変化に対応できるようリスク分類を整備・拡充しました。更に、リスクが顕在化した場合の業績に与える影響度の評価観点として、これまでの定量的な要素に、事業継続や当社グループのブランドイメージの毀損などの定性的な要素を追加することで、各種リスクの評価・分析の多角化・高度化を図っています。

また、各種リスクを主に重要性、共通性、顕在性、効率性の観点で総合的に判断の上、4つのリスククラスに分け、それぞれのリスククラスに応じて当社と当社グループ各社における役割と責任を明確化し、各種リスクの改善活動をその主体者が実施することで、グループ全体のリスク管理の実効性を高めています。

 

リスククラス

定義

役割・責任

改善活動

モニタリング

経営視点リスク

中長期的に当社グループへの影響度が高く、かつグループ全体で統一した考え方で対応すべき性質を持つリスク

当社

当社

グループ横断リスク

グループ全体に共通し、かつリスクが相対的に高く、効率性の観点から横断的に対応すべき性質を持つリスク

当社

当社

当社モニタリング対象リスク

リスクが相対的に高く、当社グループ各社で個別に対応すべき性質を持つリスク

各社

当社

各社PDCA対象リスク

上記以外の、当社グループ各社で個別に対応すべき性質を持つリスク

各社

各社

 

<当社グループの主要なリスク>

各種リスクの評価・分析の結果、当社グループの成長戦略、業績及び財務状況に影響を及ぼすことが想定される重要なリスク事象は以下のとおりです。

 

1. 中長期視点リスク(経営視点リスク)

中長期的に想定される外部環境の変化事象を抽出し、当社グループの成長戦略や重点課題、事業内容、ステークホルダー等の関連性に基づいて評価の上、将来発生した際に当社グループの成長戦略や持続可能性に中長期的な影響を与える変化事象を経営視点リスク(エマージングリスク)に該当する事象として特定しています。各種リスクについては、当社のリスクオーナー(主管部署)を選定の上、想定シナリオ及び対策の検討を進めています。また、これらの変化事象の推移を定期的にモニタリングし、随時更新と対策の見直しを行います。

想定するシナリオの発現をモニタリングすることで、リスクの発生を早期に検知し、リスク対策への迅速な着手と当社グループへの影響の抑制を図ります。なお、リスク対策については、当社グループの成長戦略や重点課題等を考慮に入れた経営レベルでの判断(リスクテイク/リスクヘッジ)を行っていきます。

現時点で特定している経営視点リスク(変化事象)は下表のとおりです。

 

CVS事業:コンビニエンスストア事業、SST事業:スーパーストア事業

分類

経営視点リスク

(変化事象)

想定リスクシナリオ

関連性の高い事業

北米CVS事業

グロ|バルCVS事業

国内CVS事業

SST事業

金融関連事業

1

政治

政治変化、混乱、

機能不全

出店している国において、政権交代や政策転換に伴い法規制の変更や強化が行われることで、営業許可や税制、関税、為替レートなどに影響を及ぼす可能性があります。また、政治の混乱や機能不全、経済危機などにより社会的な不安定が生じ、市場の需要や競争環境が変化する可能性があります。

2

紛争等による安全保障の崩壊

出店している国において、紛争の発生や、テロ、暴動、誘拐などの犯罪に巻き込まれることで、お客様や従業員等の安全や健康が脅かされる可能性があります。また、店舗や物流施設、商品供給網、商品在庫などの資産が破壊、略奪されることで、事業の継続や回復が困難になる可能性があります。

3

経済

ガソリン需要の

低下

ガソリン車の販売規制や電気自動車(EV)等への移行が進む各国において、将来的にガソリン販売から得られる収益が減少し、給油所が併設された店舗への来客数も減少する可能性があります。これに伴い、事業の見直しが必要となり、関連法規制への対応やEV充電設備等の増設などにかかるコストが発生する可能性があります。

 

 

 

4

社会

食料危機

パンデミック、気候変動に関連した異常気象、暴力的な紛争など、多岐にわたる原因により、世界全体又は特定の地域で原材料の供給が不足し、商品の安定的な供給が困難になる可能性があります。

 

5

人財/人手の不足

パンデミック、賃金インフレーション、労働争議、人口動態の変化などにより、人財/人手の確保に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

6

人権尊重に対する要請の高まり

あらゆるステークホルダーの人権尊重に対する適切な対応ができない場合、消費者や社会からの反発を招き、商品の供給やサービスを停止せざるを得ない状況に陥る可能性があります。

7

技術

物流・店舗運営の生産性を向上させる技術革新(AI含む)の加速

自動運転や店舗の無人化など、様々な技術が年々進化しています。これら新しい技術の導入により、業務の合理化や効率化が進む一方で、法規制の遵守、事業運営の変更への対応、設備投資に係るコスト増加などが発生する可能性があります。

 

8

環境

脱炭素化の加速

当社グループにおける脱炭素化の取り組みが進まなかった場合、事業運営に必要なエネルギーの調達に関するコスト、税金や排出権取引等の負担が増加する可能性があります。更に、消費者や社会からの信頼や評価を失い、事業収益に影響を及ぼす可能性があります。

9

食のサプライチェーンにおける環境負荷低減の要請の高まり

食のサプライチェーン全体を通じた環境負荷低減の取り組みが進まなかった場合、生産方法や配送手段、容器包装素材などの変更に伴うコストの負担が増加する可能性があります。更に、消費者や社会からの信頼や評価を失い、事業収益に影響を及ぼす可能性があります。

 

10

食品ロス削減の

要請の高まり

食品の需要予測や在庫管理が十分に機能しなかった場合、食品ロス削減の取り組みが進まないことによる廃棄・返品に係るコスト増加や環境負荷増大が発生する可能性があります。更に、消費者や社会からの信頼や評価を失い、事業収益に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

上記の経営視点リスク(変化事象)の一部については、リスクオーナー(主管部署)を選定の上、各種取り組みを推進しています。

以下に取り組み内容の事例を記載します。

 

「6 人権尊重に対する要請の高まり」の主な取り組み事例(リスクオーナー:人権推進プロジェクト)

・人権方針の策定及び推進

・人権デュー・ディリジェンスの実施

・人権への影響評価(人権リスクの特定及び人権リスクマップの作成)

・予防是正措置の実施(従業員への教育研修、お取引先様への周知活動、社内環境・制度の整備)

・モニタリングの実施(従業員エンゲージメント調査、お取引先様アンケート、グループオリジナル商品の製造工場へのCSR監査)

・グリーバンスメカニズムの構築と救済措置(グループ共通の「従業員ヘルプライン」「お取引先専用ヘルプライン」「監査役ホットライン」)

 

 

「8 脱炭素化の加速」の主な取り組み事例(リスクオーナー:サステナビリティ推進部)

・従業員による省エネの推進(グループ横断の「省エネコンテスト」開催など)

・店舗における省エネ・創エネ設備の導入促進(大規模太陽光発電の導入など)

・「再エネ100%」店舗運営の実証実験など

 

「10 食品ロス削減の要請の高まり」の主な取り組み事例(リスクオーナー:サステナビリティ推進部)

・サプライチェーン全体での取り組み

・食品廃棄物削減に向けた各社の取り組み(「エシカルプロジェクト」の推進、フードバンク団体への寄付など)

・環境循環型農業の取り組み(株式会社セブンファームの設立)など

 

2. 短期視点リスク

 当社及び当社グループ各社が洗い出した各種リスクのうち、影響度や発生可能性等を考慮し、総合的な判断により、当社が管理すべき重要なリスク事象を選定し、各種リスクの状況やリスク対策の実行を定期的にモニタリングしています。

 重要なリスク事象のうち、当社グループの成長戦略への影響が大きく、その共通性、顕在性、効率性の観点から横断的に対応すべき性質を持つ「グループ横断リスク」を下表のとおり選定しました。

 

リスク内容

影響度

発生可能性

食品の品質表示、衛生管理に関するリスク

ソーシャルメディア炎上リスク、危機管理広報に関するリスク

地震・津波・噴火に関するリスク

サイバーセキュリティに関するリスク

反社会的勢力対応に関するリスク

 

 グループ横断リスクのほか、当社が主体的に管理する重要なリスク事象の主なものを以下に記載しています。

 

① グループ経営リスク

主なリスクの内容

リスククラス

グループ経営戦略・成長戦略に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、2023年3月公表のグループ戦略の再評価を踏まえて、2030年に目指すグループ像を「セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、「食」を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」 としています。その達成に向けた各種施策を遂行する過程において、不適当な経営資源の配分、当初想定した「食」の強みの毀損、「食」に関するシナジー効果の低下、国内外コンビニエンスストア事業戦略の停滞、スーパーストア事業変革プログラム効果の低下等が発生し、当社グループ各社における予算の未達、ひいては連結財務諸表への影響から中期経営計画の未達により株価の大幅な低下につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・グループガバナンスの見直しによるグループ経営体制の安定化とモニタリング機能の強化

‐各事業セグメントに統括責任役員を配置、コーポレート部門へCxO(Chief x Officer)制度の導入

‐独立社外取締役が過半数を占める取締役会におけるグループ重点戦略の進捗モニタリング

‐独立社外取締役のみで構成される戦略委員会におけるグループ重点戦略の進捗モニタリング

 

主なリスクの内容

リスククラス

M&A、売却或いは業務提携の失敗に関するリスク(投資回収)

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループでは、事業の拡大のため、M&A等の戦略的投資を行っています。買収時におけるデュー・ディリジェンスの不足等により、PMI(Post Merger Integration)がうまく進まず、又は当初想定したシナジー効果を実現できず、減損損失が発生する可能性があります。また、これらに起因して、企業価値の低下や、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・買収時におけるデュー・ディリジェンスの確実な実施

・統合プロセスの定期的なモニタリング

 

 

 

主なリスクの内容

リスククラス

M&Aに関するリスク(買収防衛)

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社に対する敵対的TOB(公開株式買付)が成立した場合、新たな株主や経営陣の支配下で企業の戦略方針や企業文化が変更となり、経営陣や幹部が変更されることで従業員の不安・不満を引き起こし、業務プロセス・ITシステムの統合に多大な負荷と様々な問題が生じる可能性があります。また、これらに起因して、企業価値の低下や、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・業績の更なる向上やコーポレート・ガバナンスの強化等を通じたグループ企業価値の最大化

・「財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」「買収防衛策」の策定

 

② 事業リスク

主なリスクの内容

リスククラス

ビジネスモデルに関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、日本及び米国において主要な事業を行うほか、世界各地で事業を展開しています。地域の特性を重視した商品開発と品揃えを強化し、お客様のニーズに的確に対応するべく、販売戦略に基づいて様々な分野のお取引先様と共同で商品開発を行うほか、各社アプリ等を通じて様々なデータの収集・分析を行い、販促活動等を効果的に行っていますが、日本、米国及び事業を展開している国又は地域の景気や個人消費の動向などの経済状態の悪化や、お客様や市場のニーズに合わせた商品やサービスを提供できないことにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・独立社外取締役が過半数を占める取締役会における主要事業会社の経営状況モニタリング

・独立社外取締役のみで構成される戦略委員会における市場のモニタリング、グループ戦略再評価、グループ重点戦略の進捗モニタリング

 

③ 品質リスク

主なリスクの内容

リスククラス

食品の品質表示、衛生管理に関するリスク

グループ横断リスク

想定リスクシナリオ

当社グループでは、関係法令の規制に基づき、お客様に安全かつ安心な商品を提供し、正確な情報を伝えるよう努めており、また、「セブンプレミアム」やグループ各社のオリジナル商品を更に拡大して、新しい価値、上質の商品やサービスをお客様に提供し続けることに挑戦していますが、食品表示法違反や食品衛生管理の不備に関する事象などの重大な事故等が発生した場合には、当社グループの商品に対する信頼の低下、お客様への補償、商品回収等の対応コストの発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・お取引先様との共同による品質管理向上の取り組み、表示ミスや衛生管理不備等の重大事故対策を実施

・店舗の表示ミスや衛生管理不備を防止するための教育及び対策設備導入の推進

・HACCP研修、サプライヤー監査研修、各種e-ラーニング等の従業員教育・研修

 

 

④ サプライチェーンリスク

主なリスクの内容

リスククラス

安定供給の阻害に関するリスク(オペレーション要因)

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループの事業活動にとって、十分な品質の商品・原材料等を適時に必要なだけ調達することが不可欠であり、特定の地域・お取引先様・製品・技術等に大きく依存しないよう、その分散化を図っています。特に、気温上昇や降水・気象パターンの変化等の気候変動により、今後中長期的に農畜水産物の収量の減少や品質の低下、農産品の栽培適地や漁場の変化が生じる可能性があります。これら変化への対応として分散調達と一次生産者との収穫量向上に向けた協働等に努めていますが、気温上昇や気象パターンの変化等の気候変動などに伴う工場生産停止等により、仕入ルートの一部が寸断する可能性があります。また、物流における配送委託業者における燃料費高騰や人財不足により、サプライチェーンが寸断される可能性があります。将来的には、商品製造段階における電力をはじめとするエネルギー価格が、気候変動に伴う規制・政策・紛争などにより高騰した場合にも仕入価格が影響を被る可能性もあります。これらは、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・設備・機器の定期メンテナンスと部品の確保、代替機の手配などの生産設備の維持管理

・市場動向のモニタリング、価格改定や高値入商品の開発、固定原価での原料調達など

・お取引先様の信用情報や資金繰りのモニタリング、特定の調達先に依存しないリスク分散

・物流コストの効率改善や配送委託業者との連携による配送の安定化

 

⑤ 開示・ブランドリスク

主なリスクの内容

リスククラス

ソーシャルメディア炎上リスク、危機管理広報に関するリスク

グループ横断リスク

想定リスクシナリオ

お客様や従業員の不適切な行動や、未公表情報のSNS投稿に批判が殺到し、各種マスメディアを通じて拡散することで、当社グループの企業イメージが毀損する可能性があります。また、適切な情報開示の遅れや失敗により、当社グループの事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

対策

・SNSに対する従業員教育、危機意識強化(e-ラーニング、SNSリスク関連情報の定期発信)

・リスク管理担当者、広報担当者、SNS運用担当者向けのリスク対策研修の実施

・外部専門会社を活用した、SNS・マスメディアの情報収集・早期検知・分析・調査・評価を実行する体制整備

・危機管理広報マニュアルの整備と周知

・当社及び当社グループ各社の連携体制強化(情報共有、初動対応)

 

主なリスクの内容

リスククラス

コーポレート・ブランド管理に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

企業理念にそぐわないPRやマーケティング戦略、公式アカウントでの不適切な発信により、ブランドイメージが毀損する可能性があります。また、SNSでの炎上、各種マスメディアでの取り上げにより、お客様やお取引先様からの批判が発生し、当社グループの事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

対策

・SNS運用ガイドラインの整備、チェック部門による文書審査、コンプライアンスプログラムに基づく業務適切性の検証など、未然防止の体制を整備

・SNS炎上事例及び対策を学ぶセミナー、情報発信リスク研修の開催

 

 

⑥ 人事・労務リスク

主なリスクの内容

リスククラス

労働関連法令の違反、従業員の安全・衛生に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、「セブン&アイグループ企業行動指針」で定める行動基準に基づいて、労働安全衛生や労働災害防止のための対策を講じるとともに、従業員が健康に働けるための仕組みの導入や支援を行っています。しかしながら、従業員の就業管理の不備により労働基準法違反(未払い残業代、年次有給休暇の未取得等)で行政処分(業務停止命令、罰金等)が発生し、また、労働安全衛生の対策不備による怪我・疾病、過重労働等による身体・精神の健康被害が発生した場合、業務運営の適切性や効率性が失われ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・就業管理システムによる就業時間(時間外労働)、休暇取得状況の管理

・産業医による職場巡視

・安全衛生委員会による情報周知

・従業員のストレスチェック

 

⑦ 財務・経理・会計リスク

主なリスクの内容

リスククラス

金利変動・為替変動に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、金利・為替等の変動リスクの軽減、資金調達コストの低減、将来のキャッシュフローを最適化するために為替予約及びスワップ等のデリバティブ取引を行っていますが、金利の変動は受払利息や金融資産・負債の価値に影響を与え、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

海外のグループ会社の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されます。また、当社グループの販売商品の中には、為替変動の影響を受ける海外開発商品があるため、為替相場の変動により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・為替予約及びスワップ等のデリバティブ取引

・継続的なモニタリング

 

主なリスクの内容

リスククラス

固定資産の減損に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、連結総資産に占める有形固定資産やのれん等の割合が高く、店舗等の収益管理を厳格に実施しています。しかしながら、今後、店舗等の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落すること等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・出店審査基準の設定、定期的なモニタリング

・資産購入基準の設定、保有資産の市場価格の定期的なモニタリング

 

⑧ 法務・コンプライアンスリスク

主なリスクの内容

リスククラス

競争法(下請法又は優越的地位濫用規制違反)に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、日本及び米国をはじめとする世界各地で、それぞれの国・地域における公正競争に関する法規制を遵守し、事業を遂行しています。これら法規制の遵守状況をモニタリングし、必要な対応を適切に実施するべく、体制を整えていますが、代金減額や支払い遅延、従業員派遣要請などの不適切な取引行為などの下請法違反や優越的地位濫用規制違反により、公正取引に関する行政機関による指導や勧告、公表、排除措置命令、課徴金納付命令、刑罰などの措置が取られた場合、当社グループの事業活動や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・自主点検、モニタリング、お取引先様アンケートの実施、お取引先専用ヘルプラインの設置

・e-ラーニング、公正取引に関する研修を通じた社員教育(取引ルールの遵守と従業員の意識向上)

 

 

主なリスクの内容

リスククラス

知的財産権に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループの商品やサービスが、第三者の保有する知的財産権を侵害することにより、紛争等が発生し、使用差止に伴う収益減少や損害賠償義務などが発生する可能性があります。他方で、当社グループの商品やサービスのデザイン、技術などが第三者に模倣され、当社の知的財産権が侵害されることにより、ブランドイメージの低下や市場競争力の低下などを招く可能性があります。これらは、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・新商品や新サービスの提供に際して第三者の知的財産権を調査する体制の整備

・当社の知的財産権のパトロール(侵害行為の監視活動)の実施

・知的財産教育(e-ラーニング、勉強会等の実施)

 

主なリスクの内容

リスククラス

反社会的勢力対応に関するリスク

グループ横断リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、「セブン&アイグループ企業行動指針」に基づいて反社会的勢力と関わりをもたないとの方針を掲げていますが、反社会的勢力との取引が明らかになった場合、関係法令に基づく公表や罰則などの制裁や行政機関からの処分、金融機関との取引停止、信頼できるお取引先様との契約解除などが発生する可能性があります。また、対処方法を誤ると、SNSやマスメディアに取り上げられることにより、グループの企業イメージが失墜する可能性があります。これらは、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・グループ共通の反社チェック、及び定期的なモニタリングの体制構築

・反社会的勢力との取引判明時の対応マニュアル策定

 

⑨ 災害・事件・事故リスク

主なリスクの内容

リスククラス

地震・津波・噴火に関するリスク

グループ横断リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、日本及び米国のほか、世界各地で事業を展開しています。また、ライフラインの一翼を担う小売業を中核事業とする当社グループでは、大規模地震が、特に主要な事業の店舗等が集中している大都市圏で発生し、サプライチェーンの寸断や事業活動の停止、施設の改修に係る多額の費用の発生など、当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、事業活動の復旧が長期化した場合には、災害時の地域支援活動など、当社グループの社会インフラとしての役割を果たせない可能性があります。

対策

・大規模災害対策書(BCP)の周知、及びBCPに基づき人命第一で行動できる体制の構築

・従業員教育(防災e-ラーニング、研修など)

・大規模災害演習の実施(当社グループ各社との連携)

 

主なリスクの内容

リスククラス

風水害・台風・集中豪雨・竜巻・雷・豪雪に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

台風等による暴風、集中豪雨による河川の氾濫等が発生し、サプライチェーンの寸断や事業活動の停止、施設の改修に係る多額の費用の発生など、当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、事業活動の復旧が長期化した場合には、災害時の地域支援活動など、当社グループの社会インフラとしての役割を果たせない可能性があります。

対策

・事前情報収集や事前対策会議の開催

・大規模災害対策(BCP)の周知、及びBCPに基づき人命第一で行動できる体制の構築

・代替拠点の整備や防水壁・止水板の設置、防災訓練の実施など

 

⑩ 情報セキュリティ・システムリスク

主なリスクの内容

リスククラス

サイバーセキュリティに関するリスク

グループ横断リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、小売業や金融事業をはじめとする各種事業において、お客様に新たな価値やサービスを提供するために、お客様からご提供いただいたデータや営業秘密情報などの重要情報を取り扱っています。これらの情報を守るため、サイバー攻撃を経営における重大なリスクとして位置付け、サイバーセキュリティ対策の強化に努めています。しかしながら、標的型メールやランサムウェアによる特定のターゲットへの攻撃、DDoS攻撃をはじめとするシステムに負荷をかける攻撃、テレワークやオンライン会議の脆弱性を狙う攻撃など、攻撃の手法は日々高度化・巧妙化しており、外部からのサイバー攻撃を受けて、重要情報の漏えいやデータの破壊・改ざん、お客様のアカウントの乗っ取り、システム・サービスの停止などの被害が発生し、お客様財産の損害、事業運営・サービス提供や、利用者・社会風評に著しい影響を及ぼす可能性があります。

対策

・事故対応の専門組織である7&i CSIRT(7&i Computer Security Incident Response Team)の設置

・SOC(Security Operation Center)による脅威情報の分析・対応

・外部団体と連携した攻撃情報や対策動向の共有

・情報システムのセキュリティ対策や脆弱性に関するレビュー・診断の実施

・当社グループ各社のインシデント対応担当者向けのサイバーセキュリティ教育及び訓練の実施

・サイバー攻撃に関する全従業員向けの訓練の定期実施

 

主なリスクの内容

リスククラス

システムに関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、事業活動を遂行するために多数のシステムを保有しています。各システムの安定稼働が求められる中で、情報システムに関するリスクを、経営上重大なリスクとして位置付けて対策の強化に努めています。しかしながら、開発時の品質管理の不足、システム設定の不備、運用における人為的ミス、クラウドサービスをはじめとする外部サービスの予期せぬ停止、大規模地震や風水害などの自然災害などにより、情報システムに障害が発生して安定稼働が損なわれ、お客様財産の損害、事業運営・サービス提供や、利用者・社会風評に著しい影響を及ぼす可能性があります。

対策

・開発の各工程におけるレビューの徹底

・システム設定の不備の監視

・運用体制の整備・運用状況の監視

・外部サービスの利用可否の評価

・情報システムの冗長化

・重要設備・機器の防護

 

 

主なリスクの内容

リスククラス

個人情報に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループでは、小売業や金融事業をはじめとする各種事業において、新たな価値やサービスを提供するために、お客様やお取引先様などの個人情報を取り扱っています。個人情報管理の重要性の高まりを受けて法令に準拠した対応が求められており、個人情報に関するリスクを、経営上重大なリスクとして位置付けて対策の強化に努めています。しかしながら、内外環境の変化に対応した内部統制の整備不備、安全対策の不備、個人情報取り扱い時の人為的ミス、従業員による不正、委託先の管理監督不足などにより、個人情報の漏えい・滅失・毀損や法令違反などが発生し、お客様財産の損害、事業運営・サービス提供や、利用者・社会風評に著しい影響を及ぼす可能性があります。

対策

・「セブン&アイグループ個人情報保護方針」の策定

・個人情報保護法をはじめとする法令に準拠した手続きの整備

・ISO27001に準拠した安全対策の整備

・従業員に対する教育・訓練の実施

・委託先の管理監督の徹底

・個人情報に関する事故発生時の緊急対応体制の整備

・「7iD」をはじめとする個人情報の取扱状況の整備

 

⑪ 人権リスク

主なリスクの内容

リスククラス

人権侵害に関するリスク(従業員・お取引先様)

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

企業活動のグローバル化が進み、企業の人権への取り組みに対して、社会からの関心が高まっています。当社グループは、2021年10月、国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約)、労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関の宣言、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」などをもとに、「セブン&アイグループ人権方針」を定め、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、人権への悪影響を防止又は軽減することに努めています。また、「お取引先サステナブル行動指針」に基づいて、お取引先様の協力のもと、人権尊重の取り組みを推進しています。しかしながら、これらの方針を逸脱した行為が発生した場合には、当社グループに対するお客様及びお取引先様の信頼低下などにより、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対策

・従業員への教育研修(e-ラーニング等)、お取引先様への周知活動

・従業員エンゲージメント調査、お取引先様アンケート、グループオリジナル商品の製造工場へのCSR監査

・内部通報制度(グループ共通の「従業員ヘルプライン」「お取引先専用ヘルプライン」「監査役ホットライン」の設置)の利用促進による人権侵害等の早期発見・是正対応

 

 

⑫ 環境リスク

主なリスクの内容

リスククラス

環境規制・環境法令対応に関するリスク

当社モニタリング対象リスク

想定リスクシナリオ

当社グループは、様々な社会環境の変化に対応し、価値ある商品やサービスの提供を通じて、お客様の豊かで便利なくらしへの貢献に努めています。一方、世界では気候変動、プラスチック問題などの様々な環境問題が顕在化しています。こうした社会の動きに対応するべく、当社グループは環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を策定し、「脱炭素社会」「循環経済社会」「自然共生社会」を目指すべき社会の姿と定めて、取り組みを推進しています。特に喫緊の課題である気候変動に関しては、2050年のCO₂排出量ネットゼロを目指し、TCFDへの賛同と情報開示、RE100等へ参画しています。また、生物多様性の課題に対し、2023年1月にTNFDフォーラムへ参画しました。

一方で、当社グループは、エネルギー使用の削減やCO₂排出量の削減などの気候変動対策をはじめとして、食品廃棄物、プラスチック等の容器包装リサイクル、廃棄物処理などに関する様々な環境関連法令の適用を受けています。将来、これらの法規制は、例えば気候変動対策においては、温室効果ガス排出規制が強化されたり、炭素税などの新しい法規制・政策が導入される可能性があり、当社グループにとって、法令遵守に係る追加コストが生じたり、事業活動が制限される可能性があります。加えて、規制強化によって電力・ガスなどエネルギー費用が変動することで、店舗運営に係る費用が増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

対策

・プラスチック素材の削減と環境配慮型素材への置き換え、回収・リサイクルの推進の目標・計画の策定

・食品ロス・食品リサイクル対策として、店舗における発生抑制を第一優先に、発生させてしまった食品廃棄物についてはサーキュラエコノミーを意識した取り組みの推進

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、1株当たりの配当金を安定的・継続的に向上させつつ、総還元性向50%以上(2023年度から2025年度累計)を目標とした株主還元を実施することとしております。

 なお、2024年度より、持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を導入することとしております。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これら剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 当期末の剰余金の配当につきましては、1株当たり56円50銭、当中間配当の1株当たり56円50銭と合わせて、年間では1株当たり113円00銭となりました。

 当社は2024年3月1日を効力発生日として普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。当期の期末

配当につきましては、配当基準日が2024年2月29日となりますので、当該株式分割前の株式数を基準として配当を実施いたします。

 内部留保資金については、資本効率性に立脚した投資判断に基づき、グループの成長ドライバーであるコンビニエンスストア事業への戦略投資に集中的に配分し、加速度的な成長を推進していく方針としております。

 当社は、「取締役会の決議により、毎年8月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

2023年10月12日

49,980

56円50銭

取締役会

2024年5月28日

49,488

56円50銭

定時株主総会