2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    7,027名(単体) 46,294名(連結)
  • 平均年齢
    40.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.4年(単体)
  • 平均年収
    8,384,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.2%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 人材戦略に関する基本方針

東レグループは、「東レ理念」及び長期経営ビジョン“TORAY VISION 2030”、中期経営課題“プロジェクト
AP-G 2025”において、「持続的かつ健全な成長」の実現を目指し、事業の高度化・高付加価値化や成長領域への展開、事業構造改革を進めてまいりました。これらの経営戦略を着実に実行するためには、それを担う人材の確保・育成及び組織基盤の強化が不可欠であることから、経営戦略と連動した人的資本経営を重要な経営課題として取り組んでおります。

 

(a) 基本的な考え方:当社中期経営課題の基本戦略「『人を基本とする経営』の深化」について

東レグループでは、創業以来、人材育成を重視する姿勢を明確にし、「企業の盛衰は人が制し、人こそが企業の未来を拓く」との考え方の下、2011年に「東レグローバルHRマネジメント基本方針」を定め、「人材の確保と育成」を最重要の経営課題として取り組んできました。

2020年5月“TORAY VISION 2030”の発表に併せて体系化された当社経営思想「東レ理念」において、「人を基本とする経営」が企業理念の土台となる企業文化として改めて位置付けられました。そして、このビジョン実現に向けた中期経営課題“プロジェクト AP-G 2025”においては、基本戦略のひとつとして、「『人を基本とする経営』の深化」を掲げ、東レグループ人材基盤の強化に取り組んでおります。

「人を基本とする経営」では、「新しい価値を生み出す、プロフェッショナル人材の育成」と「この“プロ人材”が、東レグループというフィールドで成長し、活き活きと働くことができる環境づくり」に取り組んでおります。東レが創業初期から培ってきた人材育成を経営の根幹におく基本戦略であり、企業価値の最大化とその先にある社会貢献の実現を目指しております。

 

「『人を基本とする経営』の深化」は、不確実性の高まった経営環境、価値観の多様化やキャリア自律意識の高まりなどの人的側面の変化に対応し、「人を基本とする経営」をアップデートするものです。「多様な人材・価値観の包摂」「変化に適合する人材・組織づくり」「東レ理念への共感・働きがいのあるキャリア形成(エンゲージメント)」にフォーカスし、「企業価値の最大化」と「従業員の幸福度を高める」ための人材戦略を策定し、取り組みを進めております。

 

 

(b) 人材育成方針

成長領域での価値創出や、事業構造改革を担う人材を計画的に育成するため、「東レグローバルHRマネジメント基本方針」に沿って、「人材の確保と育成」を最重要の経営課題として取り組んでおります。具体的な育成目標は次の4点になります。

・「公正で高い倫理観と責任感をもって行動できる社会人」の育成

・「高度な専門知識・技術、独創性をもって課題解決できるプロ人材」の育成

・「先見性、リーダーシップ、バランス感覚をもって行動できるリーダー」の育成

・「グローバルに活躍できる社会人、プロ人材、リーダー」の育成

 

(c) 主要な人材戦略とKPI

(ⅰ) 多様な人材・価値観の包摂

<人材戦略>

性別や年齢、国籍、価値観などの違いを尊重し、誰もが自分らしく働ける職場づくりに継続して取り組みます。多様な人材がそれぞれの持ち味を発揮し活躍できるよう、女性や経験者の採用拡大、柔軟な働き方の実現、DE&Iに関する啓発活動など、さまざまな取り組みを強化しております。今後も多様性を受け入れ、互いに認め合うことで、組織全体の活力と創造性を高めてまいります。

 

<具体的な取り組み>

・キャリアシート

当社は、社員一人ひとりの成長を支援するツールとして「キャリアシート」を導入し、社員自身がキャリアプランを自ら構想して、これまでの業務経験や求められるスキルに対する現在の到達レベルを上司との面談を通じて確認し、キャリア形成を図る取り組みを行っております。

 

・自己申告制度

更に、ジョブ・ローテーションのシステムとして自己申告制度を取り入れており、社員はキャリアアップに向けた異動を毎年申告することができます。個を重視した自律的なキャリア形成を支援する人材育成策を通じて、多様な人材・価値観を包摂し、モチベーション、創造性、生産性の高い組織づくりを進めております。

 

・多様な人材の安定的確保と活躍

多様化する社会課題の解決や顧客ニーズに対応するには、性別・年齢・国籍などの属性に囚われず、多様なバックグラウンドを持つ人材を事業計画に沿って確保していく必要があります。特に女性に関しては、1958年の女性管理職登用、法制化される約20年前となる1974年の育児休業導入、2003年の関係会社における社長への登用、2004年の「女性活躍推進プロジェクト」発足など、早くから女性の登用とキャリア形成支援を進めてきました。2026年3月には、上述した個人ごとの能力開発とキャリア形成強化の取り組みを推進し、性別を問わず共働き・共育ての支援を強化することにより、女性管理職比率及び男性の育児休職取得率の向上を目指すことを目的とした5年間(2026年4月~2031年3月)の行動計画を策定・公表しました。また、新卒採用におけるGコース(当社基幹人材)女性の割合を、毎年35%以上にすることを目標にしました。

なお、女性活躍推進活動を進めれば進めるほど、向き合う課題が女性特有の課題のみでなく、組織風土や企業風土の課題となってきました。そのため、2024年8月に専任組織を設置し、専任者を配置するとともに、組織風土改革に熱意のある社員をワーキングチーム(現職は継続しつつ、組織風土改革プロジェクトに参加)として募集し、新たにHCM (Human Centric Management)推進活動をスタートしました。ワーキングチームで議論した内容を経営に反映することで、組織風土の改革を進めていきます。

 

・管理・専門職の人事・処遇制度改定

経営戦略と連動する人材戦略の実現に向け、人事・処遇制度についても体系的な見直しを進めています。まずは役員・経営層を対象に、フェロー制度の導入や報酬制度の見直し、360度フィードバックの導入などを先行して実施してきましたが、2026年4月に、第一線の経営リーダーである管理職層(当社管理・専門職)の人事・処遇制度を抜本的に改定しました。

本改定では、従来のポスト重視の制度設計を見直し、個々人の職責・役割、成果及び能力発揮度を重視する仕組みへ転換しました。管理職・専門職と区分していた職掌を「プロフェッショナル職」に一本化し、ポストと資格の連動を緩やかにすることで、柔軟な人材配置や若手層の早期登用を可能な仕組みとし、次世代経営人材の育成につなげていきます。あわせて、人事評価制度については、経営戦略や組織目標との整合性を高めるため、OKR (Objectives and Key Results)を活用した目標管理を導入し、挑戦的な目標設定と成果創出のプロセスを評価する仕組みとしました。さらに、シニア世代層に対してはキャリアレビュー制度を導入し、これまで培ってきた経験や専門性を活かした役割の明確化や、多様な活躍の機会の創出とあわせて、キャリア形成支援施策の強化を進めることで、意欲と能力が発揮され続ける環境づくりを推進していきます。

 

・ワークライフバランス

当社では、性別や家庭事情の有無にかかわらず、誰もがワークライフバランスを実現できるよう、コアタイムのないフレックスタイム制度、在宅勤務制度、時間単位年休制度など、育児や介護などの事情がなくとも利用可能な制度を整え、時間外労働削減や年休取得促進にも取り組んでいます。また、共働きが主流となった現状において、性別問わず家庭や育児と仕事を両立し、本人が描くキャリアを実現できるよう、両立支援制度の充実だけでなく、制度を利用しやすい環境づくりや、キャリア面談の充実などに取り組んでいます。また、育児や介護による休職者の業務をカバーした従業員に対して会社として感謝の意を表すとともに、制度利用者の負担を軽減し、両立支援制度を利用しやすい風土のさらなる醸成を目指し、2026年4月からは「育児・介護休職サポート応援金制度」を導入しました。これら「共働き・共育てを可能にする性別を問わない両立支援」の取り組みが評価され、当社は令和6年度から2年連続で「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」に選定されました。また、当社は2007年から継続して厚生労働省より「くるみん」認定を受けてきましたが、近年特に注力している時間外労働の削減、年休取得率や育休取得率の向上などの実績が評価され、2025年10月には「プラチナくるみん」の認定を初取得しました。

 

(ⅱ) 変化に適合する人材・組織づくり

<人材戦略>

高付加価値化や新事業創出を支えるために、経営の担い手となる後継人材、海外事業を牽引する現地採用の経営人材(ナショナルスタッフ)、研究・技術領域の高度専門人材を計画的に育成・配置し、経営環境変化への適合力の高い人材基盤を構築してまいりました。今後も事業戦略と人材戦略を連動させることで、社員一人ひとりのポテンシャリティーを最大限発揮することにより、組織全体の活力と人材競争力を高めてまいります。

 

<具体的な取り組み>

・経営人材育成(人材中期計画)

当社では、経営戦略、各事業戦略上必要な人材を「基幹ポスト後継候補者」として、個別の育成・登用を計画的に行っております。後継候補者は、基幹ポストへの登用タイミング(短期~中長期・次世代)ごとに策定し、特に重要なポストについては、毎年トップマネジメントが構想を確認しております。当該候補者には、選抜研修である「経営幹部育成研修」(部長層対象)、「東レ経営スクール(TKS)」(課長層対象)を受講させ、研修終了後には東レグループ重要ポストに起用(タフアサインメント)する人事を行います。研修で得た「経営に必要な知識・スキル」や「経営者の心構えと覚悟」を東レグループ重要ポストにおいて実践する、という研修と人事を連動させた取り組みを継続的に実施し、経営人材を計画的に育成しております。

なお、経営人材育成に関するKPIとして次の2つを設定します。

・人材育成状況を示す「基幹ポスト後継候補者充足率」が常に150%以上

・後継候補人材を着実に育成するため、選抜研修(注)を毎年50人以上に実施

(注) 経営幹部育成研修、TKS、東レグループ経営スクール(TGKS)

 

・海外ナショナルスタッフ(NS)基幹人材の計画的育成・登用

重要性が増す海外事業を支え、牽引する海外NS優秀基幹人材の育成・登用を進めるため、2017年度より海外関係会社において、各社部門長、工場長以上を対象に海外NS人材中期計画の策定と優秀人材の選抜・認定を実施し、計画的な優秀人材の確保・育成・登用を図っております。

海外人材育成では、海外各社での研修の上位概念として、東レグループの経営理念や方針の理解を深め、経営幹部人材の育成を計画的に図るため、階層別(役員層、部長層、課長層)に東レ本社において海外NS基幹人材研修プログラムを実施しております。また各国・地域においても、各国・地域の事情やニーズに応じたマネジメント研修を計画的・階層別に実施しております。

この取り組みのKPIは、NSが日本や各国・地域で研修に参加した人数とします。

 

・高度専門人材

企業理念である、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を持続的に実現するためには、高度な専門性を有する人材の育成が不可欠です。そのためには、専門職を目指す人材にとって魅力的なキャリアの道筋を示し、専門性の向上・発揮に専念できる環境を整え、今まで以上に切磋琢磨する風土を醸成していくことが必要と考え、2024年6月にフェロー制度を導入し、1名のエグゼクティブフェロー、7名のシニアフェローが認定されています(有価証券報告書提出日現在)。

エグゼクティブフェロー:フェローの中でも、特に傑出した専門性と実績を有する者。

当社執行役員と同等の処遇を行う。

シニアフェロー:当社の重要な事業及び研究・技術領域において、卓越した専門性を背景にした社内外一流の専門家として、革新的な製品・技術の創出や、経営への高度なアドバイザリーを担う者。当社理事と同等の処遇を行う。

 

・全社人材戦略と事業戦略の連動

全社の人材戦略が事業戦略の実現にしっかりと結びつくよう、2023年度以降、各事業本部にHRBPを順次配置し、人材ポートフォリオの最適化と将来の経営リーダー育成を推進しております。各事業の中期経営課題の中で「人を基本とする経営」に関するテーマを設定し、現状把握に基づいて次世代リーダーの人材要件を明確化し、経営後継人材の育成・確保の取り組みを進めております。

 

・デジタル人材の確保・育成

ビジネス環境の変化に対応し、DXやAIを積極的に導入し、データやデジタル技術を活用して変革を推進できる人材の確保・育成に取り組んでいます。ITやデジタル技術に精通したエキスパート人材に加え、現場課題を起点としてデジタル技術を活用して課題解決に取り組む人材を重視し、DX人材認定制度と連動したDX研修を整備しています。現場密着型のDX推進で実践力向上を図るとともに、外部との交流や協働も活用しながら、全社的なデジタル活用力の底上げを進めています。

 

・360度フィードバックの導入

新規事業創出や事業構造改革に全力でチャレンジできる組織風土を作り上げていくためには、経営層が多様で客観的な意見に耳を傾け、新しい価値創造へのチャレンジを率先垂範することが重要です。当社では2025年度から役員・部門長層を対象に「360度フィードバック」を導入し、対象者は上司・同僚・部下からのコメントを受けて、経営層自身の成長と組織の成長に繋げる取り組みを進めております。2026年度は部長層まで対象を拡大する計画です。

 

(ⅲ) 東レ理念への共感、働きがいあるキャリア形成(エンゲージメント)

<人材戦略>

東レの理念に共感し、日々の仕事に誇りとやりがいを感じられる組織風土を醸成し、従業員一人ひとりが自分の役割を理解し、主体的に目標を立てて仕事を通じて成長できるよう、組織風土改革やエンゲージメント向上の取り組みを進めております。今後も、健康経営の推進や働きやすい職場環境の整備、自律的なキャリア形成を支援する制度の充実など、さまざまな施策を通じて、従業員が安心して働き続けられる環境づくりを進めてまいります。

 

<具体的な取り組み>

・従業員サーベイによる実態把握と改善

当社では、2013年度より隔年で従業員サーベイを実施してきましたが、2023年度より、サーベイ実施内容の見直し(満足度だけではなく、期待と実感の両面を測定)、実施頻度見直し(隔年から年1回の実施に変更)、フィードバックの早期化(調査翌日から結果閲覧可能)を行い、各組織・個人の状況をきめ細かく確認し、速やかに改善活動が実施できるよう仕組みを見直しました。

EXスコア®を本進捗に関するKPIとしておりますが、2025年度の結果は67.0で、前年度調査より0.9ポイント改善しました。引き続き、毎年前年度を上回るスコアを目指し、社内イントラネットでの情報開示、各職場での話し込み、改善好事例の全社展開等、様々な施策を実施しております。

 

・社長によるラウンドテーブル

当社ではインターナルコミュニケーションの取り組みに注力しており、経営層と社員の直接対話の機会は大きく増加しています。しかしながら、従業員サーベイの結果などから組織風土には依然として課題があることを再認識し、従来の取り組みに加え、2025年度から社長と社員の直接対話の場としてラウンドテーブルを開始しました。2025年度は全16拠点で計204名の社員が参加し、組織風土に関する課題認識、変化を期待すること、各職場での取り組みなどに関して、社長と直接意見交換を行いました。ラウンドテーブルで共有された課題につきましては、順次対応を進めています。

 

・社内人材公募の常設化

これまで年1回、定期的に社内人材公募を実施してきましたが、より適時適切に人材戦力を投入し、要員配置ニーズの増大や従業員個人のキャリア形成志向の短サイクル化に対応し、制度運用の効率化・平準化を図るため、年1回の定期的な社内公募を見直し、2024年度から常設型の社内公募制度を導入しました。2025年度は、延べ53名が社内公募制度に応募し、19件の異動が内定しています。今後も、社内公募制度を通じ、事業戦略に応じた柔軟な人材配置・活用を進めるとともに、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成を後押してまいります。

 

・健康経営®への取組み

従業員一人ひとりが健康で活き活きと働き続けることが、企業価値の最大化と従業員の幸福度向上につながるという考えのもと、「健康」を重要な経営課題の一つと位置付け、健康経営の推進を近年加速させています。社長(健康経営最高責任者)による「健康経営宣言」を全体方針として掲げ、取締役会や役員会での議論を通じた経営層のコミットメントを背景に、人事勤労部門長(健康経営推進責任者)のもと健康経営推進チーム(産業医・保健師、健康保険組合、労働組合等)が連携し、当社の課題に応じた健康施策を推進しています。具体的には、「こころの健康」「からだの健康」「働きやすい環境」を三つの柱とし、健康診断やストレスチェックの有効活用、労働時間対策やエイジフレンドリーな職場環境の整備、性差に応じた健康課題等に取り組み、誰もが安心して自分らしく働ける職場づくりを進めています。これらの取り組みが評価され、当社は2026年3月「健康経営優良法人2026」に引き続き認定されました。

※健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

 

・社内外への情報発信の強化

社内向けに、2024年2月から「人事勤労なび(社内ポータルサイト)」を全面リニューアルし、人事勤労施策のタイムリーな情報発信、人事勤労施策に関する社長メッセージ等を充実させ、従業員への周知強化を図っています。2025年度の1年間では、各種研修や交流会の紹介、健康経営の取り組みやHCM推進活動に関する情報のほか、「明日からできる!職場活性化のヒント」、「キャリア形成の実例コラム」など、110件の情報を発信し、前年度の33件から大幅に充実させました。社外に向けては、有価証券報告書や統合報告書において、目に見える具体的なKPIを設定し積極的な開示を開始していますが、引き続き、「人を基本とする経営」における3つの人材戦略に沿った開示を強化していきます。

 

人的資本への取り組みに関する指標及び目標は、以下のとおりです。

なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難です。このため、下記の一部の指標に関する目標及び実績は、当社を対象に記載しております。

 

指標

目標

2023年度実績

2024年度実績

2025年度実績

基幹ポスト後継候補者充足率

(当社グループ)

常時150%以上

185%

179%

208%

経営人材育成研修

(当社グループ)

毎年50人以上を対象に実施

52人

54人

55人

海外NS経営人材育成研修

(当社グループ)

毎年100人以上を対象に実施

276人

272人

264人

女性管理職比率

(当社)

2030年度 10.0%

6.4%

6.6%

6.9%

新卒Gコース採用における

女性比率(当社)

毎年35%以上

17%

21%

35%

EXスコア®

(当社)

前年度より改善することを

目標に70以上を目指す

64.8

66.1

67.0

労働災害度数率

(当社グループ)(注)

世界最高水準の安全管理レベル(休業度数率0.05以下)

0.40

0.25

0.38

(注) 労働災害度数率は、暦年(毎年1月1日から12月31日まで)の実績を示しており、他の事業年度を基準とした指標とは期間が一致しておりません。

 

② 従業員の給与・報酬の決定方針

当社は、「人を基本とする経営」の考え方のもと、「企業価値の最大化」と「従業員の幸福度向上」の両立を目指す人材戦略を掲げており、給与・報酬制度についても「人材育成」を制度設計の基本としています。

給与・報酬は、従業員の日々の生活の安定を支え、さらに中長期的な能力伸長を後押しし、仕事を通じた成長実感や働きがいの向上につながる、ひいては当社組織・事業の持続的成長につながることを目的として、基本給と賞与を中心に構成しています。

基本給については、個々人の果たす職責や役割に加え、能力の伸長及び発揮度を評価し、主体的なチャレンジや取り組み・成果が報われる形で水準決定、上昇する仕組みとしています。

賞与については、会社業績との連動をベースとしたうえで、対象期間における個々の成果や取り組みを反映させることにより、組織としての成果と個人の貢献の双方を適切に評価し、業績向上に向けた従業員の意欲向上が図られるようにしています。

また、給与・報酬の水準については、世間水準や競合他社の動向も意識しながら、人材の獲得及び定着に資するものとなるよう検証を行っています。

中でも非管理職層(組合員層)については、労働組合との建設的な対話と合意形成を通じて、基本給及び賞与の支給水準を決定しています。

近年は若年層における人材獲得競争の熾烈化や物価上昇の局面を踏まえ、賃金引き上げや初任給の引き上げを実施しています。

 

<賃金(基本給)引上げ実績(組合員層一人平均、定期昇給・ベースアップの合計)>

2024年度

2025年度

2026年度

18,657円

(5.67%)

19,227円

(5.65%)

20,305円

(5.77%)

 

当社は今後も、「人を基本とする経営」のもと、人材戦略及び人材育成方針に基づく給与・報酬制度の運用を通じて、従業員一人ひとりが持ち味を最大限発揮し、成長し続けられるよう取り組み、働きがいのある環境づくり、人材確保と育成、持続的な企業価値の向上を進めていきます。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

繊維事業

19,781

機能化成品事業

11,478

炭素繊維複合材料事業

6,231

環境・エンジニアリング事業

4,586

ライフサイエンス事業

1,329

その他

2,110

全社

779

合計

46,294

(注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

7,027

40.8

17.4

8,384

2.2

 

セグメントの名称

従業員数(人)

繊維事業

1,572

機能化成品事業

2,531

炭素繊維複合材料事業

1,198

環境・エンジニアリング事業

329

ライフサイエンス事業

618

全社

779

合計

7,027

(注) 1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

2.平均年間給与(税込)は、基準外賃金及び賞与を含めております。

 

③ 労働組合の状況

当社グループには、全東レ労働組合連合会が組織されており、UAゼンセンに加入しております。なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

(a) 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)(注)1

男性労働者の育児休業

取得率(%)(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、3

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

全正規雇用

労働者

管理職

非管理職

6.9

92.8

71.1

83.2

96.1

90.8

56.3

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しております。

3.当社は、給与規程や評価制度において性別による取扱いの差異は設けておらず、労働者の男女の賃金の差異は、主として男女における要員構成の違いに起因しています。正規雇用労働者においては、管理職及び非管理職それぞれの区分において男女の賃金水準に大きな差異は認められませんが、管理職に占める女性労働者の割合が男性と比較して相対的に低いことから、全正規雇用労働者平均の男女別賃金には差異が生じております。また、パート・有期労働者についても、パートタイム労働者の多くを女性が占めていることに加え、有期労働者のうち定年後再雇用等により比較的賃金水準の高い社員の女性割合が、管理職と同様に男性と比較して相対的に低いことが、男女の賃金差異に影響しております。当社は、引き続き女性の積極的な採用及び登用を進めるとともに、男女双方を対象とした仕事と家庭の両立支援施策を推進し、男女の賃金差異の要因を分析・把握しながら、多様な人材が能力を十分に発揮できる環境整備に取り組んでいきます。

 

(b) 主要な子会社

当事業年度

会社名

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

 

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

東レ・ファインケミカル㈱

5.4

66.7

(注)1

81.3

81.6

東レフィルム加工㈱

100.0

(注)2

70.9

72.8

56.0

水道機工㈱

0.0

100.0

(注)2

67.4

66.5

42.9

東レ建設㈱

0.9

66.6

(注)2

57.9

58.4

35.9

東レエンジニアリング㈱

3.3

100.0

(注)2

69.9

71.6

60.9

東レ・メディカル㈱

6.2

100.0

(注)2

59.9

74.2

51.6

東レインターナショナル㈱

11.1

100.0

(注)2

55.5

64.6

43.2

蝶理㈱

3.8

60.0

(注)1

64.3

65.6

82.0

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しております。

3.子会社のうち主要な子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

以下の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) サステナビリティに関する考え方及び取り組みの状況

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは2050年に向けて東レが目指す世界を示す“TORAY VISION 2050”を定めるとともに、長期経営方針“TORAY Challenges 2035”、中期経営課題“IGNITION 2028”を策定しています。

また、サステナビリティに関する取り組みの基本方針として、「東レ・サステナビリティ原則」を定め、グループ一体となった取り組みを推進しています。

 

① ガバナンス

東レグループ全体のサステナビリティ課題への対応のため、「東レ・サステナビリティ原則」の推進責任者を下表のとおり設定しています。

 

 

当社グループは、“TORAY VISION 2050”の実現に向け、資源循環推進、GHG削減、ネイチャーポジティブ(NP)、サステナビリティ情報開示の各プロジェクトを推進しています。これらのプロジェクトにおいて、気候変動対策や資源循環問題等に関する中長期的なロードマップ及び実行計画を策定・推進するとともに、2030年及び2035年の数値目標の達成に向けた進捗管理を行っています。プロジェクトの内容並びにサステナビリティに関する重要な方針・議題については、社長及び副社長他をメンバーとするサステナビリティステアリングコミッティにおいて協議され、さらに全社的重要事項の協議機関である経営会議においても審議が行われています。

取締役会は、各機能での議論の内容について年1回以上報告を受け、監督と意思決定を行っています。また、事業戦略の策定・経営判断に際しては、サステナビリティに関する問題を重要な要素の1つとして考慮し、総合的に審議・決定しています。

 

(サステナブル推進体制と「東レ・サステナビリティ原則」との関係)

 

 

② リスク管理

当社グループは、2018年7月に「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を策定した際、パリ協定を前提として、将来のリスクと事業機会を分析・整理しました。2019年5月にTCFDに賛同したことを契機に、気候変動という予測困難で不確実な事象に関する機会・リスクを特定し、それらの機会やリスクが東レグループにどのような影響を及ぼし得るのかを確認するために、2020年にTCFD提言に沿う形でシナリオ分析(定性的分析)を行いました。2023年には、気候変動による機会・リスクの財務的影響を把握するため、2020年の定性的分析結果も参考にしながら、定量的なシナリオ分析を実施しました。2024年には、定量的分析をアップデートした東レグループ TCFDレポート Ver.2.1を発行しました。

また、当社グループでは、リスクマネジメント推進のための審議・協議・情報共有機関としてリスクマネジメント委員会を設置しております。当該委員会での定期的なリスク特定・評価において、気候変動に関連するリスクは相対的に重要度の高いリスクと評価しております(詳細は「3 事業等のリスク」に記載しております)。

当社グループでは、バリューチェーン全体を通じた気候変動問題の解決への貢献や、災害対応力の強化といった施策を従来から推進してきましたが、TCFDのフレームによる詳細なリスク分析・評価の結果を踏まえ、気候変動関連リスクの再整理を行い、グループ横断的・機動的に対策を推進しております。

 

(各気候シナリオで想定した2040年近傍の世界像)

 

③ 戦略

当社グループは、事業を通じた社会貢献を重要と位置付け、「気候変動への対応(カーボンニュートラル:CN)」「循環型社会の実現(サーキュラーエコノミー:CE)」「自然資本への影響と依存の抑制(ネイチャーポジティブ:NP)」「人が豊かに暮らせる社会の実現(ウェル&コンフォートライフ:WL(注))」の4領域を、サステナビリティの重点領域として定めています。

(注)WLとは、「人の生活における安全・防災、健康、快適に寄与する事業」を指します。

 

素材メーカーである当社グループは、CN・CE・NP・WLの各領域における取り組みと各事業を従来以上に連動させることにより、成長戦略と価値創出の両立を図っています。

カーボンニュートラルの実現に向けては、省エネルギーの推進、水素等へのエネルギー転換、電動化等への対応を進め、社会全体のGHG排出量削減に貢献します。

循環型社会の実現に向けては、リサイクル材料及びバイオ材料の活用を推進します。

ネイチャーポジティブに向けては、自然資本への依存及び影響の低減を目的として、水利用効率の向上や汚染(懸念)物質の削減等に取り組んでいます。

また、ウェル&コンフォートライフの実現に向けて、安全で、心身ともに健康かつ快適に暮らせる社会の実現に資する事業を推進しています。

 

④ 指標及び目標

当社グループは、中期経営課題及び長期経営方針における重要な非財務目標として、“TORAY Challenges 2035”の項で説明のとおりグローバルでのGHG排出量(絶対量)の削減とEXスコア®(エンゲージメントスコア)を設定し、取り組みを進めています(「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 長期経営方針“TORAY Challenges 2035”」参照)。

 

(2) 人的資本への取り組み

当社は、人材を持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を支える重要な経営基盤の一つと位置付けています。事業ポートフォリオの高度化や競争力の維持・強化を実現するためには、各事業戦略に適合した人材の確保・育成及び能力発揮を促す環境整備が不可欠であり、これらは重要なサステナビリティ関連の機会であると同時に、十分に対応できない場合には経営戦略の遂行に影響を及ぼすリスクにもなり得ると認識しています。

こうした認識のもと、当社は経営戦略と連動した人材戦略を策定し、人材育成、処遇・評価、働き方改革及び社内環境整備に関する基本方針を定めています。具体的には、研究開発人材、専門技術人材、デジタル人材及びグローバルで活躍できる人材の確保・育成を重点施策と位置付け、将来の事業競争力を支える人材ポートフォリオの構築を進めています。

人的資本に関する主なサステナビリティ関連リスクとしては、必要とされる専門人材の不足、人材の流動化に伴う定着率の低下、スキルの陳腐化などがあり、これらは中長期的な成長や収益性に影響を及ぼす可能性があります。一方で、人材育成への継続的な投資、多様な人材の活躍推進及び働きやすい職場環境の整備は、生産性向上やイノベーション創出、新たな事業機会の獲得につながる重要な機会であると認識しています。

人的資本及び人材戦略に関する方針、リスク・機会並びに重要な施策の進捗状況については、経営層のもとで適切に管理されており、取締役会及び執行役員会において定期的に報告・審議され、監督が行われています。これらの監督に当たっては、経営戦略との整合性及び中長期的な価値創造への影響を踏まえた議論を行っています。

また、人的資本への取り組みの進捗を把握・管理するため、従業員数、従業員構成、人材育成投資額、教育訓練時間、離職率、多様性に関する指標など、経営判断に資する適切な指標を設定し、継続的にモニタリングを行っています。人材戦略の具体的な内容、従業員構成、処遇方針及び関連する定量情報については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。