事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| (単一セグメント) | 1,956 | 100.0 | 73 | 100.0 | 3.7 |
3【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社ジェイテックコーポレーション)、及び子会社1社(電子科学株式会社)により構成しております。
当社は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」を経営理念とし、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」という経営方針のもと、産学連携を中心に技術開発、製品開発を推進しております。
当社グループの事業内容は次のとおりであり、「オプティカル事業」、「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を有しております。
(1) オプティカル事業
当事業では、兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」<注1>やX線自由電子レーザー施設「SACLA」<注2>のような国内外の先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われる反射表面の形状精度が1ナノメートル(10億分の1メートル、以下nmと表記。)以下の超高精度の表面形状をした集光ミラー、高調波カットミラーや回折格子基板等各種X線ミラーをユーザーに合わせて設計し、カスタムメイドで製造・販売しております。
本X線ミラーは、2005年に大阪大学と理化学研究所が共同開発した世界で初めて硬X線領域で理論限界まで集光することに成功したX線ナノ集光ミラーを製品化したもので、大阪大学の独自のナノ加工、ナノ計測技術により製造し“OsakaMirror”と商標登録し、2006年より販売を開始し、現在も世界の特に先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設の研究者から高い評価を得ております。顧客は主に国内外の国立研究機関や大学の研究者であり、毎年積極的に最先端の分析研究が提案され、当社ではそれに応えるべく各種X線光学系の開発を行ってまいりました。近年、これら施設は各国の多様な地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)において、コアな機関として位置づけられ、イノベーションを強力に推進しており、国内では第四世代の放射光施設 NanoTerasu<注3>の稼働が開始、海外では主に中国及び欧米において第4世代へのバージョンアップやあるいは新設計画が進む中、これまで以上に高度な科学分析の需要が拡大する傾向と相まって当社“OsakaMirror”の需要も増えており、今後も受注拡大が見込まれております。
当連結会計年度においては、当社のみが到達できる精度を有するX線ミラーの提供はもとより、新しい手法の光学システムの実証にも成果を得ることができました。また、特に半導体及び宇宙分野などの成長産業分野で用いられる光学部品を対象にした新しい加工・計測技術の研究開発を加速するため、国家プロジェクトへの参画や研究機関との共同研究を積極的に進めてまいりました。さらに、国内外の放射光施設における高精度ミラーの需要増加に対応するため、生産効率の向上活動を進め、一部の工程においては大きな改善の成果が得られております。今後は、当社の強みである精度、新規性をさらに強化する研究開発に取り組むとともに、生産効率の向上を促進することで、技術と生産力においても競合他社に対し優位性が保持できるよう努めてまいります。
〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
図1.オプティカル事業系統図
なお、2026年6月期のオプティカル事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が43,105千円(3.0%)、企業が675,102千円(47.3%)、公的研究機関が708,453千円(49.7%)となっております。
(2) ライフサイエンス・機器開発事業
ライフサイエンス事業では、創業当初より創薬スクリーニングに関連する各種細胞培養操作の自動化の開発を手掛け、カスタム製品である各種の大型自動細胞培養装置「CellMeister®」を製造販売してまいりました。その後、独自の3次元回転浮遊培養技術「CELLFLOAT®」をもとに再生医療分野に展開し、また2013年に日本で初めてiPS細胞に特化した低価格量産汎用型の自動細胞培養装置「CellPet®」の開発を行い、現在は後継機種「MakCell®」にバージョンアップし販売を推進しています。新型コロナウイルス感染症禍以降、その治療薬の探索や、働き方改革や労働時間短縮を理由に「MakCell®」を中心に自動化装置の引き合いが活発になっております。対象市場も製薬・創薬だけでなく食品・化粧品市場からの照会も増えつつあり、それらに向けた装置対応も進めてまいります。また、お客様の要求、仕様に応じた完全カスタムの全自動細胞培養システムについても市場が立ち上がりつつあるため、積極的に対応してまいります。一方、「CELLFLOAT®」関連機器につきましては、これまでに実績を上げてきた国内に加え、今後は海外展開を図り受注につなげてまいります。また、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構と共同研究を進めております「脳梗塞治療用の幹細胞分離機器」(AMED事業)は、一定の成果を得たので、今後は脳梗塞治療だけでなく認知症等の治療にも適用できる一般病院・企業向けの医療機器としての製造・販売を目指してまいります。
機器開発事業では、2022年から大阪大学の独自加工技術をベースにした難加工基材表面をナノレベル、原子レベルで加工する装置の実用化開発を積極的に進めてまいりました。この技術は半導体デバイスや電子部品の基材となる各種ウェハの表面仕上げ研摩に主に活用されます。すでに複数台の販売実績を持つ水晶ウェハの平坦化加工技術PCVM(プラズマ化学気相加工法)に加え、地球上で最も硬質で難加工材であるダイヤモンドウェハ研磨に適したPAP(プラズマ援用研磨法)、SAWデバイス用LT/LNウェハやパワーデバイス用GaNウェハ研摩に適したCARE(触媒表面基準エッチング法)のプロセス確立と装置の実用化を進めています。特に、PAP(プラズマ援用研磨法)では開発用の装置を完成させ、顧客と一緒に実用化に向けたテスト加工や共同研究開発を進めており、複数の企業への納入も始めました。さらに昨年からは、立命館大学と共同でECMP(電気化学機械研磨法)の開発に着手しました。この技術は、データセンター向け放熱デバイスで急増するSiCウェハの表面研磨装置としての実用化を目指しています。加えてウェハ仕上研磨のみでなく前加工領域の需要掘起しのため精密レーザー加工装置の開発に着手し、本装置と従来商品のパッケージ販売戦略によるシナジーを目指します。
各種培養装置、ナノレベル・原子レベルの加工装置のほかオプティカル事業に関連する各種集光装置やその他カスタム装置の開発・製造も手掛けております。
〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
図2.ライフサイエンス・機器開発事業系統図
なお、2026年6月期のライフサイエンス・機器開発事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が14,000千円(4.9%)、企業が242,297千円(85.2%)、公的研究機関が28,095千円(9.9%)となっております。
(3) その他事業
その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社は、昇温脱離分析装置(TDS)のメーカーで、本装置「TDS-1200Ⅱ」は、超高真空環境に設置した試料を独自の加熱方式(赤外線)により試料から微量に放出される成分(水素、酸素、二酸化炭素、水など)を四重極質量分析装置(QMS)で、独自の分析ソフトウェアにより高感度でリアルタイムに検出する装置です。
現在、半導体、液晶、カラーフィルター業界を中心に材料の研究や、製造工程の評価、品質管理に用いられており、高い評価を得ております。当連結会計年度では、主要取引先である韓国、台湾に加えて、営業活動を積極的に行うことによって複数の日本企業からの受注を獲得することができました。
本装置は、その他鉄鋼、電機、自動車、水晶振動子等様々な産業分野においても適用できる可能性があり、また、最近は中国や米国からの引合いもあります。このような案件については、当社のオプティカル事業の海外チャンネルを利用することにより、営業体制の強化、拡販を進めております。また、中長期の売上拡大を目指し、水素量に特化した昇温脱離水素分析装置「ESCO-TDS600 IR H2」や現行の「ESCO-TDS1200Ⅱ IR」に自動サンプル機能を追加した「TDS 1200ⅡALS」の共同開発に成功しました。また、パッケージ試料の測定向けの「TDS 1200ⅡPKG」など新製品を投入することで新規顧客の開拓を進め、収益力の拡大に努めてまいります。
なお、2026年6月期のその他事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が3,825千円(1.6%)、企業が240,773千円(98.3%)、公的研究機関が282千円(0.1%)となっております。
注1:大型放射光施設「SPring-8」(Super Photon ring-8 GeV)
「SPring-8」とは、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。「SPring-8」では、この放射光を用いて、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー等の基礎科学研究分野から、産業利用ニーズも高まりをみせ、化粧品、食料品、電池、タイヤ等身近な製品の開発も行われています。「SPring-8」の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)に由来しています。
「SPring-8」は国内外の産学官の研究者等に開かれた共同利用施設であり、1997年から放射光を大学、公的研究機関や企業等のユーザーに提供しています。課題申請などの手続きを行い、採択されれば、誰でも利用することができます。
「SPring-8」の施設者は理化学研究所であり、「SPring-8」の運転・維持管理、並びに利用促進業務を高輝度光科学研究センターが行っています(図3参照)。
注2:X線自由電子レーザー施設「SACLA」(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)
2006年3月に策定された第3期科学技術基本計画(2006年3月28日閣議決定)において国家基幹技術の一つとして選定されたX線自由電子レーザー施設として、2006年度から理化学研究所と「SPring-8」を運営する高輝度光科学研究センターが共同で施設の建設・整備を行い、2011年3月に完成、0.063nm(0.63Å(オングストローム:微小な長さを表すのに用いられる単位。1Å=0.1nm))の世界最短波長のX線レーザー生成に成功した施設であり、2012年3月7日より供用運転を開始しています(図3参照)。
図3 大型放射光施設「SPring-8」、X線自由電子レーザー施設「SACLA」
注3:次世代放射光施設 NanoTerasu
東北大学青葉山新キャンパスに共創の場として設けられた「サイエンスパーク」エリアに、新たに第4世代放射光施設が建設され、2024年4月に本格稼働が開始しました。(図4参照)
図4 NanoTerasu(ナノテラス)
業績状況
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中東やウクライナでの地域紛争などによる地政学リスクや持続的なインフレ圧力などの影響を受け、楽観的な予測が修正を迫られる不確実性が高い転換期となり、緩やかな減速傾向にあります。
国内経済は、賃上げの広がりと円安傾向を背景に個人消費と一部輸出が持ち直し、緩やかな回復基調が継続しており、企業業績は自動車・ハイテク分野で底堅さが見られる一方、物価上昇や生活コスト増が実質所得の伸びを圧迫、原材料コスト増や中国経済減速による外需の不安定さも残り、外部環境と物価動向次第で先行きの変動幅が大きくなる可能性を秘めております。
このような経済環境のもと当社グループは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業及びその他事業(電子科学株式会社を含む)という独自の技術を利用した3つの事業によって、高品質な製品提供と研究開発活動の強化に取り組み、経営基盤拡充と企業価値向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ77,456千円減少し、3,610,675千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ154,392千円減少し、758,212千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ76,935千円増加し、2,852,462千円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高1,955,936千円(前期比1.6%増)、営業利益72,876千円(前期比36.0%減)、経常利益84,381千円(前期比17.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益58,686千円(前期比2.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は1,426,661千円(前期比15.6%増)、セグメント利益は641,733千円(前期比21.8%増)となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は284,392千円(前期比28.9%増)、セグメント損失は36,679千円(前期はセグメント損失52,055千円)となりました。
その他事業は、売上高は244,882千円(前期比48.0%減)、セグメント損失は68,467千円(前期はセグメント利益41,111千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ197,503千円減少し、当連結会計年度末には514,876千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は119,975千円(前連結会計年度は286,478千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益85,890千円、減価償却費125,101千円及びのれん償却額42,382千円、売上債権の減少48,836千円による収入があった一方で、棚卸資産の増加80,483千円及び契約負債の減少63,509千円による支出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は230,429千円(前連結会計年度は104,294千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出169,219千円及び長期前払費用の取得による支出46,000千円に伴う資金減によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は87,776千円(前連結会計年度は79,911千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出75,456千円による資金減によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) |
|
|
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
オプティカル事業 |
1,468,780 |
100.5 |
|
ライフサイエンス・機器開発事業 |
162,464 |
118.9 |
|
その他事業 |
388,109 |
90.7 |
|
合計 |
2,019,354 |
99.7 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
オプティカル事業 |
1,460,463 |
76.8 |
1,354,369 |
102.6 |
|
ライフサイエンス・機器開発事業 |
697,162 |
304.7 |
451,709 |
1,160.0 |
|
その他事業 |
326,939 |
101.9 |
87,384 |
1,640.2 |
|
合計 |
2,484,564 |
101.3 |
1,893,462 |
138.7 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
オプティカル事業 |
1,426,661 |
115.6 |
|
ライフサイエンス・機器開発事業 |
284,392 |
128.9 |
|
その他事業 |
244,882 |
52.0 |
|
合計 |
1,955,936 |
101.6 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2025年7月1日 至 2026年6月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
ANHUI TRIFORTUNE IMPORT AND EXPORT CO., LTD. |
- |
- |
297,260 |
15.2 |
(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,782,249千円となり、前連結会計年度末に比べ157,385千円減少いたしました。これは主に棚卸資産が80,483千円増加した一方で、現金及び預金が197,503千円、売掛金が48,836千円減少したことによるものであります。固定資産は1,828,425千円となり、前連結会計年度末に比べ79,928千円増加いたしました。これは主にのれんの償却が進んだことによる無形固定資産が43,021千円減少した一方で、有形固定資産が59,944千円、投資その他の資産が63,005千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,610,675千円となり、前連結会計年度末に比べ77,456千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は415,810千円となり、前連結会計年度末に比べ77,228千円減少いたしました。これは主に流動負債その他に含まれる未払金が20,739千円増加した一方で、買掛金が28,692千円及び契約負債が63,509千円減少したことによるものであります。固定負債は342,402千円となり、前連結会計年度末に比べ77,163千円減少いたしました。これは主に約定返済が進んだことにより長期借入金が75,456千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は758,212千円となり、前連結会計年度末に比べ154,392千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,852,462千円となり、前連結会計年度末に比べ76,935千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を58,686千円計上したことによるものであります。
b. 経営成績
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は、1,955,936千円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。これは主に、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーの売上が牽引するとともに、ライフサイエンス・機器開発事業の売上が寄与したことによります。この結果、売上総利益は1,241,387千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は1,168,510千円(前連結会計年度比9.7%増)となり、当連結会計年度における営業利益は72,876千円(前連結会計年度比36.0%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益では、役員報酬返納額や受取出向料等を計上しました。また、営業外費用では、支払利息等を計上しました。これらの結果、当連結会計年度における経常利益は84,381千円(前連結会計年度比17.3%減)となりました。
(当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は58,686千円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
当連結会計年度は、国内市場ではSPring-8、SACLA、NanoTerasu、アジア市場では中国のSHINE(上海)、HALF(合肥)、HEPS(北京)、台湾のTPS、アメリカ市場ではLCLS、欧州市場ではESRF(フランス)、MAX-IV(スウェーデン)、HZB(ドイツ)への売上が中心となり経営成績を牽引しました。世界各国において多くのアップグレードや新設を控えるに伴い、特に高精度ミラーの需要がこれまで以上に増大しており、いずれの施設もより高い精度を実現するための綿密な設計検討を基に受注活動を行っておりますが、これら高額製品のいくつかにおいて契約後の設計変更が顧客都合で生じ、顧客了解のもと、期を跨いだ納期後倒しを余儀なくされました。また、ミラーの基板材料として主に単結晶シリコンを用いておりますが、材料由来の予期せぬ不具合が一部の案件で発生し、複数の製品において製造リードタイムが長期化することになりました。このような不測の事態の影響により、当初計画を下回る出荷数となりましたが、製造リードタイムを大幅に短縮する開発活動を進めたことで、事業としての収益は前期比増収増益を維持いたしました。
営業活動につきましては、国内外の主たる放射光分野の学会での発表を通じて、当社の研究・開発成果の進捗報告することによる当社技術のアピールに加え、光学全般を対象にした展示会においても当社の超精密加工・計測技術のアピールを継続的に展開しております。また、各国施設の研究者の訪日機会も増加し、商談のみならず共同研究の機会も確保され、売上向上を見据えた積極的な営業活動に努めてまいりました。
この結果、売上高は1,426,661千円(前期比15.6%増)、セグメント利益は641,733千円(前期比21.8%増)となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
当連結会計年度は、機器開発事業はその重点分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術の装置化及び受注・販売活動を推進してまいりました。従来から継続している「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、「プラズマ援用研磨法(PAP)」、「触媒表面基準エッチング法(CARE)」に「電気化学機械研磨法(ECMP)」を加えた4つの新しい研磨プロセスによる拡販活動、潜在顧客の掘り起こし活動に注力してまいりました。その結果、設備導入を前提にした試作機評価案件は大幅に増加し、その中からプラズマ援用研磨装置2台を受注し、売上に寄与いたしました。
一方、ライフサイエンス事業では「CELLFLOAT®」関連機器や受注生産型装置が売上に寄与しました。自動培養装置や大型の細胞培養システムは顧客の方針変更などにより、期初計画に沿った受注・売上には至らなかったものの、ユーザー用途に合わせたカスタマイズ品の受注生産型装置が売上に寄与いたしました。これらの成果によって、事業としての収益は前期比で増収となり、セグメント損失も縮小いたしました。
機器開発関連の重点新規事業分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術であるプラズマ化学気相加工法(PCVM)、プラズマ援用研磨法(PAP)、触媒基準エッチング法(CARE)、電気化学機械研磨法(ECMP)による表面加工装置の開発、製品化、販売活動を引き続き推進しております。 特に昨今の地政学的事情等によるSiCウェハの国内回帰、ダイヤモンド基板、デバイスの日米間コラボレーションを受けて、業界の再編やベンチャー企業の台頭が盛んになっており、これらを背景にしたPAPや ECMPに対する期待が高まっております。PAPとECMPはともに次世代のパワーデバイス用の基板、データセンター等の高出力デバイスの基板やヒートスプレッダー、量子デバイス用の基板として注目されており、今後大きな市場を形成するものと予想されることから、更なる技術力と販売体制の強化に努めてまいります。
ライフサイエンス関連の市場動向として、他社において再生医療等製品2製品が期限付きで承認されるなど、再生医療市場は活性化しつつあります。加えて創薬の研究開発現場の労働環境改善や動物実験禁止の世界的潮流は、自動細胞培養装置にとって追い風の環境となっております。汎用型の自動細胞培養装置による新規市場開拓だけでなく、市場ニーズが高まっている超大型・全自動の細胞培養システムの受注拡大にも注力してまいります。また、競争的資金活用により成果の出た“幹細胞分離装置”の実用化、事業化を加速してまいります。
この結果、売上高は284,392千円(前期比28.9%増)、セグメント損失は36,679千円(前期はセグメント損失52,055千円)となりました。
(その他事業)
その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社の売上構成は、装置販売(TDS:昇温脱離分析装置)及び大型工事・装置のメンテナンス業務・受託分析業務の3つに分かれますが、装置メンテナンス業務が前期比71.5%増と堅調に推移したものの、受託測定は微減となり、受注金額が大きくなる主力事業の装置販売及び大型工事においては、高い確度で見込んでいた複数の案件が受注に至らず、最終的にTDSの販売は1台に止まりました。そのため売上高は前期比で約52%の水準に止まり、販管費を前期比88%の水準まで削減したものの、セグメント損失を計上する結果となりました。
今後も持続的な成長を実現する経営基盤の強化として、生産体制の最適化とリソースの集中を図り、現在の主力装置の販売を促進するとともに、次世代市場向け新機種を将来の収益の柱として早期に育成し、安定的な収益確保に努めてまいります。
重点施策の推進の効果が徐々に出始め、鉄鋼・部品メーカー各社からの製品仕様に関する問い合わせや引き合
いが増加しております。引き続き、ストックビジネス(メンテナンス・受託分析)を安定した収益基盤としつつ、新製品を含めた装置販売の受注獲得に努めてまいります。
この結果、売上高は244,882千円(前期比48.0%減)、セグメント損失は68,467千円(前期はセグメント利益41,111千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料、外注加工費及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資やM&A投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、棚卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金、設備投資資金及びM&A投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金やM&A投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務の有利子負債残高は420,160千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「オプティカル事業」、「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業」の3つを報告セグメントとしております。
「オプティカル事業」は放射光施設用X線ナノ集光ミラーを製造・加工しております。「ライフサイエンス・機器開発事業」は、iPS細胞をはじめとする各種自動細胞培養装置や創薬自動スクリーニング装置といったバイオ関連機器などの自動化装置、半導体デバイス向けウェハの加工研磨装置を製造しております。「その他事業」は、電子科学株式会社で昇温脱離分析装置(TDS)を製造しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
|
報告セグメント |
調整額 (注)1 |
連結財務諸表書計上額(注)3 |
|||
|
|
オプティカル事業 |
ライフサイエンス・機器開発事業 |
その他事業 |
計 |
||
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
1,234,131 |
220,642 |
470,818 |
1,925,592 |
- |
1,925,592 |
|
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
- |
- |
330 |
330 |
△330 |
- |
|
計 |
1,234,131 |
220,642 |
471,148 |
1,925,922 |
△330 |
1,925,592 |
|
セグメント利益又は損失(△) |
526,759 |
△52,055 |
41,111 |
515,814 |
△401,991 |
113,823 |
|
セグメント資産 |
1,231,387 |
235,446 |
798,355 |
2,265,189 |
1,422,942 |
3,688,131 |
|
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費(注)4 |
84,947 |
433 |
6,288 |
91,668 |
24,693 |
116,362 |
|
のれんの償却額 |
- |
- |
42,382 |
42,382 |
- |
42,382 |
|
有形固定資産及び無形固定資産の増加額(注)2 |
84,881 |
21 |
24,783 |
109,686 |
8,568 |
118,254 |
(注)1.「調整額」の区分は、各報告セグメントに配分していない全社費用、管理部門等の減価償却費、管理部門等の有形固定資産及び無形固定資産であります。
2.有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、建設仮勘定の増加額は含めておりません。
3.セグメント利益又は損失は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
4. 減価償却費には、長期前払費用の償却費を含んでおります。
当連結会計年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
|
報告セグメント |
調整額 (注)1 |
連結財務諸表書計上額(注)3 |
|||
|
|
オプティカル事業 |
ライフサイエンス・機器開発事業 |
その他事業 |
計 |
||
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
1,426,661 |
284,392 |
244,882 |
1,955,936 |
- |
1,955,936 |
|
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
計 |
1,426,661 |
284,392 |
244,882 |
1,955,936 |
- |
1,955,936 |
|
セグメント利益又は損失(△) |
641,733 |
△36,679 |
△68,467 |
536,586 |
△463,709 |
72,876 |
|
セグメント資産 |
1,354,628 |
266,798 |
708,425 |
2,329,852 |
1,280,822 |
3,610,675 |
|
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費(注)4 |
88,467 |
- |
11,800 |
100,267 |
24,950 |
125,218 |
|
のれんの償却額 |
- |
- |
42,382 |
42,382 |
- |
42,382 |
|
有形固定資産及び無形固定資産の増加額(注)2 |
121,456 |
- |
17,261 |
138,718 |
17,225 |
155,944 |
(注)1.「調整額」の区分は、各報告セグメントに配分していない全社費用、管理部門等の減価償却費、管理部門等の有形固定資産及び無形固定資産であります。
2.有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、建設仮勘定の増加額は含めておりません。
3.セグメント利益又は損失は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
4. 減価償却費には、長期前払費用の償却費を含んでおります。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
|
(単位:千円) |
|
日本 |
アジア |
欧州 |
米州 |
合計 |
|
780,030 |
762,352 |
270,158 |
113,051 |
1,925,592 |
(注)1.売上高は、販売先の所在地を基礎とし、国または地域に区分しております。
2.アジアの売上高には、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める中国の売上高526,532千円が含まれております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客が存在しないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
|
(単位:千円) |
|
日本 |
アジア |
欧州 |
米州 |
合計 |
|
751,565 |
731,369 |
221,604 |
251,396 |
1,955,936 |
(注)1.売上高は、販売先の所在地を基礎とし、国または地域に区分しております。
2.アジアの売上高には、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める中国の売上高540,822千円が含まれております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:千円)
|
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
|
ANHUI TRIFORTUNE IMPORT AND EXPORT CO., LTD. |
297,260 |
オプティカル事業 |
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
オプティカル事業 |
ライフサイエンス・機器開発事業 |
その他事業 |
計 |
全社・消去 |
連結財務諸表計上額 |
|
減損損失 |
- |
21 |
- |
21 |
- |
21 |
当連結会計年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
オプティカル事業 |
ライフサイエンス・機器開発事業 |
その他事業 |
計 |
全社・消去 |
連結財務諸表計上額 |
|
減損損失 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
オプティカル事業 |
ライフサイエンス・機器開発事業 |
その他事業 |
計 |
全社・消去 |
連結財務諸表計上額 |
|
当期償却額 |
- |
- |
42,382 |
42,382 |
- |
42,382 |
|
当期末残高 |
- |
- |
264,893 |
264,893 |
- |
264,893 |
当連結会計年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
オプティカル事業 |
ライフサイエンス・機器開発事業 |
その他事業 |
計 |
全社・消去 |
連結財務諸表計上額 |
|
当期償却額 |
- |
- |
42,382 |
42,382 |
- |
42,382 |
|
当期末残高 |
- |
- |
222,510 |
222,510 |
- |
222,510 |
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
該当事項はありません。