2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)紙・パルプ業界向け売上

 当社グループは、紙・パルプ業界向けの売上高が全体の約8割を占めております。そのため、同業界の景気後退による需要の減少、市況の下落、また製紙用具メーカーの競争激化や製品市況の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)賃料

 賃貸物件の老朽化等による賃料の減額は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。適宜適切なメンテナンスによる賃料維持に努めてまいります。

(3)原材料の調達

 当社グループは、特殊な原材料を使用しており、その調達は一部の仕入先に依存しております。仕入先との取引は安定的に推移しておりますが、今後取引関係が継続困難になった場合や、供給状況、価格動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、国際情勢の影響により、原材料・燃料価格の高騰や物流の混乱が生じております。当社グループでは原料在庫の積み増し等の対応を行っていますが、今後の価格動向等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)退職給付債務

 当社グループは、従業員の退職給付債務の算定にあたり、割引率、年金資産の期待運用収益率等については、現在想定される前提条件に基づいて計算しておりますが、今後低金利の長期化による割引率の低下や年金資産の運用利回りの悪化等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、退職給付制度の変更により、未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。

(5)金融情勢

 今後の金利の急激な上昇等の金融情勢の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)自然災害等による生産の停滞・遅延

 当社グループは、埼玉工場、栃木工場を主力拠点として生産活動を行っておりますが、自然災害・火災などにより生産の停滞・遅延が起こった場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、地震により発生する損害に対しては、地震保険を付保しておりますが、その補償範囲は限定されております。

(7)訴訟リスク

 当社グループは、業務を遂行するにあたり法令遵守に努めておりますが、訴訟リスクが皆無ではありません。

(8)株価の下落

 当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株価の大幅な下落が、その他有価証券評価差額金の減少や評価損の発生など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)気候変動に関するリスク

 抄紙用具の製造に必要な原材料の入手や、製造プロセスに必要なエネルギー調達が、気候変動による自然災害や異常気象の影響を受けた場合、製品の供給が滞る可能性があります。

 また、気候変動による社会的・政治的変化が原燃料の調達コストを押し上げ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、積極的な利益還元を重要な政策と位置づけ、配当額の安定性に配慮するとともに業績に応じた適切な利益配分を行うことを基本方針としております。株主の皆様への利益還元につきましては、配当性向を加味しDOE2.5%を目標として、経済状況、財務状況、内部留保等を総合的に勘案した上で決定いたします。また、内部留保につきましては、今後の事業展開ならびに企業価値向上に資する様々な投資に活用していく方針であります。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを方針としております。

 これらの当事業年度に係る剰余金の配当決定機関は中間配当、期末配当ともに取締役会であります。

 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、1株当たり16円の配当(うち中間配当6円)を実施することを決定いたしました。

 当社は、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる。」旨、及び「期末配当の基準日を毎年3月31日、中間配当の基準日を毎年9月30日とし、それ以外に基準日を定めて剰余金の配当をすることができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たりの配当額

(円)

2023年10月31日

109

6

取締役会決議

2024年5月15日

182

10

取締役会決議