リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、財政状態及び投資者等の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、これらは、当社グループの事業等に関するリスクをすべて網羅するものではないことにご留意ください。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年5月15日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)法的規制等について
①「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「薬機法」という。)」等による規制について
当社グループは「薬機法」で定義する医薬品等を販売するにあたり、その内容により、都道府県等の許可・登録・指定・免許及び届出を必要としており、医薬品販売業許可、薬局開設許可及び保険薬局指定等の許可を受けて営業しております。
2009年6月の改正薬事法施行に伴い、一般用医薬品がリスクの程度に応じて3つのグループに分類され、このうちリスクの程度が低い2つのグループについては、登録販売者の資格を有する者でも販売が可能となりました。さらに、2014年6月施行の改正薬事法による一般用医薬品のインターネット販売の解禁や、2021年8月施行の改正薬機法による一般用医薬品の販売時間規制の撤廃など、医薬品における異業種からの参入障壁が低くなっております。今後、このような販売自由化が進展した場合、その動向によっては、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。
さらに、食品の一部、たばこ、酒類等の販売についても、食品衛生法等それぞれ関係法令に基づき、所轄官公庁の許可・免許・登録等を必要としており、法令等の改正により当社グループの収益に影響を与える可能性があります。
②出店に関する規制等について
当社グループは、ドラッグストア(及び調剤薬局)の多店舗展開を行っておりますが、売場面積が1,000㎡超となる新規出店及び既存店増床を行う場合、「大規模小売店舗立地法」の規定に基づき、当該店舗の周辺地域における生活環境保持のために、都道府県又は政令指定都市が主体となって一定の審査が行われます。
したがいまして、物件の確保や上記審査の進捗状況等によりましては、新規出店又は増床計画の変更・遅延により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)医療制度の改革について
近年、各種の医療制度の改革が実施されており、今後も各種の医療制度改革の実施が予想されます。その動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)消費税等の負担増による個人消費について
当社グループは、医薬品や食料品を中心とした生活必需品の小売販売を主要事業としており、消費税率の引上げなどが実施され、個人消費が落ち込んだ場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)調剤報酬及び薬価基準の改定について
当社グループの調剤売上は、薬剤に係る収入と調剤技術に係る収入から成り立っております。
薬剤に係る収入は、健康保険法に定められた「薬価基準」という公定価格によっております。また、調剤技術に係る収入も、健康保険法に定められた調剤報酬の点数によっております。
改定される薬価基準や調剤報酬の点数等の変更内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)調剤薬の欠陥・調剤過誤等について
当社グループの調剤薬局におきましては、薬剤師の調剤に対する技術の向上、医薬品に対する知識の充実に積極的に取り組んでおります。また、調剤過誤を防止すべく交差鑑査体制及び服薬指導時における薬品名・用量確認など細心の注意を払って調剤業務を行っております。なお、万一に備え、調剤薬局全店舗において「薬剤師賠償責任保険」に加入しております。
しかしながら、調剤薬の欠陥・調剤過誤などにより訴訟を受けることになった場合、当社グループの社会的信用を損なうなどの理由により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)資格者の確保について
ドラッグストア及び調剤薬局等医薬品を取り扱う店舗の運営には「薬剤師」「登録販売者」等の資格者の配置が義務付けられております。
したがいまして、これらの資格者の確保が充分にできない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)大規模災害、感染症等による影響について
地震・津波・水害・雪害等の大規模な自然災害や感染症の発生、事故等による交通の遮断が発生した場合には、店舗の休業、感染症拡大による個人消費への影響、交通網の遮断に伴う商品供給の遅延等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)商品の安全性について
近年消費者の安全・安心に対する要求が一層高まっております。お客さまの信頼を高めるため品質管理、商品管理体制を引き続き強化してまいりますが、今後、品質問題等により商品の生産、流通に支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)PB(プライベートブランド)商品について
当社グループでは、PB商品の開発・販売を行っております。商品開発にあたっては、品質の管理チェック、外装・パッケージ等の表示・表現の適正について、各種関連法規・安全性・責任問題等、多角的な視点から適正化を行っております。
しかしながら、当社グループのPB商品に起因する事件・事故等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)個人情報保護について
当社グループは、ポイントカードシステムの運用に伴う顧客情報、調剤業務に伴う患者情報を保有しており、これらの情報の中には顧客又は患者個人のプライバシーに関わるものが含まれております。また、社会保障・税番号制度(マイナンバー)について、従業員等に関する特定個人情報を入手しております。
これらの情報の取り扱いについては、社内管理体制を整備し万全を期しておりますが、コンピュータシステムのトラブルによる情報流出や犯罪行為などによる情報の漏洩があった場合、顧客個人への損害賠償の発生や、当社グループの社会的信用を損なうなどの理由により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)システム障害について
当社グループは、店舗の売上管理、商品の発注業務、従業員の勤怠管理及び給与計算、会計処理及び支払業務などを通信ネットワークやコンピュータシステムを使用しオペレーションを実施しております。運営上の安全性・効率性・拡張性等を考慮し、信頼性の高い通信業者や外部のデータ・センターに業務を委託するなどの対応を行っておりますが、想定外の自然災害や事故等により設備が甚大な損害を被った場合や、コンピューターウィルスの不正侵入又は担当者の過誤によるシステム障害が発生した場合には、店舗運営や管理業務に支障をきたす等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、連結子会社である株式会社リージョナルマーケティングでは、共通ポイントサービス・各種電子決済サービスを提供しており、システムの運営管理を信頼のおける外部の専門業者へ委託して万全の体制を整えておりますが、システム障害や不正アクセスが発生した場合には、サービス利用者の経済的損失、当社グループの信用低下等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)有利子負債及び金利動向の影響について
当社グループは、出店に際しては設備投資資金の大部分を借入金によって調達しており、主な借入金の調達先は地方銀行、都市銀行などの大手金融機関であり、取引関係は安定しております。
総資産に対する期末有利子負債の比率は38.7%(2024年5月期)となっており、今後の金利動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)天候による影響について
当社グループのドラッグストア店舗は、天候状況により消費者の購買行動の影響を受けやすい商品が多く、冷夏・暖冬等の天候不順は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)固定資産の減損処理について
店舗等で収益性が低下した場合、固定資産の減損会計の適用により対象となる資産又は資産グループに対して、固定資産の減損処理が必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)インバウンド需要について
反日感情の高まり、国際経済の低迷、感染症の流行等の海外情勢の変化や日本国内での大規模な自然災害等の発生は、訪日観光外国人の減少などインバウンド需要の減退に繋がり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)商品調達、価格変動について
当社グループは、取扱い商品の大半を卸業者及び一部を製造メーカーより仕入れておりますが、原材料等の価格変動や燃料価格等の上昇により仕入価格が上昇した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、一部のPB商品等については、海外の取引先から調達しており、為替変動等により仕入価格が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)投資有価証券の評価について
当社グループは国内外の株式や債券等を保有しております。その運用については内部統制に基づく社内規程に従って行い、リスクの管理に努めておりますが、株式市況の低迷や投資先の経営状況の悪化・破綻などにより、保有する有価証券の評価額が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆さまの負託に応え、将来にわたり安定的な配当を実施することを、経営の重要政策と考えております。
当社は、期末配当として年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
この剰余金の配当の決定機関は、株主総会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、期末配当として1株当たり10.00円の配当を実施することを決定いたしました。この結果、当事業年度の配当性向は104.3%となりました。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、新規事業への投資など将来の企業価値を高めるための投資に活用する方針であります。
当社は、株主の皆さまへの機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年11月15日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。