2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    6,066名(単体) 21,598名(連結)
  • 平均年齢
    40.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.0年(単体)
  • 平均年収
    8,289,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.8%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①連結会社の人材戦略

当社グループは、人的資本を企業価値向上を支える最も重要な経営資本と位置付け、人的資本への投資とその高度化を通じて、事業成長と社会課題解決の両立を目指しています。こうした考えのもと、経営戦略と連動した人材戦略を推進しています。詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

②提出会社の従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

当社グループは、OUR PHILOSOPHY(TISインテックグループ基本理念)を基軸とし、会社と社員の価値交換性の向上を中核とする人材戦略を推進しています。当該人材戦略に基づき、当社の従業員の給与等については、役割および職責に基づく等級制度を基礎とし、個人の成果および価値創出への貢献度を反映した報酬体系とすることを基本方針としています。さらに、外部の報酬水準を踏まえつつ、事業成長および価値創出に資する人材に対して重点的に処遇を行っています。こうした方針のもと、収益を原資として、報酬水準の引上げおよび処遇の改善を継続的に行い、従業員への持続的な還元を通じてエンゲージメントの向上を図るとともに、中長期的な企業価値向上につなげていきます。

 

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

オファリングサービス

5,812

(288)

BPM

2,182

(955)

金融IT

1,887

(14)

産業IT

3,795

(93)

広域ITソリューション

7,197

(525)

報告セグメント計

20,873

(1,875)

その他

725

(138)

合計

21,598

(2,013)

(注)1.従業員数は就業人員数であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

6,066

40歳

8カ月

14年

5カ月

8,289

2.75

 

セグメントの名称

従業員数(人)

オファリングサービス

2,754

(11)

BPM

(-)

金融IT

1,701

(7)

産業IT

1,611

(6)

広域ITソリューション

(-)

報告セグメント計

6,066

(24)

その他

(-)

合計

6,066

(24)

(注)1.従業員数は就業人員数であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

 

③労働組合の状況

当社及び連結子会社における労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

④使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

当社は、使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

 

 

⑤管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

a.提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

備考

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・

有期労働者

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・

有期労働者

15.2

92.0

92.0

81.1

81.4

75.8

 

(注)1.(算定根拠)

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので あります。

(補足説明)

労働者の男女の賃金の差異については、管理職、係員といった等級別に比較した場合、各種手当を除いた給与・賞与において、差は見られませんでした。

全従業員の男女賃金格差は、概ね以下の理由により発生しています。

①男女別の等級分布の違い  :上位等級・職位ほど、女性の比率が低い

②時間外手当の違い     :男性のほうが時間外労働が多く、手当の額が多い

③手当支給条件の違い    :住宅手当・家族手当の支給対象者は、男性のほうが多い

男女賃金格差の縮小に向けては、説明の①で記載した事項の改善が効果的と考えており、グループビジョン2032をターゲットとして、女性従業員の比率と各等級・職位における女性比率が同等になることを目指し、女性社員に対するチャレンジの機会提供、ライフイベントを考慮したキャリア形成支援、マネジメント層の意識や行動変容、女性の昇格意欲の向上をはじめとする各種施策を推進しています。2026年3月期の「管理職に占める女性労働者の割合」は前年度比0.9%向上し、賃金格差については前期から大きな変動はありませんでした。

2.(算定根拠)

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。パート・有期雇用者については、育児休業取得対象者がいなかったため「-」としています。

(補足説明)

多様な人材が活躍できる風土を醸成するため、性別にかかわらず、仕事と育児の両立をしやすくする制度の整備と、育児休業を取得しやすい環境づくり、本人の取得を後押しする施策を継続して推進しています。特に男性については、収入減少への不安などから育児休業の取得を見送るケースも見られていましたが、報酬対策をはじめとする各種施策の継続に加え、社会的な理解の進展等も背景に、2026年3月期の男性労働者の育児休業取得率は前年度比4.2%向上しました。育児休業の取得は、社員とその家族のウェルビーイング向上に加え、自律的な働き方への気づきや、社会課題への感度向上といった効果が期待されることから、今後も育児休業取得率および取得日数のさらなる向上を目指してまいります。具体的には、上司や周囲のメンバーへの働きかけによる取得しやすい職場環境の整備、育児休業中を含めたキャリアの継続支援、対象社員およびその家族に対する情報提供や丁寧な説明を通じて、育児休業取得を後押しする施策を継続します。

 

b.従業員101名以上の連結子会社

当事業年度

 

名 称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1.

備考

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

(株)インテック

12.1

77.1

77.1

79.3

79.6

103.9

 

(株)アグレックス

14.7

96.8

96.6

100.0

64.2

80.3

79.6

 

クオリカ(株)

11.0

91.7

91.7

79.6

79.7

41.6

 

AJS(株)

14.6

84.2

84.2

81.8

82.1

76.1

 

TISソリューションリンク(株)

4.4

66.7

66.7

81.6

81.3

84.6

 

TISシステムサービス(株)

9.3

55.6

55.6

80.5

81.1

73.8

 

日本ICS(株)

0.0

75.0

75.0

72.5

73.8

60.1

 

TIS千代田システムズ(株)

14.3

66.7

66.7

80.3

81.3

55.1

 

TIS東北(株)

20.0

100.0

100.0

87.3

88.1

34.4

 

TIS長野(株)

13.9

50.0

50.0

77.3

77.6

58.6

 

TIS西日本(株)

11.4

80.0

80.0

85.5

87.6

34.1

 

TISビジネスサービス(株)

26.5

100.0

100.0

76.3

76.4

55.7

 

ソランピュア(株)

0.0

100.0

100.0

94.1

107.5

75.5

 

(株)アイ・ユー・ケイ

8.8

100.0

100.0

82.2

81.9

58.0

 

(株)インテックソリューションパワー

9.8

100.0

100.0

80.5

79.9

77.0

 

(株)高志インテック

21.4

75.0

75.0

84.0

83.2

77.4

 

(株)ネクスウェイ

10.7

66.7

66.7

80.9

81.0

96.7

 

(株)スカイインテック

10.0

74.5

85.5

75.5

 

(株)マイクロメイツ

46.9

100.0

100.0

89.1

91.1

81.2

 

(注)1.(算定根拠)

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

(補足説明)

個社の課題を踏まえ、各社において「女性活躍推進行動計画」を策定し、女性が活躍できる環境整備を進めています。中期経営計画(2024-2026)の方針に則り、「女性管理職比率」の目標を設定し、女性の登用促進と男女の賃金格差の是正に取り組んでいます。

中期経営計画(2024-2026)においては、重要指標の一つとして国内連結グループ会社を対象に「女性管理職比率」の目標を設定し、よりエクイティ(公平性)の観点から、上位等級への登用意欲を高める取組みを継続しています。その結果、2026年3月期の国内連結全体における「管理職に占める女性労働者の割合」は、前年度比0.9ポイント向上しました。男女の賃金の差異については、グループ会社ごとに水準や進捗に差は見られるものの、等級構成や勤続年数構成等の構造要因を踏まえつつ、是正に向けた取り組みを継続しています。引き続き、グループ全体の取り組みとして、「成長支援」「キャリア開発」「両立支援」を軸に、女性社員が自分らしく力を発揮できる環境および諸制度の整備を進めてまいります。

 

2.(算定根拠)

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。パート・有期雇用者については、育児休業取得対象者がいない場合は、「-」としています。

(補足説明)

多様な人材が活躍できる風土を醸成するため、性別にかかわらず、仕事と育児の両立をしやすくする制度の整備と、育児休業が取得しやすい環境構築、本人の取得を促す施策を推進しています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) サステナビリティ経営の全体像

当社は、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を確固たる軸として、事業活動を通じた社会課題の解決と社会要請に対応した経営高度化によるステークホルダーとの価値交換性の向上を図り、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上の両立を目指すサステナビリティ経営を推進しています。

 

 

これまで、当社グループはコーポレートサステナビリティ委員会の設置、マテリアリティの特定、解決を目指す4つの社会課題の特定など、サステナビリティ経営の高度化に向けた実行体制を整えるとともに、コーポレート・サステナビリティ基本方針に基づき喫緊の重要な社会課題として優先度の高いテーマである人権や環境に関する取り組みを進めてまいりました。今後はこうした取り組みを継続することに加えて、当社グループの直接的な企業活動のみならず、バリューチェーン全体で当社グループの企業活動を見つめ直していくことが重要な課題であると認識しており、サステナビリティ経営のさらなる深化を通じてサステナビリティ先進企業としてのプレゼンスの確立を目指すべく、マネジメント体制を強化してまいります。

また、不確実性の高まる環境の中においても持続的な成長を実現するために、経営基盤の整備・強化を継続的に推進してまいります。セグメントオーナーを設置して権限と責任の所在を明確化し、グループ各社の強みを活かした成長戦略の実現を推進するとともに、資本コストを意識した事業マネジメントや国内外の企業のM&Aを通じた事業ポートフォリオの入れ替えによる最適なグループフォーメーションの追求、グループ間接業務のシェアード化を含む本社機能のさらなる高度化・効率化に取り組んでいます。加えて、将来の成長に資する成長投資(ソフトウェア投資、人材投資、研究開発投資、M&A・出資等)を積極的に実行していく中で適正リターンを獲得するための投資マネジメントの高度化も推進してまいります。

同時に、企業価値向上と認知度向上への取り組みの一環として、テレビCMや広告媒体への記事掲載等の戦略的なブランド活動も継続してまいります。現時点においても当社グループの認知度向上やそれに応じた効果が社員の働きがいや採用面で得られる等、成果は着実に表れ始めていますが、今後もコーポレートブランドをベースとしたサービスブランドの訴求強化等を目的として引き続き取り組んでまいります。

 

(2) 戦略

当社グループは、経営計画そのものが社会の持続性に寄与する「サステナビリティ推進の日常化」に取り組んでまいります。その推進に当たり、社会の動向やステークホルダーからの期待、当社グループらしさを踏まえた企業成長等への重要性の観点から、マテリアリティ(重要課題)を特定しております。このマテリアリティを基礎として、グループビジョン、および中期経営計画を策定し、サステナビリティ推進と当社グループの事業活動の融合を高めてまいります。

<TISインテックグループのマテリアリティ>

 

(3) ガバナンス

<TISインテックグループの全社リスク管理体制>

 

 

当社のサステナビリティ経営体制は、全社リスク管理体制と統合され、サステナビリティに関する課題は、企業活動の持続的・安定的発展を推進または阻害する要因の一つとして、リスク管理プロセスの中で把握・管理・対応しています。

当社グループのリスク管理プロセスでは、サステナビリティ課題を含む外部・内部環境の変化をもとに、全社で取り組むべきグループの戦略リスクの一覧を年1回、取締役で構成されるコーポレートサステナビリティ委員会にて議論します。

コーポレートサステナビリティ推進責任者は、特定されたグループ戦略リスクごとにリスクオーナーを適宜設定します。リスクオーナーは、取締役会や経営会議の指示・監督の下で、リスク対策の立案・推進を行います。リスク対策の進捗や有効性は、グループ内部統制委員会でモニタリングされ、取締役会へ報告されます。

 

<コーポレートサステナビリティ委員会>

コーポレートサステナビリティ委員会は取締役を中心に構成され、気候変動・人権・人的資本・ESG開示などのサステナビリティ領域を含む、中長期の経営・戦略リスクに関する重点課題について経営推進・監督機能を担います。原則として年1回、外部・内部環境の変化をもとに、全社で取り組むべきグループ戦略リスク一覧(※)やマテリアリティの更新の要否について議論します。

※グループ戦略リスク

環境認識を踏まえてグループ経営の視点で特定したグループの経営計画へ反映されるべきリスクや機会を指します。グループ戦略リスクは、年度計画や中期経営計画作成の基礎となり機動的な経営資源の配分やリスク軽減・機会獲得に活用されます。なお、グループ戦略リスクに含まれない一般的かつ恒久的な課題については、リスクオーナーが個別に管理・対策を行い、グループ内部統制委員会でその対策の有効性を評価します。

 

<グループ内部統制委員会>

サステナビリティ推進においては、各リスクオーナーから報告されるサステナビリティに関するリスクについて、対策とリスク低減にかかる効果を年2回評価し取締役会に報告します。

 

 

<コーポレートサステナビリティ推進責任者>

サステナビリティ課題を含む外部・内部環境の変化を踏まえ、全社で取り組むべき戦略リスク一覧の更新案を作成し、コーポレートサステナビリティ委員会へ提出します。コーポレートサステナビリティ委員会で議論されたグループ戦略リスク一覧は、経営会議や取締役会に上程されます。グループ戦略リスク一覧の更新案を作成時に新たに特定されたリスク(グループ戦略リスクに特定されなかったリスクも含む)にリスクオーナーを設定します。

 

<課題毎のリスクオーナー>

個別リスクの対策の計画立案を行い、適宜経営会議に示唆を受け、対策を推進します。またその対策の進捗は全社リスク管理の手順に従い、グループ内部統制委員会へ報告します。

 

(4) リスク管理

当社グループのリスク管理では、サステナビリティ課題を含む外部・内部環境の変化を分析し、自社の特性、成長戦略との比較により、全社で取り組むべきグループ戦略リスクの認識を年1回、コーポレートサステナビリティ委員会にて議論します。

 

<マテリアリティの更新>

当社グループでは、全社で取り組むべきグループ戦略リスクを認識・更新する際に、中長期的な視点で一貫した判断を行うことを重視しています。そのための判断基準として、「持続的な企業価値向上を実現するための競争優位の源泉」をマテリアリティと再定義し、全社での共有を進めます。

新たなマテリアリティは、外部環境の変化や当社グループの特性を踏まえ、おおよそ10年後の当社グループのあるべき姿を見据えたうえで、その実現に必要な資本や能力を言語化したものです。このマテリアリティは、毎年戦略リスクの更新とあわせて、見直しの要否について確認されます。新たなマテリアリティは2027年4月より正式に運用開始および公開を予定しています。

 

(5) 指標と目標

当社グループでは、中期経営計画において、マテリアリティの進捗を把握するサステナビリティ指標を設定しています。

 

マテリアリティテーマ

進捗測定の視点

指標

対象 ※1

2025年3月期

実績

2026年3月期

実績

2027年3月期

目標

多様な人材が生き生きと活躍する社会を

従業員の能力の発揮

働きがい満足度

B

56%

59%

58%以上

コンサルタント数

B

545人

589人

700人以上

管理職に占める

女性従業員の割合

B

12.9%

13.8%

15%以上

イノベーション・共創を通じ、社会に豊かさを

社会への価値提供

戦略ドメイン比率 ※1

A

51%

52%

52%

PH営業利益

A

3.1百万円

3.5百万円

3.7百万円

成長投資

A

年間

195億円

年間

171億円

3か年累計

1,000億円

高品質なサービスを通じ、社会に安心を

社会から求められる品質

顧客・サービス満足度

C

58.5%

60.6%

59%

ビジネスパートナー満足度

D

74%

77%

81%

コーポレートガバナンスを高め、社会から信頼を

社会から選ばれる企業

GHG排出量(Scope1+2)

[2020年3月期比]

A

65%削減

82%削減

(見通し)

70%削減

再生可能エネルギー利用率

(オフィス・データセンター)

B

64%導入

78%導入

(見通し)

2031年3月期

100%導入

※1 対象 ・・・ A: TIS及び全連結子会社 / B: TIS及び連結子会社(国内) / C:TIS、インテック、アグレックス、クオリカ、AJS、TISソリューションリンク / D:TIS、インテック

 

(6) サステナビリティに関する重要なテーマへの対応方針

本テーマについても本章記載の「ガバナンスとリスク管理」の枠組みにて実効性を確保しているため、以下に戦略と方針、および指標と目標について記載いたします。

 

①人的資本に関する方針

a.戦略と方針

(イ)人的資本に関する方針

日本国内における生産人口の減少や労働市場の流動化が進む中、AIをはじめとする革新的技術の実用化が急速に進展し、事業や開発プロセス、価値創出のあり方は大きな転換期を迎えています。こうした事業環境の変化を受け、これらの技術を活かして価値創出へとつなげる人材の力が、競争力の源泉として一層重要になっています。

当社グループのビジネスモデルにおいて、人材は価値創出の根幹を担う最重要の経営資本です。多様な人材が自律的なキャリアを描き、高い活力とエンゲージメントをもって新たな価値創造に挑戦できる環境を整えることで、社員と会社の価値交換の善循環を促進し、当社グループの競争力の維持拡大と、社会課題解決に向けたグループ総合力を高めてまいります。そのため、人的資本への継続的な投資を通じて、専門性と経験を兼ね備えた人材が高い付加価値を発揮できるよう、社員一人ひとりの挑戦を支援します。

 

(ロ)中期経営計画(2024-2026)における人的資本への取り組み

中期経営計画(2024-2026)では、課題解決力の強化、洞察力の強化、統合力の強化をテーマとして、重点をコンサルタント、高度営業人材、ITアーキテクトの拡充に置き、その育成と獲得に向けた人材戦略を策定しています。先鋭人材が戦略ドメイン拡大を牽引し、一人当たりの付加価値を向上させることを視野に、人材にかかわる施策・アクションの洗練化を図り、経営戦略との連動性を高めます。

人的資本経営の取り組みにおいては、専門性を兼ね備えた人材がフロンティア開拓をリードし、高い付加価値を提供できるよう①「多様な人材が活躍しイノベーションを生む風土や文化の形成」を行い、その上で②「事業拡大・変化に応じた人材の確保・育成」による中長期的な経営資源を拡充し、その中から③「事業戦略を牽引する先鋭人材の確保」を行うといった三層構造のテーマを設定しています。

 

 

中期経営計画(2024-2026)では、人材獲得とキャリア形成、働く環境整備や報酬といった項目で、3年間で100億円を超える人的資本投資を進めています。人材投資がもたらす効果として、2027年3月期には、戦略ドメイン比率52%、売上6,200億円、一人当たり営業利益は3.7百万円となる計画です。これを弾みに、グループビジョン2032達成年度の戦略ドメイン比率80%、売上規模1兆円を達成し、社会に不可欠な存在となることを目指します。

 

(ハ)3階層テーマ別の取り組み

①事業戦略を牽引する先鋭人材の確保

グループビジョン2032の戦略ドメインは、収益性を拡大できる高付加価値の事業領域であり、戦略ドメイン比率の向上が重要です。これには先鋭人材の活躍が不可欠で、付加価値向上と一人当たり営業利益の増加を実現します。

中期経営計画(2024-2026)では、フロンティア開拓をリードする先鋭人材として、「コンサルタント」「ITアーキテクト」「高度営業人材」を定義し、それぞれ「事業・サービス企画・開発」「営業・提案活動」「役務・サービス提供」のプロセスに関わることで、より収益性の高い事業提供を牽引します。

先鋭人材の確保にあたっては、既存ビジネスの遂行により培った能力・スキルを持った人材に、新たな領域で求められるスキルセットをアドオンすることで、人材の質を高める配転育成やリスキリングに取り組むとともに、事業組織とHRBPが連携した高度人材の採用、M&Aといった手段による拡充を進めています。また先鋭人材の成果創出を促進するマネジメント基盤の整備、機会提供を進めています。

 

②事業拡大・変化に応じた人材の確保・育成

生産人口の減少が急速に進む中、持続的な成長を維持するためには、将来の事業を担う人材を採用、およびグループ全構成員の人的資本総量をいかに向上させるかが、経営上の重要課題です。当社グループの基本理念やビジョンに共感する人材を積極的に獲得し、新しいことに挑戦できるフィールドと様々な成長機会を提供します。

<人材獲得>

技術革新や産業構造の変化は急速に進み、様々な社会課題への対応も求められるようになった近年の外部環境の変化に対応し、持続的なビジネスの成長へと結びつけていくため、性別や年齢、人種・地域・国籍、その他さまざまな違いの有無に関わらず多様な人材を採用します。採用の基準として、当社グループの基本理念やビジョンに共感する人材であるかどうかを重要なポイントとし、社員紹介制度やアルムナイネットワーク等を含む、多様な採用ルートを活用しながら人材獲得を進めます。

<人材育成>

社員の成長支援施策として、新しいことに挑戦できるフィールドと様々な成長機会を提供することを重視しています。

キャリア形成については、社員全員が自身の描くキャリアについて上司と面談を行い、ローテーションや多様な業務経験を通してステップアップする仕組みを整備しています。全事業に共通する技術・スキルに関するカリキュラムや、それぞれの事業に必要な学び、将来的に求められる新たなスキルやコンサルティング能力(課題設定・解決スキル)を強化する育成プログラムなど、さまざまなメニューを提供し、社員自身の成長に向け選択可能なメニューを増やすとともに、各組織から選抜したメンバーに対する重点育成にも力を入れています。

加えて、デジタル技術の進展等の外部環境の変化を踏まえ、生産性向上および付加価値向上に資する新たなスキルの習得を推進しています。特に、AI等のテクノロジーについては、ツール活用にとどまらず、業務やシステム開発プロセスに適切に組み込み、価値創出につなげることができる人材の育成を、全社的な人材育成施策として推進しています。これにより、社員一人ひとりの生産性向上と人的資本の高度化を図り、当社グループ全体の競争力強化につなげていきます。

また、教育プログラムの提供だけではなく、抜擢と配置転換による育成、および公募の機会拡大を進めています。社員一人ひとりが、将来に向け複線的にキャリアを構築し、技術の進化やビジネスモデルの変化に柔軟に対応できるよう、これらの取り組みを一体的に推進していきます。

 

③多様な人材が活躍しイノベーションを生む風土や文化の形成

社員が自発的な貢献意欲を持って、事業を成功に導くことが企業の成長エンジンとなります。様々な属性・経歴や価値観を有する人材が、一人ひとりの強みを発揮し、新たな企業価値を創出していくことを重視しています。多様な人材が高い貢献意欲を持って他者と協力しながら目標に向かい、自分らしく活躍できる「働きがいのある」環境の構築を進めています。また、社員が仕事を通して社会に貢献する喜びを感じられる企業グループとなることは、人材に係るリスクや損失の低減にもつながると考えています。一人ひとりの価値観や働き方を尊重し、意思と意見を積極的に発信できる企業文化形成に取組みます。

また、当社グループは、グループ再編を契機としたグループ一体となる風土・文化の醸成と定着を重要な経営課題と位置づけています。異なる歴史や文化、専門性を有する人材が相互理解を深め、強みを掛け合わせることで統合シナジーを創出するため、組織や会社の枠を超えた協働・共創を促進する風土づくりを進めています。共通のビジョンや価値観を共有し、対話を重視したマネジメントを通じて、多様性を競争力へと転換する組織文化の形成を推進し、グループ総合力の最大化を図ってまいります。

<多様な人材活躍>

当社グループは、多様な人材が各々の「人間らしさ」を発揮し、意思と意見を表すことを大切にしています。さらに、お互いを尊重し、刺激し合い、柔軟で絶え間ない変化やこれまでにない価値を生み出し続けることを目指し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。「ジェンダー」「国籍」「職歴や経験」「障害の有無」「年齢」「性的指向性・性自認・性別表現」「価値観や働き方」他の違いに関わらず、人間らしさを最大限発揮し、いきいきと活躍できる風土醸成及び制度・インフラの整備等を推進します。多様な人材が保有するスキルや専門性・経験を活用し、事業を成功に導く組織基盤を確立するためには、一人ひとりの社員が貢献意欲を持って活躍・成長できる組織風土の醸成が不可欠です。中でも、女性活躍はダイバーシティ経営の最重要課題の一つとして位置づけており、エクイティ(公平性)の観点を施策に取込み、女性社員が自分らしく力を発揮できる環境整備を通じて、等級における男女の偏りや男女の報酬格差の是正を進めています。

<健康経営>

働く人一人ひとりの人生の質を向上させることを目的として、「心身の健康」「働きがいの向上」「生活力の向上」の実現を目指した施策を推進し、それぞれの「人間らしさ」の発揮につなげます。また、活力の基盤である健全な職場環境の実現に向けて、労働安全衛生やコンプライアンスを重視した取り組みを強化します。

<働き方改革>

働き方への多様なニーズやスタイルに合わせることを目的として、オフィス改革や働く場所や時間等働く形態の選択肢を増やす取り組みを進めています。社員一人ひとりの働く意識、生活環境、業務環境の違いに注目し、多様な人材が自律したプロフェッショナルとしての能力を最大限に発揮できる職場環境を目指します。

<マネジメント基盤整備>

若手層の早期抜擢・昇格促進、自律的なキャリア形成支援に向けた人事制度の整備と報酬投資を強化し、人材の成長促進、優秀人材のさらなる確保を進めます。当社グループの評価制度では、「Must/Will/Can」の枠組みに基づいて社員一人ひとりが企業の方向性を理解し、自らの意思で目標を設定します。目標の達成度に応じた公正な評価と提供価値に応じた処遇は、企業と社員の成長を促すエンジンとして機能しています。

 

b.指標と目標

人材戦略の3つのテーマ毎に、成果を測る指標と目標を定めています。中期経営計画のサステナビリティ指標として設定している「戦略ドメイン比率」や「顧客サービス満足度」等の状況と合わせて、取締役会でのモニタリングを行っています。

 

人材の価値創造に関する指標

no.

人的資本と関連のある指標

2026年3月期実績

2027年3月期目標

1

(INPUT)人的資本投資額

88億円(2年累計)

100億円(3年累計)

2

(OUTPUT)一人当たり営業利益

3.5百万円

3.7百万円

 

人材戦略の成果に関する指標※注1

no.

指標名

定義

2026年3月期

実績

2027年3月期

目標

1.事業戦略を牽引する先鋭人材の確保

(1)

コンサルタント数

ステークホルダーとの事業共創による新たな価値の創造で新事業・新サービス企画を牽引。また、ITに閉じないコンサルティングによる提案内容を高度化すると共に上流プロジェクトを推進する社員の人数

589名

700名以上

(2)

ITアーキテクト

デジタル技術活用やサービス統合により商品力の強化に貢献。また、高度な技術力を持って顧客の課題解決を実現する社員の数

303名

370名以上

(3)

高度営業人材

顧客の真の課題を捉えフィードバックすることでソフトウェア資産の高付加価値化を行う。また、顧客理解深化により提案力・受注採算性を向上させる社員の人数

274名

360名以上

2.事業拡大・変化に対応した人材の確保・育成

(4)

年間一人当たり学習研究日数

社員一人当たりの年間学習研修日数の平均値

12.8日

12日以上

3.多様な人材が活躍しイノベーションを生む風土や文化の形成

(5)

働きがい満足度 ※注2

社員意識調査で「総合的に働きがいのある会社である」の設問に肯定的に回答した社員の割合

59%

58%以上

(6)

管理職に占める

女性従業員の割合

管理職全体に占める女性管理職の割合

13.8%

15%以上

(7)

アブセンティズム

病気を理由として休業している社員の比率

1.0%

1.0%以下

(8)

プレゼンティズム

※注3

社員が職場に出勤はしているものの、健康問題により業務の能率が落ち、労働損失が発生している割合

23.6%

18.0%以下

(9)

平均月間法定外労働時間45h以上の社員比率

年間を通して法定労働時間外の月平均が45時間以上である社員の割合

2.8%

1.5%以下

注1 実績・目標値はTISを含む国内の連結対象企業の総計または加重平均で算出しています。

注2 働きがい満足度は、特例子会社であるソランピュアを除いた国内連結事業会社の加重平均です。

注3 プレゼンティズムの2026年3月期の実績は、労働損失に関する調査を行い、有効性の高いデータが得られた会社の加重平均です。

 

②気候変動への対応方針

当社グループは、グループ基本理念であるOUR PHILOSOPHYに基づき「コーポレート・サステナビリティ基本方針」を策定し、その項目の一つとして「地球環境の保全」を定めています。

地球環境問題の中でも、とりわけ重要度が増している気候変動への対応について、事業活動からの温室効果ガス排出削減、事業活動を通じた気候変動対応の推進の両面から取り組みを進め、当社グループの社会的責任を果たすとともに、社会との協働の機会獲得を目指します。

 

a.戦略と方針

(イ)カーボンニュートラル宣言

脱炭素社会の実現に向け、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に取り組み、2040年度までに当社グループ自らの温室効果ガス排出量のカーボンニュートラル、および2050年度までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量のネットゼロの実現を目指します。

当社グループは、地球環境問題の中でもとりわけ重要度が増している気候変動への対応に向け、その原因とされる温室効果ガスの排出量削減の重要性を認識し、脱炭素に向けて取り組んできました。そして、当社グループにおいて最大量の電力を使用するデータセンター運営において、主要4データセンターの全使用電力に再生可能エネルギー由来の電力を使用しています。なお、将来的な社会情勢、政府の政策、電力会社の動向等、市場環境の変化を踏まえ、環境負荷の少ないエネルギーを安定的かつ適切な価格で調達します。

 

(ロ)気候変動のリスクと財務影響及び機会

当社グループは、2021年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しており、TCFDの求めている基礎項目について情報開示しております。

気候関連リスクとその財務影響について、気候変動に関するRCP(代表濃度経路)とSSP(共有社会経済経路)および、IEA NZE2050(2050年ネットゼロ排出)の科学的根拠等に基づき、1.5℃シナリオと4℃シナリオを用いて各々の世界観を想定し、当社グループの事業に関連するリスクおよび機会の要因を整理しました。

 

<気候関連のリスクと財務影響>

 

注1 リスクが顕在化されると想定する期間

短期:1年~3年以内 中期:~2031年3月期 長期:~2051年3月期

注2 2024年度までのリスク低減策と同等の対策を講じ、且つそれ以上の低減策を講じなかった場合の、2031年3月期における財務影響額

注3 リスクが顕在化した場合に想定される対策費用または被害額が財務に及ぼす年間最大影響額

軽微:~10百万円未満 小:10~100百万円未満 中:100~1,000百万円未満

大:1,000~10,000百万円未満  甚大:10,000百万円~

<気候関連の機会>

No.

機会

時期

気候変動対応に伴い増加するニーズと対象

当社及び当社グループの対応

1

低・脱炭素化に対応のデータセンター及びクラウドサービス提供機会の増大

短期

長期

各企業においてはオンプレミス・クラウドともにエネルギー効率の高いHWの利用や活用する電源が再エネ由来のものを使用する企業が増える。特に、RE100やTCFDで削減目標などを設定している企業から需要が拡大すると想定される。

TIGデータセンターの再エネ比率/エネルギー効率を高めていくことで、DCサービスの提供機会を拡大する。

現在の目標として、DCの再エネ比率を2030年度中に100%とすることを掲げている。

(TIS-DCでは、環境配慮型データセンターへの統合も併せ、再エネ導入比率を2025年度に100%とすることを目指す)

2

電力会社の環境改善や電力インフラ再設計でのシステム更改ニーズの増大

短期

中期

日本の40%を占める発電所を中心としたエネルギー転換部門におけるGHG排出量を減らすべく、火力発電中心の社会から水力・風力・太陽光を中心とした再エネへの転換が急務。合わせて、分散化電源社会に合わせた送電・配電のネットワーク網の再構築・改修の需要が増えてくると考えられる。

30年来に渡るエネルギー会社との取引で培った業務ノウハウをもとに、エネルギー会社の発電・送電・配電のDX化や法制度変更に基づくシステム更改などを通じて、電力インフラやエネルギー会社の脱炭素化を間接的に実施中。

3

気候変動に関する新しいニーズに対応したITサービス/ソリューション提供機会の増大

短期

長期

節エネ・創エネの代表格ともいえるVPPやエネルギー効率を自動的に制御するAI・IoT技術の利活用。更に見えない電源を見える化する各種ITサービスや気候変動リスクに対応したレジリエンスサービス等のニーズが増えてくると想定される。

当社の今後の強みとすべく、先行投資型開発やステークホルダーとの協業・共創により、デジタル技術を駆使した各種ITサービスを展開・企画開発中。VPPソリューションや企業向け非財務情報参照・点検サービスなどを展開、環境価値取引移転実証等新技術のビジネス実装にも積極的に取り組みを進める。

 

b.指標と目標

当社グループの環境目標は、カーボンニュートラル宣言の実現です。それの達成に向け、以下のサステナビリティ指標を設定しています。

・基準年(2020年3月期)比におけるGHG排出量(Scope1+2)の削減率

2027年3月期目標   70%削減

・再生可能エネルギー利用率(TIS及び連結子会社(国内)のオフィス・データセンター)

2031年3月期目標   100%導入