人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数5,970名(単体) 21,765名(連結)
-
平均年齢40.0歳(単体)
-
平均勤続年数14.0年(単体)
-
平均年収8,067,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2025年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
オファリングサービス |
5,706 |
(232) |
BPM |
2,361 |
(994) |
金融IT |
1,964 |
(14) |
産業IT |
3,817 |
(76) |
広域ITソリューション |
7,264 |
(517) |
報告セグメント計 |
21,112 |
(1,833) |
その他 |
653 |
(134) |
合計 |
21,765 |
(1,967) |
(注)1.従業員数は就業人員数であります。
2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
|
2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢 |
平均勤続年数 |
平均年間給与(千円) |
||
5,970 |
40歳 |
7カ月 |
14年 |
6カ月 |
8,067 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
オファリングサービス |
2,585 |
(9) |
BPM |
- |
(-) |
金融IT |
1,768 |
(6) |
産業IT |
1,617 |
(5) |
広域ITソリューション |
- |
(-) |
報告セグメント計 |
5,970 |
(20) |
その他 |
- |
(-) |
合計 |
5,970 |
(20) |
(注)1.従業員数は就業人員数であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
(3)労働組合の状況
当社及び連結子会社における労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
|||||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
備考 |
||||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・有期労働者 |
||
14.3 |
87.7 |
87.7 |
- |
81.3 |
81.4 |
59.6 |
|
(注)1.(算定根拠)
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので あります。
(補足説明)
労働者の男女の賃金の差異については、管理職、係員といった等級別に比較した場合、各種手当を除いた給与・賞与において、差は見られませんでした。
全従業員の男女賃金格差は、概ね以下の理由により発生しています。
①男女別の等級分布の違い :上位等級・職位ほど、女性の比率が低い
②時間外手当の違い :男性のほうが時間外労働が多く、手当の額が多い
③手当支給条件の違い :住宅手当・家族手当の支給対象者は、男性のほうが多い
男女賃金格差の縮小に向けては、説明の①で記載した事項の改善が効果的と考えており、グループビジョン2032をターゲットとして、女性従業員の比率と各等級・職位における女性比率が同等になることを目指し、女性社員に対するチャレンジの機会提供、ライフイベントを考慮したキャリア形成支援、マネジメント層の意識や行動変容、女性の昇格意欲の向上をはじめとする各種施策を推進しています。2025年3月期の「管理職に占める女性労働者の割合」は前年度比1.2%向上し、これに伴い賃金格差も0.9%縮小しました。
2.(算定根拠)
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。パート・有期雇用者については、育児休業取得対象者がいなかったため「-」としています。
(補足説明)
多様な人材が活躍できる風土を醸成するため、性別にかかわらず、仕事と育児の両立をしやすくする制度の整備と、育児休業が取得しやすい環境構築、本人の取得を促す施策を推進しています。特に男性は収入減の懸念から育児休業の取得を見送るケースが見られ、取得率は横ばいです。しかしながら、育児休業の積極的な取得は、社員とその家族にとってのウェルビーイング向上、自律的な働き方への気づき、社会課題への感度を高めるといった様々な効果が期待できるため、さらなる育児休業取得率・取得日数の向上を目指してまいります。具体的には、上司や周りのメンバーへの働きかけにより、育休を取得しやすい職場環境の整備、育児休業中も含めたキャリアの継続支援、対象社員とその家族に対する情報展開や丁寧な説明を行い、育児休業取得を後押しする施策を進めます。
②従業員101名以上の連結子会社
当事業年度 |
|
|||||||
名 称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1. |
備考 |
||||
全労働者 |
うち 正規雇用労働者 |
うち パート・有期労働者 |
全労働者 |
うち 正規雇用労働者 |
うち パート・有期労働者 |
|||
(株)インテック |
10.8 |
83.9 |
83.9 |
- |
77.8 |
78.3 |
91.4 |
|
(株)アグレックス |
13.9 |
91.7 |
91.7 |
- |
63.7 |
81.3 |
72.7 |
|
クオリカ(株) |
9.7 |
81.8 |
81.8 |
- |
79.0 |
79.4 |
35.5 |
|
AJS(株) |
16.3 |
63.6 |
63.6 |
- |
80.6 |
81.0 |
57.2 |
|
TISソリューションリンク(株) |
3.6 |
56.3 |
56.3 |
- |
81.6 |
81.3 |
94.0 |
|
TISシステムサービス(株) |
8.3 |
71.4 |
71.4 |
- |
77.4 |
78.0 |
76.1 |
|
日本ICS(株) |
0.0 |
25.0 |
25.0 |
- |
67.5 |
68.5 |
57.3 |
|
TIS千代田システムズ(株) |
13.8 |
71.4 |
71.4 |
- |
82.6 |
83.8 |
42.1 |
|
TIS東北(株) |
17.4 |
50.0 |
50.0 |
- |
80.7 |
82.6 |
- |
(注)3. |
TIS長野(株) |
11.4 |
100.0 |
100.0 |
- |
72.5 |
73.6 |
49.6 |
|
TIS西日本(株) |
11.1 |
100.0 |
100.0 |
- |
82.2 |
85.9 |
28.4 |
|
TISビジネスサービス(株) |
20.8 |
- |
- |
- |
75.5 |
75.8 |
56.5 |
|
ソランピュア(株) |
0.0 |
- |
- |
- |
92.8 |
92.8 |
80.7 |
|
(株)アイ・ユー・ケイ |
9.3 |
0.0 |
0.0 |
- |
79.2 |
80.3 |
65.9 |
|
(株)インテックソリューションパワー |
10.3 |
100.0 |
100.0 |
- |
80.8 |
80.5 |
73.7 |
|
(株)高志インテック |
5.3 |
80.0 |
80.0 |
- |
88.2 |
88.0 |
71.3 |
|
(株)ネクスウェイ |
18.5 |
100.0 |
100.0 |
- |
82.5 |
83.3 |
95.3 |
|
(株)スカイインテック |
9.5 |
300.0 |
300.0 |
- |
74.2 |
87.7 |
4.0 |
(注)4. |
(株)マイクロメイツ |
54.3 |
100.0 |
100.0 |
- |
90.0 |
90.2 |
88.0 |
|
(注)1.(算定根拠)
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
(補足説明)
個社の課題から「女性活躍推進行動計画」を策定、女性が活躍できる環境整備を進めています。2024年度から始まった中期経営計画(2024-2026)の方針に則り、「女性管理職比率」の目標を設定し、女性の登用と男女の賃金格差の是正を進めます。
中期経営計画(2024-2026)では、重要指標の一つとして国内連結グループ会社を対象に「女性管理職比率」の目標を設定し、よりエクイティ(公平性)の観点から、上位等級への登用意欲を高める取組みを強化しています。2025年3月期の国内連結全体の「管理職に占める女性労働者の割合」は、目標値である13%を達成し、男女の賃金の差異についても縮小傾向が見られました。引き続き、グループ全体の取り組みとして、「成長支援」「キャリア開発」「両立支援」といった、女性社員が自分らしく力を発揮できる環境・諸制度の整備を進めてまいります。
2.(算定根拠)
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。パート・有期雇用者については、育児休業取得対象者がいない場合は、「-」としています。
(補足説明)
多様な人材が活躍できる風土を醸成するため、性別にかかわらず、仕事と育児の両立をしやすくする制度の整備と、育児休業が取得しやすい環境構築、本人の取得を促す施策を推進しています。
3.パート・有期雇用者に男性の対象者がいないため、「-」としています。
4.子の出生年度とその子に対する育児休業等の取得開始年度のずれにより、育児休業取得率が100%を超える場合があります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティ経営の全体像
当社は、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を確固たる軸として、事業活動を通じた社会課題の解決と社会要請に対応した経営高度化によるステークホルダーとの価値交換性の向上を図り、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上の両立を目指すサステナビリティ経営を推進しています。
これまで、当社グループはコーポレートサステナビリティ委員会の設置、マテリアリティの特定、解決を目指す4つの社会課題の特定など、サステナビリティ経営の高度化に向けた実行体制を整えるとともに、コーポレート・サステナビリティ基本方針に基づき喫緊の重要な社会課題として優先度の高いテーマである人権や環境に関する取り組みを進めてまいりました。今後はこうした取り組みを継続することに加えて、当社グループの直接的な企業活動のみならず、バリューチェーン全体で当社グループの企業活動を見つめ直していくことが重要な課題であると認識しており、サステナビリティ経営のさらなる深化を通じてサステナビリティ先進企業としてのプレゼンスの確立を目指すべく、マネジメント体制を強化してまいります。
また、不確実性の高まる環境の中においても持続的な成長を実現するために、経営基盤の整備・強化を継続的に推進してまいります。セグメントオーナーを設置して権限と責任の所在を明確化し、グループ各社の強みを活かした成長戦略の実現を推進するとともに、資本コストを意識した事業マネジメントや国内外の企業のM&Aを通じた事業ポートフォリオの入れ替えによる最適なグループフォーメーションの追求、グループ間接業務のシェアード化を含む本社機能のさらなる高度化・効率化に取り組んでいます。加えて、将来の成長に資する成長投資(ソフトウェア投資、人材投資、研究開発投資、M&A・出資等)を積極的に実行していく中で適正リターンを獲得するための投資マネジメントの高度化も推進してまいります。
同時に、企業価値向上と認知度向上への取り組みの一環として、テレビCMや広告媒体への記事掲載等の戦略的なブランド活動も継続してまいります。現時点においても当社グループの認知度向上やそれに応じた効果が社員の働きがいや採用面で得られる等、成果は着実に表れ始めていますが、今後もコーポレートブランドをベースとしたサービスブランドの訴求強化等を目的として引き続き取り組んでまいります。
(2) 戦略
当社グループは、経営計画そのものが社会の持続性に寄与する「サステナビリティ推進の日常化」に取り組んでまいります。その推進に当たり、社会の動向やステークホルダーからの期待、当社グループらしさを踏まえた企業成長等への重要性の観点から、マテリアリティ(重要課題)を特定しております。このマテリアリティを基礎として、グループビジョン、および中期経営計画を策定し、サステナビリティ推進と当社グループの事業活動の融合を高めてまいります。
<TISインテックグループのマテリアリティ>
(3) ガバナンス
当社のサステナビリティ経営体制は、原則年2回行われるコーポレートサステナビリティ委員会を通して、潮流を捉え、サステナビリティに関する課題を議論し、注力すべき課題の選定と対応の方向性が取締役会にて示されます。この課題設定と方向性は、経営会議等を通じて執行側に示され、執行側にてその企画や計画を経営会議で審議した後、取締役会を通じて策定されます。またその執行も、取締役会を通じてモニタリング、監督されます。
コーポレートサステナビリティ委員会は、コーポレートサステナビリティの最高責任者(議長)を社長が担い、取締役、監査役、コーポレートサステナビリティ推進責任者、企画本部長、企画部長により構成されます。また、マテリアリティの進捗を把握するサステナビリティ指標を設定しており、その進捗を毎年取締役会にて確認しています。
<TISインテックグループのサステナビリティ経営体制>
(4) リスク管理
サステナビリティ関連のリスク及び機会は、サステナビリティ推進の専任部署が常に情報を収集し、全社のリスク管理プロセスおよび、コーポレートサステナビリティ委員会を通じて半年に一度評価を行っています。
さらに、ステークホルダーの期待や影響度、当社グループらしさやグループの成長への寄与の観点から、マテリアリティの特定の基礎となる課題の重要性マトリクスを作成しており、毎年1回コーポレートサステナビリティ委員会にて状況と課題の有無を確認します。
(5) 指標と目標
中期経営計画において、マテリアリティの進捗を把握するサステナビリティ指標について、現中期経営計画では以下の指標と目標を設定しています。
マテリアリティテーマ |
進捗測定の視点 |
指標 |
対象 ※1 |
2024年3月期 実績 |
2025年3月期 実績 |
2027年3月期 目標 |
多様な人材が生き生きと活躍する社会を |
従業員の能力の発揮 |
働きがい満足度 |
B |
52% |
56% |
58%以上 |
コンサルタント数 |
B |
510人 |
545人 |
700人以上 |
||
管理職に占める 女性従業員の割合 |
B |
11% |
12% |
15%以上 |
||
イノベーション・共創を通じ、社会に豊かさを |
社会への価値提供 |
戦略ドメイン比率 |
A |
48% |
51% |
52% |
PH営業利益 |
A |
2.9百万円 |
3.1百万円 |
3.5百万円 |
||
成長投資 |
A |
3か年累計 720億円 |
年間 195億円 |
3か年累計 1,000億円 |
||
高品質なサービスを通じ、社会に安心を |
社会から求められる品質 |
顧客・サービス満足度 |
C |
54% |
58% |
59% |
ビジネスパートナー満足度 |
D |
77% |
74% |
81% |
||
コーポレートガバナンスを高め、社会から信頼を |
社会から選ばれる企業 |
GHG排出量(Scope1+2)※2 [2020年3月期比] |
A |
60%削減 |
65%削減 (見通し) |
70%削減 |
再生可能エネルギー利用率※2 (オフィス・データセンター) |
B |
57%導入 |
64%導入 (見通し) |
2031年3月期 100%導入 |
※1 対象 ・・・ A: TIS及び全連結子会社 / B: TIS及び連結子会社(国内) / C:TIS、インテック、アグレックス、クオリカ、AJS、TISソリューションリンク / D:TIS、インテック
※2 2024年3月期実績のみ対象は、TIS、インテック、アグレックス、クオリカ、AJS、TISソリューションリンク、TISシステムサービス、TIS東北、TIS長野、TIS西日本、TIS北海道、TISビジネスサービス、ソランピュア、MFEC Public、Business Application、Motif Technology Public、Hongson、MISO Digital、Prain Fintech、Msyne Innovations、Playtorium Solutions
(6) サステナビリティに関する重要なテーマへの対応方針
本テーマについても本章記載の「ガバナンスとリスク管理」の枠組みにて実効性を確保しているため、以下に戦略と方針、および指標と目標について記載いたします。
①人的資本に関する方針
a.戦略と方針
イ.人的資本に関する方針
日本国内における生産人口の減少や労働市場の流動化が進み、変化する社会において、高度IT技術者や経験豊富な人材を保有することが重要と考えています。
当社グループのビジネスモデルにおいて、人材は価値創出の根幹であり、最重要の経営資本です。多様な人材が自律的なキャリアを描き、高い活力とエンゲージメントをもって新たな価値創造を行える環境を作ることで、社員と会社の価値交換の善循環を促進し、当社グループの競争力の維持拡大と、社会課題解決に向けたグループ総合力を高めてまいります。そのために、当社グループは人的資本に対して積極的な投資を行い、専門性を兼ね備えた人材が高い価値提供を発揮できるよう、社員一人ひとりの新たな挑戦を支援します。
ロ.中期経営計画(2024-2026)における人的資本への取り組み
中期経営計画(2024-2026)では、課題解決力の強化、洞察力の強化、統合力の強化をテーマとして、重点をコンサルタント、高度営業人材、ITアーキテクトの拡充に置き、その育成と獲得に向けた人材戦略を策定しています。先鋭人材が戦略ドメイン拡大を牽引し、一人当たりの付加価値を向上させることを視野に、人材にかかわる施策・アクションの洗練化を図り、経営戦略との連動性を高めます。
人的資本経営の取り組みにおいては、専門性を兼ね備えた人材がフロンティア開拓をリードし、高い付加価値を提供できるよう「多様な人材が活躍しイノベーションを生む風土や文化の形成」を行い、その上で「事業拡大・変化に応じた人材の確保・育成」による中長期的な経営資源を拡充し、その中から「事業戦略を牽引する先鋭人材の確保」を行うといった三層構造のテーマを設定しています。
中期経営計画(2024-2026)では、人材獲得とキャリア形成、働く環境整備や報酬といった項目で、3年間で100億円を超える人的資本投資を進めています。人材投資がもたらす効果として、2027年3月期には、戦略ドメイン比率52%、売上6,200億円、1人あたり営業利益は3.5百万円となる計画です。これを弾みに、グループビジョン2032を実現し、社会に不可欠な存在となることを目指します。
ハ.3階層テーマ別の取り組み
(イ)事業戦略を牽引する先鋭人材の確保
グループビジョン2032の戦略ドメインは、収益性を拡大できる高付加価値の事業領域であり、戦略ドメイン比率の向上が重要です。これには先鋭人材の活躍が不可欠で、付加価値向上と1人あたり営業利益の増加を実現します。
中期経営計画(2024-2026)では、フロンティア開拓をリードする先鋭人材として、「コンサルタント」「ITアーキテクト」「高度営業人材」を定義し、それぞれ「事業・サービス企画・開発」「営業・提案活動」「役務・サービス提供」のプロセスに関わることで、より収益性の高い事業提供を牽引します。
先鋭人材の確保にあたっては、既存ビジネスの遂行により培った能力・スキルを持った人材に、新たな領域で求められるスキルセットをアドオンすることで、人材の質を高める配転育成やリスキリングに取り組むとともに、事業組織とHRBPが連携した高度人材の採用、M&Aといった手段による拡充を進めています。また先鋭人材の成果創出を促進するマネジメント基盤の整備、機会提供を進めています。
(ロ)事業拡大・変化に応じた人材の確保・育成
生産人口の減少が急速に進む中、持続的な成長を維持するためには、将来の事業を担う人材を採用、およびグループ全構成員の人的資本総量をいかに向上させるかが、経営上の重要課題です。当社グループの基本理念やビジョンに共感する人材を積極的に獲得し、新しいことに挑戦できるフィールドと様々な成長機会を提供します。
<人材獲得>
技術革新や産業構造の変化は急速に進み、様々な社会課題への対応も求められるようになった近年の外部環境の変化に対応し、持続的なビジネスの成長へと結びつけていくため、性別や年齢、人種・地域・国籍、その他さまざまな違いの有無に関わらず多様な人材を採用します。採用の基準として、当社グループの基本理念やビジョンに共感する人材であるかどうかを重要なポイントとし、社員紹介制度やアルムナイネットワーク等を含む、多様な採用ルートを活用しながら人材獲得を進めます。
<人材育成>
社員の成長支援施策として、新しいことに挑戦できるフィールドと様々な成長機会を提供することを重視しています。
キャリア形成については、社員全員が自身の描くキャリアについて上司と面談を行い、ローテーションや多様な業務経験を通してステップアップする仕組みを整備しています。全事業に共通する技術・スキルに関するカリキュラムや、それぞれの事業に必要な学び、将来的に求められる新たなスキルやコンサルティング能力(課題設定・解決スキル)を強化する育成プログラムなど、さまざまなメニューを提供し、社員自身の成長に向け選択可能なメニューを増やすとともに、各組織から選抜したメンバーに対する重点育成にも力を入れています。
また、教育プログラムの提供だけではなく、抜擢と配置転換による育成、および公募の機会拡大を進めています。社員一人ひとりが、将来に向け複線的にキャリアを構築し、技術の進化やビジネスモデルの変化に柔軟に対応できるよう、さらなる強化を図っていきます。
(ハ)多様な人材が活躍しイノベーションを生む風土や文化の形成
社員が自発的な貢献意欲を持って、事業を成功に導くことが企業の成長エンジンとなります。様々な属性・経歴や価値観を有する人材が、一人ひとりの強みを発揮し、新たな企業価値を創出していくことを重視しています。多様な人材が高い貢献意欲を持って他者と協力しながら目標に向かい、自分らしく活躍できる「働きがいのある」環境の構築を進めています。また、社員が仕事を通して社会に貢献する喜びを感じられる企業グループとなることは、人材に係るリスクや損失の低減にもつながると考えています。一人ひとりの価値観や働き方を尊重し、意思と意見を積極的に発信できる企業文化形成に取組みます。
<多様な人材活躍>
当社グループは、多様な人材が各々の「人間らしさ」を発揮し、意思と意見を表すことを大切にしています。さらに、お互いを尊重し、刺激し合い、柔軟で絶え間ない変化やこれまでにない価値を生み出し続けることを目指し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。「ジェンダー」「国籍」「職歴や経験」「障害の有無」「年齢」「性的指向性・性自認」「価値観や働き方」他の違いに関わらず、人間らしさを最大限発揮し、いきいきと活躍できる風土醸成及び制度・インフラの整備等を推進します。多様な人材が保有するスキルや専門性・経験を活用し、事業を成功に導く組織基盤を確立するためには、一人ひとりの社員が貢献意欲を持って活躍・成長できる組織風土の醸成が不可欠です。中でも、女性活躍はダイバーシティ経営の最重要課題の一つとして位置づけており、エクイティ(公平性)の観点を施策に取込み、女性社員が自分らしく力を発揮できる環境整備を通じて、等級における男女の偏りや男女の報酬格差の是正を進めています。
<健康経営>
働く人一人ひとりの人生の質を向上させることを目的として、「心身の健康」「働きがいの向上」「生活力の向上」の実現を目指した施策を推進し、それぞれの「人間らしさ」の発揮につなげます。また、活力の基盤である健全な職場環境の実現に向けて、労働安全衛生やコンプライアンスを重視した取り組みを強化します。
<働き方改革>
働き方への多様なニーズやスタイルに合わせることを目的として、オフィス改革や働く場所や時間等働く形態の選択肢を増やす取り組みを進めています。社員一人ひとりの働く意識、生活環境、業務環境の違いに注目し、多様な人材が自律したプロフェッショナルとしての能力を最大限に発揮できる職場環境を目指します。
<マネジメント基盤整備>
若手層の早期抜擢・昇格促進、自律的なキャリア形成支援に向けた人事制度の整備と報酬投資を強化し、人材の成長促進、優秀人材のさらなる確保を進めます。当社グループの評価制度では、「Must/Will/Can」の枠組みに基づいて社員一人ひとりが企業の方向性を理解し、自らの意思で目標を設定します。目標の達成度に応じた公正な評価と提供価値に応じた処遇は、企業と社員の成長を促すエンジンとして機能しています。
b.指標と目標
人材戦略の3つのテーマ毎に、成果を測る指標と目標を定めています。中期経営計画のサステナビリティ指標として設定している「戦略ドメイン比率」や「顧客サービス満足度」等の状況と合わせて、取締役会でのモニタリングを行っています。
人材の価値創造に関する指標
No. |
人的資本と関連のある指標 |
2025年3月期実績 |
2027年3月期目標 |
1 |
(INPUT)人的資本投資額 |
36億円 |
100億円 |
2 |
(OUTPUT)一人当たり営業利益 |
3.1百万円 |
3.5百万円超 |
人材戦略の成果に関する指標
No. |
指標名 |
定義 |
2024年3月期 実績 |
2025年3月期 実績 |
2027年3月期 目標 |
|
1.事業戦略を牽引する先鋭人材の確保 |
||||
(1) |
コンサルタント数 |
ステークホルダーとの事業共創による新たな価値の創造で新事業・新サービス企画を牽引。また、ITに閉じないコンサルティングによる提案内容を高度化すると共に上流プロジェクトを推進する社員の人数 |
510名 |
545名 |
700名以上 |
(2) |
ITアーキテクト |
デジタル技術活用やサービス統合により商品力の強化に貢献。また、高度な技術力を持って顧客の課題解決を実現する社員の人数 |
- |
270名 |
370名以上 |
(3) |
高度営業人材 |
顧客の真の課題を捉えフィードバックすることでソフトウェア資産の高付加価値化を行う。また、顧客理解深化により提案力・受注採算性を向上させる社員の人数 |
- |
262名 |
360名以上 |
|
2.事業拡大・変化に対応した人材の確保・育成 |
||||
(4) |
年間一人当たり 学習研究日数 |
社員一人当たりの年間学習研修日数の平均値 |
12日 |
12日 |
12日以上 |
|
3.多様な人材が活躍しイノベーションを生む風土や文化の形成 |
||||
(5) |
働きがい満足度 |
社員意識調査で「総合的に働きがいのある会社である」の設問に肯定的に回答した社員の割合 |
52% |
56% |
58%以上 |
(6) |
管理職に占める 女性従業員の割合 |
管理職全体に占める女性管理職の割合 |
11% |
12% |
15%以上 |
(7) |
アブセンティズム |
病気を理由として休業している社員の割合 |
1.0% |
0.9% |
1.0%以下 |
(8) |
プレゼンティズム 注3 |
社員が職場に出勤はしているものの、健康問題により業務の能率が落ち、労働損失が発生している割合 |
- |
23% |
18%以下 |
(9) |
平均月間法定外労 働時間45h以上の 社員比率 |
年間を通して法定労働時間外の月平均が45時間以上である社員の割合 |
2.9% |
2.6% |
1.5%以下 |
注1 実績・目標値はTISを含む国内の連結対象企業の総計または加重平均で算出しています。
注2 働きがい満足度は、特例子会社であるソランピュアを除いた国内連結事業会社の加重平均です。
注3 プレゼンティズムの2025年3月期の実績は、労働損失に関する調査を行い、有効性の高いデータが得られた会社の加重平均です。
注4 2025年3月期よりフレックスタイム勤務制度適用者の法定労働時間の算出方法を変更しています。
②気候変動への対応方針
当社グループは、グループ基本理念であるOUR PHILOSOPHYに基づき「コーポレート・サステナビリティ基本方針」を策定し、その項目の一つとして「地球環境の保全」を定めています。
地球環境問題の中でも、とりわけ重要度が増している気候変動への対応について、事業活動からの温室効果ガス排出削減、事業活動を通じた気候変動対応の推進の両面から取り組みを進め、当社グループの社会的責任を果たすとともに、社会との協働の機会獲得を目指します。
a.戦略と方針
イ.カーボンニュートラル宣言
脱炭素社会の実現に向け、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に取り組み、2040年度までに当社グループ自らの温室効果ガス排出量のカーボンニュートラル、および2051年3月期までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量のネットゼロの実現を目指します。
当社グループは、地球環境問題の中でもとりわけ重要度が増している気候変動への対応に向け、その原因とされる温室効果ガスの排出量削減の重要性を認識し、脱炭素に向けて取り組んできました。そして、当社グループにおいて最大量の電力を使用するデータセンター運営において、主要4データセンターの全使用電力に再生可能エネルギー由来の電力を使用しています。なお、将来的な社会情勢、政府の政策、電力会社の動向等、市場環境の変化を踏まえ、環境負荷の少ないエネルギーを安定的かつ適切な価格で調達します。
ロ.気候変動のリスクと財務影響及び機会
当社グループは、2021年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しており、TCFDの求めている基礎項目について情報開示しております。
気候関連リスクとその財務影響について、気候変動に関するRCP(代表濃度経路)とSSP(共有社会経済経路)および、IEA NZE2050(2050年ネットゼロ排出)の科学的根拠等に基づき、1.5℃シナリオと4℃シナリオを用いて各々の世界観を想定し、当社グループの事業に関連するリスクおよび機会の要因を整理しました。
<気候関連のリスクと財務影響>
注1 リスクが顕在化されると想定する期間
短期:1年~3年以内 中期:~2031年3月期 長期:~2051年3月期
注2 2024年度までのリスク低減策と同等の対策を講じ、且つそれ以上の低減策を講じなかった場合の、2030年度における財務影響額
注3 リスクが顕在化した場合に想定される対策費用または被害額が財務に及ぼす年間最大影響額
軽微:~10百万円未満 小:10~100百万円未満 中:100~1,000百万円未満
大:1,000~10,000百万円未満 甚大:10,000百万円~
<気候関連の機会>
No. |
機会 |
時期 |
気候変動対応に伴い増加するニーズと対象 |
当社及び当社グループの対応 |
1 |
低・脱炭素化に対応のデータセンター及びクラウドサービス提供機会の増大 |
短期 ~ 長期 |
各企業においてはオンプレミス・クラウドともにエネルギー効率の高いHWの利用や活用する電源が再エネ由来のものを使用する企業が増える。特に、RE100やTCFDで削減目標などを設定している企業から需要が拡大すると想定される。 |
当社グループデータセンターの再エネ比率/エネルギー効率を高めていくことで、データセンターサービスの提供機会を拡大する。 現在の目標として、データセンターの再エネ比率を2030年度中に100%とすることを掲げている。 (TISのデータセンターでは、環境配慮型データセンターへの統合も併せ、再エネ導入比率を2025年度に100%とすることを目指す) |
2 |
電力会社の環境改善や電力インフラ再設計でのシステム更改ニーズの増大 |
短期 ~ 中期 |
日本の40%を占める発電所を中心としたエネルギー転換部門におけるGHG排出量を減らすべく、火力発電中心の社会から水力・風力・太陽光を中心とした再エネへの転換が急務。合わせて、分散化電源社会に合わせた送電・配電のネットワーク網の再構築・改修の需要が増えてくると考えられる。 |
30年来に渡るエネルギー会社との取引で培った業務ノウハウをもとに、エネルギー会社の発電・送電・配電のDX化や法制度変更に基づくシステム更改などを通じて、電力インフラやエネルギー会社の脱炭素化を間接的に実施中。 |
3 |
気候変動に関する新しいニーズに対応したITサービス/ソリューション提供機会の増大 |
短期 ~ 長期 |
節エネ・創エネの代表格ともいえるVPPやエネルギー効率を自動的に制御するAI・IoT技術の利活用。更に見えない電源を見える化する各種ITサービスや気候変動リスクに対応したレジリエンスサービス等のニーズが増えてくると想定される。 |
当社の今後の強みとすべく、先行投資型開発やステークホルダーとの協業・共創により、デジタル技術を駆使した各種ITサービスを展開・企画開発中。VPPソリューションや企業向け非財務情報参照・点検サービスなどを展開、環境価値取引移転実証等新技術のビジネス実装にも積極的に取り組みを進める。 |
b.指標と目標
当社グループの環境目標は、カーボンニュートラル宣言の実現です。それに達成に向け、以下のサステナビリティ指標を設定しています。
・基準年(2020年3月期)比におけるGHG排出量(Scope1+2)の削減率
2027年3月期目標 70%削減
・再生可能エネルギー利用率(TIS及び連結子会社(国内)のオフィス・データセンター)
2031年3月期目標 100%導入