2024年4月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項の内、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下の通りです。

 当社グループはこれらのリスクを認識し、リスクの顕在化の回避と、顕在化した場合の対応策の準備に努めてまいります。
 なお、本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものとなります。

 

当社グループの事業内容に関するリスクについて

(1) モバイルサービス事業に関するリスク

① モバイルコンテンツ市場の動向及び競合について

モバイルコンテンツ市場はスマートフォンの普及により事業環境が大きく変化しており、当社グループが提供する「占い」分野にも多数の競合が存在しております。当社グループでは顧客の利用動向データベース等を活用し、顧客の嗜好に合った飽きのこないコンテンツを提供することによって競合他社との差別化を図ることに努めてまいりました。しかしながら今後、当社グループが魅力的かつ有益なコンテンツを適時に提供できず、他社との十分な差別化が図れない場合や、無料コンテンツの台頭により有料コンテンツの利用率が減少した場合には、顧客数の減少を招き当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当該リスクへの対応として、常に市場動向を分析し、各種サービスの企画制作・運用への活用や見直しを行っております。

 

② 外部委託先からの情報提供によるコンテンツについて

当社グループは、情報提供者又は著作権者等の外部委託先から情報提供を受けてコンテンツの企画制作・提供を行っております。当社グループではこれら外部委託先との良好な関係の構築に努めておりますが、外部委託先との契約内容の見直しや解除がなされた場合には、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、特定の外部委託先への依存度を軽減することで、リスク分散を図っております。

 

③ 特定事業者への依存について

当社グループは、株式会社NTTドコモ(以下「NTTドコモ」という。)、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」という。)、KDDI株式会社(以下「KDDI」という。)に向けて複数のコンテンツを提供しており、現状はNTTドコモに対する売上高比率が比較的高い状態にあります。今後、各キャリア、特にNTTドコモの事業方針に変更等があった場合には、当社グループの事業戦略及び業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当該リスクへの対応策として、cocoloni占い館を始めとする当社グループが直接運営するサービスの育成・強化に取り組んでおります。

 

④ 技術革新への対応について

モバイルインターネット業界は、常に新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が進んでおり、変化の激しい業界であると言えます。当社グループはこれら変化に対応するため、新技術への迅速な対応とそれを活用したコンテンツ・サービスの提供に、今後とも積極的に取り組んでいく方針であります。しかしながらこのような変化に適切に対応できない場合、又は、新技術に対応するために多大な支出が必要となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、適切な人材の強化を図るとともに、新技術をもつ企業との提携・協業などを視野に入れてまいります。

 

⑤ 広告戦略について

当社グループは、広告の費用対効果を検証しながら、最適な広告を選択し新規ユーザーの獲得に努めております。しかしながら、当社グループの想定どおりにユーザーを獲得できない場合や、競合による広告枠の獲得競争の激化等により獲得コストが上昇した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、広告出稿の専任担当者を置き、常に広告市況や新たな広告手法のリサーチに取り組んでおります。

 

⑥ 新サービス・新規事業について

当社グループは、ユーザーの満足度を上げるために今後も新サービスの提供や、新規事業の開発に積極的に取り組んでいく方針です。しかしながらこれら新サービスや新規事業の開発には多大な時間を必要とし、想定以上のコストが発生する可能性があります。またこれらが最終的に収益に貢献することなく損失が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、新規サービスの展開にあたっては、計画段階の精査はもちろんのこと、随時その進捗及び外部環境の変化を把握することで、将来の収益性を検証し、継続の可否を決定しております。

 

⑦ 株式会社コンコースにおける事業展開について

当社グループの株式会社コンコースは、2019年12月2日付で株式取得によりグループ企業となりました。当該子会社における事業展開が計画どおりに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当該リスクに対して、随時事業計画の進捗状況を把握し、状況の変化に合わせた施策を講じるとともに、適宜モニタリングを実施しております。

 

(2) 海外事業に関するリスク

① 海外における事業展開について

 当社グループでは米国現地子会社にて占いサイトの運営等を行っております。当該子会社における事業展開が計画どおりに進まない場合、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当該リスクの対応策として、海外子会社の責任者との情報共有を密にし、現地の経済・社会情勢に関する情報を収集して事業展開への影響を把握しております。

 

② 為替について

 当社グループが保有する外貨建資産や、現地通貨建てにて作成される海外子会社の財務諸表については、連結財務諸表作成時に円換算することになるため、為替相場の変動により当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、当該リスクの対応策として為替相場に関する情報の収集に努めております。

 

(3) 事業環境に関するリスク

① 法的規制について

 当社グループの事業は様々な法的規制の対象となっておりますが、常に法令遵守を意識した営業活動を行っており、現時点ではいずれの規制等にも抵触していないものと認識しております。しかしながら今後、各省庁等における現行の法解釈に何らかの変更が生じた場合、もしくは新たに当社グループの事業又は営業方法を規制する法律等が制定・施行された場合、その内容によっては事業活動が制約を受ける可能性や新たな対応を余儀なくされる可能性があります。このような場合には当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、当該リスクの対応策として、関連する法令等の制定・改正についての情報の事前収集を実施するとともに、コンプライアンス徹底に向けて全社的な意識強化と定着に努めてまいります。

 

② 個人情報の取扱いについて

 当社グループでは、コンテンツを利用する顧客の携帯電話番号やメールアドレス、その他サービスを利用する上で必要な個別情報や、サービスの提供に伴い取得した氏名、住所、電話番号等の個人情報を知り得る立場にあります。これらの情報に関しては当社グループに守秘義務があり、当社グループが知り得た情報については、データへのアクセス制限、不正侵入防止のためのシステムの採用や外部データセンターの利用等、個人情報の流出を防止するための諸施策を講じるとともに、「個人情報保護」の維持に向けた運用管理の徹底に努めております。しかしながら、万一、当社グループの社内管理体制の問題又は社外からの侵入等により、これらのデータが外部に漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用低下等によって当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ システムリスクについて

 当社グループの事業は携帯電話等の端末によるインターネット接続に依存しており、自然災害や事故などにより通信ネットワークが切断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。またアクセスの急激な増加等、一時的な負荷増大によって当社グループのサーバーが作動不能に陥った場合や、当社グループのハードウエア又はソフトウエアの欠陥により正常な情報発信が行われなかった場合には、システムが停止しサービス提供が不可能となる場合があります。更には、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や担当者の過誤等によって当社グループや取引先のシステムが置き換えられたり、重要なデータを消失又は不正に入手されたりする可能性があります。以上のような障害が発生した場合には、当社グループに直接損害が生じる他、当社グループの社会的信用・信頼の低下を招きかねず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、当該リスクの対応策として、サーバー/ネットワークの冗長化及びDRサイトの構築、ウィルス対策ソフトの導入に加え、脆弱性診断を定期的に実施し、システムの安定稼働及びセキュリティ対策を講じております。

 

④ 内部管理体制について

 当社グループでは内部関係者の不正行為等による不具合が起きることのないよう、国内外の法令・国際ルールの遵守及び企業倫理に沿った企業行動憲章を制定するとともに、コンプライアンス・プログラムを継続して運用しております。しかしながら法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生する可能性を完全に消し去ることは困難であるため、これらの事態が生じた場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 人的資源について

 当社グループでは今後更なる業容の拡大、多様化に対応していくために、グループ内の各部門において一層の人材強化が必要であると考えております。しかしながらグループ内における人材育成や外部からの人材登用等が計画どおりに進まず、適正な人材配置が困難となることにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、リモートワーク等働きやすい環境を構築し人材の流出を防ぐとともに、優秀な人材の採用を計画的に実施してまいります。

 

⑥ 感染症、紛争、災害等の外部要因

 当社グループの主要なサービス提供手法はインターネットを介したものであり、新型コロナウイルス感染症の拡大・蔓延時においても事業への影響は限定的でした。しかしながら今後、過去に例を見ない感染症によるパンデミックや大規模な国際紛争、災害等が発生し、経済活動が大きく抑制されることがあれば、消費者の消費意欲低迷などが引き起こされ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、今後もリスクとなりえる外部要因の情報収集と有事の際の対応策の準備を継続してまいります。なお、リモートワークやWeb会議はすでにグループ内に浸透しております。

配当政策

3【配当政策】

 当社では、株主への利益還元を重要な課題として認識しており、財務体質の強化と積極的な事業展開に備えるために必要な内部留保を確保しつつ、継続的かつ安定的な配当を実施していくことを基本方針としております。

 当社では、期末の年1回において、剰余金の配当を行うことを基本方針としておりますが、毎年10月31日を基準日として、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 現在、当社グループは主力の占いサービスの拡充など、持続的に競争力を確保するための仕組み作りに取り組んでおります。

 2024年4月期におきましては、上記の配当方針のもと、総合的に協議、検討した結果、株主に対する利益還元の重要性に鑑み、2024年4月30日の株主に対し1株5円の期末配当を実施いたしました。

 今後におきましても、配当方針を中心に、収益実態、事業環境見通し、財務状況等を都度総合的に加味して勘案し、判断していきたいと考えております。

 なお2025年4月期につきましては、配当方針並びに、業績の見通しを踏まえ、1株当たりの配当金は期末配当5円を予定しておりますが、今後の業績の推移により変更する可能性がございます。

 当社グループとしましては引き続き企業価値の向上に努めることにより、株主の皆様に対するより多くの還元を目指しております。何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。なお、次期以降の配当につきましても、上記の考えに従い検討してまいります。

 なお、当社は連結配当規制適用会社であります。当事業年度に係る剰余金の配当は以下の通りであります。

 

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2024年7月26日

60

5

定時株主総会決議