リスク
3【事業等のリスク】
以下には、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また当社ではコントロールできない外部要因や必ずしも重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社の経営状況及び将来の事業についての判断、本株式の投資判断については、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで投資家及び株主ご自身が行っていただくようお願いいたします。
1.当社事業に関するリスクについて
(1)ASPサービス事業における配信機能の停止について
当社は、自社所有のデータセンターを活用した外食企業向けのASPサービスが主な事業となっております。その性格上、社内外における様々なネットワーク・システム及びコンピュータ・システムに依存しております。
データセンターにおいては、セキュリティを重視したシステム構成、ネットワークの負荷を分散する装置及び24時間365日体制での監視等に取り組んでおり安全性を重視することはもちろんのこと、災害に強いといわれる外部電力に依存しない当社独自仕様のオフグリッド型のデータセンターを提供しております。当社データセンターは、アクセスの急激な増加等から負荷が一時的に増大することによるサーバーの動作不能、火災・震災・台風等による自然災害のための予期せぬ停電が長引くこと等から発生するシステム及びサーバーの障害が生じた場合、当社のサービスを停止せざるを得ない状況が起こる可能性があります。この場合、当社のシステム管理体制への不信を招き当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2)人為的顧客データの流出について
当社では勤怠管理サービスを提供するため顧客企業の従業員に関する個人情報を保有しております。一方、2005年4月1日に施行された「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)にともない、当社では情報を取り扱う役職員を限定し、当社データセンターの監視者には入退室時の指紋認証、サーバーアクセス時のパスワード管理等を行い、ソフト、ハード面から個人情報の保護体制を構築しております。しかし、書類の盗難及びネットワークへの不正侵入等による個人情報漏洩の可能性は否定できず、万が一このような事態が発生した場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3)システム機器の品質について
当社は、自社商品であるPOSシステム及びオーダーエントリーシステムの販売において、顧客企業への導入前の動作確認等の品質管理に重点をおいております。しかし、世界的な通信障害、急激なアクセス増加によるアクセス障害、自然災害等、予期せぬ不具合等が発生した場合は、顧客からの損害賠償訴訟等の発生は否定できず、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(4)顧客のシステム投資計画について
当社の主たる顧客は外食企業であり、外食業界を取り巻く経営環境や季節要因等によるシステム投資計画によって当社のシステム導入スケジュールが左右される傾向にあります。その結果、システム投資の先延ばしにより売上高に影響を及ぼし、固定費(人件費、家賃、リース料等)が先行することによって利益に影響を与える可能性があります。
2.当社組織に関するリスクについて
人材の獲得・育成について
当社が今後成長していくためには、外食業界に精通したシステム営業、ITに精通した人材、データセンターの企画・運営及び組織拡大に対応できる管理担当など、様々な分野での優秀な人材の獲得及び育成が重要になってまいります。当社では優秀な人材の獲得及び育成に努めておりますが、適切な人材の配置が円滑に行えない場合は業績に影響を与える可能性があります。
3.その他リスクについて
(1)顧客対象が外食業界に特化していることについて
当社のASPサービス及び商品は外食業界に特化したものであり、売上高に占める割合も外食業界に集中しております。外食業界は、BSE、鳥インフルエンザ等による食材調達の問題及び食中毒等による衛生上の問題等、食の安全にかかる不測の事態、さらには新型コロナウイルス感染症の再拡大により、業績に多大な影響を受けることがあります。また、当社の主要顧客である飲食業界は未だかつてない人手不足が生じており、従業員の離職や採用難等により人手を確保できず、業績が悪化し業績が低迷する事態においては、情報システム投資等も抑制される傾向にあり、そのような事態が発生した場合は当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2)知的財産について
当社は、自社企画した製品の名称及びサービスの名称の一部について商標登録を行なっており、独自に企画した顧客の注文をとる際に使う携帯型のオーダー端末「オーダーショット」に関しては2007年10月に、また「飲食店経営管理システム(R)」拡張機能の「自動発注システム」については、2017年1月に、それぞれ特許を取得しております。
当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害していないと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は排除できません。
当社が、自社企画商品及びサービスを提供する上で、第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社への損害賠償請求、信用の低下及びブランド力の劣化等により、当社の事業運営及び業績に影響を与える可能性があります。
(3)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象について
当社は、前事業年度末において純資産△420,597千円となり債務超過となりましたが、当事業年度末の当期純利益は104,907千円(前事業年度の当期純損失598,881千円)、純資産は13,363千円となり債務超過は解消されることとなりました。
しかしながら、当社が取引金融機関との間で締結しているシンジケートローン契約における財務制限条項に抵触しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
なお、抵触している財務制限条項は以下の通りです。
(シンジケートローン契約)
① 各年度の決算日の貸借対照表における純資産の部の金額を2016年9月期の決算日の貸借対照表における純資産の部の金額の80%以上に維持すること
② 各年度の決算期の損益計算書における経常損益が2期連続して損失とならないようにすること
当社としては、このような状況を解消すべく、取引金融機関と協議を行った結果、財務制限条項に係る期限の利益喪失につき権利行使をしないことについて、当該取引金融機関の合意が得られております。
なお、当社は当該事象又は状況を解消するための対応策として、以下のような収支改善施策に取り組んでおります。
① 自社開発製品の高粗利ソフトウエア販売へ集中
主軸であるレシピ自動連携による食材ロス対策「飲食店経営管理システム®」シリーズのインサイドパッケージと「FOOD GENESIS」クラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドや棚卸集計システム「棚卸探偵団」、勤怠集計管理システム「Timely」、特許を取得している「自動発注システム」への高粗利ソフトウエア製品、ハードウエア専用機型から汎用機型にシフトし、二次開発を加えた配膳AIロボットや除菌AIロボット、ウイルスゲート・ショットの販売展開、人手不足によるセルフ化POSシステムセルフショット、テーブルショット、テイクショット、モバイルハンディショットなどへ販売集中します。
② 水平展開と代理店販売施策による収益力の向上の実施
当社を取り巻く経営環境が変化する中において、業種・業態の水平展開できる販売商材や販売形態を臨機応変に対応してまいります。また、AIロボットを通して代理店施策を行い、販売代理店の拡大にて売上規模を伸ばしてまいります。事業シナジーのある企業との業務提携を通し、事業面及び財務面での安定化を図り、持続的な収支の改善を図るとともに、資本増強に向けた各種施策を実施し、当該状況の解消・改善に努めてまいります。
また、当社は、2023年9月30日時点におけるグロース市場の上場維持基準の「時価総額」についても基準を満たしておりません。時価総額に関して、2025年9月末までに上場維持基準を充たすために引き続き取り組みを進めてまいります。時価総額基準の適合に向けた取り組みの詳細は、2023年12月下旬に公表予定です。
しかしながら、これらの諸施策は実施途上であり、現時点で継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
(4)配当政策について
当社は、安定的かつ継続的な配当による利益還元によって株主に対する責任を果たすことを経営の重要課題として考えております。外食業界に特化したシステムソリューション開発に努め、積極的な設備及び開発投資と、さらなる業績の向上により内部留保を充実させ、配当の継続的実施に努めていく方針であります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、安定的かつ継続的な配当による利益還元により、株主の皆様に対する責任を果たすことを経営の重要課題として認識しております。フードサービスに特化した一層のシステムソリューション開発と、積極的な設備投資等により業績を向上させ、内部留保を確保しつつも、株主への利益還元の継続的実施に努めていく方針であります。
株主に対する利益還元の機会を充実させるべく、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当期の配当につきましては、当社は、前事業年度末において債務超過となり、債務超過解消に向け事業面及び財務面の改善や資本増強に向けた施策に取り組み、当事業年度末において債務超過は解消されることとなりました。しかしながら、未だ、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していることもあり、1株当たり配当額を無配とさせていただきます。次期の配当につきましては、現時点の配当予想は未定とさせていただきます。
内部留保資金に関しましては設備投資、事業の拡大及び経営体質の強化に使用していく方針であります。
当社は、「取締役会の決議により、毎年3月31日を基準日として、中間配当を行うことができる」旨を定款に定めております。