事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
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利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
ソフトウェアプロダクト | 694 | 19.8 | 17 | 24.3 | 2.5 |
ソフトウェアディストリビューション | 1,246 | 35.6 | -15 | -20.7 | -1.2 |
ソフトウェアサービス | 682 | 19.4 | 42 | 58.6 | 6.2 |
データアナリティクス | 883 | 25.2 | 27 | 37.8 | 3.1 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社3社により構成されております。
製造業のお客様が必要とするテクノロジーとサービスを提供する企業として、IoT機器向けの各種ネットワーク製品、セキュリティ製品、データ管理の効率化に寄与する高速なデータベース製品、OSの高速起動を実現するソフトウェア製品等の自社開発による組込みソフトウェア製品と、海外輸入によるBluetooth、BIOS、通信関連製品、ソフトウェア品質向上支援ツール、セキュリティ製品等の販売及び製品に関連したサポートサービス、エンジニアリングサービス等を提供しております。
また、当社グループである株式会社エイム及び株式会社グレープシステムでは、組込みソフトウェア等各種ソフトウェアの設計、開発及び自社開発によるプリンタ関連製品と音声コード製品(大量の文字列情報を格納可能な2次元コードの技術を活用した製品)、データコンテンツのライセンス販売等を、株式会社ライトストーンでは、統計・数値データ解析ソフトウェアの販売等を行っております。
(1) 当社グループの主要製品・サービス
当社グループの主要なソフトウェア及びサービスを、セグメント毎に以下に示します。
a.ソフトウェアプロダクト事業
カテゴリ |
製品・サービス名 |
概要 |
通信基本 |
Ubiquitous Network Framework ① TCP/IP v4/v6スタック ② Ubiquitous QUIC |
①インターネット標準の通信プロトコルであるTCP/IPを、組込み機器向けに最適設計したもので、省メモリでの実装が可能な「小ささ」、非力なCPUでも動作する「軽さ」、また効率よく通信する「速さ」を実現したものです。 ②さまざまなインターネット通信で利用が増えている通信プロトコル「QUIC(クイック)」を組込み機器やIoTデバイスなどのクライアント機器で利用できるように開発したソフトウェアライブラリです。 |
ワイヤレス |
① Ubiquitous WPAサプリカント (注1) ② Ubiquitous WPS ③ Ubiquitous Wi-Fi Direct ④ Ubiquitous MiracastTM Solution
|
①WPAサプリカントは、Wi-Fi通信の秘匿性を高めるために使用されるソフトウェアです。 ②WPSは、複雑なWi-Fi設定を容易にするためのものです。 ③Wi-Fi Directは、無線LAN機器間を直接、簡単に接続するためのものです。 ④Miracastは、ワイヤレス環境でのリモートディスプレイ接続のためのものです。 いずれの製品も、Wi-Fi Allianceが策定した無線LANの接続や暗号化等に関する規格に準拠して開発されたミドルウェアとなります。 |
スマートホーム |
① Ubiquitous ECHONET Lite ② Ubiquitous Wi-SMART |
①スマートハウス向けのホームネットワーク用プロトコルとしてエコーネットコンソーシアムが策定した通信規格に準拠して開発されたミドルウェアとなります。この規格に準拠したスマートメーターやエネルギーマネジメント関連機器間でのユニバーサルな制御が可能になります。 ②Wi-SMARTは、スマートメーターとエネルギーマネジメント機器との通信に用いられる国際無線通信規格「Wi-SUN」に準拠して開発されたミドルウェアです。 |
カテゴリ |
製品・サービス名 |
概要 |
セキュリティ |
① Ubiquitous TLS/SSL(注2/注3)② Ubiquitous DTCP(注4) ③ Ubiquitous HDCP (注5) ④ Ubiquitous Securus ⑤ Ubiquitous TPM(注6) Security ⑥ Edge Trust |
①IoT機器の通信をセキュアに行うためのセキュリティプロトコルを組込みデバイスのリソースに最適化して提供するものです。 ②車載機器およびデジタル家電等で要求されるデジタルコンテンツ保護を実現するためのDTCP規格に準拠したソフトウェアライブラリです。 ③車載機器およびデジタル家電等で要求されるデジタルコンテンツ保護を実現するためのHDCP規格に準拠したソフトウェアライブラリです。 ④IoT機器に組込まれるデバイス固有の証明書や電子鍵情報などの秘匿データを保護して、セキュアなIoTを実現するセキュアドIoTデバイスソリューションです。 ⑤コンピュータの信頼性と安全性を高める国際業界標準規格を制定する業界団体「Trusted Computing Group (TCG)」が策定したTPMを利用するためのソフトウェアライブラリです。 ⑥IoT機器をプロダクトライフサイクル全般に渡ってセキュアに管理する仕組みとサービスを外部パートナーのソリューション含めて包括的に提供します。 |
OS |
TOPPERS-Proシリーズ |
TOPPERS-Proシリーズは、NPO法人TOPPERSプロジェクトが開発したオープンソースカーネル「TOPPERS/ASP」をベースに、当社が自社開発、提供するRTOSソリューションパッケージです。 |
デジタルAV |
Ubiquitous DLNA SDK (DLNA(注7)ソリューション) |
デジタルAV機器をネットワークで接続するためのDLNAガイドラインに準拠して開発されたミドルウェアです。 |
データベース |
Ubiquitous DeviceSQL |
DeviceSQLは、世界最小、超高速なデータベースエンジンを兼ね備えた、ローエンドからハイエンドまで全ての製品ラインに最適なデータ管理機能を提供する組込み向けのデータベースです。 |
高速起動 |
Ubiquitous QuickBoot |
QuickBootは、デジタル家電や車載情報端末など高機能化される機器を電源断から、ユーザの操作性を損なわずに瞬間起動を実現するソリューションです。省エネ時代に待機電源を意識しない高機能機器を実現します。 |
プリントシステム開発キット |
① GR-ADK ② GR-PDK ③ GR-PDK/X ④ GR-SETUP ⑥ gXDF (ジグディフ) ⑦ GR-PDK EMFファイリング |
①パソコン用の印刷アプリケーション開発のためのツールです。 ②GDIプリンタードライバー開発者を応援する開発キットです。 ③XPSプリンタードライバー開発者を応援する開発キットです。 ④プリンタードライバー、言語モニター、ポートモニター、デバイスドライバーの専用インストーラー/アンインストーラーを作成するための開発ツールです。 ⑤流し込み印刷の実現を容易にするライブラリです。 ⑥印刷環境を問わず、XPSファイル出力やPDFファイル出力からXPSファイル変換や編集など様々な機能を実現します。 ⑦EMFプリンタードライバー開発者を応援する開発キットです。 |
音声コード |
Uni-Voice(ユニボイス) |
JAVIS(ジャビス:日本視覚障がい情報普及支援協会)が開発した2次元コードで、大量の文字列データ等を格納することができます。 |
b.ソフトウェアディストリビューション事業
海外ソフトウェアの輸入販売、テクニカルサポート、及びカスタマイズ開発を行っております。100種類以上の海外ソフトウェア製品を取り扱っており、下表はその中で主要な製品であります。
カテゴリ |
製品・サービス名 |
概要 |
ワイヤレス |
Blue SDK |
OpenSynergy社製のBluetoothプロトコルスタックであり、世界標準規格の近距離無線通信技術“Bluetooth”を実現するために開発されたソフトウェアです。 |
BIOS |
InsydeH2O |
Insyde Software社製のBIOSであり、従来のBIOS(Basic Input/Output System)を置き換えるために開発された新技術「EFI/UEFI」仕様を実装した、C言語ドライバベースの次世代BIOSです。 |
キャリアグレード |
ConfD |
Tail-f Systems社製のオンデバイスネットワーク機器管理用ソフトウェアです。 |
品質向上支援ツール |
① CodeSonar ② CodeSentry ③ beSTORM X ④ GSIL |
① CodeSecure社製のソフトウェア解析ツールで、ソースコードの不具合や脆弱性を静的に検出します。 ② CodeSecure社製のオープンソースソフトウェアに含まれる脆弱性を検出しSBOM形式でレポートするツールです。 ③ あらゆるプロトコル、プラットフォームAPI、機器へのファジングとペネトレーションテストを実施するセキュリティ検証ツールです。 ④ 車載ECUのソフトウェア開発をハードウェアに依存せずソフトウェアシミュレーションベースで行えるツールです。 |
AIソリューション |
① BreezoMeter ② Ekkono SDK ③ VIA ④ AtomBeamⓇ ⑤ NeutrinoTM ⑥ ZETANE ⑦ brighterAI |
①世界中の空気質に関するビッグデータ(PM2.5、NO2、SO2、オゾン、花粉等)をリアルタイムで分析・予測・追跡するサービスです。 ②IoTシステムのエッジサイドの機械学習に特化して開発されたライブラリです。従来型の事前に学習させるモデルだけではなく、設置・稼働環境の変化をデバイス上で学習し続ける増分学習(Incremental Learning)の機能が特長です。 ③AI 自動外観検査システム開発用のソフトウェアです。VIA を使用することで、お客様はAI 人材を必要とせず、簡単に外観検査プロセスを自動化できます。 ④IoT データ圧縮・セキュア通信AI ソリューションです。特許取得技術AI データ・コンパクションにより、従来のファイルデータ圧縮技術とは全く異なる方法で、セキュリティを確保しつつ非常に効率的にデータをエンコードし最小化することで、IoT/M2M データ伝送量を70-90% 削減します。 ⑤ディープラーニングモデル最適化ソフトウェアです。自社内の DNN モデルとデータセットを Neutrino™ に設定し、コマンドを一つ実行するだけで、自動的に最適化した DNN モデルを生成します。 ⑥AIのロバスト性を向上させるAI開発支援ツールと効率的なAI開発を実現するニューラルネットワーク可視化ツールです。 ⑦静止画や動画から人の顔やナンバープレートを検出し、個人を特定されないように高精度匿名加工または次世代匿名加工をするソフトウェアサービスです。 |
c.ソフトウェアサービス事業
株式会社エイム及び株式会社グレープシステムにおいて、組込みソフトウェア等各種ソフトウェアのエンジニアリングサービスと、米国Gracenote社と協業し、音楽関連のデータコンテンツのライセンスの提供を行っております。
(注)1.WPAサプリカントは、無線LAN上で情報を暗号化して送受信するWPAと呼ばれる暗号方式で使用するソフトウェア・コンポーネントです。従来は、WEPと呼ばれる固定キーによる暗号方式がよく用いられていましたが、これに代わるWPAはキーを自動的に変更するなど、より暗号強度の高いものになっております。
2.TLSは、インターネット上で情報を暗号化して送受信するプロトコルの一つであり、SSL3.0を基に改良が加えられて標準化されたものです。
3.SSLは、インターネット上で情報を暗号化して送受信するプロトコルの一つです。公開鍵暗号、秘密鍵暗号、デジタル証明書、ハッシュ関数などのセキュリティ技術により、秘匿を要する通信を安全なものとします。
4.DTCPは、DTLAにより規格化されたコンテンツ保護規格です。
5.HDCPは、ディスプレイや映像端末に対してHDMIやDVIなどを経由したデジタルコンテンツの送信を行う際のコピーガードに対応したリンクプロテクション技術であり、DCPにより規格化されたコンテンツ保護規格です。
6.TPMは、コンピュータの信頼性と安全性を高める国際業界標準規格を制定する業界団体「Trusted Computing Group (TCG)」が策定した耐タンパ性に優れたセキュリティモジュールの規格です。
7.DLNAは、Digital Living Network Allianceの略であり、パソコンやデジタル家電機器をネットワークでつなぐ際の約束事をいいます。
d.データアナリティクス事業
株式会社ライトストーンにおいて、全国の大学・高専などの教育機関、政府系研究機関、企業の研究開発・調査部門等に、「Origin」、「Stata」等研究開発で使用される統計・数値データ解析等の科学技術系ソフトウェアの輸入販売等を行っております。
(2) 当社グループの収益モデル
a.ソフトウェア使用許諾
ソフトウェア使用許諾は、当社グループのソフトウェア製品を顧客に使用許諾して対価を得るもので、契約時一時金とランニングロイヤルティに区分されます。
・契約時一時金
当社グループのソフトウェア製品のソースコード又はオブジェクトコードを顧客に使用許諾する対価及びデータアナリティクス事業におけるソフトウェアの販売の対価として収受するものです。その性質上、各ビジネスの初期に発生する売上高であります。新規にソフトウェアを開発した場合などは、各社にライセンスすることにより、この項目の売上高が伸びる傾向があります。
・ランニングロイヤルティ
顧客が当社グループのソフトウェア製品を複製してデバイスに組み込んで販売する際に、複製本数に応じて収受する対価であります。継続的に発生する売上高であり、基本的に対応する支出(※)がないため、複製本数が伸びれば利益率の向上に寄与します。
当社グループは、高利益率を達成するために、ランニングロイヤルティを主たる収益源とすることを目標としており、商品開発やビジネス開発にあたっては、そのことを考慮した展開を行っております。
(※ ソフトウェアディストリビューション事業におけるライセンサーに対する支出を除く)
・サブスクリプション
当社グループの取扱ソフトウェア製品について、一定期間ごとに一定の対価(利用料)で顧客に提供するものです。主に、品質向上支援ツールや車載機器開発・テストツールといった開発ツール系の製品群をこの形態で提供しています。
b.サポート
当社グループのソフトウェア製品を使用許諾した顧客に対する技術サポートへの対価として収受するものであります。納品後一定期間に限って提供する初期サポートや年単位で開発工数を提供する年間サポートなどがあります。売上規模を大きくすることは難しいのですが、景気の動向に左右されにくい安定した収益源となります。
c.ソフトウェア受託開発
顧客の求めに応じて、当社のソフトウェア製品を特定のプラットフォームに移植したり、カスタム対応をしたりする対価として収受するものであります。投入した開発工数にほぼ比例した売上高となるため、高利益率を達成することは難しいですが、その後のソフトウェア使用許諾などの売上高につなげるべく、当社のソフトウェア製品の評価版の提供としての位置付けで行うものであります。
また、ソフトウェアサービス事業においては、顧客製品に係るソフトウェア受託開発も行っております。
なお、事業の系統図は、下記のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ911,444千円増加し、3,732,456千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ887,937千円増加し、1,399,034千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ23,507千円増加し、2,333,422千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高3,478,999千円(前期比79.5%増)、営業利益71,568千円(前期は84,102千円の損失)、経常利益87,649千円(前期は76,179千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益32,900千円(前期は148,179千円の損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントとして従来の3事業に「データアナリティクス事業」を加え、4つのセグメントに変更いたしました。
「ソフトウェアプロダクト事業」は、組込みネットワークソフトウェア及びセキュリティ関連ソフトウェア製品並びにリアルタイムOS関連製品、データベース製品、高速起動製品等の主に自社開発によるデバイス組込み用ソフトウェアの開発及び販売等に関するセグメントであります。
「ソフトウェアディストリビューション事業」は、海外ソフトウェアの輸入販売、テクニカルサポート、及びカスタマイズ開発に関するセグメントであります。
「ソフトウェアサービス事業」は、組込みソフトウェア等の受託を中心とした各種ソフトウェアの設計、開発、及びデータコンテンツのライセンス販売等に関するセグメントであります。
「データアナリティクス事業」は、株式会社ライトストーンにおける、統計・数値データ解析ソフトウェアの販売等に関するセグメントであります。
セグメント及び分野別の売上内訳及び事業状況は、以下のとおりです。
セグメント |
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減率 (%) |
||||
|
|
売上高(注) (千円) |
売上割合 (%) |
売上高(注) (千円) |
売上割合 (%) |
||
従前の セグメント |
グレープ システム |
||||||
ソフトウェアプロダクト事業 |
612,113 |
77,337 |
689,450 |
19.8 |
619,344 |
32.0 |
11.3 |
ソフトウェアディストリビューション事業 |
1,136,573 |
105,934 |
1,242,507 |
35.7 |
1,006,846 |
51.9 |
23.4 |
ソフトウェアサービス事業 |
319,245 |
344,384 |
663,629 |
19.1 |
312,098 |
16.1 |
112.6 |
データアナリティクス事業 |
883,414 |
- |
883,414 |
25.4 |
- |
- |
- |
合計 |
2,951,345 |
527,654 |
3,478,999 |
100.0 |
1,938,288 |
100.0 |
79.5 |
(注)売上高は、セグメント間取引を消去しております。
■ソフトウェアプロダクト事業
当事業は、高速起動製品における国内外の車載機器関連および海外民生機器の既存顧客からのロイヤルティ売上、また、データベース製品における産業機器の既存顧客からのロイヤルティ売上を中心に、売上高689,450千円(前期比11.3%増)、セグメント利益17,414千円(前期は23,338千円の損失)となりました。
■ソフトウェアディストリビューション事業
当事業は、BIOS、Bluetooth、ネットワークマネジメント等の海外製品における既存顧客からのロイヤルティおよび受託開発売上、また、セキュリティ検証ツール・サービスの新規顧客への販売を中心に、売上高1,242,507千円(前期比23.4%増)、セグメント損失14,826千円(前期は93,045千円の損失)となりました。
■ソフトウェアサービス事業
当事業は、既存顧客からの各種受託開発売上、データコンテンツ「YOMI」に関する車載機器向けを中心としたライセンス売上に加え、グレープシステム子会社化により、売上高663,629千円(前期比112.6%増)、セグメント利益41,936千円(前期比29.9%増)となりました。
■データアナリティクス事業
当事業は、教育機関の既存顧客からのパッケージソフト売上を中心に、売上高883,414千円、セグメント利益27,043千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,401,217千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は188,198千円(前期は87,283千円の減少)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は11,719千円(前期は104,306千円の減少)となりました。その主な要因は、投資有価証券の売却による収入及び定期預金の払戻しによる収入、並びに子会社株式の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は318,873千円(前期において、財務活動による資金の変動はありません)となりました。その主な要因は、借入金の返済による支出であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
ソフトウェアプロダクト事業 |
120,085 |
8.5% |
ソフトウェアディストリビューション事業 |
229,609 |
18.6% |
ソフトウェアサービス事業 |
519,710 |
271.4% |
データアナリティクス事業 |
2,872 |
- |
合計 |
872,275 |
96.4% |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引消去前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
ソフトウェアプロダクト事業 |
120,085 |
8.3% |
- |
△100.0% |
ソフトウェアディストリビュー ション事業 |
237,410 |
7.1% |
8,605 |
△69.7% |
ソフトウェアサービス事業 |
562,703 |
238.7% |
- |
△100.0% |
データアナリティクス事業 |
2,872 |
- |
59,907 |
- |
合計 |
923,070 |
85.1% |
68,512 |
15.2% |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引消去前の数値によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
ソフトウェアプロダクト事業 |
689,450 |
11.3 |
ソフトウェアディストリビューション事業 |
1,242,507 |
23.4 |
ソフトウェアサービス事業 |
663,629 |
112.6 |
データアナリティクス事業 |
883,414 |
- |
合計 |
3,478,999 |
79.5 |
(注)セグメント間取引を消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、2,650,345千円(前期比410,658千円増)となりました。その主な要因は、現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加、並びに有価証券の減少であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、1,082,111千円(前期比500,786千円増)となりました。その主な要因は、のれんの増加であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、964,634千円(前期比582,898千円増)となりました。その主な要因は、買掛金及び短期借入金の増加であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、434,400千円(前期比305,039千円増)となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債の増加であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,333,422千円(前期比23,507千円増)となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加であります。
この結果、自己資本比率は62.5%となりました。
2)経営成績
■ソフトウェアプロダクト事業
当連結会計年度は、特に次の項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・高速起動製品の次世代プラットフォーム対応、海外展開への先行投資
・拡大する車載エンタテインメント需要とEV化に伴うセキュリティニーズに対応したソフトウェアの提供
・IoT製品の脆弱性に対する懸念の高まりに応えるための取組この結果、高速起動製品における国内外の車載機器関連および海外民生機器の既存顧客からのロイヤルティ売上、また、データベース製品における産業機器の既存顧客からのロイヤルティ売上を中心に、売上高・セグメント利益ともに前期を上回る結果となりました。
翌連結会計年度以降は、次のような対策を講じて取り組んでまいります。
・高速起動製品の次世代プラットフォーム対応の継続、海外市場への積極的な展開
・グループ全体での車載AV案件対応へ体制構築
・RTOSをベースにコネクティビティとセキュリティをワンストップで提供するパッケージの製品化による販売強化
・IoT機器市場で動きの活発なスマートエネルギー関連にフォーカスした提案活動
■ソフトウェアディストリビューション事業
当連結会計年度は、特に次の項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・ソフトウェア品質向上支援ツールの販売強化継続、エー・アンド・デイ社と共同開発した新製品「GSIL」、重点分野とするIoTセキュリティ関連ツール製品「beSTORM」とこれを活用した「IoTセキュリティ検証サービス」販売への注力
・近年獲得した商材、開発製品の販売の加速
・ソフトウェア品質やサイバーセキュリティへの顧客懸念と市場動向を把握し、ツールによる解決策を提案
この結果、売上・利益ともに前期を上回る結果となりました。
翌連結会計年度以降は、次のような対策を講じて取り組んでまいります。
・需要が堅調なソフトウェア検証・開発支援ツールの販売体制・製品ラインアップ強化
・将来の販売の軸となる新商材の獲得と、より収益性の高い商材への注力
■ソフトウェアサービス事業
当連結会計年度は、特に次の項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・米Gracenote社との密な連携による既存収益の継続的確保と、協業提案による新たな取り組み
・車載機器のCD再生機能搭載率低下による「YOMI」ライセンスの減少を補うためのストリーミングメディアなど新たな分野へのアプローチや受託開発案件の強化
・既存顧客・パートナー案件に加え、グループの製品・顧客関連のエンジニアリングサービス案件を軸に、グループ全体でのシナジー実現
この結果、既存顧客からの受託開発売上が好調であったことに加え、株式会社グレープシステム子会社化により、売上は前期比で大幅に増加した一方で、同社の損失計上によりセグメント利益は前期比で微増となりました。
■データアナリティクス事業
当連結会計年度は、特に次の項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・主力ソフトウェア製品(Origin、Stata)を中心とした教育機関、政府研究機関、企業の調査部門への販売
・デジタルマーケティングによるインバウンドセールス強化
・既存顧客への販促強化による、サブスクリプション年間使用料)、メンテナンスの更新率向上
この結果、教育機関を中心にパッケージソフト売上を計上、第1四半期に官庁向けの大口受注があったことも寄与し、売上・セグメント利益ともに計画値を大きく上回りました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなりました。
(売上高)
当連結会計年度における連結売上高合計は3,478,999千円(前年同期比79.5%増)となりました。
詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価2,040,833千円(前年同期比89.2%増)、販売費及び一般管理費1,366,599千円(同44.8%増)を計上いたしました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、給料及び手当603,049千円(同30.4%増)、支払手数料124,384千円(同5.5%減)であります。
(経常利益)
経常利益87,649千円(前年同期は76,179千円の損失)を計上いたしました。
これは、主に営業利益71,568千円(前年同期は84,102千円の損失)、為替差益12,998千円(前年同期比166.4%増)を計上したためであります。
(特別利益)
特別利益41,605千円(前年同期において、特別利益の計上はありません)を計上いたしました。
これは、投資有価証券売却益41,605千円を計上したためであります。
(特別損失)
特別損失700千円(前年同期比97.8%減)を計上いたしました。
これは、固定資産除却損700千円を計上したためであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税40,842千円、法人税等調整額(損)54,811千円の計上により、法人税等合計95,654千円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は32,900千円(前年同期は148,179千円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資産の流動性
資金の流動性につきましては、中長期的な株主価値の向上を図る観点から、M&A等の成長戦略及び財務の健全性強化のための内部留保の積上げと、株主の皆様への利益還元の拡充とのバランスを考慮することを基本としております。成長戦略に伴うM&Aや投資のための所要資金につきましては、グループ内での営業活動による自己資金で調達しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「ソフトウェアプロダクト事業」、「ソフトウェアディストリビューション事業」、「ソフトウェアサービス事業」及び「データアナリティクス事業」の4つを報告セグメントとしております。
「ソフトウェアプロダクト事業」は、組込みネットワークソフトウェア及びセキュリティ関連ソフトウェア製品並びにリアルタイムOS関連製品、データベース製品、高速起動製品等の主に自社開発によるデバイス組込み用ソフトウェアの開発及び販売等に関するセグメントであります。
「ソフトウェアディストリビューション事業」は、海外ソフトウェアの輸入販売、テクニカルサポート、及びカスタマイズ開発に関するセグメントであります。
「ソフトウェアサービス事業」は、株式会社エイムにおける、組込みソフトウェア等の受託を中心とした各種ソフトウェアの設計、開発、及びデータコンテンツのライセンス販売等に関するセグメントであります。
「データアナリティクス事業」は、株式会社ライトストーンにおける、統計・数値データ解析ソフトウェアの販売等に関するセグメントであります。
当連結会計年度より、株式会社ライトストーンを連結の範囲に含めたことに伴い、「データアナリティクス事業」を新たに追加しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
報告セグメントごとの売上高、利益又は損失の算定においては、サービス毎の売上高、利益の集計を行っておりますが、報告セグメントの資産の算定においては、複数サービスを展開する拠点を全社資産に分類しております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:千円)
|
報告セグメント |
調整額 |
連結財務 諸表計上額 |
||||
|
ソフトウェアプロダクト |
ソフトウェアディストリビューション |
ソフトウェアサービス |
データアナリティクス |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
619,344 |
1,006,846 |
312,098 |
- |
1,938,288 |
- |
1,938,288 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
1,433 |
1,000 |
9,695 |
- |
12,128 |
△12,128 |
- |
計 |
620,777 |
1,007,846 |
321,793 |
- |
1,950,416 |
△12,128 |
1,938,288 |
営業利益又は営業損失(△) |
△23,338 |
△93,045 |
32,282 |
- |
△84,102 |
- |
△84,102 |
セグメント資産 |
1,591,165 |
389,553 |
303,859 |
- |
2,284,577 |
536,436 |
2,821,012 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
8,314 |
26,282 |
2,795 |
- |
37,391 |
5,052 |
42,443 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
5,155 |
16,408 |
3,800 |
- |
25,364 |
70,339 |
95,702 |
(注)「調整額」の区分は、主に報告セグメントに帰属しない全社資産であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:千円)
|
報告セグメント |
調整額 |
連結財務 諸表計上額 |
||||
|
ソフトウェアプロダクト |
ソフトウェアディストリビューション |
ソフトウェアサービス |
データアナリティクス |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
689,450 |
1,242,507 |
663,629 |
883,414 |
3,478,999 |
- |
3,478,999 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
4,199 |
3,491 |
17,920 |
- |
25,610 |
△25,610 |
- |
計 |
693,649 |
1,245,998 |
681,549 |
883,414 |
3,504,610 |
△25,610 |
3,478,999 |
営業利益又は営業損失(△) |
17,414 |
△14,826 |
41,936 |
27,043 |
71,568 |
- |
71,568 |
セグメント資産 |
- |
- |
315,834 |
866,271 |
1,182,104 |
2,550,352 |
3,732,456 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
7,867 |
13,398 |
4,722 |
1,963 |
27,951 |
- |
27,951 |
のれん償却費 |
3,151 |
1,116 |
23,356 |
38,841 |
66,464 |
- |
66,464 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
- |
- |
644 |
1,470 |
2,114 |
19,819 |
21,933 |
(注)「調整額」の区分は、主に報告セグメントに帰属しない全社資産であります。
4.報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
(単位:千円)
資産 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
報告セグメント計 |
2,284,577 |
1,182,104 |
全社資産(注) |
468,887 |
2,660,187 |
セグメント間取引消去等 |
67,549 |
△109,834 |
連結財務諸表の資産 |
2,821,012 |
3,732,456 |
(注)全社資産は、本社建物や報告セグメントに帰属しない運用資金であります。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:千円) |
|
ソフトウェア プロダクト |
ソフトウェア ディストリ ビューション |
ソフトウェア サービス |
データ アナリティクス |
連結財務諸表 計上額 |
外部顧客への売上高 |
619,344 |
1,006,846 |
312,098 |
- |
1,938,288 |
2.地域ごとの情報
(1)売上高
(単位:千円) |
日本 |
米国 |
欧州 |
アジア |
合計 |
1,713,850 |
197,240 |
16,093 |
11,106 |
1,938,288 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産が存在しないため、該当事項はありません。 |
3.主要な顧客ごとの情報
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:千円) |
|
ソフトウェア プロダクト |
ソフトウェア ディストリ ビューション |
ソフトウェア サービス |
データ アナリティクス |
連結財務諸表 計上額 |
外部顧客への売上高 |
689,450 |
1,242,507 |
663,629 |
883,414 |
3,478,999 |
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。 |
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産が存在しないため、該当事項はありません。 |
3.主要な顧客ごとの情報
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
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ソフトウェア プロダクト |
ソフトウェア ディストリ ビューション |
ソフトウェア サービス |
データ アナリティクス |
全社・消去 |
合計 |
当期償却額 |
3,151 |
1,116 |
23,356 |
38,841 |
- |
66,464 |
当期末残高 |
- |
- |
- |
194,203 |
248,215 |
442,418 |
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。