2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    464名(単体) 38,757名(連結)
  • 平均年齢
    44.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.6年(単体)
  • 平均年収
    8,496,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    0.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

当社グループは、「経営基盤の強化」をベースとして「資本効率向上」「ポートフォリオ転換」「サステナビリティ促進」といった中長期の経営戦略を確実に実行するため、人財の「確保」「成長」「活躍」を人財戦略の三本柱と位置づけ、重点的に取り組んでいます。

 

以下の通り、この三本柱を強化、改善する取組を実施しています。経営戦略の実現に必要となる専門性・経験・多様性を備えた人財を計画的に確保・育成し、社内外から機動的に配置するとともに、自律的に学び、挑戦・成長し続けられる環境を整備することで、一人ひとりの人財が活躍し、人的資本と企業価値の向上が好循環する組織の実現を目指しています。

 

1.人財の確保

処遇の改善などにより、当社の事業の経営基盤を支えるプラントエンジニア職・製造現場の担い手について、安定的な確保を優先課題として取り組むとともに、「資本効率向上」「ポートフォリオ転換」「サステナビリティ促進」に不可欠な専門人財(グローバル、研究開発、新規事業等)の獲得を強化しています。

 

2.人財の成長

従業員一人ひとりの自律的な学びを支援するための多様な学習機会や教育環境を整備し、「従業員スキルマップ」の整備・可視化(職種とスキル・レベルの組み合わせで約3,000種類に分類)を進め、個々の成長と最適配置を両立させる仕組みを構築しています。さらに、情報共有プラットフォーム「Oji Library」、「グループ営業表彰制度」を新設し、グループ内に蓄積された知見や成功事例を共有し、属人的なノウハウを組織知へ転換することで、組織全体の学習力と価値創造力の向上を図っています。

 

3.人財の活躍

退職一時金の給与化などの報酬、処遇の見直しや、勤務地限定性などの働き方の柔軟性向上、エンゲージメントサーベイの実施と結果のフィードバック、経営層によるタウンホールミーティングの実施を通じて、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。「働きがい」と「働きやすさ」の両立を推進し、多様な人財が能力を最大限発揮できる環境整備を進めています。

 

また、当社グループにおける従業員の給与その他の給付の額及び内容については、従業員の生活基盤を支える重要な要素であるとの認識のもと、物価動向や社会情勢、賃金の世間水準等の外部環境に加え、当社グループ各社の経営状況や将来見通しを総合的に勘案し、人財の確保及び定着につながるよう、適切に決定しています。

そのうえで、個々の処遇については、在籍等級における役割期待に基づく公平性・納得性の高い処遇を実現するため、役割等級制度を基盤とし、一人ひとりの役割発揮及び成果を適切に評価し、給与等へ反映することで、人財の成長、活躍につなげています。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

生活産業資材

19,188

機能材

4,792

資源環境ビジネス

8,619

印刷情報メディア

2,943

報告セグメント計

35,542

その他

3,215

合計

38,757

 

(注) 1.従業員数は、就業人員を元に集計しており、出向者を除き、出向受入者を含めています。

2.臨時従業員数は総数が100分の10未満であるため記載を省略しています。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数

(名)

平均年齢

(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与

(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

464

44.5

15.6

8,496

0.6

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

その他

464

合計

464

 

(注) 1.従業員数は就業人員を元に集計しており、出向者を除き、出向受入者を含めています。

 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 3.臨時従業員数は総数が100分の10未満であるため記載を省略しています。

 

③ 最大人員会社の状況

ア 当事業年度における従業員数が最も多い会社

王子製紙㈱

2026年3月31日現在

従業員数

(名)

平均年齢

(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与

(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,941

46.0

23.9

7,397

1.9

 

(注) 1.従業員数は、就業人員を元に集計しており、出向者を除き、出向受入者を含めています。

 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 3.臨時従業員数は総数が100分の10未満であるため記載を省略しています。

 

イ 上記アの会社の次に従業員数が多い会社

王子コンテナー㈱

2026年3月31日現在

従業員数

(名)

平均年齢

(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与

(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,846

44.1

17.0

6,459

3.5

 

(注) 1.従業員数は、就業人員を元に集計しており、出向者を除き、出向受入者を含めています。

 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 3.臨時従業員数は総数が100分の10未満であるため記載を省略しています。

 

④ 労働組合の状況

労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当社グループでは、王子グループ人財理念に従って、人財確保、人財育成に取り組んでおり、その前提として、「コンプライアンス・安全・環境の徹底」、「人権の尊重、インクルージョン&ダイバーシティ」、「人財活用(実力主義に基づく公正な処遇とエンゲージメント向上)」を社内環境整備方針の基盤としています。

労働者の男女の賃金の差異について、当社グループでは性別により賃金の取り扱いに差を設けていません。男女の賃金の差異が生じる主な理由は、勤続年数の差、構成差(管理職比率・総合職比率の男女差)によるものです。なお、人的資本に関する取組は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4)人的資本の強化」において記載しています。

 

ア 提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業等取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

 

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

   14.7

100.0

-

-

(注2)

73.4

72.9

87.8

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

 

イ 連結子会社

当事業年度

会社名

管理職に占める
女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業等取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期

労働者

 

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期

労働者

 

王子マテリア㈱

3.1

110.0

-

-

(注2)

69.9

73.3

64.9

王子コンテナー㈱

4.2

111.4

-

-

(注2)

70.4

71.8

73.5

ムサシ王子コンテナー㈱

0.0

-

-

-

-

-

-

-

森紙業㈱

5.1

83.3

-

-

(注2)

71.6

71.0

-

森紙販売㈱

2.6

-

-

-

-

-

-

-

北海道森紙業㈱

0.0

-

-

-

-

-

-

-

長野森紙業㈱

6.7

-

-

-

-

-

-

-

王子製袋㈱

2.1

-

-

-

-

-

-

-

王子ネピア㈱

7.1

72.7

-

-

(注2)

70.0

77.7

35.4

王子タック㈱

1.4

-

-

-

-

-

-

-

新タック化成㈱

5.3

100.0

-

-

(注2)

77.0

77.2

79.1

王子キノクロス㈱

11.8

-

-

-

-

-

-

-

王子エフテックス㈱

1.5

100.0

-

-

(注2)

70.1

70.6

72.8

王子イメージングメディア㈱

7.8

100.0

-

-

(注2)

66.3

67.2

-

王子木材緑化㈱

11.5

-

-

-

-

-

-

-

王子コーンスターチ㈱

5.4

-

-

-

-

-

-

-

王子斎藤紙業㈱

10.0

-

-

-

-

-

-

-

王子製紙㈱

2.6

110.0

-

-

(注2)

72.0

72.2

78.3

苫小牧王子紙業㈱

6.7

-

-

-

-

-

-

-

王子紙業㈱

9.1

-

-

-

-

-

-

-

王子マネジメントオフィス㈱

26.2

-

-

-

-

-

-

-

旭洋㈱

1.2

100.0

-

-

(注2)

61.0

60.0

51.6

㈱ギンポーパック

0.0

100.0

-

-

(注2)

66.9

74.2

73.0

㈱ホテルニュー王子

11.1

100.0

-

-

(注2)

67.7

70.8

74.7

王子エンジニアリング㈱

1.9

-

-

-

-

71.3

70.7

-

王子物流㈱

5.9

80.0

-

-

(注2)

64.4

80.3

63.8

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)ガバナンス(共通)

①ガバナンス機関

当社は、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」として、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方、枠組み及び運営方針を定めており、取締役会がサステナビリティに関するリスク管理体制を整備して運用状況を監督するとともに、独立した客観的な立場から業務執行取締役及び執行役員を監督する責任を負っています。取締役会は、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を図るため当社グループが営む事業に関する多様な知見と専門性のバランスに留意して構成しており、サステナビリティ及びESGに関するスキルを備えたメンバーが含まれます。取締役は個々の役割及び責務を果たすために必要な知識の習得に努め、就任時に加えて就任後も、サステナビリティに関する規制動向などの研修を受けます。さらに、社外役員(社外取締役及び社外監査役)による監督機能の強化を目的として、原則として月2回、当社グループの重要な業務執行内容を社外役員に報告しています。

加えて、当社グループのサステナビリティに関するリスク及び機会、並びにその対応について協議し、グループ全体での取組を推進するため、取締役会による監督の下、グループ規程に基づき、サステナビリティ推進委員会を年2回開催しています。当委員会は、当社代表取締役 社長執行役員CEOを委員長とし、王子マネジメントオフィス㈱ サステナビリティ推進本部(以下、サステナビリティ推進本部)管掌/分掌役員、カンパニープレジデント、CEOの指名する当社取締役(社外取締役を含む)、監査役、執行役員で構成されています。

 

サステナビリティ推進委員会の協議事項

・気候関連のリスク及び機会、並びにその対応に関する事項

・当社グループの自然関連の依存、影響、リスク及び機会とその対応、並びに自然資本の回復・拡大に関する事項

・上流・下流バリューチェーンの自然関連の依存、影響、リスク及び機会とその対応、並びに自然資本の回復・拡大に関する事項

・サーキュラーエコノミー推進に関する事項

・持続可能な森林経営に関する事項

・当社グループ及びサプライチェーンにおけるプラスチック汚染、使用量削減に関する事項

・水関連のリスク及び機会、並びにその対応に関する事項

・サプライチェーンリスク、及びその対応に関する事項

・環境リスク、及びその対応に関する事項

・人権リスク、及びその対応に関する事項

・腐敗防止に関する事項

・インクルージョン&ダイバーシティ推進に関する事項

・その他、サステナビリティに関する重要課題、及びその対応に関する事項

 

取締役(社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬である基本報酬、短期的な業績に応じた報酬である賞与、並びに中長期的な企業価値向上を反映する株式報酬によって構成され、サステナビリティに関するパフォーマンスを評価指標に含めています。基準となる支給割合は基本報酬45%、賞与27.5%、株式報酬27.5%です。このうち、賞与の10%は労働災害度数率を評価指標とし、株式報酬の10%はネイチャーポジティブ経営の推進、同10%は従業員エンゲージメントを評価指標としています。

なお、ネイチャーポジティブ経営の推進は結果として気候関連のパフォーマンスにも影響を及ぼし得ますが、取締役報酬の決定においては、気候関連のパフォーマンスを独立した評価指標としていません。

以上より、当連結会計年度に認識された役員報酬のうち、ESG関連の評価項目と結びついている部分の割合は8.25%となります。

 

②経営者の役割

当社グループでは、執行役員であるChief Strategy Officer(CSO)の所管の下、サステナビリティ推進本部がグループ横断的なサステナビリティに関するリスク及び機会を識別しています。識別されたリスク及び機会は、その対応とともに、CEOを委員長とするサステナビリティ推進委員会で協議のうえ承認されます。識別された重要なリスク及び機会は当社グループ経営会議で審議するとともに、グループ各社に対してグループ戦略及び重要情報として共有しています。なお、グループ経営会議で審議された事項のうち、サステナビリティに関する基本方針等のグループ経営戦略に関わる重要な事項は、取締役会が監視・監督を行います。

決定事項の執行については、CSOの所管の下、サステナビリティ推進本部が統括管理を担い、各カンパニープレジデントの所管の下、グループ各社が施策を実行します。施策の実行に際しては、当社、王子マネジメントオフィス㈱、王子グリーンリソース㈱及び王子ビジネスセンター㈱の各グループ管理部門が計画策定や実行支援を行います。サステナビリティ推進本部は、毎月、グループ各社の取組進捗をCSOに報告し、重要性に応じてグループ経営会議に付議・報告します。重要なリスク及び機会はCSOの判断のもと、取締役会に随時報告します。

 

 

サステナビリティ体制図


 

(2)リスク管理(共通)

当社グループは従来、事業活動に伴い生じ得るサステナビリティに関するリスク及び機会を識別・評価し、優先的に取り組むべき重要課題を決定してきました。2025年度には、リスク及び機会と経営計画、ビジネスモデル、バリューチェーン、ステークホルダーとのつながりを明確にし、検証可能性の向上を図るため、重要課題の決定プロセスを見直しました。以下のプロセスに基づき、リスク及び機会の識別、評価及び優先順位付けを行い、重要課題を決定します。重要課題はグループ経営会議で妥当性を確認し、承認されます。

 

 

重要課題の特定プロセス

 


 

 

サステナビリティに関する重要課題

 

重要課題

関連するインパクト・リスク・機会

気候変動の緩和・適応

インパクト

・事業活動による温室効果ガス(GHG)の排出

・森林による二酸化炭素の吸収・固定

リスク

・排出量取引等の規制強化によるコストの増加

・極端な気象事象の激甚化による操業停止、資産への損害

機会

・低炭素製品・サービスの需要増加による売上の増加

持続可能な森林経営と生物多様性の保全

インパクト

・水源涵養等の森林の多面的機能の発揮

・生態系の健全性や希少生物への影響

リスク

・企業の取組姿勢に対するレピュテーションへの影響

・森林デューディリジェンス等の規制強化によるコスト増加

機会

・木質由来製品の需要増加による売上の増加

・自然資本会計による森林の経済価値化

 

 

 

重要課題

関連するインパクト・リスク・機会

資源の循環的利用

インパクト

・古紙の利用による資源循環の進展

リスク

・資源の枯渇による基幹事業への影響

機会

・再生可能資源由来製品の需要増加による売上の増加

・クリーンな水の需要増加による水処理事業の売上の増加

責任ある原材料調達

インパクト

・サプライチェーン上の環境・社会問題への影響

リスク

・持続可能な原材料の供給不足による売上の減少、コストの増加

機会

・持続可能な原材料の使用による売上の増加

・サプライヤーとの信頼関係の強化

環境負荷の低減

インパクト

・地域住民の健康、周辺環境への影響

リスク

・環境汚染によるステークホルダーからの信頼低下

機会

・廃棄物の燃料利用によるコストの削減

人権の尊重

インパクト

・サプライチェーン上の労働者の人権への影響

リスク

・人権への配慮欠如によるステークホルダーからの信頼低下

機会

・従業員をはじめとするステークホルダーとのエンゲージメント向上

人的資本の強化

インパクト

・従業員の能力・専門性の発揮

リスク

・採用競争力の低下、人財の流出

・コンプライアンス違反事象の発生

機会

・優秀な人財の確保による生産性の向上、イノベーションの創出

 

 

重要課題のうち「気候変動の緩和・適応」に関しては、2020年度に実施したシナリオ分析の結果を、リスク及び機会の識別、評価において考慮しています。当該シナリオ分析は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に沿って行い、気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)及び国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)のシナリオを参照しました。

また、「持続可能な森林経営と生物多様性の保全」に関しては、2024年度に実施したシナリオ分析の結果を、インパクト、リスク及び機会の識別、評価において考慮しています。当該シナリオ分析は、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)提言における※LEAPアプローチに沿って行い、優先評価対象としたCelulose Nipo-Brasileira S.A.(以下、CENIBRA社)の植林事業について、世界的に政策・規制が強化され自然が回復するシナリオ及び政策・規制が強化されず自然が劣化するシナリオを想定しました。

重要性が高いリスク及び機会については指標及び目標を設定し、サステナビリティ推進委員会で対応を協議します。指標及び目標の進捗は同委員会に報告し、重要性に応じてグループ経営会議に報告するとともに、当社ウェブサイトで開示しています。

 

※LEAPアプローチとは、TNFDにより開発された統合アプローチです。自然関連課題を発見(Locate)、診断(Evaluate)、評価(Assess)、準備(Prepare)の4つのフェーズで評価し、管理します。

 

(3)各サステナビリティに関する重要課題に向けた戦略、指標及び目標

当社グループは、経営理念の一つに「環境・社会との共生」を掲げ、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを基本方針としています。森林を健全に育て、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていくことが、当社グループのパーパス(存在意義)です。2025年5月に発表した「長期ビジョン2035」では、スローガンを「サステナビリティへの貢献」と定め、カーボンニュートラルの推進、ネイチャーポジティブの拡大、サーキュラーエコノミーの実現に取り組む方針を示しています。これに沿った事業戦略として、同月に発表した「中期経営計画2027」では、サステナブルパッケージング事業を拡大するため経営資本を集中投下するとともに、木質バイオマスビジネスを中核化するための研究開発投資を積極的に実施します。

当社グループにおけるサステナビリティに関する各重要課題に向けた戦略、指標及び目標は次のとおりです。なお、リスク及び機会の影響が生じると合理的に見込み得る時間軸について、短期を1年以内、中期を5年以内、長期を5年超と定義しており、これらは当社グループが戦略的意思決定に用いる計画期間と整合しています。

 

「気候変動の緩和・適応」課題に向けた取組

①戦略

当社グループは、重要なサステナビリティ関連のリスク及び機会として、中期の移行リスクである排出量取引等の規制強化によるエネルギー関連費用の増加、中長期の物理的リスクである極端な気象事象の激甚化による操業停止や資産への損害、中期の機会である低炭素製品・サービスの需要増加による売上の拡大を識別しています。

移行リスクへの対応として、当社グループは2040年度の正味ゼロ・カーボン化を目標に掲げ、エネルギー消費効率の改善及び化石燃料から非化石燃料への転換に取り組み、GHG排出量の削減を進めています。2021年度及び2023年度に各1基の石炭ボイラを廃止したことに加え、2027年度には2基の石炭ボイラを廃止する予定であり、脱炭素に向けた移行段階として石炭からガスへの燃料転換を推進しています。さらに、将来的な水素、アンモニア、e-methane(合成メタン)の利用可能性や、購入電力の非化石化についても検討しています。

物理的リスクへの対応としては、浸水対策等の設備の耐災害性の強化や緊急時対応体制の整備、事業継続計画(BCP)の策定及び見直しを通じて、操業・設備への影響の最小化と事業継続性の確保に取り組んでいます。

機会への対応としては、化石資源由来素材の代替となる紙素材を中心としたサステナブルパッケージング事業を強化するため、「中期経営計画2027」において経営資本を集中投下することとしています。その取り組みとして、2023年度に買収したIPI社を中心に、液体紙容器用加工紙及び充填機の製造販売をグローバルに展開しています。また、2024年度に買収したWalki社は脱プラスチック包装分野で先進技術を有しており、同社の加工技術と当社グループのパルプ・抄紙技術のシナジーを活かし、研究開発・製品開発を推進しています。さらに、王子マネジメントオフィス㈱ グループマーケティング本部を中心としたグループ横断的な営業体制によりマーケティングを強化し、環境規制で先行する欧州市場における競争優位性の確立と、グローバル展開の推進を図っています。

 

②指標及び目標

当課題の取組に関連する主な指標及び目標は、以下のとおりです。

・2030年度までにGHG排出量を2018年度対比で70%以上削減※(Scope 1、Scope 2)

※森林によるCO2吸収・固定を含める

・石炭使用量の低減等により、2030年度までに再生可能エネルギー利用率60%以上に向上

・2030年度までに海外植林地を40万haへ拡大

さらに、2025年5月には環境行動目標2040を策定し、以下の指標及び目標を設定しました。

・2040年度のGHG排出量を森林によるCO2吸収・固定で相殺し正味ゼロ・カーボン化(Scope 1、Scope 2)

・2040年度までに石炭使用量ゼロ

また、当社グループは、新規プロジェクトに対する投資判断を行うに当たり、当該プロジェクトから生じるGHG排出を評価項目の一つとしています。評価の基準となる内部炭素価格は、国際エネルギー機関(IEA)のネット・ゼロ・エミッションシナリオを参照し、先進国における2030年の炭素価格:140 USD/t-CO2を用いています。

 

「持続可能な森林経営と生物多様性の保全」課題に向けた取組

①戦略

当社グループは森林を事業の核としており、特に林業においては生態系サービスへの依存度が高く、土地利用による生態系の健全性や希少生物へのインパクトが大きいと認識しています。このため、重要なサステナビリティ関連のリスク及び機会として、短期の移行リスクである欧州森林破壊防止規則(EUDR:EU Regulation on Deforestation-free Products)に基づく森林デューディリジェンス等の規制強化による対応費用の増加、中期の移行リスクである企業の取組姿勢に対するレピュテーションへの影響、長期の機会である木質由来製品の需要増加による売上の拡大及び自然資本会計による森林の経済価値化を識別しています。

当社グループは「木を使うものは木を植える義務がある」という考えの下、長年にわたり持続可能な森林経営を実践し、生態系の保全や希少生物の保護に取り組んできました。CENIBRA社では第三者機関の審査を受け、生物多様性保全活動等による生物多様性へのポジティブな影響が、企業活動による生物多様性への圧力を大幅に上回っていることを示すLIFE認証を取得しました。

移行リスクへの対応としては、「生物多様性コミットメント」「森林破壊・転換ゼロコミットメント」及び「持続可能な森林管理方針」の下、持続可能な森林経営を継続し、森林認証の取得・維持、トレーサビリティシステムの高度化を進めるとともに、これらの取組についてTNFDレポートや当社ウェブサイトで公表し、ステークホルダーからの信頼向上を図ることで、リスクの低減に取り組んでいます。

機会のうち木質由来製品の需要増加については、「中期経営計画2027」において、木質バイオマスビジネスの中核化に向けた研究開発投資を積極的に行うこととしています。当社グループの豊富な森林資源と製紙工場のインフラを活用し、木質由来の糖液、持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)の原料になるバイオエタノール、バイオマスプラスチックであるポリ乳酸等の社会実装を目指しています。これに向け、2025年5月に竣工した木質由来糖液・バイオエタノールのパイロットプラントにおいて実証試験を進めています。また、パルプを原料として製薬業界向け微結晶セルロースを製造するChemfield社や、溶解パルプ及びバイオエタノールを製造するAustroCel社の買収を通じてバイオマス技術を取り込み、バイオものづくりの基盤強化を図っています。

機会のうち自然資本会計については、制度化に向けた国内外の活動に積極的に参画し、王子の森の価値最大化を目指しています。王子の森においてスタートアップやアカデミア、国際連携プラットフォームであるNPI(Nature Positive Initiative)と協働し、森林の多様な機能や生物多様性の価値評価に取り組んでいるほか、当社が設立メンバーとなっているISFC(International Sustainable Forestry Coalition)における自然資本会計プロジェクト等にも参加しています。

 

②指標及び目標

当課題の取組に関連する主な指標及び目標は、以下のとおりです。

・海外の森林認証取得率を向上(国内は100%維持)

・2024年度から2033年度までの期間に3,000 ha以上の天然林を所有地内で再生

・2024年度から2033年度までの期間に50万本以上の郷土樹種を所有地内で植栽

・2024年度から2033年度までの期間に3,500 ha以上の緑の回廊を所有地外で設置

さらに、2025年5月には環境行動目標2040を策定し、以下の指標及び目標を設定しました。

・森林破壊ゼロを継続

・2018年度から2040年度までの期間に5,000 ha以上の天然林を所有地内で再生

・2018年度から2040年度までの期間に90万本以上の郷土樹種を所有地内で植栽

・2018年度から2040年度までの期間に6,000 ha以上の緑の回廊を所有地外で設置

 

「資源の循環的利用」「環境負荷の低減」課題に向けた取組

①戦略

当社グループは、紙・パルプの生産工程で利用する水や、紙の原料である古紙の循環的利用の取組を行っており、社会のサーキュラーエコノミーへの移行に貢献してきました。また、環境配慮型紙製品の拡販により、社会のプラスチック使用量削減に貢献します。さらに、廃棄物の燃料利用を含む有効利用の推進により、環境負荷を低減するとともに、循環型社会の形成に貢献します。

<水に対する戦略> 当社グループが国内外に所有する森林資源は水源涵養機能を有し、特に国内の「王子の森」の水源涵養量は当社グループ事業場全体の取水量の約2.6倍に相当すると解析されています。地域の水資源を支える森林に関する機会は、「持続可能な森林経営と生物多様性の保全」課題の戦略に記載の通りです。一方で事業において使用している水資源は、過剰使用により地域の水資源枯渇を引き起こしたり、汚染物質排出により地域の生態系を脅かしたりすることで、ステークホルダーからの信頼を損なうリスクがあります。当社グループはステークホルダーと協働しながら、事業を展開する地域の状況に合わせた水資源の利用を行っています。継続して取水量、水質汚濁物質の削減を進め、地域の生態系を保護しながら水資源を地域に戻していきます。

当社グループの一部事業場は水ストレスの高い地域で事業を行っています。当社グループ全体に占める水ストレスの高い地域の売上高及び資産の割合は5%程度と見積もられ、短期での財務的影響は小さいと見積もっています。一方で水ストレスの高い地域での水使用による地域への負の影響を特定しており、年1回以上のステークホルダーエンゲージメントを通じて地域への負の影響の防止・軽減を行っています。2025年度には水ストレスの高い地域にある22事業場でのエンゲージメント実施状況を確認しました。

さらに水処理の知見に基づいて得られた処理技術を拡大することは、社会において地域の生態系を保護しながら水資源を利用することにつながるため、当社グループにとって機会と考え、事業を展開しています。

<古紙に対する戦略> 再生されず処分されていた紙製品の再生技術開発による利用拡大を機会と考え、サーキュラーエコノミーの実現に向けたマテリアルリサイクルに取り組んでいます。紙コップ・アルミ付き紙パック等の飲料用紙容器や紙製ハンドタオルなど、一般的な設備ではリサイクルが困難な難処理古紙について、紙繊維(パルプ)を回収・再資源化するシステムを構築し、パートナー企業との連携による回収・再生の仕組みを整備・展開してきました。2025年にはこれらの取組を象徴するブランド「Renewa(リニューワ)」を策定し、技術開発と企業連携を通じてマテリアルリサイクルの対象素材・パートナーシップの範囲を拡大しています。

<プラスチックに対する戦略> 欧州における包装・包装廃棄物規則(PPWR:Regulation on Packaging and Packaging Waste)などの規制強化、消費者意識変化によるプラスチック代替製品の需要増加を機会ととらえ、プラスチック製品からサステナブルパッケージへの置換を通じて、当社グループの顧客で使用される、さらには社会全体で使用されるプラスチックの量を削減します。サステナブルパッケージング事業は、「気候変動の緩和・適応」課題の戦略に記載のとおり、「中期経営計画2027」において経営資本を集中投下し、研究開発・製品開発を進めるとともにマーケティングを強化し、グローバル展開を推進します。

<廃棄物に対する戦略> 当社グループの工場における廃棄物の燃料利用を、化石燃料の使用量削減を通じたコスト削減の機会と考えています。また、当社グループの工場から排出される廃棄物の有効利用にも取り組み、環境汚染によりステークホルダーからの信頼を損なうリスクの低減を図っています。

 

②指標及び目標

当課題の取組に関連する主な指標及び目標は、以下のとおりです。

・2030年度の取水原単位を2018年度対比で6%以上削減

・紙のリサイクル(古紙利用率)を国内70%以上に向上

・2030年度までに環境配慮型紙製品を5,000 t以上拡販

・廃棄物の有効利用率を国内99%以上、海外95%以上に向上

さらに、2025年5月には環境行動目標2040を策定し、以下の指標及び目標を設定しました。

・2040年度の取水総量を2018年度対比で10%以上削減

・水ストレスの高い地域におけるステークホルダーエンゲージメントを年1回以上実施

・段原紙古紙利用率を国内90%以上に維持

・廃棄物の有効利用率を国内99%以上、海外95%以上に維持、向上

 

「責任ある原材料調達」課題に向けた取組

①戦略

企業価値の向上には、当社グループだけではなくサプライチェーン全体での法令遵守と社会的責任の遂行が不可欠です。サプライチェーン上での環境・社会への配慮に欠けた事例の発生はステークホルダーからの信頼喪失につながる他、持続可能な管理がなされた森林資源等の原材料の調達が困難となり、売上の減少や調達コストの増加となるリスクがあり、リスク低減に向けた対応が必要です。また、当社グループで森林破壊や天然林からの転換がない、持続可能な森林管理及び木材原料調達を行ってきたことはサプライヤーとの信頼関係強化に加え、欧州の規制強化により森林破壊に対する関心が高まる中で持続可能な原材料の使用による売上増加の機会につながると考えます。

当社グループは、サプライヤーとの継続的な対話を通じて、責任ある原材料調達を推進し、持続可能な社会への貢献を目指しています。サプライチェーンリスク低減のため「王子グループ・サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」と「木材原料の調達指針」を定めており、新規サプライヤーに取引前に両指針への理解を求めるとともに、指針改訂時には全サプライヤーに周知徹底を図っています。また、「森林破壊・転換ゼロコミットメント」の下、サプライチェーン全体で森林破壊や天然林からの転換がない調達を継続します。

当社グループはサプライチェーンの実態把握とリスク管理を目的に、2020年度より取引額及び品目を基に選定した主要サプライヤーに対しサステナビリティ調査を行っています。また、調査対象サプライヤー向けの研修、「王子グループ・サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」に記載された項目の遵守と実行を促すための指導を行い、サプライチェーンリスクを低減しています。2025年度は60社が研修に参加したほか、17社に対して指導を行いました。

木材原料については、「木材原料の調達指針」に基づき、木材の原産地、森林管理方法、違法伐採材や保護価値の高い木材の混入の有無、人権の尊重などの確認項目を定め、適正に管理された森林より生産された原料のみを調達しています。木材原料の全サプライヤーからトレーサビリティレポートを毎年取得し、「木材原料の調達指針」で定めた確認項目について、内容を第三者機関の監査で確認・検証し、監査結果を開示しています。加えて、木材原料サプライヤーの工場や林地へ毎年訪問し、現地視察やインタビューなどを通して「木材原料の調達指針」の遵守状況のモニタリングを行っています。

当社グループは国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権・環境におけるリスクの高いサプライヤーへのデューディリジェンスを実施しています。サプライチェーンにおいて顕在化した若しくは潜在的な負の影響の緩和・是正により、サプライチェーンのリスク低減を行います。

 

②指標及び目標

当課題の取組に関連する主な指標及び目標は、以下のとおりです。

・主要サプライヤーに対するサステナビリティ調査の100%実施

・「木材原料の調達指針」に基づくトレーサビリティ調査の100%実施

さらに、2025年5月には環境行動目標2040を策定し、以下の指標及び目標を設定しました。

・サプライヤー人権・環境デューディリジェンス 1回/年 実施

 

「人権の尊重」課題に向けた取組

①戦略

人権の尊重はサステナビリティ重要課題が成立するための不可避の条件です。当社グループは、人権への配慮欠如によるステークホルダーからの信頼低下のリスク、エンゲージメント向上の機会を重要なサステナビリティ関連のリスク及び機会と識別しています。

当社グループは、人権尊重の取組が当社グループの競争力強化の大前提と捉え、2020年に「王子グループ人権方針」を制定しました。本方針は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「国際人権章典」等の国際規範を支持・尊重しており、当社グループの全ての役員及び従業員に適用し、全ての事業活動に反映し、全てのステークホルダーに対して方針の理解と遵守を期待するものです。

国連指導原則においては、人権尊重の責任を履行するものとして「人権方針の策定」「人権デューディリジェンスの実施」「苦情処理メカニズムの整備」が定義づけられています。当社グループは企業活動に関連する人権の負の影響を特定・防止・軽減するための「人権デューディリジェンス」を2022年度から実施しています。前年度にマレーシアで実施したインタビュー結果を受け、2025年度から第三者機関と複数年にわたるパートナーシップ契約を締結し、初年度は「移住労働者に内在する脆弱性の理解」「脆弱性軽減のための共通ビジョンの確立」を目的としたワークプランを実施しました。2025年2月に国連指導原則に準拠した苦情処理プラットフォーム(JaCER)に加入し、従業員・サプライチェーン・地域住民・先住民を含む全てのステークホルダーが利用できる救済窓口を設置した結果、2025年度は7件の相談が寄せられました。今後もステークホルダーとのエンゲージメント向上に努めていきます。

 

指標及び目標

当課題の取組に関連する主な指標及び目標は、以下のとおりです。

・人権デューディリジェンス 1回/年 実施

・対象者への人権教育・研修の100%実施

 

 

(4)人的資本の強化

①戦略

人的資本の強化において、優秀な人財の獲得と個々の人財の能力最大化は、生産性向上やイノベーション創出を通じて収益力強化や新規事業の拡大といった機会の実現に直結します。一方で、採用競争力の低下や人財流出、コンプライアンス違反の発生は、人材基盤の毀損や企業価値の低下を招くリスクとなります。

当社グループは、サステナビリティに関する重要課題を解決し、世の中に求められる企業として存続していくためには「人」が重要であると考え、「企業の力の源泉は人財(人的資本)にあり」という大原則のもと、人財育成方針である「王子グループ人財理念」を掲げ、この理念を体現する人財の「確保」「成長」「活躍」の三本柱を人財戦略として、重点的に取り組むことで経営戦略の実現を目指しています。

 

王子グループ人財理念

高い倫理観

経営理念・パーパス(存在意義)・経営戦略の理解と実践

変革意識と挑戦

自己研鑽と組織の成長・進化への貢献

世界を意識した行動

 

この人財戦略に取り組むための前提となるものは、「コンプライアンス・安全・環境の徹底」「人権の尊重、インクルージョン&ダイバーシティ」「人財活用(実力主義に基づく公正な処遇とエンゲージメント向上)」であり、この3つの基盤が、社内環境整備方針となります。

3つの基盤をしっかりと整えた上で、「王子グループ人財理念」を体現する人財の「確保」「成長」「活躍」を人財戦略の三本柱として取り組み、持続的な企業価値の向上を目指していきます。

 

具体的な取組は以下のとおりです。

 

「コンプライアンス・安全・環境の徹底」

当社グループは、「国連グローバル・コンパクト」の人権、労働、環境、腐敗防止の原則を織り込み、2004年に「王子グループ企業行動憲章」及びこの憲章の行動指針である「王子グループ行動規範」を制定し2020年度にSDGs等の社会環境及び、経営理念を反映させて改訂し、より時代の要求に即した内容としました。

企業行動憲章・行動規範の改廃は取締役会の決議事項であり、取締役会の関与の下、活動の規範として、グループ拠点のある各国の言語に翻訳され、グループに属するすべての役員及び従業員に周知しています。すべての役員及び従業員は、この企業行動憲章と行動規範を正しく理解し、実践することに努め、もし、反する行為を行っている場合、もしくは違反が疑われる場合は、速やかに上司あるいは会社・職場のコンプライアンス担当窓口、またはコンプライアンスホットライン(グループ内部通報)窓口に通報、相談することとしています。

当社グループ全体にわたるコンプライアンス意識の醸成のために、国内外のグループ各社では、コンプライアンス責任者、コンプライアンス推進リーダーが推進活動の中心となり、半期ごとのコンプライアンス会議を実施するなど、コンプライアンス活動を推進しています。

 

「人権の尊重、インクルージョン&ダイバーシティ」

当社グループでは、すべての役員及び従業員に対して、経営理念、パーパス(存在意義)、人財理念など、核となるものについては、共通の価値観を求めています。さらに、当社グループは、人種、国籍、民族、出身地、思想信条、価値観、宗教、年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、社会的身分、社内的地位等に関わらず、従業員一人ひとりの多様な価値観、発想、能力を最大限に活用し互いに成長することで企業の競争力強化に結びつく個人・組織の活性化向け「インクルージョン&ダイバーシティ」を推進しています。なお、「人権の尊重」に関する戦略、指標及び目標については「(3)各サステナビリティに関する重要課題に向けた戦略、指標及び目標」において記載しています。

 

 

「人財活用(実力主義に基づく公正な処遇とエンゲージメント向上)」

・公正な処遇

価値創造の源泉となる人財を活用し、経営理念・パーパス(存在意義)を実践し、経営戦略(長期ビジョンを含む)に沿った課題を確実に遂行するため、「役割期待」及び「成果」を基準とする実力主義に基づく人事制度として、「役割等級制度」を適正に運用し、従業員一人ひとりが、その保有する能力を通じて発揮した役割の大きさに応じて処遇しています。

 

・ワークライフマネジメント

高年齢者にも会社生活で培った知識、技術、技能を存分に発揮し意欲をもって働けるよう、国内主要グループ会社にて、「65歳定年制」を導入しています。また、一定の条件を満たす従業員を対象に、原則67歳までの再雇用制度を導入しています。

 

・エンゲージメントの向上

「人財育成、グループ内公募制度」

人財育成を進めるため、グローバル人財育成やDXリテラシー教育、管理職育成等の研修プログラムを実施しています。また、従業員の意思にもとづく自律的なキャリア形成を促進し、意欲の高い人財の適正配置、有効活用により、事業の強化、組織の活性化、従業員のエンゲージメント向上を図ることを目的として、2022年度から国内グループ会社正規従業員を対象として公募制度を実施しています。

 

「エンゲージメントサーベイの実施」

実態を把握・分析し改善を図るため2024年度よりエンゲージメントサーベイを拡充し、各職場にフィードバックしています。特にやりがい(仕事)と長期就労意欲(組織)に対する回答結果に着目し、スコアの低い職場への改善策の立案・実施や、労働環境の改善など、スコアの向上に向けて継続的に取組を進めています。

 

「タウンホールミーティングの実施」

経営理念をはじめとした経営方針、事業戦略を浸透させ、さらに現場の生の声を聞く(取り入れる)ことにより双方のコミュニケーションを深め、事業運営の意思統一、組織の一体感や風通しの良い職場の醸成、従業員のエンゲージメント向上を図ることを目的にタウンホールミーティング(経営陣と従業員の直接対話)を2024年度から実施しています。2024年度、2025年度ともに、約1,200名の従業員と対話を図りました。

 

「組織知への転換」

従業員の保有するスキルとレベルを正確に把握し、それに基づいた最適な人財配置と育成を実現するため、2025年度より「スキルマップ」の整備を開始しました。職種とスキル・レベルの組み合わせにより、約3,000種類に分類しています。

一過性もしくは暗黙知となっている社内の情報・ノウハウ、社外の有用なコンテンツを集めた社内プラットフォームを構築し、「Oji Library」として情報共有やリスキリングなどに活用し、組織知への転換を図っています。また、グループ全体で価値創造型営業への意識改革を促進し、グループ全体で営業力を強化するために国内外のグループ会社で大きな成果を上げた営業事案を表彰(営業表彰)することを通じて、広くグループ内でナレッジ(「営業の型」)を共有しています。

 

②ガバナンス及びリスク管理に関する補足説明

サステナビリティ推進委員会において、当社グループを横断した安全・環境・人権・インクルージョン&ダイバーシティ等の推進方針・目標の共有を行っています。

また、2020年10月に「王子グループ健康宣言」を制定し、当社代表取締役 社長執行役員CEOを最高健康責任者とし、健康の確保に取り組んでいます。

 

 

③指標及び目標

人的資本の強化の取組に関する指標及び目標、実績は下表のとおりです。

なお、連結会社の事業内容や事業規模が異なり、統一した開示が困難であるため一部の指標及び目標については、共通の取組を実施している範囲の会社で開示しています。

 

a コンプライアンス・安全・環境の徹底

指標

モニタリングの対象

目標

実績

備考

コンプライアンス会議参加率

当社及び国内会社

参加率100%

98.6%

※1

死亡・重篤災害

 

当社グループ

(連結全体)

 

0件

国内1件

海外1件

※2

労働災害度数率の減少

当社グループ

(連結全体)

2030年に2018年
(0.89)比50%削減

0.77

※3

 

 

b 人権の尊重、インクルージョン&ダイバーシティ

指標

モニタリングの対象

目標

実績

備考

人権教育・研修への参加率

教育・研修実施事業所

参加率100%

88.1%

※4

男性の育児休業等取得率

当社及び国内19社

100%

102.6%

※5

障がい者雇用率

当社及び国内67社

2.5%

グループ適用

6社2.55%

※6

グループ68社

2.36%

※6

 

 

 

c 人財活用(実力主義に基づく公正な処遇とエンゲージメント向上)

指標

モニタリングの対象

目標

実績

備考

総労働時間

当社及び国内本社

地区26社

1,850時間

1,841.1時間

※7

女性管理職比率

当社及び国内19社

8.5%

5.7%

※5

新卒採用女性総合職比率

王子マネジメントオフィス㈱一括採用(スポーツ採用者除く)

事務職、研究職

50%

事務職、研究職47.2%

※8

 

※1 2025年10月1日から2026年3月31日までの対象期間

   集計範囲:国内グループ会社153社

※2 重篤災害は被災者の身体障害等級が1-3級に該当した災害です。

2025年1月1日から2025年12月31日までの対象期間

※3 労働災害度数率は、当社及び連結子会社の従業員と臨時・正規外従業員の延べ総労働時間と労働災害発生件数を用いて算出しています。

   2025年1月1日から2025年12月31日までの対象期間

※4 2026年3月30日から2026年5月22日までの対象期間 総受講者2,547名(対象25社)を対象に実施

※5 集計範囲:2025年4月集計開始時従業員数301名以上の国内グループ会社14社と従業員数301名未満で王子マネジメントオフィス㈱一括採用(新卒総合職)対象の国内グループ6社

   2025年度(2025年4月1日から2026年3月31日までの対象期間)

※6 目標:法定雇用率達成 2025年6月1日時点

実績:2025年6月1日時点

グループ適用6社:王子ホールディングス㈱、王子ネピア㈱、王子イメージングメディア㈱、王子製紙㈱、王子マネジメントオフィス㈱、王子クリーンメイト㈱を対象に集計

グループ68社:2025年度の法定雇用率2.5%において1名以上の障がい者の雇用義務のある従業員40名以上の会社(国内グループ適用6社を含む)

※7 2025年度(2025年4月1日から2026年3月31日までの対象期間)  

※8 実績:2026年4月1日入社

当社グループ主要会社の新卒採用総合職は、優秀人財の確保や業務効率化の観点より、王子マネジメントオフィス㈱にて一括採用しています。