リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 景気の変動について
企業の広告宣伝・広報関連予算は、企業の景況に応じて調整されやすく、景気動向に影響を受けやすい傾向にあり、景況感が著しく悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 災害・事故等の発生について
企業の広告宣伝・広報関連予算は、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の混乱、大規模な事故、伝染病、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が発生した場合、その影響を受けやすい傾向にあります。したがって、これらの災害・事故等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 同業他社との競合について
プレスリリース配信サイトの開発は、企画力・開発力を持つ企業であれば比較的参入しやすいこと、当該企業の台頭等により顧客の獲得競争が激化し、当社グループがプレスリリース配信事業の競争力や優位性を保つことが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) メディアとの関係について
当社グループは、メディアとの広範かつ親密なネットワークを経営資源としておりますが、テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・インターネットメディアといったメディアは、プレスリリースを起点とする情報流通を図るための重要なインフラであります。当社グループは、メディア各社に対し有用な情報を長期的かつ継続的に提供することにより、メディア各社との信頼関係を構築してまいりましたが、当社グループが誤った情報の提供等により、メディアとの信頼関係を失った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、近年は紙媒体を中心にメディアが減少傾向にあり、企業の情報発信の届け先が減少した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 技術革新への対応等について
当社グループはインターネット関連技術に基づいた事業を展開しており、今後も適時適切にプレスリリース配信を行っていく方針であります。
しかしながら、当社グループを取り巻く業界は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化が激しいものとなっております。そのため、技術革新に対する対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があることに加え、急速な技術革新に対応するためにシステム又は人的投資への金額が増大する可能性があります。
(6) 知的財産権について
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、社内のチェック・教育の実施や弁護士への確認・相談を実施しておりますが、万一、当社が事業推進において第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法的規制について
プレスリリース配信事業は、プロバイダ責任制限法や不当景品類及び不当表示防止法、下請法等関連法規による規制があります。当社グループでは社内のチェック・社内教育の実施や弁護士によるチェック等、法令に抵触しないよう法令に準じた運用の徹底を図っておりますが、これらの法規の変更が行われる場合、又は運用の不備等により当社事業が法令に抵触するような事態が起こった場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(8) システムトラブルについて
当社グループは、アクセス過多によるサーバー停止やネットワーク機器の故障及び自然災害や事故、火災等によるシステムトラブルの発生を回避するために、サーバーの負荷分散、稼働状況の常時監視、定期的バックアップの実施等の手段を講じることで、システムトラブルの防止及び回避に努めております。
しかしながら、顧客情報やコンテンツを管理しているサーバーや閲覧・予約システムにおいて何らかのトラブルが発生することで、顧客への情報提供等に障害が生じる可能性もあり、当該障害が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9) 新規事業について
当社グループは、培ったノウハウを活かし、さらなる成長を目指してプレスリリース配信事業の積極展開を進めていく所存であります。新規事業開発は慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画どおりの成果が得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 親会社との関係について
① 親会社グループにおける位置づけ
当社グループは、親会社である株式会社ベクトルを中心とした企業集団(以下、「ベクトルグループ」という。)に属しております。同社は当社の議決権の55.5%(当連結会計年度末時点)を保有する筆頭株主であり、ベクトルグループは企業の戦略的広報活動を支援するPR事業を主力事業としております。ベクトルグループにおいては、従来からの広報業務に加え、広告宣伝分野でPRを活用する「戦略PR」を通じ、企業の広報活動の支援やコンサルティング業務を実施しております。「戦略PR」とは、クライアントの情報をメディアの制作・編集担当が記事やニュースとして取り上げたくなる形に加工することで、広告に比べて低コストで、注目度の高い情報を幅広いメディアに拡散させていく手法を指します。
当社グループは、戦略PR事業を主な事業とするベクトルグループにおいて、「テクノロジーカンパニー」という位置付けでプレスリリース配信事業を営んでおります。ベクトルグループは、プランニングから実行までの比較的大規模なPRビジネスが主流であり、事業構成上、当社グループのプレスリリース配信事業の重要性は低いと考えております。また、ベクトルグループ内に当社グループと競合となるサービスはありませんが、ベクトルグループの方針や環境が変わり、グループ他社から競合となるサービスが創出された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② ベクトルグループとの人的関係
当連結会計年度末現在における当社の取締役5名のうち、ベクトルグループとの間で兼務関係にある取締役はおりません。
③ その他、ベクトルグループとの間の関係について
当連結会計年度における当社グループの連結売上高に占めるベクトルグループ向け売上高の割合は1.9%となっております。
また、ベクトルグループでは、「関係会社管理規程」に基づき、業務執行における報告事項及び事前承認事項が定められておりますが、当社は株式会社ベクトルとの間で、当社株主としての権利を除き、当社が東京証券取引所マザーズ市場に株式上場いたしました2016年3月31日をもって「関係会社管理規程」の適用除外とする旨の覚書を締結しております。
(11) 情報管理について
当社グループは事業を推進していく中で、顧客の公開前情報や個人情報を扱う機会があります。情報管理についてはシステム投資や人材教育等必要な措置を講じており、その一環として2009年11月にプライバシーマーク及び2023年1月に情報セキュリティマネジメントシステムISMSの国際規格「ISO27001」認証を取得いたしました。しかしながら、システムの脆弱性、コンピューターウイルス、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、役職員の過誤等によりこれらの情報が流出した場合には、当社グループの業績及び社会的信用力に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 特定経営者への依存について
代表取締役社長である山口拓己は、2009年5月以来代表を務めており、2007年4月にプレスリリース配信サービス「PR TIMES」の運営を開始する等、当社グループの経営方針や事業戦略の決定・遂行、多様なサービスラインの開発・導入に重要な役割を果たしております。
当社グループは、取締役会等における情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が業務を継続することが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 新株予約権行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、取締役のみならず、従業員が株主と目線を合わせ、事業に対するオーナーシップを持って行動することを期待し、ストック・オプション制度を採用しております。現在付与している新株予約権が行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。現時点では、権利行使された場合に割り当てる株式は、新株を発行する方針としております。
なお、当連結会計年度末現在における新株予約権による潜在株式数は483,800株であり、同日現在の発行済株式総数13,462,249株の3.6%に相当しております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、持続的な売上高成長及び営業利益拡大を実現しながら、適正な評価により中長期で時価総額の向上を目指すことを現時点の基本方針としております。中期経営目標「Milestone2025」では無配を継続する方針としており、内部留保資金につきましては、今後の事業規模拡大を見据えた投資に活用してまいります。
自己株式の取得については、投資戦略に柔軟な選択肢を持つため、一定株数を保有しておりますが、従業員等の新株予約権の行使や譲渡制限付株式報酬の株式割当においては、新株を発行する方針であります。
なお、当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。