人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,044名(単体) 3,283名(連結)
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平均年齢40.6歳(単体)
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平均勤続年数15.8年(単体)
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平均年収8,452,697円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であり、臨時従業員は、年間の平均人員を(外数)で記載しております。
2.全社(共通)は、総務および経理等の管理部門の従業員であります。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であり、臨時従業員は、年間の平均人員を(外数)で記載しております。
2. 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)は、総務および経理等の管理部門の従業員であります。
(3) 労働組合の状況
当社グループの主な労働組合には、日本化学エネルギー産業労働組合連合会に加盟する日産化学労働組合があり、同組合は単一組織で関係会社を含む9支部(組合員数1,547名)から構成されております。
なお、最近の労使関係は極めて安定しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、管理職に占める女性労働者の割合については、当社から社外への出向者を除いております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、当社から社外への出向者を除いております。
3.男女の賃金差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、当社から社外への出向者を除いております。
4.全労働者は、正規雇用労働者とパート・有期労働者を含んでおります。
5.パート・有期労働者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の労働者を含み、派遣社員を除いております。
6.男女の賃金差異については、主に等級別人数構成と勤続年数の差によるものであります。正規雇用労働者のうち、管理職の男女の賃金差異は86.6%、管理職以外の男女の賃金差異は86.5%ですが、正規雇用労働者全体の割合は74.9%です。この理由は、管理職に占める女性労働者割合が低い(4.7%)ためです。現在は、総合職に占める女性労働者割合の向上、および管理職に占める女性労働者数の増加を念頭に、女性登用を推進しております。また、パート・有期労働者については、相対的に所定労働時間が短く、賃金が低いパートタイマーの人数割合の差等により、男女の賃金差異が生じております。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、管理職に占める女性労働者の割合については、当社から社外への出向者を除いております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、当社から社外への出向者を除いております。
3.男女の賃金差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、当社から社外への出向者を除いております。
4.全労働者は、正規雇用労働者とパート・有期労働者を含んでおります。
5.パート・有期労働者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の労働者を含み、派遣社員を除いております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ推進体制
当社グループは、「社会が求める価値を提供し、地球環境の保護、人類の生存と発展に貢献する」を企業理念としています。この企業理念に基づき、2050年のあるべき姿「人と自然の豊かさを希求し成長する未来創造企業」「強い情熱で変革に挑む共創者集団」を定めた長期経営計画『Atelier2050』を策定し、「事業領域の深耕と拡大」「サステナブル経営の深化」「経営・業務基盤の変革」を基本戦略として進めています。また、『Atelier2050』に定めたあるべき姿へ至る通過点として、2027年の姿を示し、持続的成長の道標とする中期経営計画『Vista2027』を策定し、その達成に向けた基本戦略の1つとして、サステナブル経営を推進しています。
①ガバナンス
著しい環境変化のなか、当社グループは、企業理念の実践であるサステナビリティ活動をより一層充実させるために、「社会動向に合致したサステナビリティ戦略の立案と社内啓蒙ならびに情報の発信」をミッションとするサステナビリティ・IR部サステナビリティグループを設置しています。また、グローバルな社会課題により戦略的に取り組むため、サステナビリティグループを事務局とし、部門担当役付執行役員をメンバーとするサステナビリティ委員会を年2回定期的に開催し、サステナビリティに関する方針、マテリアリティの選定、長中期計画および年次計画、活動結果の評価および評価に基づく改善および検討すべき課題について審議しています。審議の結果は経営会議の承認を経て、取締役会に付議されます。
サステナビリティ推進体制として、サステナビリティ委員会のほか、気候変動対策委員会、リスク・コンプライアンス委員会、環境安全委員会、品質保証委員会を設置し、各委員会で審議した内容について取締役会で議論し、決議することで、取り組みを監督しています。
②リスク管理
リスク管理活動全般について継続的改善を推進する専門組織として、経営企画部リスク・コンプライアンス室を設置しています。また、リスクマネジメントの実効性をより高めるとともに、コンプライアンスを維持向上、推進するための機関として、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、年2回定期的に開催しています。リスク・コンプライアンス委員会は取締役会が指名するCRO(チーフ・リスクマネジメント・オフィサー)を委員長とし、CROが指名する各部門、箇所および国内連結子会社のリスク・コンプライアンス責任者から構成されています。
各部門の事業特性やグローバルな政治・経済・社会情勢など、ビジネスを取り巻く環境を考慮して、リスク・コンプライアンス委員会の枠組みのなかで気候変動関連リスクを含むリスクの洗い出しを実施しています。洗い出したリスクについて、発生可能性と事業への影響度の観点からリスク評価を実施したうえで、リスク評価結果に基づくリスクマップを作成し、「グループ重要リスク」を選定しています。
「グループ重要リスク」やその対策等、リスク管理に関する重要事項については、リスク・コンプライアンス委員会で審議し、取締役会で決議されます。
③戦略
長期経営計画『Atelier2050』にて定めた、2050年のあるべき姿「人と自然の豊かさを希求し成長する未来創造企業」「強い情熱で変革に挑む共創者集団」を実現するため、取り組むべきマテリアリティを2022年度に見直しました。社会と当社グループの持続的発展を目指し、中期経営計画『Vista2027』で設定した2027年度までのKPIをサステナブル経営の指標として、その進捗を毎年管理しています。
<マテリアリティ特定プロセス>
④指標と目標
<マテリアリティへの取り組みとKPI>(StageI)
* GHG排出量については、2023年度の実績を記載しております。2024年度の実績については2025年夏頃に当社webサイトにて掲載予定です。
StageⅡにおいて、下記マテリアリティ要素については2027年度目標を変更する。
(2)気候変動
①ガバナンス
当社グループの気候変動対応に関する取り組みは、サステナビリティ委員会、気候変動対策委員会、リスク・コンプライアンス委員会、環境安全委員会にて、検討・審議しており、審議内容を取締役会で議論・決議することで、取り組みを監督しています。なお、生物多様性を含む自然資本は気候変動に大きく関係することから、気候変動対策委員会の検討・審議事項としています。
自然関連のステークホルダーエンゲージメントの取り組みとしては、ステークホルダーの人権について人権方針に定めており、リスク評価(デューデリジェンス)も行っています。リスク評価においては、健康と安全、天然資源の利用(水資源含む)といった自然関連の指標を含んでおり、「地域社会の健康と安全」を対策優先リスクに挙げて対策を強化しています。対策としては、安心安全な工場であることをご理解いただくため、地域住民・近隣学校を対象とした工場見学会や説明会を継続的に実施するといった地域住民との交流を行っています。
②リスク管理
「(1)サステナビリティ推進体制 ②リスク管理」をご参照ください。
③-1気候変動に関する戦略
TCFD提言では、気候変動に起因するリスク・機会が企業の財務にどのような影響を及ぼすかを把握するため、シナリオ分析*を行うことを求めています。
当社は2020年に、脱炭素社会への移行が実現する2℃シナリオ(移行リスクが顕著)と気候変動が進展する4℃シナリオ(物理的リスクが顕著)における事業リスク・機会の選定、重要性の検討を行い、当社への影響と戦略などについて整理しましたが、2021年に行われた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)において、平均気温の上昇を1.5℃に抑える努力を追求することが合意されたことをうけ、2023年7月にシナリオ分析の見直しを実施しました。
1.5℃シナリオを用いたシナリオ分析・財務影響の定量化を行った結果、カーボンプライシング導入による操業費の増加、低炭素製品を提供できないことによる売上減少などを重要なリスクとして特定しました。カーボンプライシング導入やライフサイクルCO2排出量の多い製品の需要減少に対しては、これまで取り組んできた工場の原燃料転換や再生可能エネルギーの導入を一層推進するとともに、インターナルカーボンプライシングの活用によりGHG排出削減を考慮した脱炭素投資をさらに推進し、リスクの低減を図ります。
また、環境配慮要請の高まりに伴うマーケットの変化については、環境への影響が小さい農薬や生物農薬、および二次電池材料などの低炭素製品の需要が拡大すると考えています。生物農薬については、2022年4月に生物科学研究所農薬研究部にバイオロジカルグループを立ち上げ、事業化に向けて研究開発を進めています。また、環境エネルギー分野において、二次電池材料や環境発電材料、CCS・CCUS材料の開発を加速し、実需化を目指します。
一方、4℃シナリオにおけるリスクとして認識している水害リスクについては、主要な生産・物流拠点の浸水の可能性を重要リスクとして特定しました。本リスクに対しては、工場および主要製品のBCPの策定および随時見直し、工場設備の高基礎化/高フロア化や、製品在庫の確保、重要原料の複数購買などを引き続き行っていきます。
また、気温上昇・異常気象に伴うマーケット変化において、害虫・雑草などの増加、水不足や感染症の拡大に向け、農業化学品や、飲料水などの殺菌消毒剤などの需要が増大すると考えています。市場成長の見通しを踏まえ、当社の機会の拡大を目指します。さらに、気候変動の影響を受けにくい事業ポートフォリオを構築することで事業活動のレジリエンスを高め、リスクの最小化・機会の最大化に努めます。
* シナリオ分析:地球温暖化や気候変動そのものの影響や、気候変動に関する長期的な政策動向による事業環境の変化などにはどのようなものがあるかを予想し、その変化が自社の事業や経営にどのような影響を及ぼし得るかを検討するための手法。
●参照したシナリオ
分析対象範囲および分析対象期間
●分析対象範囲:化学品・機能性材料・農業化学品・ヘルスケア・企画本部
●分析対象期間:2030年および2050年
●リスク・機会の特定プロセス
③-2気候変動に関する指標と目標
当社グループは、「気候変動の緩和」をマテリアリティ要素のひとつと位置づけており、GHG(Scope1+2)排出量の90%以上を占める日産化学本体の排出量削減が気候変動関連リスク低減に重要であると考えています。このため、日産化学本体のGHG(Scope1+2)排出量削減の長期目標として「2050年カーボンニュートラル」、中期目標として「2027年度までに2018年度比30%以上削減」を掲げています。これらは、長期経営計画『Atelier2050』、および中期経営計画『Vista2027』の非財務目標として位置づけ、進捗を管理しています。また、本削減目標に対する達成度は、役員の業績報酬のESG連動部分に反映する仕組みとしています。
2018年度以降、メラミン製造停止や小野田工場ボイラー燃料転換、老朽化設備更新による省エネルギー化などにより、GHG排出量を着実に減らしています。2023年度は、2022年に発生した硝酸プラントトラブルの正常化、能登半島地震による富山工場稼働停止などにより、2022年度より排出量が減少しました。
当社はGHG排出量およびエネルギー消費量について、2018年度分から第三者検証を受審しており、今後も引き続きGHG排出量削減の取り組みを進め、環境負荷低減を推進していくとともに、信頼性の高い情報の開示に努めていきます。
●中期目標および長期目標
●気候変動関連データ
なお、2024年度の実績については2025年夏頃に当社webサイトにて掲載予定です。
④-1自然資本に関する戦略
TNFDでは、自然資本関連の評価のための統合的な分析手法としてLEAPアプローチが提言されており、当社では本アプローチを採用しています。LEAPアプローチは、Locate(自然との接点の発見)、Evaluate(自然への依存と影響の評価)、Assess(自然に関するリスクと機会の評価)、Prepare(対応と報告の準備)の4つのプロセスから構成されます。
分析対象範囲および分析対象期間
●分析対象範囲:農業化学品事業における農薬(リスク・機会の一部では他の事業も対象)
●分析対象期間:2030年および2050年
●LEAPアプローチに基づく分析プロセス
Locate:優先地域の特定
当社と自然との接点を発見し、当社として優先すべき地域を特定するため、WWF Biodiversity Risk Filter等を使用して、自社と関連する拠点での分析、評価を行いました。
農薬は、石油、天然ガス、各種鉱物を原材料としており、これらの採取・加工、中間製品の製造を経て、当社にて最終製品の製造を行っています。バリューチェーン上流(石油、天然ガス、各種鉱物の採取・加工)は、日本の貿易状況や世界での埋蔵量から、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オーストラリア、中国、カナダ、ペルー等の海外でほぼ行われていると推定しました。油田・ガス田・鉱山や加工場の場所の特定は困難ですが、場所によっては優先地域に該当すると考えています。
当社での製造においては、小野田工場、埼玉工場、NCアグロ函館、Nissan Bharat Rasayan PVT. LTD.(インド)で農業化学品の製造を行っており、これらの拠点は、事業活動による依存・影響を考慮したうえで、TNFDが示す「影響を受けやすい場所」の要件について重要度が高いことから、優先地域に特定しています。
Evaluate:自然関連への依存・影響の特定・評価
農業化学品のバリューチェーンとして、原材料の採取・加工、中間製品の製造、自社での最終製品の製造、農業における製品の使用の各工程について、ENCORE*1を用いて自然関連への依存・影響の特定・評価を行い、ヒートマップを作成しました。
*1 ENCORE:金融機関のネットワーク「自然資本金融同盟」と国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)が共同で開発したツール。セクター、サブインダストリー、プロセス(GICS:世界産業分類基準)ごとに、自然にどのように依存し、自然に影響を与えるかを調べることができる。
*2 気候調節:土壌や海洋などにおける二酸化炭素の長期貯蔵や、植生による気温・湿度・風速などの調整
Assess:自然関連のリスク・機会の特定・評価
Locateで特定した優先地域、Evaluateで特定・評価した依存・影響を踏まえ、自社への影響が想定される自然関連リスク・機会の特定・評価を行いました。
分析に際しては、TNFDのガイダンスを参照し、下図のとおり、「生態系サービス(環境)の劣化(気候変動の1.5℃シナリオと4℃シナリオ(物理リスク・機会))」と「環境保全に向けた規制強化や市場ニーズの高まり(移行リスク・機会)」の2軸を設定し、①~④のシナリオを自然関連のシナリオとして設定しました。
●参照したシナリオ
④-2自然関連の指標と目標
農業化学品に関しては、グローバルの目標として2022年12月に昆明・モントリオール生物多様性枠組において「農薬及び有害性の高い化学物質による全体的なリスクの半減」が掲げられたほか、みどりの食料システム戦略において「使用量低減(リスク換算)」に向けた技術革新が掲げられています。
農業化学品は環境へのリスクがある一方で、適切に農業化学品を用いることで収穫効率を高めて過剰な農地拡大に伴う森林破壊を防止することに寄与できます。さらに、耕作放棄地を適切に管理し活性化することで、生物多様性保全に貢献していきます。そのため、当社グループでは、農業化学品による自然への環境リスクの低減を図りつつ、高効率な食料生産に貢献していくことが重要と考えており、長期経営計画『Atelier2050』、および中期経営計画『Vista2027』において、農業化学品事業の方向性として「食料の安定供給」と「持続可能な農業」を掲げています。
これらを実現するためには、「環境リスクの低減」「収穫量の向上」「農地・緑地管理」といったテーマに対応していく必要があると認識しています。
●指標、中期および長期目標
●指標
なお、2024年度の実績については2025年夏頃に当社webサイトにて掲載予定です。
(3)人的資本に関する考え方
「社会が求める価値を提供し、地球環境の保護、人類の生存と発展に貢献する」という企業理念のもと、当社が「未来創造企業」として成長し、社会とともに発展するためには、事業基盤である人的資本の拡充が最重要課題の一つです。長期経営計画「Atelier2050」においては、2050年のあるべき組織の姿を「強い情熱で変革に挑む共創者集団」と定め、社員の基本姿勢を「誠実を力に」「志で踏み出す」「協働を超えた共創へ」の3つとしました。「誠実」という当社の強み・アイデンティティを維持しながら、多様な人材が目標に向かって挑戦し、自己の成長を図る組織を実現するため、当社は人材育成や環境整備に向けて様々な取り組みを行っています。各取り組みに対しては、中期経営計画「Vista2027」StageⅡ最終年度である2027年度に向けて、定量的目標を定めて人的資本経営を推進していきます。
<各取り組みの位置付け>
「人材育成に関する取り組み」
1) 価値向上に「挑戦」し続ける牽引人材の輩出
当社が今後も継続的な成長を続けるためには、価値向上に繋がる改善や提案を、「志(内発的動機)」に基づき、主体的に考え、自ら挑戦することで事業を牽引する人材を輩出することが課題であると捉えています。そのために、課長・係長相当職への昇格前研修では、新たな事業・製品・サービスを発想し、周囲を巻き込むリーダーシップを発揮しながら、数か月かけて検証・軌道修正する仮説検証型研修を実施しています。
また、2023年度より、各人が志に基づく判断で、通常業務の領域外や、部門方針では明示されていない領域等のテーマへの挑戦に対し、年間労働時間の10%を充てて取り組むことができる仕組みとして「10%Challenge」を新たに導入しました。成果の有無にとらわれず挑戦を楽しむ文化の醸成や、新しいことに挑戦する経験を通じて自身の可能性を広げることを期待しています。
加えて、各工場においては、ほぼ全ての操業員等が参加し、毎年改善活動を実施するAi運動(1978年にスタートした、当社独自の小集団活動をベースとする改善提案活動)を推進しています。現場起点で価値向上に繋がる改善を継続するスタンス、前例にとらわれない提案力の向上を目指します。
2) 領域を超えた「共創」人材の輩出
社会課題解決に貢献するための新たな製品・サービス、技術の種を継続的に生み出していくには、自らの領域(技術、部門)に閉じることなく、境界を越えた連携をすることによって、新たな価値を「共創」できる人材を輩出することが課題と捉えています。仮説検証型研修、10%ChallengeおよびAi運動などにおける共創テーマ提案数の増加を図ります。
また、自社技術の新たな獲得、価値向上、および展開に向けて、社外関係者を巻き込み共創できる状態を目指し、他社との共同研究・共同特許出願や、社外への人材の出向・転出・輩出など、一つの領域に固執しない、境界を越えた連携を促進していきます。
3) ビジネスのポテンシャルを見極め実需化する「目利き」人材の輩出
次世代の成長の源泉となる新製品・サービスを育成するには、市場ニーズを踏まえながら、代替が利かない「Must-Have」な製品ニーズを見出し、そのバリューチェーンの成長性も見据えた「目利き」のできる人材を輩出することが課題であると捉えています。「目利き」人材を輩出するため、起業家の持つ能力の開発と社内起業家の育成を目的としたイントラプレナーシッププログラムを実施しています。社内起業家としての行動スキルの実践、情報収集・仮説検証を短サイクルで繰り返すことで、有望テーマを磨き上げ、イノベーターとしての行動の体得を目指します。
また、研究・製造・営業といった職域を横断する人事ローテーションを積極的に実施することにより、研究職・技術者が顧客と直接対話する機会をできる限り設け、技術起点だけでなく顧客・市場・社会課題起点でビジネスを見定める力を育てます。
「社内環境整備に関する取り組み」
4) 個人の意志が尊重される『多様性』ある風土づくり
価値向上に「挑戦」し続ける人材を育成するためには、ともに働くすべての人の多様性が尊重され受け入れられると同時に、その多様な個人が有する意志(異見)を交わすことができる風土づくりが課題であると捉えています。従業員と人事担当役員が直接対話できる機会の設置や、個々の個性を生かし仕事に対するやりがいを育むよう、キャリアプラン構築のためのキャリア対話を全従業員が年1回以上実施しています。さらに従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方を推進するため、フレックスタイムや時間単位年休など、様々な制度を導入しています。
5) 企業理念への理解・共感を生む風土づくり
社会課題解決に貢献し、当社が社会と共に成長するためには、一人ひとりの従業員が企業理念と「生きがい」とを重ね合わせ、事業活動の根幹である企業理念への共感度を高めていくことが課題であると捉えています。個々の従業員が、企業理念・ビジョンの実践に貢献しているという実感を伴って働くことができる風土を醸成するため、サステナビリティ・IR社内説明会の開催や、社長自らが毎年各拠点を訪問し、従業員への講話や直接対話の機会を設けるといった取り組みを進めています。
6) 従業員の心身の健康推進
当社は、従業員の心身の健康を「健全な企業の成長を支える基盤」と考えており、その健康の維持・増進を目的に様々な施策を実施しています。具体的には、高ストレス者割合の低下、適正体重者(BMI(肥満度)指数が18.5以上25.0未満)70%以上、年次有給休暇取得率80%以上を目指し、定期健康診断の受診の推進、ストレスチェックの実施、全従業員対象の健康管理能力向上セミナーの実施などの取り組みを進めています。
また、レスポンシブル・ケアマネジメントシステムを通じて、労働災害の防止、労働者の健康増進、快適な職場環境の形成につとめ、各事業所の安全衛生レベルの向上を図っています。
これらを含む取り組みの結果、プレゼンティーイズムによる生産性損失低減や、「ホワイト500」等、健康経営に関する総合的、客観的認証取得を継続することを目指します。