2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

石油化学 クロル・アルカリ 機能商品 エンジニアリング その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
石油化学 298,815 23.0 9,716 10.2 3.3
クロル・アルカリ 390,062 30.0 1,915 2.0 0.5
機能商品 294,216 22.6 39,933 41.8 13.6
エンジニアリング 203,324 15.6 40,383 42.3 19.9
その他 114,621 8.8 3,583 3.8 3.1

3 【事業の内容】

 

当社グループは、当社、子会社95社及び関連会社16社で構成され、石油化学、クロル・アルカリ、機能商品、エンジニアリングを主な事業内容とし、さらに各事業に関連する物流、その他の事業活動を展開しております。

なお、当社グループの連結決算対象会社数は104社(連結子会社89社、持分法適用会社15社)であります。また、事業に係る位置づけ及び事業の種類別セグメントとの関連は次のとおりであります。

 

石油化学事業

☆当社は、エチレン・プロピレン等オレフィン製品、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び樹脂加工製品、機能性ポリマー等の製造・販売を行っております。

◇北越化成㈱はポリエチレンフィルム等の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しております。

 

クロル・アルカリ事業

☆当社は、苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、無機・有機化学品、セメント、ウレタン原料等の製造・販売を行っております。

◇大洋塩ビ㈱は塩化ビニル樹脂の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しております。

◇東北東ソー化学㈱はソーダ工業製品等の製造・販売を行っており、当社は同社から一部の製品を除き販売を委託されております。

◇太平化学製品㈱は硬質塩ビフィルム・シート、カラーチップ等の製造・販売を行っております。

◇プラス・テク㈱は塩ビコンパウンド及び各種プラスチック製品の製造・販売を行っております。

◇東曹(中国)投資有限公司は東曹(広州)化工有限公司他の中国関係会社への投資を行っております。

◇東曹(広州)化工有限公司は塩化ビニル樹脂の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しております。

 

◇フィリピン・レジンズ・インダストリーズ,Inc.は塩化ビニル樹脂の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しております。

◇PT.スタンダード・トーヨー・ポリマーは塩化ビニル樹脂の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しております。

◇東曹(瑞安)ポリウレタン有限公司はウレタン原料の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しております。

◇トーソー・ポリビン Co.は塩ビコンパウンドの製造・販売を行っております。

◇マブハイ・ビニル Co.はソーダ工業製品の製造・販売を行っており、当社は同社に製品の販売を行っております。

◇東曹(上海)ポリウレタン有限公司はポリウレタン原料の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しております。

◇ロンシール工業㈱はプラスチック製品の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しておりま
す。

 

 

機能商品事業

☆当社は無機・有機ファイン製品、計測・診断商品、電子材料(石英ガラス、スパッタリングターゲット)、機能材料等の製造・販売を行っております。

◇東ソー・エスジーエム㈱は石英ガラス素材、光学用石英ガラス及び石英チューブの製造を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給し、また同社から販売を委託されております。

◇東ソー日向㈱は電解二酸化マンガン、フェライト原料の製造を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給し、また同社から製品の販売を委託されております。

◇東ソー・スペシャリティマテリアル㈱はスパッタリングターゲットの製造を行っており、当社は同社から販売を委託されております。

◇東ソー・ファインケム㈱は触媒、有機電子材料、各種有機フッ素・臭素化合物等の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給、生産を委託し、また同社から原材料の一部を購入しております。

◇東ソー・クォーツ㈱は石英ガラス加工製品の製造・販売を行っており、当社は同社から製品の一部の販売を委託されております。

◇東ソー・シリカ㈱はホワイト・カーボン及び珪酸化合物の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給し、また同社から原材料の一部を購入しております。

◇トーソー・アメリカ,Inc.はトーソー・USA,Inc.他の北米地区関係会社への投資を行っております。

◇トーソー・ヨーロッパN.V.は臨床診断機器・試薬の販売を行っており、当社製品の販売先であります。

◇トーソー・ヘラス・シングル・メンバー S.A.は電解二酸化マンガンの製造・販売を行っております。

◇トーソー・SMD,Inc.はスパッタリングターゲットの製造・販売を行っており、当社は同社から製品を購入しております。

◇トーソー・クォーツ,Inc.は石英ガラス加工製品の製造・販売を行っております。

◇トーソー・クォーツCo.,Ltd.は石英ガラス加工製品の製造・販売を行っております。

◇トーソー・アドバンスド・マテリアルズSdn.Bhd.はハイシリカゼオライトの製造を行っており、当社は同社に生産を委託しております。

◇㈱マナック・ケミカル・パートナーズはマナック㈱他への投資を行っております。

◇デラミン B.V.はエチレンアミンの製造・販売を行っております。

 

エンジニアリング事業

◇オルガノ㈱は水処理装置、純水装置、イオン交換樹脂等の製造・販売を行っており、当社は同社に原材料の一部を供給しております。

◇東北電機鉄工㈱は主に各種プラント工事、電気工事の設計・製作・取付・施工を行っており、当社は同社に当社設備の工事の一部を発注しております。

 

その他事業

◇東ソー物流㈱は主に当社グループの製品・原材料の運送・荷役、保険代理の業務を行っており、当社は同社に製品・原材料等の運送・荷役を委託しております。

◇東ソー・ニッケミ㈱は石油化学製品、工業薬品等の販売を行っており、当社は同社に製品の販売を行い、また同社から原材料の一部を購入しております。

◇東邦アセチレン㈱は酸素、窒素、炭酸ガス等の製造・販売を行っており、当社は同社に製品の販売を行っております。

 

以上の企業集団について事業系統図を示すと次のとおりであります。

 

 


 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)財政状態の状況

(単位:億円)

科目

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減

資産の部

 

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

 

現金及び預金

1,415

1,796

381

 

 

売上債権及び契約資産

2,959

2,906

△53

 

 

棚卸資産

2,478

2,435

△44

 

 

その他流動資産

691

844

153

 

 

 

 

 

 

 

固定資産

 

 

 

 

 

有形・無形固定資産

4,317

4,383

66

 

 

投資有価証券

701

806

104

 

 

その他投資等

711

920

210

 

 

 

 

 

 

資産合計

13,273

14,090

817

負債の部

 

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

1,175

1,089

△87

 

 

有利子負債

1,858

2,351

493

 

 

その他負債

1,215

1,459

243

 

 

 

 

 

 

負債合計

4,249

4,898

649

純資産の部

 

 

 

 

株主資本

7,725

7,577

△148

 

非支配株主持分

753

873

120

 

その他

546

741

195

 

 

 

 

 

 

純資産合計

9,024

9,191

167

負債純資産合計

13,273

14,090

817

 

※有利子負債はリース債務を含んでおります。

 

総資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べ817億円増加し1兆4,090億円となりました。現金及び預金の増加は、銀行からの借入の増加等によるものです。

 負債は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ649億円増加し4,898億円となりました。有利子負債の増加は、運転資金調達のため、銀行から借入を行ったこと等によるものです。

 純資産は、配当金の支払い等がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、非支配株主持分、退職給付に係る調整累計額の増加等により、前連結会計年度末に比べ167億円増加し9,191億円となりました。

 

(2)経営成績の状況

 

 ① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

(単位:億円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

売上高

10,634

10,199

△435

 

営業利益

989

955

△34

 

経常利益

1,030

1,068

37

 

親会社株主に帰属する
当期純利益

580

416

△164

 

 

〈参考〉為替、海外製品市況

 

単位

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

為替レート

円/$

152.6

150.7

△1.9

円/EUR

163.9

174.6

10.8

国産ナフサ

円/KL

75,650

65,225

△10,425

ベンゼン

$/t

953

737

△216

PVC

$/t

745

637

△108

VCM

$/t

595

493

△102

液体苛性

$/t

479

430

△49

MDI(Monomeric)

$/t

1,930

1,754

△176

MDI(Polymeric)

$/t

1,893

1,637

△256

 

 

当連結会計年度の世界経済は、インフレの沈静化や安定した雇用・所得環境を背景に底堅く推移しましたが、米国の関税政策の影響などにより、先行き不透明な状況が続きました。米国では、AI関連投資や個人消費を中心に内需は堅調でしたが、追加関税によるコスト増や高金利の長期化への懸念が家計と企業マインドの重しとなりました。中国では、政府の景気刺激策が下支えしたものの、米中関係の不透明感や不動産市場の低迷もあり、成長は減速しました。欧州及び日本では、個人消費やサービス需要が堅調な一方、米国の関税政策や中国のデフレ輸出の影響を受け、製造業の業況は下押しされました。さらに足元では、中東情勢の悪化を受けたエネルギー価格の高騰が世界経済に大きな影響を及ぼしております。

このような情勢下、当社グループは、経営課題である「成長」と「脱炭素」の両立の実現に向けて、成長が期待できる製品の生産設備増強とエネルギー転換とCO2回収など、その取り組みを着実に進めております。

石油化学事業では、安定操業・安定供給を最優先課題として取り組み、ポリマー製品の差別化・高付加価値化を追求し、GHG排出量削減の技術開発に取り組みました。オレフィン製品においては、中国での新増設とデフレ輸出による海外市況の悪化を受け、従来よりも稼働率が低下しましたが、中京地区唯一となるナフサクラッカーを将来にわたって勝ち残るための事業基盤強化の取り組みを行っています。ポリマー製品においては、自動車や半導体、メディカル、食品向けなど幅広い需要があります。競争が激化する中、ポリエチレン製品では半導体生産に欠かせない高純度薬液容器向けの安定供給に注力するとともに、モノマテリアル包材、樹脂薄膜包材など環境課題解決に向けた開発に取り組んでいます。機能性ポリマー製品では、中長期的な市場の成長が想定されているクロロプレンゴムの生産能力増強を決定し、2030年春の商業運転開始を予定しております。

クロル・アルカリ事業では、中国の需要低迷がアジア全域に波及し市場が停滞しております。化学品(苛性ソーダや塩素、塩ビ関連等)の製品は、エネルギー多消費型産業であることから、再生可能エネルギーの利用や省エネルギーを進め、CO2排出量削減に取り組んでいます。その一環として南陽事業所においてバイオマス発電所を建設し、2026年5月から稼働を開始しました。ウレタン製品では、東南アジアでの需要が拡大しているジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、ベトナムにトーソー・ベトナム・ポリウレタン Co.,Ltdを設立し、粗MDIスプリッターの建設を進めております。また、需要の伸長が見込まれているヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)誘導品の生産能力増強投資を進めています。

機能商品事業では、成長分野かつ競争優位にある製品への能力増強投資を行うとともに、新規事業の育成を通じて収益基盤の拡充を図っています。有機化成品分野では、エチレンアミンにおいては、需給がタイトに推移すると見込まれるハイアミン中心の事業展開を進める中、能力増強を検討しています。臭素については、堅調な需要増加が見込まれるため、投資のタイミングを見極めながら、更なる能力増強を検討していきます。バイオサイエンスの分野では、南陽事業所で能力増強工事を進めていた分離精製剤製造設備は2026年5月に商業運転を開始しました。あわせてバイオ医薬品向け需要の拡大に対応するため、四日市事業所での分離精製剤製造設備新設を進めており、2027年春の商業運転開始を見込んでおります。また、連続クロマトグラフィーやプレパックカラムによるバイオ医薬品製造工程の革新的な技術開発にも注力しております。高機能材料分野では、半導体製造装置に使われる石英ガラスや半導体配線用の薄膜材料については、需要増に備え先行して能力増強を実施しており、半導体市場の在庫調整に時間を要したものの、今後の市場回復と需要拡大に合わせて現有能力を最大限活用できるよう新規顧客獲得や生産性の改善に取り組んでいます。

エンジニアリング事業では、電気自動車の需要低迷などにより車載向け半導体は需要の回復が遅れているものの、人工知能関連の最先端半導体は需要が拡大しており、半導体製造工場での水処理装置の需要は堅調に推移しています。エンジニアリング事業の中核であるオルガノ株式会社は、国内外で大型プロジェクトの受注・納入活動を進めるとともに、グローバルでのエンジニアの採用・育成などを通じた生産・納入キャパシティの拡充、デジタルを活用した業務効率化によるエンジニアリング体制の強化、事業戦略と連動した技術開発や知財戦略の推進、顧客接点の強化にむけた国内外拠点・ネットワークの再整備など、各種施策を進めております。

当社グループの連結業績につきましては、売上高は、ナフサ価格や主要製品の海外市況下落に伴い販売価格が下落したことなどから、1兆199億円と前連結会計年度に比べ435億円(4.1%)の減収となりました。営業利益は、エンジニアリング事業の売上拡大や、ナフサ・石炭等の原燃料価格下落の影響が販売価格下落の影響を上回ったことによる交易条件の改善がありましたが、在庫受払差の悪化や固定費の増加により、955億円と前連結会計年度に比べ34億円(3.4%)の減益となりました。為替相場の変動により為替差益を計上したことで営業外損益が改善し、経常利益は1,068億円と前連結会計年度に比べ37億円(3.6%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、米国でスパッタリングターゲットの製造・販売を行っている連結子会社トーソー・SMD, Inc. の固定資産に係る減損損失を計上したことにより、416億円と前連結会計年度に比べ164億円(28.3%)の減益となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

<売上高分析>                                        (単位:億円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

増減要因

 

 

 

数量差

価格差

 

石油化学事業

2,048

1,697

△350

 

△136

△214

 

クロル・アルカリ事業

3,734

3,460

△275

 

△15

△260

 

機能商品事業

2,705

2,729

24

 

43

△19

 

エンジニアリング事業

1,693

1,864

171

 

161

10

 

その他事業

454

449

△5

 

△4

0

 

合計

10,634

10,199

△435

 

49

△484

 

 

<営業利益分析>                                       (単位:億円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

増減要因

 

 

 

数量差

交易条件

固定費差他

 

石油化学事業

143

97

△46

 

△21

0

△24

 

クロル・アルカリ事業

95

19

△76

 

△24

9

△60

 

機能商品事業

386

399

13

 

21

29

△37

 

エンジニアリング事業

336

404

67

 

67

0

0

 

その他事業

29

36

7

 

7

0

0

 

合計

989

955

△34

 

49

38

△121

 

 

 石 油 化 学 事 業

 

エチレン及びプロピレンは、コンビナート内の需要減少により出荷が減少し、ナフサ価格の下落により販売価格が下落しました。キュメンは、需要減少により出荷が減少し、海外市況下落の影響を受けて販売価格が下落しました。
 ポリエチレン樹脂は、半導体分野向けHDPE樹脂やラミネート用LDPE樹脂の出荷が堅調に推移しましたが、太陽電池封止膜用EVA樹脂の需要減が大きく、全体としては出荷が減少しました。また、ナフサ価格の下落により、ポリエチレン樹脂の販売価格は下落しました。クロロプレンゴムは、需要回復の遅れなどにより出荷が減少しましたが、価格是正により販売価格は上昇しました。

 この結果、売上高は前連結会計年度に比べ350億円(17.1%)減少し1,697億円となり、営業利益は、クロロプレンゴムやキュメン等の出荷の減少、在庫受払差の悪化、固定費の増加により、前連結会計年度に比べ46億円(32.0%)減少し97億円となりました。

 

 ク ロ ル ・ ア ル カ リ 事 業

 

苛性ソーダは、南陽事業所の定期修繕規模の違いによる生産量の減少に伴い出荷が減少し、海外市況も下落しました。塩化ビニルモノマーは、南陽事業所の定期修繕規模の違いによる生産量の減少に伴い出荷が減少しました。塩化ビニル樹脂は、海外出荷が増加しました。また、海外市況の下落により塩ビ製品の海外向け販売価格は下落しました。
 セメントは、需要低調により出荷が減少しましたが、国内販売価格は上昇しました。
  MDIは、前連結会計年度並みの出荷となり、海外市況の下落及び為替の影響により販売価格は下落しました。HDI系硬化剤は、市況の低迷に伴い販売価格が下落しました。

 この結果、売上高は前連結会計年度に比べ275億円(7.4%)減少し3,460億円となり、営業利益は、塩化ビニルモノマーや苛性ソーダの出荷の減少、在庫受払差の悪化、固定費の増加により、前連結会計年度に比べ76億円(79.8%)減少し19億円となりました。

 

機 能 商 品 事 業

 

エチレンアミンは、前連結会計年度並みの出荷となり、海外市況の下落や為替の影響により販売価格は下落しました。
 計測関連商品は、米国で液体クロマトグラフィー用充填剤の出荷が増加しました。診断関連商品は、国内及び中国で体外診断用医薬品の出荷が減少しました。
  ハイシリカゼオライトは、北米向け石油化学用途や中国・インド向け自動車用途の出荷が増加しましたが、構成差により販売価格は下落しました。ジルコニアは、装飾用途や東アジア向け歯科用途の出荷が増加しました。石英ガラスは、海外において半導体用途の出荷が減少しましたが、液晶用途の設備事故の影響が解消したため全体としては出荷が増加しました。スパッタリングターゲットは、海外において出荷が増加しましたが、構成差や為替の影響により販売価格は下落しました。電解二酸化マンガンは、欧州地域での出荷が増加しましたが、アジア地域での出荷が減少し、全体としては出荷が減少しました。

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ24億円(0.9%)増加し2,729億円となり、営業利益は、在庫受払差の悪化や固定費の増加があるものの、ハイシリカゼオライトやジルコニアの出荷の増加、臭素市況の上昇や原燃料価格の下落による交易条件の改善により、前連結会計年度に比べ13億円(3.4%)増加し399億円となりました。

 

エ ン ジ ニ ア リ ン グ 事 業

 

 水処理エンジニアリング事業は、日本や台湾、米国において半導体関連のプラント案件が順調に進捗したことに加えて、設備保有型サービスや各種のメンテナンスなどソリューション案件も好調に推移したことから、売上高が増加しました。

 建設子会社の売上高は増加しました。

 この結果、売上高は前連結会計年度に比べ171億円(10.1%)増加し1,864億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ67億円(20.1%)増加し404億円となりました。

 

 そ の 他 事 業

 

 運送・倉庫、検査・分析、情報処理等その他事業会社の売上高は減少しました。

 この結果、売上高は前連結会計年度に比べ5億円(1.0%)減少し449億円となりましたが、営業利益は前連結会計年度に比べ7億円(24.1%)増加し36億円となりました。

 

 

 

② 目標とする経営指標の達成状況等

 

 目標とする経営指標の達成状況等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 ③ 生産、受注及び販売の状況

(1) 生産実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

石油化学事業

196,332

83.6

クロル・アルカリ事業

353,189

92.3

機能商品事業

236,274

104.4

エンジニアリング事業

182,051

115.7

その他事業

-

-

合計

967,848

96.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 原則として、生産金額は、生産総量から自家使用量を差引いた販売向け生産量に、当連結会計年度中の平均販売単価を乗じて算出しております。

 

(2) 受注実績

主として見込み生産であります。

 

(3) 販売実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

石油化学事業

169,740

82.9

クロル・アルカリ事業

345,967

92.6

機能商品事業

272,858

100.9

エンジニアリング事業

186,412

110.1

その他事業

44,938

99.0

合計

1,019,917

95.9

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 

①当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況

(単位:億円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

営業キャッシュ・フロー

税引前当期純利益

1,014

893

△121

減価償却費

475

481

6

法人税等

△320

△221

100

その他

△107

△8

99

計

1,062

1,146

83

投資キャッシュ・フロー

△816

△721

94

フリー・キャッシュ・フロー

247

424

178

財務キャッシュ・フロー

借入金

△25

524

549

配当金

△302

△317

△15

その他

△53

△305

△252

計

△379

△97

282

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現金及び現金同等物に係る換算差額

31

50

19

 

現金及び現金同等物(期首)

1,490

1,388

△101

 

増減

△101

377

478

 

現金及び現金同等物(期末)

1,388

1,766

377

 

 

現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ377億円増加し、1,766億円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,146億円の収入となりました。税金等調整前当期純利益が減少したものの、法人税等の支払額の減少等により、前連結会計年度に比べ83億円収入が増加いたしました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、721億円の支出となりました。設備投資による支出の減少等により、前連結会計年度に比べ94億円支出が減少いたしました。

 この結果、フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ、178億円収入が増加し、424億円の収入となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、97億円の支出となりました。自己株式の取得があったものの、短期借入金、長期借入金の増加により、前連結会計年度に比べ282億円支出が減少いたしました。

 なお、当連結会計年度の設備投資の資金調達は主に自己資金及び借入金により賄っております。

 

②資金の主要な使途を含む資金需要の動向

事業から創出される営業キャッシュ・フローを主な財源とし、設備投資、M&A等の戦略投資、更には株主への還元等に資金を配分してまいります。

2027年度を最終年度とする中期経営計画においては、3ヶ年累計で2,200~2,500 億円の設備投資を計画しており、チェーン事業の収益基盤強化に重点的に配分する予定です。また、株主還元は総還元性向50%を基本とし、追加的株主還元として3ヶ年で500億円の自己株式取得を実施してまいります。

なお、当連結会計年度末現在における今後1年間の資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。

 

 

③フリー・キャッシュ・フロー

当社は、フリー・キャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しております。当社はこの指標を戦略的投資又は負債返済に充当可能な資金の純額、あるいは、資金調達にあたって外部借入への依存度合を測る目的から、投資家に有用な指標と考えており、次の図のとおりフリー・キャッシュ・フローを算出しております。

 


 

④財務の方針及び資金調達の状況

当社は、事業の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金と金融機関からの外部借入を活用しております。今後大型の設備投資やM&Aが発生する場合には、資金調達の多様化や資本効率の向上を踏まえ負債の活用を進めてまいりますが、タイムリーな資金調達が実行できるよう強固な財務基盤の維持に努めてまいります。

また当社は、資金需要に対する機動的な対応と金融情勢変化やチェーン事業における原料や製品の市況変動の影響による財務の悪化に備え、一定程度の現預金の保有は必要と考えております。なお、中東情勢悪化による原料価格の高騰や生産制限など不測の事態に備えるため、銀行借入を実行し十分な手元流動性を確保しております。

2025年度末時点で当社の自己資本比率は59.0%、有利子負債は2,351億円、現金及び預金は1,796億円、ネットDEレシオは0.07、信用格付けは「AA-」となっております。


※有利子負債はリース債務を含んでおります。

 

⑤株主還元の方針

株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。


(参考)

 

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

2025年

1株当たり

配当額(円)

48

56

56

56

60

80

80

85

100

100

配当性向(%)

20.6%

20.5%

23.3%

32.7%

30.3%

23.6%

50.6%

47.2%

54.9%

75.5%

 

(注)1株当たり配当金は、併合後(2→1株)の金額に置換え

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4 会計方針に関する事項」に記載しております。

 「第2 事業の状況  3 事業等のリスク」に記載している在庫評価の影響、固定資産の減損、有価証券の評価、繰延税金資産の取崩し、退職給付関係、工事契約に係る一定期間にわたり収益を認識する取引の収益計上に関して、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行っている対象となっているものであります。

当社は、本社に製品・サービス別の事業セクターを置き、各事業セクターは取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

従って、当社は事業セクターを基礎とした製品・サービス別セグメントから構成されており、「石油化学」、「クロル・アルカリ」、「機能商品」、「エンジニアリング」の4つの報告セグメントとしております。

「石油化学」は、エチレン・プロピレン等オレフィン製品、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び樹脂加工製品、機能性ポリマー等の製造販売をしております。「クロル・アルカリ」は、苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、無機・有機化学品、セメント、ウレタン原料等の製造販売をしております。「機能商品」は、無機・有機ファイン製品、計測・診断商品、電子材料(石英ガラス、スパッタリングターゲット)、機能材料等の製造販売をしております。「エンジニアリング」は水処理装置の製造販売及び建設・修繕等の事業を行っております。

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいております。

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

計

調整額

連結財
務諸表
計上額

石油化学

クロル・

アルカリ

機能商品

エンジニ

アリング

売 上 高

 

 

 

 

 

 

 

 

(1)外部顧客に対する
売上高

204,754

373,439

270,460

169,322

45,405

1,063,382

-

1,063,382

(2)セグメント間の内部
売上高又は振替高

149,694

47,102

22,519

17,653

66,483

303,453

△303,453

-

計

354,449

420,542

292,979

186,976

111,888

1,366,836

△303,453

1,063,382

セグメント利益

14,280

9,469

38,628

33,638

2,888

98,906

-

98,906

セグメント資産

180,761

352,459

381,865

210,776

55,822

1,181,685

145,612

1,327,298

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

6,513

12,449

19,546

2,053

3,279

43,842

1,843

45,686

のれんの償却額

-

-

142

-

-

142

-

142

持分法適用会社への
投資額

1,085

11,733

9,417

3,458

1,940

27,636

-

27,636

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

12,682

35,141

22,290

3,390

1,943

75,449

5,732

81,181

 

(注)1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、運送・倉庫、検査・分析、情報処理事業等を含んでおります。

2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。

3 セグメント資産の調整額145,612百万円には、セグメント間の債権及び資産の消去△35,933百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産181,546百万円が含まれております。全社資産は、親会社での余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等であります。

4 減価償却費の調整額1,843百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社資産の減価償却費であります。

5 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額5,732百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社資産にかかる資本的支出であります。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

計

調整額

連結財
務諸表
計上額

石油化学

クロル・

アルカリ

機能商品

エンジニ

アリング

売 上 高

 

 

 

 

 

 

 

 

(1)外部顧客に対する
売上高

169,740

345,967

272,858

186,412

44,938

1,019,917

-

1,019,917

(2)セグメント間の内部
売上高又は振替高

129,074

44,094

21,358

16,912

69,682

281,122

△281,122

-

計

298,815

390,062

294,216

203,324

114,621

1,301,040

△281,122

1,019,917

セグメント利益

9,716

1,915

39,933

40,383

3,583

95,532

-

95,532

セグメント資産

164,182

372,943

375,853

244,308

57,264

1,214,552

194,398

1,408,950

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

6,427

13,434

18,839

2,083

3,238

44,023

2,157

46,180

のれんの償却額

-

-

140

-

-

140

-

140

持分法適用会社への
投資額

1,117

12,114

9,279

3,840

2,038

28,391

-

28,391

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

6,501

28,062

21,816

3,652

3,137

63,172

9,502

72,675

 

(注)1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、運送・倉庫、検査・分析、情報処理事業等を含んでおります。

2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。

3 セグメント資産の調整額194,398百万円には、セグメント間の債権及び資産の消去△36,843百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産231,241百万円が含まれております。全社資産は、親会社での余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等であります。

4 減価償却費の調整額2,157百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社資産の減価償却費であります。

5 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額9,502百万円は、主に各報告セグメントに配分していない全社資産にかかる資本的支出であります。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

(単位:百万円)

日本

アジア

その他地域

計

中国

その他

521,456

153,777

236,076

152,071

1,063,382

 

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2) 有形固定資産

(単位:百万円)

日本

その他地域

計

340,604

76,734

417,338

 

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

(単位:百万円)

日本

アジア

その他地域

計

中国

その他

506,333

129,187

234,290

150,106

1,019,917

 

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2) 有形固定資産

(単位:百万円)

日本

その他地域

計

363,339

60,416

423,755

 

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

計

全社・
消去

連結財
務諸表
計上額

石油化学

クロル・アルカリ

機能商品

エンジニアリング

減損損失

20

295

1,272

-

-

1,589

-

1,589

 

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

計

全社・
消去

連結財
務諸表
計上額

石油化学

クロル・アルカリ

機能商品

エンジニアリング

減損損失

22

110

19,439

-

-

19,572

-

19,572

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

計

全社・
消去

連結財
務諸表
計上額

石油化学

クロル・アルカリ

機能商品

エンジニアリング

のれん未償却残高

-

-

1,001

-

-

1,001

-

1,001

 

(注)のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

計

全社・
消去

連結財
務諸表
計上額

石油化学

クロル・アルカリ

機能商品

エンジニアリング

のれん未償却残高

-

-

844

-

-

844

-

844

 

(注)のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

該当事項はありません。