人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,520名(単体) 5,734名(連結)
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平均年齢41.3歳(単体)
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平均勤続年数16.9年(単体)
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平均年収6,826,985円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注)1 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数(パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。
(2)提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注)1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時
従業員数(パートタイマーを含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しておりま
す。
2 平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。
3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。
(3)労働組合の状況
当社の労働組合はトクヤマ労働組合と称し、日本化学エネルギー産業労働組合連合会(JEC連合)に加盟し、会社と円満な労使関係を持続しております。
なお、2024年3月31日現在の組合員数は1,862人です。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率等及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき算出しております。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。
3 以下の前提に基づき男性の賃金に対する女性の賃金の割合を算出しております。
対象期間:2023年度(2023年4月~2024年3月)
賃金:賞与及び基準外賃金を含んでおります。
有期雇用従業員:パート社員及び有期契約社員を含み、派遣社員を除いております。
4 労働者の男女の賃金の差異について、賃金体系及び制度上に、男女間の差異はありません。管理職比率等の人材ポートフォリオ及び、交替手当や家族手当等、一部手当の支給実績において男女間の偏りがあり、それに伴う賃金差が生じております。
5 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異は、当社から社外への出向者を含み、社外から当社への出向者を除いて集計しております。
② 連結子会社
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号) の規定による公表を行っていない連結子会社および、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではない連結子会社については、記載を省略しています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき算出しております。
3 以下の前提に基づき男性の賃金に対する女性の賃金の割合を算出しております。
対象期間:2023年度(2023年4月~2024年3月)
賃金:賞与及び基準外賃金を含んでおります。
有期雇用従業員:パート社員及び有期契約社員を含み、派遣社員を除いております。
4 労働者の男女の賃金の差異について、賃金体系及び制度上に、男女間の差異はありません。管理職比率や年代別人員構成割合等の人材ポートフォリオ及び、交替手当や家族手当等、一部手当の支給実績において男女間の偏りがあり、それに伴う賃金差が生じております。
5 管理職に占める女性労働者の割合、労働者の男女の賃金の差異は、社外への出向者を含み、社外からの出向者を除いて集計しております。
③ 提出会社及び連結子会社
(注)1 「-」は海外連結子会社の男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異の集計を実施していないため、記載を省略していることを示しております。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。
3 労働者の男女の賃金の差異について、賃金体系及び制度上に、男女間の差異はありません。管理職比率、年代別男女構成比等の人材ポートフォリオ及び、交替手当や家族手当等、一部手当の支給実績において男女間の偏りがあり、それに伴う賃金差が生じております。
4 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異は、社外への出向者を含み、社外からの出向者を除いて集計しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に対する記載事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
(1)サステナビリティに関する考え方
「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」という存在意義、ありたい姿、価値観から成る「トクヤマのビジョン」のもと、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指す8項目の「トクヤマグループ サステナビリティ基本原則」を2023年4月に制定しています。当ビジョン及び基本原則に則り、当社グループは事業活動に起因する環境負荷を最小化しながら、社会課題の解決に資する製品の供給を通じて、環境と調和した新しい価値を創造していきます。
① ガバナンス(サステナビリティ・ガバナンス)
サステナビリティに関する方針と目標を決定し、活動を円滑に進めるため、社長執行役員が議長となり、全執行役員が委員であり、かつ社外取締役を含む監査等委員も出席可能なCSR推進会議(開催頻度:原則1回/年)が設置されています。本会議では、適切なコーポレート・ガバナンスの推進及びサステナビリティ課題に関するリスクと機会を含む重要事項を議論しています。本会議で決定した内容は取締役会に報告を行い、当社戦略へと反映させると同時に、取締役会からは監督を受けています。
また、CSR推進会議の中に、CSR担当取締役を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会(開催頻度:原則2回/年)を設置し、本委員会を中心に内部統制の中核かつ両輪と位置付けているリスクマネジメントとコンプライアンスの推進を図っています。併せて、特に専門性・重要性の高い分野については、リスク・コンプライアンス委員会から分離させた専門委員会(委員長:各担当取締役)を設置しています。
下図はサステナビリティに関する会議体の全体像を示しており、2023年度の開催回数を()内に記しています。
② 戦略
サステナビリティを巡る課題を重要な経営課題であると認識し、中期経営計画2025の重点課題の一つとして「CSR経営の推進」を掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、取り組みを強化しています。
その土台となる姿勢・考え方として掲げた「トクヤマグループ サステナビリティ基本原則」及び「トクヤマグループ行動憲章」に基づき、方針類の体系を下図のように整備し、マテリアリティ(CSRの重要課題)への取り組みを進めています。
2023年度は、当社のコーポレート・ガバナンスに対する思想を明文化し、取締役の役割と責務を明確にするために、「コーポレートガバナンス・ポリシー」を策定し、2024年4月1日に制定しました。これにより、サステナビリティを含む経営課題への取り組みをガバナンス面から促進するとともに、取締役の職務執行の実効性をより高める体制を築いています。
③ リスク管理
当社グループでは、企業価値毀損に繋がる、事業の持続性に影響を及ぼす、組織目標の達成を阻害する事象・要因のうち、組織横断的な対応が必要となるものを企業経営に係るリスクととらえ、確実に対応するためのマネジメントシステムを構築しています。
下図に、リスクの特定プロセスを示します。CSR担当取締役が委員長となり、各部門を統括する執行役員が委員であり、かつ社外取締役を含む監査等委員も出席可能なリスク・コンプライアンス委員会では、出席者全員の議論のもとトップダウンでのリスク対応の優先順位づけなど、全社的リスクマネジメントを定期的に実施しています。
具体的には、社会情勢のモニタリングや各専門委員会との連携を通じ、新たに発現したり影響の度合いが変化したりした事象・要因を抽出します。それらを影響度(損失金額、マーケットシェアの減少、影響規模など)や発生頻度・蓋然性、脆弱性の観点で定量・定性の両面からリスクの度合いを下図のように可視化・マッピングし、リスクとして識別し優先順位づけをするとともに、対応する専門委員会の決定を行っています。
2023年度のリスク・コンプライアンス委員会では、当社グループの喫緊の重要リスクである「脱炭素社会への対応リスク」に対し、当該リスクに包含される小分類リスクの再定義を行いました。また、世の中の潮流や社会課題から新たに対応すべきリスクの追加を行いました(「重大な環境リスク」に水リスク、生物多様性の追加など)。
各担当取締役が委員長となる専門委員会では、管掌するリスクの対応方針(低減、回避、移転、保有)を検討・決定します。決定した方針に基づき、リスクへの施策を立案・実行し定期的なレビューを行うなど、マネジメントシステムに沿った実行管理をしています。
なお、それぞれのリスクの詳細及び対応については、次項の「3 事業等のリスク」で記載します。
また、リスクだけでなくサステナビリティに係る機会を的確に捉え、企業価値向上に繋げていくため、8つの専門委員会のひとつであるサステナビリティ委員会では、積極的にサステナビリティ課題に向き合い、取り組み事項についての開示を行っています。2023年度は、人権対応の一環として、全事業活動にかかわる人権への負の影響をリストアップの上、マッピングに落とし込み、優先順位の高い「サプライチェーンにおける人権デュー・ディリジェンス」と「救済へのメカニズム構築」に取り組みました。具体的には、取引先に対し、自己評価アンケート(SAQ)や対話による関係構築といったエンゲージメントを実施するとともに、海外グループ会社向けにグローバル内部通報体制を構築しました。併せて、気候変動に係る情報開示では、TCFDレポートの開示内容の拡充と当社グループ全体でのScope3の目標設定に取り組みました(「(2)気候変動への対応」に詳細を記載)。
④ 指標と目標
当社グループは、各種サステナビリティ課題でもあり、当社グループの成長の土台となるマテリアリティへの取り組みを強化することで、社会との信頼関係をより強固なものとすることを目指しています。
各マテリアリティには指標(KPI)と目標などが設定され、それぞれの進捗状況については、サステナビリティに関する方針と目標を決定し活動を推進していくCSR推進会議において定期的にモニタリングされ、取り組みの調整・強化などを図っています。
[マテリアリティ及び指標]
(2)気候変動への対応
当社グループは、TCFD提言に賛同し、TCFDのフレームワークに基づいて気候変動に対する検討を重ねています。
① ガバナンス
当社グループでは、気候変動を最も大きな経営リスクの一つに位置づけており、中期経営計画2025では「地球温暖化防止への貢献」を重点課題の一つとして掲げています。
2021年2月にはTCFD提言への賛同を表明し、同年4月には社長直轄組織として「カーボンニュートラル戦略室」を設置、その後2023年4月からは、取り組みが構想段階から実践フェーズへ移行したことに伴い、独立した部門相当となる「カーボンニュートラル戦略本部」に格上げし、その取り組みを加速させています。
a)取締役会の監督
気候変動に係る事項(気候変動に取り組む会社方針や、それらに対応するための中長期戦略の策定や投資案件の選定など)は随時経営会議での審議を経て決議され、取締役会に報告を行い、取締役会からは監督を受けています。また、その中でも特に重要性が高い案件については経営会議での審議を経て取締役会で決議されます。
b)経営陣の役割
当社グループの気候変動に対する責任者は社長執行役員です。環境監査の全体統括や省エネ活動等は環境対策委員会で報告され、気候変動に関する組織横断的な課題についてはサステナビリティ委員会で検討しています。これら専門委員会での検討事項はCSR推進会議にて報告・議論され、決定した内容は必要に応じて取締役会に報告を行い、当社戦略へと反映すると同時に取締役会からは監督を受けています。更に、全執行役員や社外取締役を対象とした気候変動に対する勉強会も2023年度は3回実施し、気候変動に係る最新動向や法制度を確認し、速やかに対応していく準備も行っています。
② 戦略
中期経営計画2025には、インターナルカーボンプライシングの導入による炭素コストの見える化による影響、顧客の調達方針の変更による影響、金融・投資会社の方針変更による資金調達への影響といった「リスク」と、環境領域での新たな「事業機会」を織り込んでいます。また、IEA(国際エネルギー機関)作成のNZE等の移行リスクシナリオ、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5やSSP-7.0等の物理リスクシナリオを参照し、現時点から2050年までの時間軸で、1.5℃シナリオと4℃シナリオ分析を実施しました。これに基づき中期経営計画2025では、エネルギー多消費型から価値創造型企業への事業ポートフォリオ転換によって、気候変動のリスクを低減しつつ有望な事業機会の収益化を目指しています。
a)短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会 及び c)組織戦略のレジリエンス
2021年度より気候変動による当社グループのリスクと機会の分析を行っています。2022年度は、それらリスクや機会が当社に及ぼす財務への影響度、発生時期、事業への影響度、優先順位を評価しました。2023年度は、その評価結果を基に具体的な対策の検討を進めました。
リスク分析とそれに基づく具体的な対策を定期的に見直すことにより、組織戦略のレジリエンスを高めています。
[気候変動によるリスク(シナリオ分析)]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
[気候変動による機会(シナリオ分析)]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
b)事業、戦略、財務計画に及ぼす影響
気候変動による機会の分析から、環境領域での新たな「事業機会」の検討についても、より内容を具体化すると共に、時間的範囲、財務への影響度、優先順位を評価しました。
[気候変動による事業機会の検討]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
③ リスク管理
a)リスクの特定と評価プロセス
当該項目の説明につきましては、前述の「(1)サステナビリティに関する考え方 ③ リスク管理」をご参照ください。
b)リスクマネジメントのプロセス
リスク・コンプライアンス委員会では「脱炭素社会への対応リスク」を最も大きなリスクと位置づけ、複数の専門委員会による対応を決定しました。環境に関する法規制は環境対策委員会、製造拠点における高潮などの物理リスクは保安対策委員会、気候変動に対するイニシアチブや外部開示に関するソフトロー対応はサステナビリティ委員会が受け持ち、連携して対応を進めています。
サステナビリティ委員会では、積極的にサステナビリティ課題に向き合い、取り組み事項についての開示を行っています。気候変動に係る情報開示では、TCFDレポートの開示内容の拡充と当社グループ全体でのScope3の目標設定に取り組みました。
気候変動に関連する個別の活動については、例えば徳山製造所においては製造所長を委員長とするエネルギー管理委員会を定期的に開催し、原単位改善を含む省エネルギー活動の計画を協議し進捗を確認しています。さらに、経営に関連する重要案件については、必要に応じ経営会議や取締役会に報告されます。
c)全社リスクへの統合(重要リスクの特定プロセス)
当社グループの中期経営計画2025では、社会の潮流が脱炭素へと加速する中、これまで強みとしてきたエネルギー多消費型事業を中心とした事業構造からの脱却が不可欠であると判断しました。
当社は徳山製造所のインテグレートされた高効率な生産プロセスが競争力の源泉であり、石炭火力発電所に依存したエネルギー多消費型事業が収益を牽引してまいりました。しかし産業構造の変化が加速し、循環型社会実現に向けての環境意識の向上や規制強化が進むことが想定され、これまでの延長線上にない事業の構築・成長によって収益力・競争力を確保していくことが必須であると考えています。
そのため、中期経営計画2025では、私たちの存在意義を「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」と定義し、重点課題の一つとして「地球温暖化防止への貢献」を挙げ、全社的な取り組みを進めています。
サステナビリティ上の機会とリスクについては、前述のとおりCSR推進会議を頂点とする体制で取り組みますが、投資判断など経営に関連する重要な意思決定を伴うものについては、必要に応じ経営会議や取締役会に報告されます。
④ 指標と目標
当社グループは、短期を2025年度(中期経営計画2025の設定年度)、中期を2030年度、長期を2050年度ととらえ、指標と目標を定めて管理しています。
a)気候関連の指標
当社グループはこれまで、GHG排出量及び原単位、エネルギー消費原単位を管理してきましたが、中期経営計画2025ではGHG排出量(Scope1、2)を単体及び連結生産子会社において測定・管理指標に定め、下図のとおり2030年度には2019年度比で30%の削減、2050年度にはカーボンニュートラルを達成することを目標に定めました。
また、全執行役員の役員報酬算定時に、当社が定めたマテリアリティのうち関連するものを指標として組み込み、貢献度による評価を行っています。これにより、具体的な役割や責任などを一定の要素として勘案しています。
当社グループは、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルに挑戦するため、新たにScope3についても、排出量削減目標を設定しました。
当社グループのScope3は、カテゴリー1、3、4が全体の90%以上を占めるので、この三つのカテゴリーの総量に対し、2030年度までに10%削減(2022年度比)を目指します。目標達成に向けて、サプライチェーンエンゲージメント活動の強化を図ります。
その他、気候変動に関連する重要な目標は下記のとおりです。
・SBT(Science Based Target)認証を目指し検討を開始
2023年3月に認定機関へコミットメントレターを提出、2年後の次期中期経営計画の策定では、SBTに沿った目標に更新すべく、検討を開始しました。
・エネルギーに関する目標
当社グループは、2030年度に燃料起源GHG排出量のうち、自家発電由来のGHG排出量を2019年度比で50%削減する努力目標を設定しており、自家発電における非化石燃料(バイオマス、アンモニア)への転換を行う計画にしています。バイオマスは2023年度から段階的に混焼率を上げていき、アンモニアは2028年度以降に導入する予定にしており、現在導入に向けての検討を実施しています(資源エネルギー庁『令和5年度石油供給構造高度化事業費補助金(次世代燃料安定供給のためのトランジション促進事業)』)。
この取り組みにより、2030年度における再生可能エネルギー(アンモニア燃焼含)の比率は30%を目指しています。
2023年度におけるグループ全体での再生可能エネルギーの比率は3.3%でした。
・GXリーグ
当社は、2022年度より経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を表明し、2023年度より本格稼働した「GXリーグ」に参画しました。GXリーグ参画にあたっては、GXリーグの定める基準に沿ってGHG排出量削減目標を定めることになっており、当社がGHGプロトコルに準拠して設けたGHG排出量削減目標とは別に、単体及び国内連結生産子会社のScope1、2について目標を定めました。
GXリーグのデータは、GHGプロトコルに準拠して設定したものとは基準年度や排出量の計算方法が異なりますが、元となるデータは共通のものであり、削減目標も整合を取っています。
・インターナルカーボンプライシング(ICP)の導入に関する指標(取り組み)
当社は、GHG排出量削減策を促進するため、2019年度に投資案件の評価基準にICPを導入しました。当初は欧州連合域内排出量取引制度(EU-ETS)取引価格を参考にして、3,700円/t-CO2に設定していましたが、GHG排出量削減の更なる取組強化のため、2022年度より10,000円/t-CO2に引き上げました。これにより短中期的に脱炭素に向けた活動を推進していきます。
b)Scope1、2、3のGHG排出量
下表は、GHG排出量(Scope1、2、3)の推移を表したものです。2023年度は、バイオマス混焼や積極的な省エネ活動により、GHG排出量(Scope1、2)は基準年度2019年度比で13%削減できました。
下表は、カテゴリー別の内訳を示したものです。
GHG排出量(Scope3)は基準年度2022年度比で5%削減できました。
下表はGHG排出量(GXリーグ)の推移を示したものです。2023年度は、基準年度2021年度比で11%削減できました。
c)目標及びその目標に対するパフォーマンス
当社グループは、燃料起源GHG排出量削減を目指すとともに、原料起源GHG排出量や革新的技術開発等によりカーボンニュートラルを目指しています。下図は、2030年度、2050年度に向けた削減の内訳と多方面に渡るアプローチを表しています。
GHG排出量削減を着実に進めることが企業としての責任である一方で、製品が世の中で使われることによるGHG排出量削減も重要な役割であると認識しています。今後、更なる革新的技術開発を行っていくことで、世界のカーボンニュートラル達成に貢献していきます。
(3)人的資本の拡充
当社グループは、人材を企業の持続的成長に不可欠な最重要の「経営資本」と捉えています。その視点から、2019年にトクヤマグループのビジョンを実現する人材に期待するあるべき姿や成長の方向性を「人事ポリシー」として具体的に定め、ビジョンで掲げた4つの価値観を体現する人材を育成し、多様で生産性が高い人的資本を形成する事を目指しています。
① ガバナンス
当社では人的資本・人事に関する会議体を定期的に開催し、人的資本における重要な施策や戦略の実行、人材計画や人材の配置について決定しております。また、従業員に関する人事施策や人事異動の実施に関しては、予め労使間での協議を行った上で、十分な従業員の理解を得ながら進めています。
監督機能である取締役会においては、重要な人的資本に関する施策や戦略に関して経営視点での議論に参加し方向付けを行うとともに、策定された戦略を決議し、その進捗を定期的にモニタリングし、課題を継続的に議論することで当社グループの人的資本経営が適正に行われていることを監督しています。
なお、役員の人事及び報酬に関しては、委員の過半数を社外取締役で構成する指名・報酬委員会において、後継者計画の策定および役員候補者の選出・評価、役員報酬制度、基本報酬・賞与の個別支給額などを審議し、取締役会に適切な答申又は提言を行っています。
[人事に関する報告・決定プロセス・モニタリングの仕組み]
② 戦略
■人材戦略の位置付け
当社グループでは中期経営計画2025に定める経営戦略を実現するために、2024年度から実行すべき人材戦略を新たに策定しました。これは重要な経営課題である事業ポートフォリオ転換等を見据えた上で、経営計画を実現するために必要な人的資本と現状とのギャップを経営戦略、労働市場、ESG投資の3つの視点から特定し、それを埋める活動の軸となる考え方を人事ポリシーの理念を踏まえつつ戦略として策定したものです。「経営戦略の実現に寄与しつつ、従業員の価値向上を実現する人材戦略」というメッセージを掲げ、経営戦略の実現や当社グループの企業価値向上につながるストーリーを具体的に示し、働き方のニーズに応じた多様で生産性が高い人的資本を形成することを目的としています。
■人材戦略の取り組み
a)経営戦略の視点
中期経営計画2025の実現を図り、またその延長線上にある当社グループの経営環境を推定すると、電子・健康・環境の成長事業においてグローバルに活躍できる人材や、厳しい環境における事業やプロジェクトを運営できる人材、M&Aのマネジメントをできる人材が今後更に必要となります。現有の人的資本と将来想定される必要人材とのギャップを埋めるために、多角的な採用ルートと人材の育成を行う「会社の成長を推進する人材の採用と創出」に取り組んでいます。また2023年度に取締役会で決議した人材計画において、将来の事業計画に対する人材の質と量に関する人材ポートフォリオをシミュレートした結果、成長事業において化学系の技術者及び、グループ企業における人材不足が起こる可能性が具体的に特定されたため、「グループを横断した人事体制の構築」と「成長分野、新規PJへの人材の供与」にも合わせて取り組みを開始しています。
また、既存の事業においては競争環境が激しくなることが想定され、「業務の生産性向上」が喫緊の課題です。人事制度においても生産性向上のモチベーションを後押しする施策を導入して参ります。
b)労働市場/ESG投資の視点
一方、このような経営戦略の視点から見た人的資本に関する課題を解決し、サステナブルな企業成長に繋げていくためには、労働市場のニーズに合った人材体制を整えることも必要です。少子高齢化により労働力が減少した日本の労働市場から優秀な人材を確保し、当社グループの中で成長・活躍するための基盤整備は従業員エンゲージメント向上と多様性確保への取り組みであると捉えており、これらの課題に積極的に取り組むことで、投資市場からも昨今において注目度が高い企業成長を支える優秀な人的資本の安定的な確保を実現します。
2023年度に実施したエンゲージメント調査では全従業員の94.7%が設問に回答し、回答結果からエンゲージメントに関わる課題を明らかにしました。今後は、その結果を踏まえて「エンゲージメント向上」への対策を継続的に進めて参ります。また、当社グループのマテリアリティにも掲げている多様性への取り組みも、昨今の労働市場の強いニーズの一つである事は充分に認識しているところであり、「価値観の多様性に対応し公平性を確保する」取り組みを実施しています。
c)インフラ/効果測定
最近ではDXの発展に伴い人事関連業務においても、タレントマネジメントシステムなどを利用したデータ活用が盛んになっています。当社においては既にタレントマネジメントシステムを導入済みですが、2024年度から導入した管理職ジョブ型人事制度とのシナジーを追求し、各管理職ポストに必要なスキルや経験を見える化し、個々人が保有するスキルとマッチングさせることで、経営戦略実現に重要な管理職ポストに対する戦略的な人材配置と、適正な後継者計画を策定していきます。このような「人事関連データの見える化と活用」により科学的で戦略的な人材配置を実現するとともに、各戦略がしっかりと進捗していることを示す「KPI設定」を行う事で着実に人的資本経営を展開します。
■8つの戦略軸
当社グループの人材戦略においては、事業ポートフォリオ転換を可能にする高いパフォーマンスを発揮できる人材を採用、育成するとともに、一方で成長事業を支える伝統事業の労働生産性をしっかりと向上させ、確実にキャッシュを生み出すことを狙っています。また、変化し続ける経営環境や進化するグループ経営に対応するために、多才なタレントが活躍できるような多様性を重んじる制度、風土を形成することや、グループ全体を見渡した人的資本経営の実現を図る事も今回の人材戦略がターゲットとする重要な分野となります。「人材戦略の取り組み」の項で記載したそれぞれの内容は人材戦略において8つの戦略軸として定義されており、この戦略軸に従って各施策を遂行していきます。
③ リスク管理
人的資本に関するリスクは、その特定プロセスを「サステナビリティに関する考え方及び取組」内の「(1)サステナビリティに関する考え方 ③ リスク管理」に記載するとともに、「3 事業等のリスク」にも内容を記載していますが、人材戦略を作成する過程においても改めて抽出を行いました。
人的資本に関わるリスクについては、人材戦略を作成する過程において調査を行い、経営戦略を実現するために発生する可能性があるリスクを概念的に抽出しました。また、2023年度に行われた人材計画の策定において、人材ポートフォリオのあるべき姿と現状のギャップを定量的に評価しております。
当社グループにおけるリスクを概括的に記載すると、少子高齢化による労働力人口の減少や人材の流動化が進む中で、採用競争力が低下して計画通りの人材獲得が進まなくなること、社員の離職により組織の総合力が低下し、成長事業に必要な人材の投入が進まず事業ポートフォリオ転換が阻害されることが最大のリスクと考えています。
当社グループが認識するリスクについては、人材戦略の中に網羅的に摂取されており取締役会などで関連するKPIと合わせて取り組み状況の進捗を報告することにより適切に管理して参ります。
④ 指標及び目標
当社は人材戦略の戦略軸に応じてKPIを設定し、主要な施策について目標を明確にするとともに、その目標に対する進捗状況を管理しています。
[指標・目標・実績]
(注)1 単体
(注)2 単体及び国内連結子会社
(注)3 インセンティブ制度を2024年度中に設計予定
(注)4 2024年度から測定を開始する指標のため、実績値を記載しておりません。
(注)5 「NBL研修」:「Next Business Leader研修」
将来の会社の発展を担う経営人材や事業ポートフォリオ転換に必要なハイパフォーマーを育成する研修
制度
(注)6 障がい者の雇用については、法定雇用率の充足を目指し、バリアフリー化など職場環境の整備に努めて
います。加えて、2021年10月には障がい者雇用施設「ゆうゆうてらす」を開設し、2021年12月には、障
がい者の自立支援と地域社会への貢献に向けた農業法人「株式会社トクヤマゆうゆうファーム」を設立
するなど、新しい取り組みも始めています。
(注)7 当社グループは、従業員とその家族の心と体の健康づくりと働きやすい職場づくりを目指しています。
この考えに基づき、当社は2020年10月1日に「健康経営宣言」を表明し、その後2021年度から2023年度
まで健康経営優良法人ホワイト500に3年連続で認定されているとともに、経済産業省と東京証券取引所
が共同で選定する「健康経営銘柄」に2年連続で選定されました。また、健康経営の推進をグループ全
体に浸透すべく、2024年3月に「トクヤマグループ健康経営基本方針」を制定し、グループ会社への周
知を図っています。
■その他の取り組み
a)ワークライフバランス支援
当社グループでは、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方の実現を目指しています。例えば、当社ではフレックスタイム勤務や在宅勤務を導入しています。仕事と育児の両立支援制度では、短時間勤務、フレックスタイムの弾力運用、有給育児休暇、育児休業など、法定を超えた制度や当社独自の制度を整備しています。介護休業についても法定を超えた日数の取得が可能な制度となっています。また、育児・介護等によりやむなく退職した社員の復職を受け入れる退職者復職登録制度も整えています。
b)DXの推進
当社グループはDX推進を、事業ポートフォリオの転換という大きな変革の実現に向けたグループ全体で取り組む重要施策と位置づけ、トクヤマDXとして取り組んでいます。DX推進で得られたキャッシュや人材余力などの経営資源は今後、成長事業と定義した3つの領域に投入し、企業価値の向上を図っていきます。
2023年度は、2022年度に策定したDX教育計画に従い、全社員を対象としたリテラシー教育を開始し、1,400名が受講しました。また、役割ごとのスキル向上研修を段階的に進めていきます。