事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 5,075 | 100.0 | 1,004 | 100.0 | 19.8 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、「人と未来とデジタル技術を結ぶ真の価値を創造し、社会に貢献する」を経営理念に掲げ、不動産業界に対し、一気通貫のITソリューションとして複数のクラウドサービスを提供しております。これにより、顧客の生産性および収益性の向上に寄与しております。
中期ビジョンとして「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を掲げており、家賃保証会社や金融機関、修繕業者などの関連事業者を含む多くのパートナー企業と連携し、個別企業の支援にとどまらず、不動産業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する事業活動を展開しております。
当社の主な顧客は不動産管理会社(注1)および不動産仲介会社(注2)(以下、併せて「不動産会社」という。)であります。加えて、価値ある情報と情報技術の提供を通じて、不動産会社のみならず、その先にいる消費者の支援も事業領域として位置付けております。
(注1)不動産管理会社とは、不動産の貸主に代わり賃貸物件の管理・維持を行うことを主な役割とする会社であります。管理・維持のためには、集金管理、入居者管理、更新・解約・精算、建物管理等の業務を行います。
(注2)不動産仲介会社とは、家主と入居希望者の間に入り、不動産物件の仲介をすることを主な役割とする会社であります。不動産仲介会社は、家主や不動産管理会社からの依頼を受けて、空室の入居者を募集し、入居者を決め、賃貸借契約の締結等の業務を行います。不動産仲介業務を行うためには、宅地建物取引業の免許が必要であり、当免許を取得して不動産の取引業を営む業者を宅地建物取引業者(宅建業者)といいます。
当社は、不動産業界DX化促進に向けた業務支援クラウドサービスの提供を中心に事業を展開しております。提供するサービスは不動産仲介業務の支援となる「仲介ソリューション」と賃貸管理業務の支援となる「管理ソリューション」の2つに分類されます。
「仲介ソリューション」とは、物件情報の仕入れから、集客、申込み、重要事項説明(重説)、契約に至るまでの不動産仲介業務全体を支援するクラウドサービス群であり、顧客の業務効率化、収益性向上に貢献することを目的としております。
商品ラインナップとして、業務の入り口となる物件情報の仕入れ業務を支援するソリューションとして、業者間物件流通サービス「リアプロBB」を提供しております。また、同様のラインナップとして、「リアプロ」もございます。当社は、この2つのサービスで顧客基盤を拡大し、他有償サービスのクロスセルを実施しております。なお、2025年5月28日に「不動産BB(旧サービス)」と「リアプロ」の統合を実施し、新たに「リアプロBB」となりましたが、統合時に、システム障害やデータ欠損など複数の不具合が発生いたしました。そのため「リアプロ」については統合前の状態に切り戻しており、現在は「リアプロBB」と「リアプロ」2つのサービスが稼働している状況です。また、統合に関わる一連の事象による顧客への負担に対して、謝意として1ヶ月分(2025年6月分)のサービス利用料の請求を停止し、既に入金いただいている方には返金の対応を実施いたしました。
切り戻し以降は2つのサービスともに安定的に稼働しており、これまで同様、エリア別の顧客獲得を進めております。
その他の有償サービスとしましては、不動産ポータルサイトでの集客支援となる「物件データ連動」、自社ホームページ制作支援ツール「WebManagerPro」、非対面でオンライン上での入居申込み、重要事項説明、不動産契約に対応した「電子入居申込サービス」「IT重説」「電子契約サービス」があります。これらのサービス群を通じて、仲介業務における幅広いプロセスに対応することが可能となり、業務全体の最適化と顧客の業務効率・利便性の向上に貢献しております。
「管理ソリューション」とは、賃貸管理業務全体に対応するクラウド型の業務支援サービス群であり、「仲介ソリューション」と同様に、顧客の業務効率化および収益性向上に貢献することを目的としております。主な商品ラインナップとしては、賃貸管理業務を幅広く網羅した管理システムである「賃貸革命」を提供しております。「賃貸革命」は、契約情報、請求・入金の管理、オーナーへの送金業務など、煩雑な業務をシステム上で自動化、データ管理することにより、業務の大幅な効率化を実現します。その他の有償サービスとしましては、不動産会社の経営を支援する「経営分析オプション」、入居者とのコミュニケーションツールである「くらさぽコネクト 入居者アプリ」、家主(オーナー)とのコミュニケーションツールである「くらさぽコネクト オーナーアプリ」を提供しております。また、当社が持つ不動産データを活用したサービスとして、オーナー向けの提案レポートを自動生成する「オーナー提案AIロボⅡ」を提供しております。同サービスにはAI査定も搭載しており、より高度な提案活動を支援しております。
当社はこの「仲介ソリューション」「管理ソリューション」を提供することによって不動産会社に対して広範囲での業務効率化を実現し、不動産業界全体のDX化を推進しております。
当社の事業セグメント、サービス分類、主要な製品・サービスの体系を図示すると以下のとおりであります。
<当社の事業セグメント、サービス分類、主要な製品・サービスの体系>
販売経路は、直接販売(直販)、販売店経由があります。
(直販)
当社が顧客である不動産会社に対して直接販売し、当社と不動産会社の間でソリューションサービスの提供および保守サービス等の契約を締結します。
(販売店経由)
販売店とは、当社の製品を利用する不動産会社を紹介する者であり、当社と販売店契約を締結しております。販売店から不動産会社を紹介いただいた後、当社は販売店に対してソリューションサービスを提供し、販売店から対価を受領します。なお、保守サービス等については、当社と不動産会社の間で契約を締結します。
また、上記の販売店の他、保守サービスも当社の代理で不動産会社に提供する形態(代理店)も一部あります。
当社の不動産業務支援事業における特徴は以下のとおりです。
(1) 不動産業務支援サービスをワンストップで提供
当社は、不動産会社に対して、不動産会社が行う物件在庫管理、入居者募集業務、契約管理、家賃・入送金管理、入居者・建物保全管理等の業務を支援するサービスをワンストップで提供しております。
不動産業務支援サービスをワンストップで提供することにより、顧客ニーズに網羅的に対応できるのみならず、顧客にとっては、当社の製品・サービスを業務全体でご利用いただくことでデータの連携により商品間のシナジーが生まれ、更に利便性を高めることが可能となります。それにより、製品・サービスの解約率に関しても、安定した低い数値を維持することができております。
① 仲介ソリューション
a.業者間物件流通サービス
業者間物件流通サービスの主要な製品・サービスは「リアプロBB」および「リアプロ」であります。
「リアプロBB・リアプロ」
当サービスは、仲介を行う不動産会社の業務の中核(他社への共有、物件仕入れ)を担うサービスであり、これまで紙面・FAX・電話でのやりとりが主流であった物件情報の共有をインターネット上で行うことができ、24時間いつでも情報の更新・確認ができることから、双方が効率的に仲介を行える業者間物件流通のプラットフォームとなっております。当社はこの2つのサービスで日本全国の物件情報のデジタル化を図りつつ、事業成長に向けた顧客基盤拡大を推進しております。
※「リアプロ」は2022年にM&Aによってラインナップに追加となったサービスであります。
b.仲介業務支援サービス
仲介業務支援サービスは「リアプロBB」「リアプロ」によって業者間で共有されている物件情報を二次活用できるサービスであります。二次活用のサービスとしては、不動産会社の集客方法である自社ホームページを作成するためのシステム「WebManagerPro」とポータルサイト連携システム「物件データ連動」、賃貸借契約における電子取引を支援する「非対面仲介サービス」「電子入居申込サービス」「電子契約サービス」があります。
「WebManagerPro」
当サービスは、複数の標準テンプレートとCMS機能により、パーツを組み合わせていくことで不動産ホームページが作成できるレスポンシブ対応のホームページ制作ツールであります。掲載する物件情報は「リアプロBB」と連携することができ、掲載情報もリアルタイムに更新可能となっております。
※CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の頭文字をとった略称であり、専門知識が無くとも、Webサイトの作成・更新等が行えるシステムのことを言います。
「物件データ連動」
当サービスは、不動産ポータルサイトへの掲載を効率的に行えるシステムであります。不動産ポータルサイトへの掲載を希望する不動産会社は「リアプロBB」上で掲載したい物件を選択し、掲載の指示を行うことで掲載が可能となります。また、「物件データ連動」を利用することにより複数の不動産ポータルサイトへの一括掲載も可能となり、効率的に集客業務を行うことが可能であります。なお、掲載する場合、事前に不動産ポータルサイトとの事前契約が必要となります。
「非対面仲介サービス」、「電子入居申込サービス」
当サービスは、従来は対面で行うことが常識とされていた物件探しから入居申込み、重要事項説明までの一連の手続きをすべて非対面で実現可能とするソリューションです。具体的には、Web上で内見ができる「Web内見」、入居申込みに関するやり取りを非対面で行う「電子入居申込」、重要事項説明書の説明が非対面で対応できる「IT重説」を提供しております。これらのサービスを通じて、入居希望者と不動産会社との間に新たなコミュニケーションの在り方を提案しており、物件紹介から入居申込み、重要事項説明に至るまでの業務をすべてデジタル上で一元的に管理・運用することが可能となります。その結果、不動産会社の業務効率化と入居希望者の利便性向上の両立を実現しています。
「電子契約サービス」
当サービスは、これまで書面への押印が必要であった不動産契約をオンライン上で実現するサービスであります。2022年5月に施行された宅地建物取引業法改正により不動産契約における書面への押印義務が撤廃され、電子サインによる契約が正式に認められるようになりました。当社ではこの法改正に先立ち、2021年11月より「電子契約サービス」の提供を開始。これにより、顧客は従来の契約書ひな型をそのまま活用しながら、オンライン上での契約締結が可能となり、業務のデジタル化・ペーパーレス化による経費削減を実現することができます。
② 管理ソリューション
a.管理業務支援サービス
「賃貸革命」
当サービスは、不動産管理会社がオーナー(家主)に代わって実施する一連の業務を支援するサービスであります。具体的には、入居者との契約締結、家賃の入金管理、入金集計後のオーナー送金、契約更新や解約手続きなど、煩雑な業務を効率的かつ網羅的に支援する基幹業務システムであり、また、業務で頻繁に使用される200種類以上の帳票(書類)があらかじめ用意されており、導入後すぐに利用可能であります。業務で発生する契約情報や入金情報などは、すべてシステム内のデータベースに蓄積されていくため、契約更新時の情報参照や過去データの管理にも優れており、長期運用に適したシステムとなっております。
提供方法としては、オンプレミス版(注1)とクラウド版(注2)の2パターンがあり、顧客のニーズに応じて選択していただいております。クラウド版では、外出先や自宅からのアクセスにも対応しており、テレワークや在宅勤務といった多様な働き方に柔軟に対応できます。また、自社サーバーの設置やインストール作業が不要なため、導入コストの抑制やスピーディな運用開始にもつながります。
(注1)オンプレミス版とは、顧客ごとにサーバーを設置したうえで、顧客のパソコンに当社の管理業務支援サービスをインストールしていただき、顧客自身がサーバーやシステムを運用するものになります。
(注2)クラウド版とは、顧客のパソコンに当社の管理業務支援サービスをインストールせず、インターネット上に仮想サーバーを設置してサービスをネットワーク経由で提供するものになります。
「オーナー提案AIロボⅡ」
当サービスは、当社が持つ不動産ビッグデータとAIを駆使することで、賃貸住宅ごとに異なる高度な「満室戦略レポート」をWeb上で作成できる不動産管理会社の営業支援DXサービスです。空室に困るオーナーへの提案、信頼獲得により、不動産管理会社は管理戸数拡大につなげることが可能です。
b.消費者支援サービス
「くらさぽコネクト」
当サービスは、入居者アプリとオーナーアプリの2種類を提供しており、スマートフォンやタブレットなどの端末でご利用いただけるコミュニケーション支援アプリであります。
入居者アプリは、不動産会社と入居者との間のやり取りを非対面・リアルタイムで実現するコミュニケーションツールであります。具体的には、契約更新や物件メンテナンスのお知らせ、請求のご案内等を入居者に通知することが可能です。また、入居者からもチャット形式で問い合わせを行うことができ、手続きの簡略化に繋がります。
オーナーアプリは不動産会社と不動産オーナーとをつなぐコミュニケーションアプリであり、オーナーへの月次報告書の送付、年間収支報告、物件巡回の結果連絡、問い合わせ対応等、オーナーへの報告をオンライン上で行うことができるサービス内容となっております。
(2) 自社一貫体制による迅速かつ本質的な製品開発の推進
当社は、製品の企画、開発、販売、サポートに至るまでを一貫して自社内で実施する体制を整備しております。この一貫体制により、製品開発における社内連携が円滑に進むとともに、顧客からの改善要望に対しても、迅速かつ的確な対応が可能となっております。また、単に顧客のニーズを反映するのではなく、その背景や真の目的を把握した上で本質的な価値を見極め、製品開発に反映することを基本方針としております。これにより、当社は常に高付加価値なシステムを顧客に提供する体制を構築しております。
(3) 多様かつ複雑な不動産業務に対応する製品力の確立
当社の製品は、不動産業務支援の豊富なノウハウを集約しており、テクノロジーの進化や法改正に対応して継続的な改善・強化を行っております。顧客視点を重視した開発を推進し、顧客からの改善要望はバージョンアップに反映させることで、製品力の向上に努めております。これにより、全国の不動産会社で幅広く活用される、高い対応力を持つ製品として評価をいただいております。
(4) 営業による地域密着型コンサルティングおよびサポート体制
当社は、顧客満足度の向上を目的として、営業による地域密着型のコンサルティングおよびサポート体制を重視しております。営業活動においてはオンラインも活用しますが、最終的な提案は営業コンサルタントが現地訪問のうえ実施いたします。不動産業務は複雑であり、顧客と共に課題を整理し解決策を導き出すプロセスが重要であります。このプロセスを通じて顧客は最適なソリューションを獲得し、結果として満足度向上に寄与しております。また、当社は全国に拠点を展開し、地域特有の慣習や運用に即した適切なアドバイスを提供するとともに、緊急時には迅速な訪問サポートを可能としております。これにより、顧客の安心と満足の向上に繋げております。
■拠点一覧(日本情報クリエイト株式会社):2025年6月30日現在
(5) 専門知識を有する自社社員によるサポート体制
当社は、顧客が製品を最大限に活用できるよう、初期導入支援、コールセンターでの操作案内、及び現地のシステムアドバイザーによる定期的なフォローを実施しております。サポート体制は主に専門知識を有する自社社員で構成されており、業界動向や製品知識の継続的な更新に努めております。加えて、これまで蓄積した顧客からの問い合わせデータを活用し、よくある質問に対応するAIチャットボットを導入することで、迅速な対応とサポートスタッフの生産性向上を図っております。
(6) 低い解約率とストック型ビジネスによる安定した財務基盤
当社の不動産業務支援事業で提供する製品・サービスは、その利便性が高く評価され、継続的にご利用いただいており、2025年6月期末では解約率が0.4%に留まっております。また、2025年6月期における当社全体収益の約78%がストック型収益で構成されており、イニシャル収益を大きく上回っております。今後も安定した新規顧客の獲得を継続することで、当社の財務基盤はより一層の安定成長が期待されます。
(注)月次解約率の四半期平均を記載しております。
月次解約率:既存契約の月額課金額に占める、解約に伴い減少した月額課金額の割合
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
[事業系統図]
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復が期待される状況にあるものの、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっております。加えて、物価上昇の継続による消費者マインドの下振れなども我が国の景気を下押しするリスクとなっております。
当社がSaaS型クラウドサービスを提供する不動産DXの市場においては、不動産業界における慢性的な労働人口不足が続いており、生産性向上を目指したIT投資需要は引き続き高水準を維持しております。また、2022年5月のオンライン不動産取引解禁、AIを活用した空室対策、ビッグデータを用いたマーケティング精度の向上等、法改正・技術革新によって、業界全体のデジタル化が一層加速しております。
このような事業環境の下、当社グループは業界特化型の不動産DX推進事業者として、個社の経営課題や不動産業界全体の効率化に向けて、幅広いサービスラインナップで支援してまいりました。
当社グループの中長期での成長戦略は、安定的な収益基盤の構築を目指し、月額課金で構成されるストック売上の比率を高める方針としております。「賃貸革命」を中心とした管理ソリューションでの成長基盤を維持しつつ、仲介ソリューションのMRR(月次経常収益)の拡大を主要な成長ドライバーとしております。
※なお、期初に発表いたしました新中期経営計画(FY2025-FY2027)については、リアプロBBの再統合を進めるにあたり、将来予測に影響を与える要素が多く、精緻な業績見通しの提示が適切でないと判断いたしました。そのため、「2025年6月期 通期 決算説明資料」において、計画の最終年度となるFY2027の数値計画は公表しておりません。
管理ソリューションでは「賃貸革命」を中心に顧客の賃貸管理業務の効率化を支援しております。また、「入居者アプリ」や「オーナーアプリ」、「オーナー提案AIロボⅡ」を通じて、入居者やオーナーとの円滑なコミュニケーション、新規オーナー獲得を支援しております。導入時に計上されるライセンス料はイニシャル売上全体においても高い割合を占め、毎月の利用料やオプション利用料が月額課金収益として積み上がっております。新規販売のみならず、法改正やさらなる効率化を追求したバージョンアップ製品による売上も堅調であり、成長の基盤となっております。
仲介ソリューションでは集客から成約までの不動産仲介のサービスラインナップとなっており、ホームページや大手ポータルサイトでの集客、顧客管理(CRM)、オンラインでの不動産取引(電子入居申込・電子契約)等、集客数、成約率を高める支援を行っております。業者間物件流通サービス「リアプロBB」または同様のサービスである「リアプロ」によってデータ化された空室情報の活用や成約までの効率化を図っております。
なお、2025年5月28日に業者間物件流通サービス「リアプロ」と「不動産BB」のサービス統合を実施し、「リアプロBB」として一本化いたしましたが、統合後、システム障害や統合による不具合が多発したため、統合前に「リアプロ」をご利用のお客様に限り「リアプロ」への切り戻しを同年6月18日に実施いたしました。「不動産BB」を利用されていたお客様については影響が限定的でありましたので継続して「リアプロBB」をお使いいただいている状況です。また、お客様へご迷惑をおかけしたこの一連の事象を鑑みて「リアプロBB」「リアプロ」に関する2025年6月分(1ヶ月分)のサービス利用料を停止し、すでに入金済のお客様に対しては返金を実施しております。
サービスの再統合時期は未定ですが、お客様に最適な価値を提供できるよう引き続き、開発も進めてまいります。
※「リアプロ」は2022年にM&Aによってラインナップに追加となったサービスであります。
中期ビジョンとして掲げるプラットフォーム創造については、様々な企業との提携が進んでおります。当社プラットフォームの領域を拡大しつつパートナー企業とともに、より一層業界のDX化に貢献してまいります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、5,720,691千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、1,818,933千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、3,901,757千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は5,075,325千円(前連結会計年度比14.4%増)、営業利益は1,004,019千円(前連結会計年度比41.5%増)、経常利益は1,003,173千円(前連結会計年度比35.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は628,088千円(前連結会計年度比46.4%増)となりました。
なお、当社グループは不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、サービス分類別の売上高の状況は、次のとおりであります。
イニシャル:販売時に一括で売上計上するソフトウエアの導入費用・導入ライセンス
ランニング:保守・利用期間に渡って売上計上する、ライセンス料金・サービスの利用料
(仲介ソリューション)
仲介ソリューションにおいては、有償サービスとして提供する業者間物件流通サービス「リアプロ」を通じて物件情報のデジタル化と不動産事業者間のネットワーク上でのコミュニケーション構築を支援し、データ化された空室情報の2次活用として顧客の集客から不動産取引までの業務効率化を進めてまいりました。集客・不動産取引支援の具体的なサービスとしては自社ホームページ集客を支援する「WebManagerPro」や、不動産ポータルサイト集客を支援する「物件データ連動」、不動産契約の電子化を支援する「電子契約サービス」等、仲介業務の課題解決となるサービスの提案を積極的に行ってまいりました。仲介ソリューション全体を通して、有償で利用する顧客からの月額利用料が堅調に積み上がりました。
その結果、仲介ソリューションの売上高は1,987,892千円(前年同期比20.4%増)となりました。
(管理ソリューション)
管理ソリューションにおいては、売上のメインとなる「賃貸革命」の新規顧客への販売、既存顧客へのバージョンアップ、オプションサービスを積極的に提案してまいりました。また、解約率については継続して低位で安定していることから、月額利用料も堅調に積み上がりました。
その結果、管理ソリューションの売上高は3,033,567千円(前年同期比10.7%増)となりました。
※仲介ソリューション、管理ソリューションの合計売上高5,021,459千円の他に、その他売上高53,866千円があります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末と比較して208,605千円減少し、578,840千円(同比26.5%減)となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、811,131千円(前連結会計年度比26.6%増)となりました。
これは、主に税金等調整前当期純利益の増加997,484千円、法人税等の支払額388,831千円、減価償却費の増加による資金の増加170,489千円、売上債権の減少による資金の増加63,016千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、959,648千円(前連結会計年度比77.6%減)となりました。
これは、主に無形固定資産の取得による支出773,770千円、子会社株式取得による支出79,280千円、保険積立金の積立による支出66,844千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、60,296千円(前連結会計年度比77.5%増)となりました。
これは、配当金の支払いによる減少70,656千円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループは不動産業務支援事業の単一セグメントであります。
2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在(2025年6月30日)において当社が判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」をご参照ください。
2)経営成績
(売上高)
売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」をご参照ください。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度と比べて18,461千円増加し、1,548,146千円(前年同期比1.2%増)となりました。その主な内訳は、外注加工費が163,416千円増加したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて325,467千円増加し、2,523,160千円(前年同期比14.8%増)となりました。その主な内訳は、社内保守費が36,493千円増加および採用費が63,367千円増加したことによるものであります。
以上の結果、損益につきましては、営業利益は1,004,019千円(同41.5%増)、経常利益は1,003,173千円(同35.5%増)となりました。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は、前連結会計年度と比べて75,129千円増加し、369,395千円(同25.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は628,088千円(同46.4%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度と比べて10,542千円減少し、23,197千円(同31.2%減)となりました。その主な内訳は、為替差益が25,131千円減少したことによるものであります。営業外費用は、前連結会計年度と比べて21,058千円増加し、24,043千円(同705.6%増)となりました。その主な内訳は、為替差損が18,351千円増加したことによるものであります。
b.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高の対前年増加額および経常利益の対前年増加額を重要指標としており、当連結会計年度の売上高は5,075,325千円となり、前連結会計年度比14.4%増となりました。それはランニング積み上げによるものであります。また、当連結会計年度の経常利益は1,003,173千円となり、前連結会計年度比35.5%増となりました。
c.セグメントごとの財務状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの報告セグメントは、不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、短期運転資金については自己資金を基本としております。また、設備投資資金等についても自己資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関から調達を実施する方針であります。
a.資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要の主なものは、製造・開発活動に係る人件費および外注費、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金でまかなうことを基本として、必要に応じて金融機関から調達を実施する方針であります。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、578,840千円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債および収益・費用の報告数値について影響を与える見積りは、過去の実績や状況に応じて、可能な限り合理的と考えられる根拠や要因等に基づき実施しております。しかし、これらの見積りについては不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループは、不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:千円)
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:千円)
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
当社グループは、不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
当社グループは、不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益を認識する要因となった事象の概要】
当社グループは、不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。