2026年6月期有価証券報告書より

リスク

3 【事業等のリスク】

以下については、当社が事業を運営するにあたりリスク要因となる可能性があるものを記載しております。また、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から、当社としては必ずしも特に重要なリスクと考えていないものも記載しております。

当社としては、これらのリスクをあらかじめ十分に把握したうえで、発生の予防及び対処に万全を期す所存でありますが、投資判断につきましては本項記載以外のものも含めて慎重に検討していただきたいと思っております。また、これらのリスク項目は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであり、発生の可能性のあるリスクの全てを網羅するものではありません。

 

(1)不動産業界及び顧客の動向に関するリスク

当社は、不動産業界に特化した不動産管理システム等の開発・販売を行っており、当社製品・サービスの最終ユーザーは不動産業界に集中している状況にあります。不動産業界の中でも不動産取引業、不動産賃貸・管理業等に応じた製品・サービスを提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、当社の財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。また、今後において、不動産業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合、同様に当社の財政状態及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(2)競争環境及び技術革新に関するリスク

当社が属する情報サービス業界では、クラウドサービス、生成AI、データ分析その他の技術が急速に進展しており、新たな製品・サービスや事業者が継続的に市場へ参入しております。当社が技術革新や顧客ニーズの変化に適切に対応できない場合、又は競合他社が当社よりも優れた機能、価格若しくは利便性を有する製品・サービスを提供した場合、当社製品・サービスの競争力が低下し、顧客の獲得又は維持が困難となる可能性があります。当社は、顧客から得られる要望や利用状況を製品企画及び開発へ反映するとともに、既存製品の継続的な改善並びにAI及びデータを活用した新たな機能・サービスの研究開発に取り組んでおります。しかしながら、これらの取り組みが想定した成果を上げない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)AI及びデータ活用に関するリスク

当社は、製品・サービスの付加価値向上及び業務効率化を目的として、AI及びデータの活用を推進しております。AIを活用した機能については、出力内容の正確性、完全性又は公平性が保証されない場合があり、誤った情報の出力、意図しない判断又は不適切なコンテンツの生成等が生じる可能性があります。また、AIの学習又は利用に関して、個人情報、機密情報、著作権その他の第三者の権利に関する問題が発生する可能性があります。

当社は、AIの利用に関する社内ルールの整備、利用範囲及び出力内容の確認、情報管理並びに法令・技術動向の把握等に取り組んでおりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社の信用、事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制に関するリスク

 現時点において、当社事業そのものを規制する法的規制はないものと認識しておりますが、情報サービス業界の変革は激しいことから、今後新たな法令等の整備が行われる可能性は否定できず、当該内容によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の情報流通や表示項目等が規制の対象になる可能性もあり、その場合には当社の事業が制約される可能性があります。

 

(5)製品・サービスにおける不具合・瑕疵等に関するリスク

 当社は、製品・サービスの開発過程において、ソフトウエアにかかる厳格な試験を実施すること等により不具合・瑕疵等の解消及び発生防止に努めておりますが、製品・サービスの投入後において重大な不具合・瑕疵等が発見された場合には、その対応のため多大なコストが発生するほか、当社製品・サービスに対する信頼性を著しく毀損する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)人材の確保及び育成に関するリスク

当社が事業を継続的に成長させ、技術革新及び顧客ニーズの変化に対応するためには、開発、AI・データ、プロダクト企画、営業、カスタマーサクセス、管理部門その他の各分野における専門性の高い人材の確保及び育成が重要となります。人材獲得競争の激化、労働人口の減少等により必要な人材を十分に確保できない場合、又は人材の流出が生じた場合、製品開発の遅延、サービス品質の低下、事業拡大の停滞等が生じる可能性があります。また、人材の採用、処遇、育成及び定着のための費用が想定以上に増加した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、採用活動の強化、人材育成、能力開発、働きやすい職場環境の整備及び多様な人材が活躍できる組織づくりに取り組んでおります。

 

(7)情報セキュリティに関するリスク

 当社では、事業活動を通じて顧客が保有する取引先情報や個人情報等の機密性の高い情報を取得することがあります。このような機密性の高い情報を適切に管理するため、ISMS(ISO27001)認証を取得し、「情報セキュリティ管理規程」や「個人情報保護基本規程」等の社内規程に基づいた情報管理に関する社内ルールの周知徹底をはかり、従業員に対する情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェア、ランサムウェア、委託先を経由した攻撃、システムの脆弱性、役職員の過失又は不正行為等により、情報の漏えい、消失、改ざん又は不正利用が発生する可能性があります。このような事象が発生した場合、原因調査、システム復旧、顧客対応、再発防止等に多額の費用を要するほか、損害賠償、行政処分及び信用の低下等により、当社の事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)システム障害に関するリスク

 当社では、インターネットへの接続環境を有するユーザーを対象に製品・サービス開発を行っており、営業活動・クラウドサービスその他のサービス提供においてもインターネットに依存しております。このため、自然災害、戦争、テロ、事故、その他通信インフラの破壊や故障、コンピューターウイルスやハッカーの犯罪行為等により、当社のシステムあるいは外部に委託しているシステムが正常に稼動しない状態、いわゆるシステム障害が発生した場合に、当社の事業に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社製品・サービスの提供等においてインターネット環境に依存する部分は大きく、システム障害が発生した場合に、代替的な営業・サービス提供のルートを完全に確保することは困難な場合もあり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)知的財産の管理に関するリスク

 当社では、商標権をはじめとして当社の事業に必要な知的財産権の確保に努めるとともに、具体的な業務の遂行にあたり、第三者の知的財産権その他の権利または利益を侵害しないよう努めており、現状において、かかる知的財産権等に関する紛争はありません。しかしながら、当社が予期せず第三者との間で、知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い当社が損害賠償請求や差止請求を受ける可能性があり、かかる場合には当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、生成AIの利用又はAIを活用した製品・サービスの提供に関して、学習データ、入力情報又は生成物に係る著作権その他の権利関係が問題となる可能性があります。

 

(10)特定の製品への依存に関するリスク

 当社の主力製品は管理ソリューションに含まれる管理業務支援サービス「賃貸革命」であり、現状では、当製品及び当製品に附帯するものが当事業年度における売上高の過半を占めております。当製品のシェアを高めることは、事業規模拡大において持続的な課題ではありますが、一方で、管理ソリューション以上にマーケットが大きい仲介ソリューション領域での成長を推進することも重要であると考えております。両ソリューション共に成長しつつ、売上高の比率を最適化することが重要であると考えております。

 

 

(11)経営戦略及び事業計画の達成に関するリスク

当社は、不動産事業者向けの業務支援システム及び業者間物件流通サービスを基盤として、顧客基盤の拡大、既存顧客への付加価値サービスの提供、AI及びデータの活用等による事業成長を目指しております。しかしながら、新規顧客の獲得、既存顧客へのアップセル・クロスセル、新製品・サービスの開発及び普及、価格改定その他の施策が計画どおりに進まない場合、売上高及び利益が計画を下回る可能性があります。また、事業環境、競争環境、技術動向、顧客ニーズ又は法規制等が想定と異なって変化した場合、戦略又は事業計画の変更が必要となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)顧客の信用に関するリスク

 当社の事業における売上債権は、比較的小規模な不動産業者等を対象としたものが多数を占めております。当社では、顧客毎に与信管理を実施するほか、債権の滞留及び回収状況を定期的に把握し、必要に応じ貸倒引当金を計上しております。しかしながら、経済情勢の変化により経営基盤の脆弱な企業などにおいて、急速に経営状況が悪化する場合も考えられます。このような場合には、売上債権の回収が遅延するほか、回収不能になる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)内部管理体制及びコンプライアンスに関するリスク

 当社は、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を整備・運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)自然災害、感染症その他の事業継続に関するリスク

当社の宮崎本社及び各営業拠点の所在地域において、地震、津波、火山噴火、台風、豪雨その他の大規模な自然災害が発生した場合、役職員の安全、事業拠点、通信・電力等のインフラ又は取引先の事業活動に影響が生じる可能性があります。特に、宮崎本社の機能が長期間停止した場合、製品開発、顧客対応、管理業務その他の事業活動に支障が生じる可能性があります。また、感染症の大規模な流行、戦争、テロ、社会インフラの停止その他の事象が発生した場合も、当社又は取引先の事業活動が制約される可能性があります。当社は、事業継続に必要な体制の整備、データのバックアップ、リモート環境の活用等に努めておりますが、被害の規模又は期間によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)ソフトウェア開発投資及び資産性に関するリスク

当社は、既存製品の機能強化及び新たな製品・サービスの開発のため、ソフトウェア開発への投資を行っております。開発の長期化、仕様変更、技術的な問題、人件費及び外注費の増加等により、開発費用が当初計画を上回る可能性があります。また、開発したソフトウェアの販売又は利用が計画を下回った場合、期待した収益を獲得できない可能性があります。このような場合、ソフトウェア及びソフトウェア仮勘定について減損損失を計上し、又は将来の償却費負担が収益を圧迫することにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、サービスの提供時期、契約条件又は取引形態の変更等により、収益認識の時期又は金額が当初の想定と異なる可能性があります。

 

(16)のれんの減損や子会社株式の評価減に関するリスク

当社は、成長戦略の一環として積極的なM&Aを行っており、のれんや子会社株式を保有しております。子会社の業績不振により、のれんの減損や子会社株式の評価減を行った場合、業績等に影響を与える可能性があります。

 

(17)新株予約権行使による株式価値希薄化に関するリスク

当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員等に対するインセンティブとして新株予約権を付与する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末(2026年6月30日)における新株予約権による潜在株式数は118,000株であり、発行済株式総数14,412,440株の0.8% に相当します。新株予約権の詳細は、「第一部 企業情報 第4提出会社の状況 1株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。

 

(18)大株主に関するリスク

当社の代表取締役会長である米津健一及び同氏の資産管理会社である株式会社NJCが、本書提出日の前月末現在で発行済株式総数の59.83% を所有しており、引続き大株主となる見込みです。
同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
同氏は、当社の創業者であるとともに代表取締役会長であるため、当社といたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により同氏により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、企業価値の継続的な向上を図るとともに、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しております。配当につきましては、企業体質の強化及び将来の事業展開に必要な内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続的に業績の成長に応じた利益還元を行うことを基本方針としております。

当事業年度の配当につきましては、当期の業績動向及び今後の財務状況等を総合的に勘案した結果、中間配当は1株当たり3円00銭を実施し、期末配当は1株当たり9円00銭を実施する予定であります。なお、中間配当につきましては、上場5周年を記念し、株主の皆様の日頃のご支援に感謝の意を表するため、1株当たり3円の記念配当を実施しております。

当社は、剰余金の配当について、中間配当及び期末配当の年2回実施することを基本としております。中間配当の決定機関は取締役会、期末配当の決定機関は株主総会であります。なお、当社は、取締役会の決議により、毎年12月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。また、このほか基準日を定めて剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めております。

今後につきましても、財務状況、業績動向及び事業投資の必要性等を総合的に勘案しながら、安定的かつ継続的な配当の実施に努めてまいります。

なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。期末配当に関する配当金の総額123,874千円及び1株当たり配当額9円については、2026年9月29日開催予定の定時株主総会の決議事項となっております。

 

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2026年1月23日

取締役会決議

41,177

3.00

2026年9月29日

定時株主総会決議(予定)

123,874

9.00