2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    4,059名(単体) 27,342名(連結)
  • 平均年齢
    40.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.8年(単体)
  • 平均年収
    8,988,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

① 人材戦略

 人材戦略については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)投資者の投資判断上重要なサステナビリティ項目 ②人的資本、多様性への取り組み」をご参照ください。

 

② 従業員給与等の決定方針

 当社は、持続的な成長の実現に向けて、経営資源の成長分野への重点的な投入、従業員の能力開発やスキル向上等を通じて、生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力します。その上で、生み出した収益及び成果に基づいて、いわゆる「賃金決定の大原則」に則り、自社の状況を踏まえた適切な方法による賃金の引上げを行うとともに、それ以外の総合的な処遇改善としても、従業員のエンゲージメント向上や更なる生産性の向上に資するよう、教育訓練等に積極的に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指します。

 給与等の決定にあたっては、「高い目標に挑戦し、これを成し遂げた人を高く評価する」という一貫した能力・成果主義の考え方に基づき、業務上で発揮された能力および成果を踏まえて決定します。これにより、人材育成、自己啓発、ならびにチャレンジ意欲の醸成につなげます。

 賃金の引上げについては、常に労使相互信頼を念頭に置き、定期的な昇給と世間の情勢、会社内の課題解決、労働市場での競争力維持、利益配分などを総合的に考慮して、魅力ある賃金水準と賞与の支給に取り組んでいきます。

 

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 当連結会計年度末における従業員数をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

(2026年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

電子材料事業

13,566

生活環境基盤材料事業

1,957

機能材料事業

4,445

加工・商事・技術サービス事業

7,374

合計

27,342

(注)1.従業員数は就業人員です。

2.臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しています。

② 提出会社の状況

 

 

 

(2026年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

4,059

40.8

18.8

8,988,000

2.6

 

セグメントの名称

従業員数(人)

電子材料事業

1,806

生活環境基盤材料事業

223

機能材料事業

1,888

加工・商事・技術サービス事業

142

合計

4,059

(注)1.従業員数は就業人員です。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

3.臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しています。

③ 労働組合の状況

 当社及び一部グループ会社には、信越化学労働組合が組織(組合員数4,819人)されており、全国化学労働組合総連合に属しています。

 なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

④ ストックオプション制度

 「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況 ①ストックオプション制度の内容」をご参照ください。

⑤ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 

a. 提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

3.2

88.1

78.6

80.9

36.3

・賃金:退職手当、通勤手当を除く。

・正規雇用労働者:社外への出向者を含む。

・管理職に占める男性労働者の割合が高いことと交代勤務に対する手当の対象となる男性労働者の全労働者に占める割合が高いことが格差に影響している。

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

 

b. 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

信越ポリマー株式会社

6.2

100.0

74.5

76.0

60.6

・賃金:退職手当、通勤手当を除く。

・正規雇用労働者:同社から社外への出向者を除き、他社からの出向者を含む。

三益半導体工業株式会社

14.0

100.0

74.7

74.5

61.4

・賃金:退職手当、通勤手当を除く。

直江津電子工業株式会社

2.1

33.0

69.8

71.6

56.3

・賃金:退職手当、通勤手当を除く。

長野電子工業株式会社

6.5

30.0

85.5

84.6

79.4

・賃金:退職手当、通勤手当を除く。

・パート:現時点で男性の定年後再雇用者の割合が高いことが影響している。

信越半導体株式会社

-

-

-

-

-

・出向元会社に含む(注)3.

信越エンジニアリング株式会社

-

-

-

-

-

・出向元会社に含む(注)3.

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.常時雇用労働者(出向者を含む)は301人以上ですが、全従業員が当社からの出向者であり、当社の計算に含んでいます。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次の通りです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが合理的な一定の前提に基づいて判断したものであり、その実現を約束する趣旨のものではありません。実際の結果は不確実性により変更される可能性があります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

①ガバナンス

 当社グループは、1990年より持続的な成長により企業価値を高めることに取り組んでいます。安全を常に最優先すること、環境への配慮と適切な施策、社会への貢献、そして企業統治を適切に行うことを当社の経営と事業活動の根幹としています。これらをグループ内で共有し実行していくために、サステナビリティの基本方針と各種社内規程を定めています。

 具体的には、当社の社長を委員長とし、取締役、執行役員、部門長、グループ会社のサステナビリティ担当者により構成される約60名からなるサステナビリティ委員会が、部門を横断する活動に取り組んでいます。サステナビリティ委員会は、当社グループのコーポレートガバナンスにおける「重要な経営課題ごとの委員会」の一つです。なお、コーポレートガバナンスの状況については本報告書の第一部「第4.提出会社の状況 4.コーポレートガバナンスの状況等」に記載の通りです。

 

図:サステナビリティの取り組みの体制図

 

 

②リスク管理

 リスクマネジメント委員会が、気候変動によるリスクも含め事業を取り巻くさまざまなリスクに備え、リスクを排除することに取り組んでいます。同委員会は社長が委員長を務め、信越化学の取締役および執行役員を委員とする5名と補佐役6名で構成されています。具体的なリスクへの取り組みは、推進責任者とグループ会社を含む協働推進者とで構成されるクロス・ディビジョナル・チームが行っています。

当社グループは事業活動に伴い想定されるリスクを洗い出し、それらに適切に対処するためのリスク管理規程を定めています。同規程では、具体的なリスク、リスク管理の体制、発生したリスクへの対応等を明記しています。リスク管理で重要な事項については、リスクマネジメント委員会が取締役会、常務委員会、監査役会、関係者に適時報告し、適切に対処をすべく取り組んでいます。近年重要性の高まってきた気候変動に関するリスクについては、同委員会と連携し、サステナビリティ委員会がシナリオ分析を通じて、リスクの把握を行っています。気候変動に関するリスクとしては、CO2の排出権取引や炭素税による支出の増加、エネルギー価格の上昇による製造コストの上昇などの移行リスク、大型台風の接近による設備損傷、洪水による電気設備への浸水による被害および操業停止などの物理リスクを想定しています。

 一方、サステナビリティに係る機会については、サステナビリティ委員会が当社各部門、主要グループ会社と連携し、認識、評価、管理を行います。そして、重要な事項については取締役会や常務委員会に報告し、適切なモニタリングを受けます。例えば、気候変動に関する機会については、上記の気候変動関連分科会が、シナリオ分析を通じて機会を把握し、グループ内の事業部門と連携し、評価、管理を行いました。

 

(2)投資者の投資判断上重要なサステナビリティ項目

(1)に記載の、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける、投資者の投資判断上重要なサステナビリティ項目は以下の通りです。

 

①気候変動への取り組み

イ.戦略

 当社グループは2050年カーボンニュートラルに向け、温室効果ガス排出量(スコープ1、スコープ2)を実質ゼロとするための計画を策定しました。2050年カーボンニュートラル実現に向けた計画の推進を、重要な経営課題と位置づけています。2019年5月にTCFDの提言への支持を表明し情報開示を進めると同時に、気候変動に関するシナリオ分析を行い、この分析を通じ事業に影響をおよぼす重要なリスクと機会を特定し、経営に反映させています。

<シナリオ分析>

気候変動による事業機会:1.5℃シナリオ

用途

詳細

収益への

影響度

樹脂窓

塩化ビニル樹脂は断熱性に優れているため樹脂窓に使用されている。省エネ住宅の普及とともに樹脂窓の需要増加が見込まれる。

電気自動車、

ハイブリッド車、

燃料電池車

半導体シリコンは、モーターの回転数を制御するインバーターなどのパワー半導体デバイス、自動運転、AI向けロジック半導体デバイス等に使用される。

高性能で小型のレア・アースマグネットは、車両全体の重量を軽くし、燃費性能を上げられることから、電気自動車やハイブリッド車、燃料電池車の駆動モーターや車両のさまざまなモーターへの利用が広がる。シリコーンの放熱材料は、リチウムイオン電池や各種電子制御装置などの熱対策に使用されている。熱による動作不良や故障の防止に役立ち、需要の拡大が見込まれる。

風力発電機

レア・アースマグネットは、洋上風力発電機の高効率化および発電機のメンテナンスコストの削減に寄与するため、需要の拡大が見込まれる。

送電網の整備、拡充により、電線被覆に使用される塩ビの需要拡大も見込まれる。

エアコン

半導体シリコンはコンプレッサーモーターのインバーター制御デバイスに使用され、モーターを適切な回転数に調節することで省電力に貢献することから、需要が拡大している。

レア・アースマグネットは、エアコンのコンプレッサーモーターのエネルギー効率を高め消費電力量を削減するため、需要の拡大が見込まれる。

航空機

レア・アースマグネットは小型航空機の電動化やハイブリッド化、大型航空機の油圧駆動部の電動化に不可欠である。小型で強力なレア・アースマグネットは機体の重量を軽減し、燃費の向上に寄与するため、需要の拡大が見込まれる。

産業用モーター

レア・アースマグネットは、産業用モーターの効率を上げ、消費電力量を削減するため、需要の拡大が見込まれる。

サービスロボット

半導体シリコンは、製造、物流、農業用などの省エネ対応ロボット制御モーター用半導体への使用や、医療用、災害対策用ロボットへの採用が広がっている。

植物由来の代替肉の結着剤

植物性食品を中心にした食生活は、CO2排出量を年間1.6ギガトンも削減することができる可能性がある。(※)セルロース誘導体の製品のひとつである「メトローズMCE-100TS」は、植物由来の代替肉の結着剤として使用されている。代替肉の世界市場は年率2ケタの成長が見込まれており、今後もさらなる市場の拡大が期待される。

※ポール・ホーケン編著「DRAWDOWN–The Most Comprehensive Plan Ever Proposed to Reverse Global Warming」より

 

 

気候変動による事業リスクと対応策:1.5℃シナリオ(移行リスク)

事象

当社へのリスク

収益への

影響度

対応策

世界各国での炭素税の導入、炭素排出枠の設定

・炭素税の支払い

・炭素排出枠の達成のための排出権の購入費用の発生

・温室効果ガスの排出削減のための対策費用の増加

・スコープ1排出量の削減

 ・生産工程の効率化や高効率な機器の導入などの

 さらなる推進

 ・水素やアンモニアなどの二酸化炭素を排出しない

 エネルギーの使用

 ・CCUSの活用

 ・カーボンニュートラル天然ガス(排出権付き天然

 ガス)の熱源としての利用

・温室効果ガスの絶対量での削減目標の達成

・各国の炭素税等の環境規制に関する情報を収集し、対策を施す

温室効果ガス排出の規制強化による再生可能エネルギー由来の電力の普及と電力価格の上昇

・電力コストの増大

・スコープ2排出量の削減

 ・電力の使用量が少ない生産工程や高効率な機器の

 導入などのさらなる推進

 ・カーボンニュートラル天然ガス(排出権付き天然

 ガス)を使用したコージェネレーションシステムの

 導入

 

 

気候変動による事業リスクと対応策:4℃シナリオ(物理的リスク)

事象

当社へのリスク

収益への

影響度

対応策

異常気象の発生頻度の上昇

・生産拠点の浸水

・サプライチェーンの寸断

・生産拠点の嵩上げや重要な設備の周辺への防水壁の設置、冠水リスクが低い場所への計器室の設置、港湾に近い生産拠点での防潮堤の設置

・生産拠点の複数化

・原材料の調達先の多様化

・製品在庫の確保

・損害保険への加入

降水パターンの変化などによる洪水の発生頻度の上昇

一部の国での炭素税の導入や炭素排出枠の設定

・当該国の生産拠点から排出される温室効果ガスに課税される炭素税の支払い

・当該国の炭素排出目標を達成できない場合、排出権の購入費用や課徴金の支払いの発生

・スコープ1排出量の削減

 ・生産工程の効率化や高効率な機器の導入などの

 さらなる推進

 ・水素やアンモニアなどの二酸化炭素を排出しな

 いエネルギーの使用

 ・CCUSの活用

 ・カーボンニュートラル天然ガス(排出権付き天

 然ガス)の熱源としての利用

・温室効果ガスの絶対量での削減目標の達成

・各国の炭素税等の環境規制に関する情報を収集し、対策を施す

電力価格

・IEAのシナリオ分析(現行施策シナリオ)によると、電力価格は上昇しない。このため、当社へのリスクはない

 

ロ. 指標と目標

 当社グループは、2050年に温室効果ガス排出量(スコープ1、2)の実質ゼロを目指します。

 さらに、生産量原単位での温室効果ガス排出量の削減も推進し、中間目標「2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日)に1990年度比で温室効果ガス排出の生産量原単位を45%にする」の達成に向けて、取り組んできました。なお、2026年5月28日に、当社グループは温室効果ガス排出量(スコープ1、2)削減の新たな中間目標を公表しました。

 

新中間目標:

2025年を基準年として、

1.2035年までに、温室効果ガス排出量を生産量原単位で30%削減

2.2040年までに、温室効果ガス排出量を35%削減

 

 当社は1単位の製品を作るのに必要なエネルギーと原料の原単位を向上させること、すなわち、エネルギーと原料を徹底的に有効に無駄なく使うことで、温室効果ガスの排出削減に取り組んできました。この方針は今後も継続し、それぞれの事業において業界の中で最も効率の良い生産を追求していきます。生産量原単位の削減は自助努力で出来る部分が多いため、中間目標を2035年と定めました。

一方、温室効果ガス排出量の削減のためには、「電力における排出量の低減」、「燃料転換」、「CO2回収とCO2資源化」が必要です。これらの対策は、個社の取り組みのみでの実現は難しく、国の主導や関係する業界が連携して取り組むことではじめて実現できるものと考えます。インフラストラクチャーをはじめとした整備には時間を要するため、中間目標を2040年と定めました。

 

<カーボンニュートラルに向けた取り組み>

 当社のKPIは期毎の増収増益です。そのために、各事業で事業の拡大に向け需要の伸びを捉えた拡販、それを可能とする生産能力の増強を実施してきました。これらの生産能力の増強投資では、常に最新鋭の技術を導入し、生産性とエネルギー効率を極限まで高めることが当社の方針です。

 その代表例が、塩化ビニル樹脂の製造工場の新増設を続けている当社の子会社であるシンテックINC.(米国)です。塩化ビニル樹脂の世界の需要は過去10年間で約20%増加し、今後も住宅やインフラストラクチャー向けを中心とした堅調な需要の伸びが見込まれています。塩ビの最終製品は断熱性と耐久性に優れているため、製品として温室効果ガスの排出削減に貢献しています。一方、現時点で生産性、環境負荷、安全性、経済性の観点で実用可能な塩ビの製造技術では、生産量原単位を高めることは可能ですが、温室効果ガス排出量をゼロにすることはできません。

 シンテックINC.は増加を続ける世界の塩ビ需要を着実に捉えることで事業を拡大し、大型の設備増強を積み重ねてきました。現在、カーバイド法のような旧式の技術で生産される塩ビは、世界全体の3割から4割を占めています。この旧式の技術は、シンテックINC.の最新鋭の技術と比較して5倍を超えるCO2を排出しています。シンテックINC.が最新鋭の技術で拡大を続ける塩ビの需要を捉えていることは、世界全体のCO2の排出削減に寄与しています。

 

1) カーボンニュートラルに向けた現時点の取り組み

 A:実施・拡大中、B:初期段階・一部導入、C:研究・調査段階

 取り組みの内容

取り組み状況

電力における排出量の低減

(1)水力発電による電力の購入

A

(2)太陽光発電設備の設置

B

(3)低炭素電力の購入

B

(4)電力会社によるカーボンニュートラル化

国と電力会社

における取り組み

燃料転換

(5)天然ガス燃料への転換

A

(6)カーボンニュートラル天然ガスの活用

C

(7)グリーン水素・ブルー水素の活用

C

(8)バイオマス燃料の活用

B

(9)アンモニアの活用

C

徹底した合理化、効率化の継続

(10)生産性の向上(連続操業化)

A

(11)反応効率の向上

A

(12)ヒートポンプの活用

A

(13)原料生産の熱回収

A

(14)エネルギー効率の高い設備の導入

A

(15)木炭還元剤の利用増

A

(16)新しい製法への転換

B

CO2回収とCO2資源化

(17)CO2分離回収設備の導入と資源化

C

リサイクルの推進

(18)塩ビ製品

A

(19)レア・アースマグネット

A

(20)それ以外の製品

B

その他

(21)植林

A

(22)カーボンオフセット

C

(23)その他の新技術

C

 

2) 2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ

 

 

3) 当社グループの削減策

 当社が想定している2050年に向けた削減策の構成比は、下記のとおりです。今後の技術革新に応じて、最適な削減手段を選択していきます。

 

 

<カーボンニュートラル社会の実現に貢献するためのその他の取り組み>

1)温室効果ガス排出量の削減に貢献する製品の製造販売の拡大

 当社グループの製品は住宅やインフラストラクチャー、電気自動車、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)をはじめとした幅広い分野に利用され、生活や産業の基盤を支えています。これらの製品の多くは、温室効果ガスの削減にも寄与しています。日本政府が、2050年カーボンニュートラルを目指す上で不可欠な14の分野を定めました。当社グループの2025年度の連結売上高に占める当該14分野への売上比率(※1)は約7割です。今後とも、こうした製品の開発、製造、販売の拡大に注力することで、社会全体のカーボンニュートラルに貢献していきます。

 

目標

実績

 

単位

2023年度

2024年度

2025年度

2050年にカーボンニュートラルを達成

(スコープ1、2)

スコープ1

排出量 ※1

千CO2-t

2,242

2,326

2,318

スコープ2

排出量 ※1※4

千CO2-t

4,303

4,443

4,501

2025年度に1990年度比で温室効果ガス排出の生産量原単位を45%にする

1990年度比生産量

原単位指数 ※2

%

57.0

56.9

54.7

スコープ3

排出量 ※3

千CO2-t

10,866

12,096

11,714

 

※1.当社および連結子会社を対象としています。

 2.1990年度比生産量原単位指数については対象範囲に非連結会社を含めています。この指数の算定にあたり、電力のCO2排出係数は電力の削減努力が明確になるよう、2000年から2009年迄の平均値を使用しています。また、エネルギー削減や合理化などの努力が明確になるよう、温対法施行令の上記改正に伴い追加された排出項目は加算していません。

 3.スコープ3排出量の算定方法については当社ホームページの「サステナビリティ」サイト(https://www.shinetsu.co.jp/jp/sustainability/)をご参照ください。2025年度の情報は2026年夏頃に同サイトに掲載予定です。

 4.当社グループでは温室効果ガス排出量の算定の精緻化を進めており、2023年度のスコープ2排出量について、2024年3月期(第147期)有価証券報告書に記載の数値(4,266千CO2-t)から修正しています。

 

②人的資本、多様性への取り組み

当社グループの人材戦略

当社グループの企業規範「持続可能な企業活動を積極的に行い、他の追随できない素材技術によって社会と産業の求める価値を生み出す」のもと、世界の市場環境が急速に変化する中でも持続的に成長し続けることを目指します。

 

この実現には、素材技術の優位性を「研究・開発から生産、品質、供給、顧客対応に至るまで」一貫して確実に価値へ転換し、環境変化に対応できる提供スピードと確実性を高め続けることが不可欠です。そのため当社は、相互信頼を礎に、あらゆる現場で地道な改善と迅速な課題解決を続ける仕事集団を形成、育成し、会社とともに持続的な成長を遂げることを経営戦略の実現に向けた人材戦略の基本方針とします。あわせて、業界で最も高い労働生産性をさらに高めることを目指し、「従業員1人当たり営業利益」を主要指標としています。

 

労働生産性の向上は、限られた資源で付加価値を継続的に生み出す収益体質の強化につながり、技術への投資余力を生み、ひいては持続的成長を下支えします。そして、現場起点の継続的改善と迅速な課題解決は、品質・安全・安定供給を支えるとともに、開発・立上げ・改善のスピード向上を通じて競争力の源泉である素材技術を市場価値へつなげ、変化への適応力を高めます。

 

企業規範の達成と持続的成長の実現に向けた人材戦略として、当社は変革・挑戦を支える学び、異動、抜擢の機会を拡充する「人材育成」と、安心して働くことができる「人材基盤」の強化の両面から人的資本への取り組みを推進しています。

 

 

 

イ.人材育成

当社は、高い付加価値を生み出し続けるために、ある業務や領域の専門家であるとともに、その他の分野でも活躍できる幅広い仕事力を有する「T字型人材」の育成に注力しています。この考え方のもと、OJT(On the Job Training)を人材育成の基軸に据え、従業員の適性と職業人として目指す姿を尊重した人材の配置を行い、一人一人が担当する仕事で真の専門家になることを支援しています。

成長段階に応じた研修や学習機会を組み合わせ、専門性と実践力を高める育成体系を整備しています。階層別研修を通じて、各階層に求められるマネジメント力やリーダーシップ、課題解決力等の強化を図るとともに、海外売上比率が高い事業構造を踏まえ、円滑な業務遂行に必要な国際コミュニケーション力の向上も推進しています。

 

T字型人材の育成

当社が目指すのは、高い専門性を軸にしながら、周辺領域でも力を発揮できる「T字型人材」の育成です。これは、製造や研究開発、営業、管理などそれぞれの職種において、担当業務を深く理解し、確かな成果を出せることに加え、関連部署や周辺分野の知識も身につけ、全体最適の視点で仕事を進められる人材を指します。

当社の事業は、品質や技術、安定供給が強みである一方、世界市場の変化が速く、顧客から求められる水準も年々高度化しています。こうした環境の下で、一人一人が「自分の専門」を磨き抜きながら、他部門との連携や課題解決にも主体的に関わることができることが、競争力の源泉になります。

そのために当社では、画一的な配置転換ではなく、本人の適性や目指す姿を尊重しつつ、担当業務を継続的に深掘りできる環境を整えています。合わせて、階層別研修や国際化対応研修、AI研修やMI(materials informatics)研修などを通じて、専門性を支える土台や視野を広げる学びを重ね、「深さ」と「広がり」を両立する成長を後押しします。

 

 

 

 

 

 

(OJTを基軸とした人材育成サイクル)

当社ではT字型人材を育成するために、日々の仕事を通じて力を高めるOJT(On the Job Training)を基軸としています。現場で実際の課題に向き合い、経験を積み重ねることが、専門性の定着と実践力の向上につながると考えているためです。従業員の適性と職業人として目指す姿を尊重した人材の配置を行い、一人一人が担当する仕事で真の専門家になることを支援しています。

このOJTを実効性あるものにするために、当社では、育成を「経験させる」だけで終わらせず、目標設定から振り返り、次の成長につなげるサイクルとして回しています。

 

(教育・研修、自己啓発)

当社グループでは、OJTを補完する仕組みとして、成長の段階に応じたさまざまな研修プログラムを提供し、従業員の成長を支援しています。階層別研修、国際化対応研修、大学聴講生派遣制度、AI研修、MI研修など、成長段階や職務に応じた学びの機会を用意しています。こうした研修は、現場で得た気づきや課題意識を整理し、知識や技能を体系立てて身につけ直す機会として位置付けています。

このように当社は、OJTを核に、評価・面談・研修を組み合わせることで、従業員一人一人の成長を継続的に支え、結果として組織全体の力を高めていきます。

 

ロ.人材基盤

当社グループは、事業の競争力を支える基盤として、人材の確保と定着、多様性の推進、柔軟で生産性の高い働き方の整備、そして安全と健康の確保を一体で進めています。従業員が安心して力を発揮し、長期的に成長できる環境を整えることが、安定操業と生産性向上、ひいては企業価値の向上につながると考えています。

 

人材の確保

当社は、長期的な視点で人材を育て、強みである技術や品質、安定供給をさらに磨き上げるために、継続して人材の確保に取り組んでいます。採用にあたっては、「自分自身でしっかり考えることができる人」を重視し、変化の大きい事業環境の中でも主体的に課題を捉え、粘り強く取り組める人材を求めています。

また、労働市場における優位性を保ち、必要な人材を継続的に確保するため、処遇や職場環境の水準を適切に見極めながら採用を継続していきます。加えて、性別、国籍、年齢、障がいの有無などにかかわらず、多様な人材に広く機会を開き、能力主義の考え方に基づく採用を進めています。

採用にあたっては、事業や職場の実態に即した人材の構成を意識し、将来の成長領域を見据えながら、必要な人材を計画的に採用、育成していきます。

 

多様性の推進

当社は、人間尊重を最優先とし、性別、国籍、年齢、障がいの有無などにかかわらず、多様な人材がそれぞれの能力を発揮できる職場を目指しています。多様性は、単なる属性の拡大ではなく、異なる視点や経験が現場改善や新しい価値づくりにつながる重要な要素だと捉えています。

女性活躍の推進、障がい者が働きやすい環境整備、年齢にかかわりない活躍機会の確保などを通じて、誰もが安心して働き、成長し続けられる環境を整備しています。

 

ワークライフバランス推進のための取り組み

当社は、従業員の雇用の安定を第一に考え、従業員が安心して仕事に打ち込めることが良い成果につながると考えています。そのため、労働時間の適切な管理や有給休暇を取得しやすい環境づくりに加え、結婚や出産、育児、介護、病気の治療など、人生のさまざまな局面に柔軟に対応できる制度を整えています。

また、働き方の多様化に対応するため、フレックスタイム制や在宅勤務など、生産性の向上にもつながる柔軟な働き方の選択肢を整備し、業務特性に応じた活用を進めます。

 

健康経営

当社グループは、一人一人が心身ともに健康でいることで、職場全体の雰囲気や生産性の向上につながるという考えのもと、快適で安全な職場づくりに取り組んでいます。

 

労働安全衛生

当社は安全を事業経営の大前提と捉えており、引き続き労働安全衛生と保安防災の水準を向上させ、当社グループで働く人の安全と健康、安定操業を確かなものとするための取り組みを推進していきます。

労働安全衛生と保安防災の水準を向上させ、当社グループで働く人の安全、安定操業を確かなものにするために、環境保安管理規程を策定、遵守しています。当社グループは、①「規則や手順」を確実に守ること、②「職場に潜むリスク」を見つけ出し、速やかに排除すること、③「危険に対する感性」を高めること、という安全に関する三つの行動指針に従い、安全管理活動に取り組んでいます。レスポンシブル・ケアコード(※1)に従って「信越化学グループ環境保安管理計画」を毎年策定しています。この管理計画に基づいて、グループ全体で爆発や火災などの重大災害の防止や労働災害の防止などに取り組んでいます。

※1 レスポンシブル・ケアコード

レスポンシブル・ケアを実施する際の基本的な実施事項を定めたもの。環境保全、保安防災、労働安全衛生、物流安全、化学品・製品安全、社会との対話といった活動分野ごとの6つのコードと、これらをシステムとして共通に運用していくためのマネジメントシステムコードの計7つで構成されている。

 

ハ.指標と目標

当社グループは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標および実績は次の通りです。

 

 

戦略

 

指標と目標

目標

実績

(当連結会計年度)

対象範囲

人材育成

T字型人材の育成

一人当たりの年間研修費

30,000円

33,500円

当社及び国内連結子会社

大学聴講生派遣制度利用者数

年間5名以上

5名

当社及び国内連結子会社

人材基盤

人材の確保

採用時女性比率

性別にかかわらない採用

28.9%

当社及び連結子会社

事務系:40%以上
技術系:10%以上

事務系:47.1%
技術系:8.0%

当社総合職(連結子会社への出向者を含む)

多様性の推進

課長級以上の管理職に占める女性比率

30%

12.3%

当社及び連結子会社

4倍

4.21倍

当社(2014年比)

障がい者雇用率

2.5%

2.3%

当社及び国内連結子会社

健康経営

健康診断受診率

100%

100%

当社(連結子会社への出向者を含む)

労働安全衛生

重大事故件数

0件

0件

当社及び国内連結子会社

ワークライフバランス推進のための取り組み

男性育休取得率

80%

88.1%

当社(連結子会社への出向者を含む)

年休取得率

80%

76.2%

当社及び国内連結子会社