リスク
3 【事業等のリスク】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(ベトナム事業について)
当社グループは、ジルコニウム化合物の安定調達体制の強化を目的として、ベトナム現地法人における生産体制の整備を進めております。立上げ初期に比べ、製造条件の整備及び変動費の低減は進展しておりますが、長期安定稼働の定着に向けては、設備の損耗に応じた適切な保全対応や、現地従業員に対する継続的な教育・技能向上が必要となります。これらの対応が計画どおりに進まない場合には、生産効率の低下、追加的な費用の発生又は供給面への影響等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、設備保全の強化、操業状況の継続的なモニタリング及び現地人材の育成を通じて、安定稼働の定着と収益性の維持向上に努めております。
(戦略分野の進展について)
当社グループは、特定用途向け製品への依存度の低減と収益構造の多様化を図るため、半導体・エレクトロニクス、エネルギー及びヘルスケアの各分野を戦略分野として取り組みを進めております。当期においては、戦略分野全体の売上高は前年に比べ増加したものの、分野別には進捗に差がみられ、売上構成比の面でも大きな変化には至っておりません。このため、戦略分野における用途開発、量産案件の立上げ又は顧客基盤の拡大が計画どおりに進まない場合には、事業ポートフォリオの転換が想定どおり進まず、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、開発・製造・営業の連携強化に加え、新規事業創出機能を通じて、顧客要望に基づく製品開発のみならず、自社の戦略的判断に基づく事業機会の探索及び事業化の推進を強化することにより、戦略分野の拡大と収益構造の転換に取り組んでおります。
(為替変動について)
当社グループは、外貨建ての資産及び負債ならびにグループ内貸付等を有しており、為替相場の変動により、貸借対照表上の為替差損益が発生する可能性があります。特に、ベトナム事業に関連する資金取引については、ドル円相場に加え、ドルとベトナムドンとの為替変動の影響も受けることから、親会社及びベトナム子会社の双方において為替差損が生じる可能性があります。また、ベトナム事業に関連する借入残高が相応の水準にあることから、金利上昇局面においては金融費用が増加し、当社グループの経常利益を圧迫するおそれがあります。これらの影響が継続又は拡大した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、為替予約その他の対応策を講じ、為替変動による影響の抑制に努めておりますが、対応コスト等を踏まえると、すべてのリスクを回避することは困難であり、一定のリスクは残存します。このため、ベトナム事業の安定稼働及び収益性の向上を通じて借入依存度の低減を図ることが、当該リスクに対する重要な対応策であると認識しております。
(情報セキュリティについて)
当社グループは、事業活動を通じて技術情報、営業情報、個人情報その他の重要情報を保有するとともに、情報システムを活用して事業運営を行っております。近年は、AI活用やクラウド利用の拡大等を背景として、サイバー攻撃の件数及び手法の高度化・巧妙化が進んでおり、情報漏えい、改ざん、消失又はシステム停止等が生じる可能性があります。また、内部不正又は委託先管理の不備等により、サイバー攻撃以外を起因とする情報漏えい等が発生する可能性もあります。これらの事象が顕在化し、被害が拡大した場合には、生産、受発注、物流その他の事業活動の停滞、復旧費用の発生、損害賠償責任又は社会的信用の低下等を通じて、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、情報セキュリティを重要な経営課題の一つと認識し、技術的対策の強化、各種規程及びマニュアルの整備、従業員に対する教育及び訓練、外部脅威動向の把握ならびにインシデント発生時の情報連携及び初動対応体制の整備を通じて、情報資産の保護及び情報セキュリティ水準の維持・向上に努めております。
(気候変動及び環境規制について)
当社グループは、気候変動への対応及び環境負荷の低減を重要な経営課題の一つと認識しております。各国・地域における温室効果ガス排出規制、排出量取引制度、炭素価格の導入又は強化、環境報告義務の拡充その他の環境規制の強化が進行した場合には、エネルギー調達コストの上昇、省エネルギー投資、再生可能エネルギー調達又は設備更新等の追加的な対応が必要となる可能性があります。また、顧客における脱炭素化要請の高まりに十分に対応できない場合には、競争力の低下を招く可能性があります。これらの状況が継続又は拡大した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、温室効果ガス排出量の把握及び削減ロードマップの推進、継続的な省エネルギー活動、エネルギー効率化、再生可能エネルギーの活用ならびに各国・地域の環境規制に関する情報収集を通じて、気候変動及び環境規制に伴うリスクの低減に努めております。
(原料の仕入れについて)
当社グループの事業に必要な原料の多くは海外からの調達に依存しており、原料の種類によっては供給地域又は供給者が限定されております。オキシ塩化ジルコニウム(ZOC)については、中国及びベトナム現地法人VRECの2拠点から調達する体制を整備しており、一定の供給リスク分散を図っておりますが、イットリウム及び中重希土類については、産出国が中国に偏在し、輸出規制の影響も継続していることから、これらを使用する製品の安定供給に支障が生じる可能性があります。前記の状況が継続し、必要量の確保が困難となった場合には、当該原料を使用する製品の供給制約又は販売数量の減少が生じ、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、調達先の複線化、在庫水準の適切な管理、供給動向に関する情報収集の強化等を通じて、重要原料の安定確保と供給リスクの低減に努めております。
(海外事業活動におけるカントリーリスクの影響について)
当社グループは、日本及びベトナムに製造拠点を有し、中国、タイ、米国等にも販売拠点を展開しております。また、売上高は日本以外の地域にも一定程度分散しており、海外の政治・経済・通商環境の変化が事業活動に影響を及ぼし得る事業構造にあります。このため、海外事業活動においては、各国・地域における政情不安、貿易摩擦、通商制約、法規制・制度変更、輸出入規制の強化、米中対立の長期化その他の地政学的要因により、原材料調達、生産活動、物流、販売又は顧客対応等に支障が生じる可能性があります。特に、当社グループにおいては、原材料調達及びベトナム事業の安定稼働が重要な経営課題となっており、これらに対する国・地域要因の変化が顕在化した場合には、供給制約、調達コストの上昇、納期遅延又は販売機会の逸失等を通じて、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、各国・地域に関する情報収集及び社内共有の強化に加え、サプライチェーンの見直し及び再構築、規制対応力の向上ならびに必要に応じた調達・販売体制の見直しを進めることにより、当該リスクの低減に努めております。今後も、事業環境の変化を注視し、その影響の最小化を図ってまいります。
(自然災害・事故災害による影響について)
当社グループは、日本及びベトナムに製造拠点を有し、国内外に販売・物流拠点を展開しております。このため、地震、台風、洪水、停電その他の自然災害や、火災、爆発、漏えい、設備故障その他の事故災害が発生した場合には、原材料の受入れ、生産活動、保管、物流又は顧客への製品供給に支障が生じる可能性があります。特に、製造拠点又は物流機能に重大な被害が発生した場合には、操業停止、供給遅延、代替輸送又は復旧対応費用の発生等を通じて、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、拠点分散、保険付保、BCPの策定及び見直しに加え、国内外拠点への在庫配置による供給継続体制の強化、設備保全ならびに安全衛生活動の推進を通じて、自然災害及び事故災害に伴うリスクの低減に努めております。
配当政策
3 【配当政策】
当社の利益配分についての考え方は、将来の事業展開や経営基盤の強化に必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当の継続を基本方針としています。業績や戦略的投資の状況を総合的に勘案した上で、株主の皆様への利益還元を積極的に行ってまいります。具体的には、業績の変動に左右されにくい株主資本配当率(DOE)を指標とし、その1.8%を下限とすることとあわせて、配当性向30%を目標とすることにより、安定的かつ持続可能な配当の実現を目指します。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、取締役会の決議で行う旨を定款に定めております。
当事業年度の配当につきましては、本配当方針と現下の経営状況に鑑み、期末配当金を1株につき14円とし、中間配当金14円とあわせて年間28円の配当といたします。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える技術・製造開発体制を強化し、さらには、グローバル戦略の展開を図るために有効投資をしてまいりたいと考えております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。