2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    571名(単体) 20,348名(連結)
  • 平均年齢
    45.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    11.1年(単体)
  • 平均年収
    8,155,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

  2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

 デジタル&インダストリー

5,037

(545)

 

 エネルギーソリューション

1,084

(92)

 

 ヘルス&セーフティー

4,964

(1,555)

 

 アグリ&フーズ

3,566

(4,049)

 

その他の事業

5,341

(1,610)

 

全社(共通)

356

(23)

 

合計

20,348

(7,874)

 

 

(注) 従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の(外書)は、当連結会計年度の平均臨時雇用者数であります。

 

(2) 提出会社の状況

  2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

571

45.2

11.1

8,155

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

デジタル&インダストリー

 

141

 

エネルギーソリューション

 

70

 

ヘルス&セーフティー

 

44

 

アグリ&フーズ

 

55

 

その他の事業

 

12

 

全社(共通)

 

249

 

合計

 

571

 

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 平均勤続年数、平均年齢及び平均年間給与は出向受入者を除いて算出しております。

 

(3) 労働組合の状況

労使関係については、特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ①提出会社

当事業年度

管理職に占める
女性労働者の
割合(%)

男性労働者の
育児休業取得率(%)

労働者の男女の
賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

5.5

100.0

100.0

66.1

66.9

52.8

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「―」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。

     3  女性の賃金が男性より低い(男性平均年間給与比66.1%)理由は、女性の平均年齢は38.7才と男性よりも約8才若いこと及び女性管理職比率が5.5%であることが要因となっております。

     女性管理職比率の向上については、様々な取り組みを継続して行っております。

 

 

 ②連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

エア・ウォーター西日本
メディエス㈱

25.0

85.1

83.9

95.2

㈱プラス

18.2

59.3

79.0

117.5

㈱プレシア

14.7

10.0

20.0

0.0

59.6

75.9

80.3

エア・ウォーター・
リアライズ㈱

14.6

55.6

55.6

55.2

80.2

86.1

大山春雪さぶーる㈱

14.3

100.0

100.0

64.8

76.4

84.2

㈱九州屋

10.8

46.5

82.7

91.5

日本電熱㈱

10.8

0.0

0.0

73.2

80.9

66.0

エア・ウォーター・リンク㈱

8.3

25.0

25.0

51.7

70.7

51.7

エア・ウォーター・
マテリアル㈱

8.1

0.0

0.0

66.2

66.2

29.4

川本産業㈱

6.8

0.0

0.0

58.6

58.1

84.2

エア・ウォーター物流㈱

6.5

0.0

0.0

45.2

77.7

61.4

エア・ウォーター東日本
メディエス㈱

6.3

100.0

100.0

85.2

84.0

100.5

エア・ウォーター防災㈱

6.0

6.7

6.7

63.0

72.7

33.8

エア・ウォーター・
メディエイチ㈱

5.4

65.1

63.7

76.7

デンケン・ハイデンタル㈱

5.3

100.0

100.0

60.8

72.2

61.0

㈱ホクエイ

5.1

66.8

73.9

41.2

エア・ウォーター北海道㈱

5.0

100.0

100.0

69.3

66.1

65.4

エア・ウォーターアグリ&
フーズ㈱

4.9

43.6

71.4

46.2

タテホ化学工業㈱

4.7

33.3

33.3

58.2

67.3

62.6

エア・ウォーター北海道・
産業ガス㈱

4.5

0.0

0.0

70.8

69.7

67.7

エア・ウォーター・
ガスプロダクツ㈱

4.3

14.3

14.3

67.0

70.3

52.8

西日本エア・ウォーター物流㈱

3.8

50.0

50.0

64.0

77.8

37.6

 

 

 

 

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

エア・ウォーター・
エンジニアリング㈱

3.8

25.0

25.0

72.5

71.7

88.1

エア・ウォーター・
パフォーマンスケミカル㈱

3.7

62.5

62.5

82.9

83.2

58.9

ゴールドパック㈱

3.6

50.0

50.0

81.1

80.6

86.7

エア・ウォーター東日本㈱

2.9

28.6

28.6

45.5

77.1

53.3

エア・ウォーター・
メカトロニクス㈱

2.5

64.7

72.0

40.9

㈱日本海水

2.4

100.0

100.0

56.0

82.2

70.6

エア・ウォーター・マッハ㈱

2.0

45.5

45.5

63.7

72.5

85.5

エア・ウォーター西日本㈱

1.6

25.0

25.0

74.9

75.9

133.4

北海道エア・ウォーター・
アグリ㈱

0.0

100.0

100.0

58.7

73.8

68.3

エア・ウォーター炭酸㈱

0.0

0.0

0.0

73.1

79.6

93.2

エア・ウォーター・
ライフサポート㈱

0.0

60.0

84.1

78.7

エア・ウォーター・
ライフソリューション㈱

0.0

72.4

68.3

59.8

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「―」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。

 

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中に将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

当社グループでは、経営理念「創業者精神を持って空気、水、そして地球にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」の下、「空気」と「水」を事業の原点とし、このかけがえのない地球の資源を活かして事業を創出し、社会や人々の暮らしに貢献しております。

当社グループは、パーパス(存在意義)である「地球の恵みを、社会の望みに。」をSDGsコミュニケーションコンセプトとして掲げ、空気や水に代表される地球資源を活用し、技術やビジネスモデル、ノウハウを掛け合わせることで、人々の暮らしや産業になくてはならない製品、サービス、ソリューションを生み出してまいりました。当社グループの事業活動を継続するためには、その源泉となる地球環境に対して持続可能な事業活動でなくてはなりません。

そのような中、2019年7月には、2050年の当社グループのあるべき姿として、サステナブルビジョン「地球、社会との共生により循環型社会を実現する」を定め、その実現のために国際社会が目指すSDGsを2030年のマイルストーンとして位置づけ、2021年10月には、「エア・ウォーターグループ環境ビジョン2050」を制定しました。これらの方針の下、気候変動やスマート社会に対応する「地球環境」と、人生100年時代や世界人口の増加に対応する「ウェルネス(健やかな暮らし)」の軸に沿って、経営資源である多様な事業、技術、人材を活かしてグループシナジーによる新事業を創出しながら、経済価値と社会価値の両面から企業価値を向上すべく、事業活動を通じてSDGsに取り組み、社会課題解決への貢献を果たしていきます。

同時に、サステナブルビジョン実現のために、地球、社会とともに将来にわたり持続的に存続、発展するための重要課題として、7つの「成功の柱(マテリアリティ)」である「気候変動への対応」「資源循環の実現」「環境影響物質の抑制」「地域社会との共存共栄」「ウェルネス(健やかな暮らし)」「働く人々のWell-beingの実現」「グループガバナンスの強化」を特定し、KPIとして以下の目標を設定し、取り組みを進めております。マテリアリティの特定プロセスは、当社WEBサイトにおいて開示しております。

https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/sustainable_vision/sustainable_vision.html

 

・気候変動への対応

 2030年度 GHG(温室効果ガス)排出量 2020年度比 30%削減

・資源循環の実現

 2030年度 廃棄物リサイクル率 80%

・環境影響物質の抑制

 2030年度 水使用量原単位※ 2021年度比 10%削減 

※水使用量原単位:売上高あたりの水使用量

・働く人々の Well-being の実現

 2024年度 女性管理職比率 10%

 2024年度 休業災害度数率※ 0.9以下

※度数率:100万延労働時間あたりの事故遭遇率人数

 

 

当社グループは、この中で特に「気候変動への対応」と「働く人々のWell‐beingの実現」を企業価値に大きな影響をもたらす要因として捉えております。

(1)ガバナンス

当社グループは、気候変動や資源不足などの環境問題、人と自然との共存、進化し続けるデジタル技術の活用、人材の多様性や人的資本への投資、健康寿命の延伸と、サステナビリティに関わる社会の課題に対し、担当部門において各施策を検討した上で、中長期的な経営課題への対応方針や取組計画等は、代表取締役会長・CEOを議長とした最高経営委員会で審議し、その中で重要な事項は取締役会に報告され、取締役会は、報告された内容に対し適切に監督する態勢を構築しております。取締役会は、毎月1回以上開催され、サステナビリティに関する知識、経験を有した取締役も含まれております。取締役会ではサステナビリティに関わる社会課題への取り組みだけでなく、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応の観点からも監督を行っております。 

2022年11月からは、経営戦略と一体化させるために経営企画室の傘下に「SDGs事業推進グループ」※を設置し、当社グループのSDGs活動推進のための諸施策を立案・実施しているほか、当社グループ内にSDGsの取り組みの浸透を図るとともに、方針の周知と進捗の確認を行っております。また、SDGsに関わる課題解決の取り組みの具体的な内容については事業グループ・ユニット、地域事業会社にSDGs事業推進担当者を選任し、全社的な推進を行っております。

※「経営企画室SDGs事業推進グループ」は、2024年4月1日から「カーボンニュートラル推進室」にその機能を移管しております。

 

(2)リスク管理

当社グループでは、経営の健全性・安定性を確保しつつ企業価値を高めていくために、業務やリスクの特性に応じてリスクを適切に管理し、コントロールしていくことを経営上の重要課題の一つとして認識し、リスクマネジメント体制を整備しております。

当社グループは、全社的なコンプライアンス、保安防災、環境保全および人権に関わるリスクについては、「CSR推進室コンプライアンスグループ」※が統括部門として「リスクマネジメント検討会」を定期的に開催し、グループ全体におけるリスク管理体制の強化を推進しております。また、気候変動関連のリスク及び機会については、「経営企画室SDGs事業推進グループ」がTCFDの推奨するシナリオ分析の手法に基づいて、事業グループのTCFD推進責任者と共に評価・分析する体制としております。

それぞれ統括部門は、重要リスク及び機会実現の戦略・対策案について最高経営委員会及び取締役会に付議・報告することで全社のリスクマネジメントプロセスに統合する体制をとっております。

その他情報セキュリティを含むサステナビリティ関連の個別リスク及び機会については、それぞれの担当部門において、社内規程の制定、マニュアルの作成ならびに教育研修の実施などを行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当該リスク及び機会を管理しております。

一方、事業グループ、事業ユニットでは、事業に関連するサステナビリティのリスク及び機会の抽出・検討を行い、事業への影響度の大きい重要リスク及び機会を特定し、3か年毎の中期経営計画策定時や年度ごとの年度活動計画に具体的な戦略・対策を立案し、計画の進捗管理によりリスク及び機会の管理を行っております。

※「CSR推進室コンプライアンスグループ」は、2024年4月1日から「コンプライアンス室」に組織名称が変更になっております。

 

(3)戦略・指標及び目標

1.気候変動に関する取り組み

当社グループは、2021年8月、金融安定理事会(FSB)「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明し、TCFDの提言に沿って気候変動関連の重要情報を当社WEBサイトにおいて開示しております。本項目は、抜粋を掲載しております。

  https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_recommendations.html

当社グループは、気候変動への対応は「成功の柱(マテリアリティ)」の一つとして、事業の戦略との統合を図っております。

当社グループは、自らのGHG排出量削減という<責務>と製品・事業を通じた社会のGHG排出削減という<貢献>の両面からカーボンニュートラルに取り組んでおります。自らが排出するGHGの削減として、2030年の30%削減目標達成までの道筋や課題、期日などを明確化するためにロードマップを策定しております。このロードマップでは以下の優先順位でGHG削減に取り組むこととしております。社会のGHG排出削減として、具体的には、産業ガス事業で培った精製・分離・貯蔵などのガスコントロール技術を駆使し、バイオガス、メタン、水素などのガス供給やCO2回収・利活用といった低炭素・脱炭素に寄与するカーボンニュートラル技術の開発などを行っております。2024年4月には「エア・ウォーター・グリーンデザイン㈱」を発足させ、炭酸ガス・水素の事業インフラと関連技術を結集することでCO2の回収・利活用や低炭素水素といったイノベーションを加速し、カーボンニュートラル市場に向けた事業展開を推進していきます。

 


 

また、気候変動という予測困難で不確実な事象に関するリスクと機会を特定し、それらのリスクと機会がどのように事業の戦略に影響を与えるのかを確認するためにシナリオ分析を行っております。2023年度は全ての事業ユニットとその他の主要事業を対象に、「4℃シナリオ」と「1.5℃シナリオ」を用いて分析を行いました。その結果、リスク、機会共に「1.5℃シナリオ」の方が影響は大きいが、「4℃シナリオ」、「1.5℃シナリオ」のいずれも十分な対応策や機会獲得・拡大を見込んでおり、不確実な長期的な将来に対し、当社の基本戦略は十分なレジリエンスを有していることを確認しました。

 

 

事業部門ごとのシナリオ分析の詳細については、当社WEBサイトをご参照ください。

https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_recommendations.html

シナ

リオ

区分

事象

事業インパクト

時間軸

(注1)

対応策

財務

影響度

(注2)

1.5℃

移行

リスク

GHG排出に関する規制の強化(炭素税)

炭素賦課金(海外は炭素税)の導入による使用する電力および燃料のエネルギーコストの増加

中期

・製品価格への転嫁

・高効率プラント開発

・環境価値の購入

移行機会

新規市場の獲得、既存事業の拡大

デジタル化によるデータ処理量増加に伴う製品の省エネ化・次世代パワー半導体の需要の増加

中期

半導体分野向けの産業ガス、特殊ガス及び特殊ケミカル品の安定供給体制の拡充

移行機会

新規市場への事業拡大

バイオメタン、eメタン及び

CCUS事業の拡大

中期

・優良な国内バイオメタンソースの確保

・CO2回収・精製・メタネーション技術の蓄積

4℃

物理的

リスク

台風・洪水のような異常気象の深刻化や増加

自社製造拠点の設備被害や交通インフラの物理的被害による生産活動と製品輸送の損害

長期

・保険加入による補償、補填でカバー

・設備対策BCP

 

 (注) 1 長期:2030年~2050年 中期:2024年~2030年

    2 大:売上収益/コスト 100億円以上 中:売上収益/コスト 10億円以上100億円未満

 

①温室効果ガス(GHG)排出量

当社グループでは、気候関連に係るリスクと機会を測定・管理するための指標として温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1,2,3)を選定しております。GHG排出量の算定にあたっては、2020年度からGHGプロトコルに基づいた算定をしております。

GHG排出量の詳細については、当社WEBサイトをご参照ください。https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/esg_data.html

(千t-CO2e)       

項 目

2020年度

2023年度(注1)

エネルギー起源CO2(国内)

2,115

2,123

Scope1:燃料の燃焼による直接排出

675

322

Scope2:他社から供給された電気等の使用に伴う間接排出

1,440

1,801

エネルギー起源CO2(海外)

749

805

Scope1:燃料の燃焼による直接排出

33

27

Scope2:他社から供給された電気等の使用に伴う間接排出

716

778

その他のGHG(非エネルギー起源CO2、メタン、N2O等)の排出

255

200

(Scope1+Scope2計)

3,119

3,128

GHG排出原単位(GHG排出量/連結売上収益)

  t-CO2/百万円

3.87

3.05

Scope3: Scope1、 Scope2以外の間接排出

2,279

4,699

 

 (注) 1 Scope3は<速報値>:2024年9月末に確定値公表予定

2 2022年度以降は旧エア・ウォーター&エネルギア・パワー山口㈱は連結対象外のため算定対象に含めておりません。

 

 

②GHG排出量の削減目標

当社グループは2021年10月、「エア・ウォーターグループ環境ビジョン2050」を制定しました。その中で掲げている脱炭素社会の実現に向けて、2050年までに自社の事業活動でのカーボンニュートラルの実現とサプライチェーン全体でのGHG削減に取り組むとともに、脱炭素ビジネスにより社会に環境価値を提供していきます。環境ビジョン2050の制定を契機に、そのマイルストーンとなる2030年度のGHG削減目標※を2020年度対比で30%削減することを目標としております。※国内連結子会社のエネルギー起源CO2が対象

 

③GHG排出量の削減状況(2023年度実績)

2023年度のGHG排出量は、バウンダリーの構造的変化、製造プロセスの省エネ、再エネの導入および事業成長による増加などにより、国内エネルギー起源CO2において基準年度比で0.4%増となっております。

 

④エネルギー種別のGHG排出量

GHG排出量のエネルギー種別について、当社グループは産業ガスを製造する工場において原料空気から酸素・窒素・アルゴンを分離・精製するために、多くの電力を使用しておりGHG排出量(Scope1,2)のうち、電力使用が8割以上を占めております。

 

 2.人的資本

当社グループは「多様な事業・人材・技術」を創造的に掛け合わせることで生み出されるシナジーによって、『社会課題の解決を通じた新たな企業価値の創造』を目指しております。そのなかでも重要となるのが「人材」であります。「人を活かす経営」が当社グループの人的資本経営の基軸にあります。とりわけ「次世代経営人材の育成」「多様性の尊重(DE&I)」「リカレント教育」「健康経営の推進」の4つの取り組みを重視し、「自主自立」「個の尊重」「人が育つ風土の醸成」を人事基本方針に掲げながら、人事戦略を推進しております。

複雑化する社会課題に向き合い、答えを出していくためには、多様な人材が自らを高め、磨き続ける必要があります。2023年度より社内公募制度の導入やグループ内の人事交流の推進、チャレンジを促す人事制度への刷新、グローバル人材育成に向けた取り組みなど、グループ一体となり将来の成長を牽引する経営人材の採用・抜擢・異動・育成を進めております。同時に、育児・介護支援をはじめ福利厚生制度の充実を含めて、下記の方針を立て、さまざまな取組みを進めるとともに、生産性の向上と継続的な賃上げを実施し、従業員のWell-beingの向上を目指します。

 

① 人材育成方針

当社グループは、「人を活かす経営」の実現に向け、新たな成長を牽引できる経営人材を育成・輩出するとともに、当社では従業員に挑戦の機会を提供し、従業員個人も会社もともに発展できる好循環を創出するための人事制度改革をおこなっております。管理職を対象に年齢や社歴に関わらず、従業員と会社が合意したミッションの大きさに応じたジョブグレードにより、処遇を決める「ミッショングレード制度」を導入し、挑戦する意欲と実力があれば20代での管理職登用も可能になります。一般職層も同様に2024年4月より社員の挑戦への姿勢を尊重し、加点評価するとともに、各自のキャリア選択や成長スピードに応じた早期の抜擢昇格を可能とする「チャレンジグレード制度」を導入しチャレンジ機会の提供を拡大しております。また、同じ人材が一つのポジションに長期滞留しないよう社内公募制度を用いた自立的な異動ローテーションを年2回行い、それぞれの従業員が多様な経験を積み、専門性を高めることで活躍の場をグループ全体に拡げていく仕組みとしております。このような従業員の自立的キャリア形成を支援し、若い人材が積極的に挑戦し、登用・抜擢される風土を醸成していきます。

 

② 社内環境整備方針

さまざまなライフイベントを迎える従業員が、それぞれの能力を最大限に発揮するためには、「安心して働ける職場環境づくり」が求められます。当社はこれまで、育児中の従業員を支援する育児休業制度、短時間勤務制度、子の看護休暇制度に加え、配偶者転勤時の休職を認める配偶者休職制度、ジョブリターン制度を整備してきました。2023年11月には、当社のワークライフバランス推進に関する取り組みが評価され、プラチナくるみんマークを取得しております。一方で、急速な高齢化により、介護保険制度上の要支援・要介護認定者数が急速に増加しているわが国では、介護をしながら働く従業員の就業をいかにサポートしていくかが大きな社会課題となっております。そこで介護支援に関する全社的な取り組みを進めるとともに、福利厚生制度を見直し、介護により就業が制限される従業員にも多様な就業支援を行い、継続してキャリアを形成できる環境を整備していきます。このほか、柔軟な働き方を通じた生産性の向上を図るため、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入しております。

 

◇女性活躍の推進

多様性ある組織の構築によって企業が一層の成長をしていくために、女性活躍推進法に基づく行動計画では、重点取り組みとして、女性管理職比率を10%以上とする目標を掲げておりました(2023年度実績:5.5%)。メンター制度によるキャリア構築支援や女性リーダー育成プログラムの強化を図っておりますが、今後もこれらの取り組みを継続した上で、新たな取り組みとして候補者の上司への研修を通して周囲の意識変化にも取り組んでいきます。また、将来的な女性管理職登用を見据えた取り組みとして、女性社員の積極的な採用と女性主任・係長層の登用も進めております。新卒採用者に占める女性比率目標40%以上に対し、21‐23年度における平均値は53.5%と、目標を上回る結果となっております。女性主任・係長層の登用については2023年度末で24.0%となり、着実に育成が進んでおります。

 


     (注) 人的資本に関する連結数値目標は、現在検討中のため、単体数値として記載。

 

◇男性育児休業・休暇の取得推進

男性社員の育児参加を後押しするため、男性の育休取得率を2024年度に40%以上とすることを目標に掲げていました。2023年度においては、配偶者が出産した男性社員が育児休業・休暇を取得し、早期に目標達成しました。対象者とその上司への声掛けや、人事担当者との個別面談の実施、働き方改革の推進など、本人だけでなく周囲を巻き込んだ取り組みの効果により、社内における男性育休取得の風土醸成は着実に進んでおります。2023年11月には「プラチナくるみん」を取得し、仕事と家庭の両立を図ることができる働きやすい会社へと一層の進化を続けております。今後も、高い育休取得率の維持を目指すとともに、十分な育休期間の取得についても継続して取り組んでいきます。男性育休のさらなる社内浸透を目指し、育休取得者との座談会や社内セミナー、対象者と上司への育休取得推奨の働きかけを継続実施していきます。

 

17~19年度平均

20~22年度平均

2023年度単年

2024年度目標

男性育休取得率

28.0%

40.8%

100.0

100.0%

男性育休平均取得日数

5.2日

19.6日

21.9

30.0日

 

 

 


 

  (注) 1 上記「育休」には、育児休業(育児・介護休業法第2条に基づく休業)および育児休暇

       (年休特別積立規則に基づく育児を目的として取得する5日以上の休暇)を含みます。

     2 人的資本に関する連結数値目標は、現在検討中のため、単体数値として記載。