2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    691名(単体) 735名(連結)
  • 平均年齢
    41.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.1年(単体)
  • 平均年収
    7,200,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    4.3%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

当社は、企業理念「人を大切に、技を大切に」に基づき、人的資本を中期経営計画(2024~2026)の実現および持続的な企業価値向上を支える重要な経営基盤と位置付けております。中期経営計画に掲げる「成長戦略の推進と新たな価値の創造」の実現に向け、人材戦略と従業員給与等の決定方針を一体として推進しております。

人材戦略は、「多様な人材の確保」「人材の育成」「職場環境の整備」を基本方針とし、事業環境や顧客ニーズの変化に柔軟に対応し得る人材・組織の構築を図っております。これらの進捗は、経営会議での確認と取締役会による監督の下、女性採用比率及びキャリア採用比率等、方針・施策に紐づく指標と目標により管理しております。

従業員給与等は、人材戦略に基づく従業員の能力発揮と成果創出を適切に評価し、人材の確保・育成・定着といった好循環を生み出す「人的資本投資」として設計しております。給与体系は、職務・役割(職能資格等級)及び能力水準に応じた固定的報酬を基盤とし、会社業績及び個人の貢献を反映する変動的報酬(賞与等)を組み合わせ、固定/変動の適切なバランスにより、安定性と業績向上インセンティブの両立を図っております。昇給は主として実績考課等の評価結果を踏まえて運用しております。

給与水準の決定にあたっては、内部の公平性・納得性を確保するとともに、同業他社・同規模企業をベンチマークとし、必要人材の確保と競争力の維持に資する水準の適正化を図っております。決定プロセスの透明性については、労働組合との人事制度委員会等における継続的な議論を通じて確保しております。

さらに、金銭的報酬に加え、体系的教育やコーチング等の成長機会、健康経営・ワークライフバランス支援等の非金銭的報酬(トータルリワーズ)を一体で提供し、従業員のウェルビーイング向上とエンゲージメントの最大化を通じて、人的資本投資の効果を収益力の強化と企業価値の持続的向上につなげてまいります。

 

 

(2)【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

化学品事業

213

機能品事業

379

賃貸事業

報告セグメント計

592

その他

44

全社(共通)

99

合計

735

(注)1.従業員数は就業人員としておりますが、一部の事業を除きパート及び派遣社員は含んでおりません。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、主として管理部門に所属しているものであります。

3.賃貸事業につきましては、その他及び全社(共通)の従業員が兼務しております。

 

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(百万円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

691

41.9

19.1

7.2

4.3

 

セグメントの名称

従業員数(人)

化学品事業

213

機能品事業

379

賃貸事業

報告セグメント計

592

その他

全社(共通)

99

合計

691

(注)1.従業員数は就業人員であり、パート及び派遣社員は含んでおりません。

2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、主として管理部門に所属しているものであります。

4.賃貸事業につきましては、全社(共通)の従業員が兼務しております。

 

(3)労働組合の状況

 当社の労働組合は日本化学工業労働組合と称し、本社及び工場ごとに支部が置かれ、2026年3月31日現在の組合員数は572名で上部団体の日本化学エネルギー産業労働組合連合会に所属しております。

 会社と組合との間は円滑であり、労使協議機関として労使協議会を定期的に開催しております。

 その他特記すべき事項はありません。

 

 

(4)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

4.2

100.0

77.8

78.9

75.5

①管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は4.2%となっておりますが、当社人事制度における総合職及び管理職に占める女性社員の割合も10.5%と低い水準となっております。

②正規雇用労働者の男女の賃金の額の差異については、全労働者の約半数を占める製造部門において男性の割合が100%となっており、そのほとんどが三交替勤務に従事しております。三交替手当勤務に対する現業手当、深夜交替手当、深夜業手当が支払われているため、男女間の差異が生じております。

③パート・有期労働者の男女の賃金の額の差異については、それぞれ仕事の内容に応じた賃金となっており、女性よりも男性に相対的に賃金が高い嘱託社員が多いため、男女間の差異が生じております。なお、2026年3月末現在の女性パート・有期労働者は8名となっております。(男性47名)

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

 連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1.サステナビリティ基本方針

当社グループは「人を大切に、技を大切に」の企業理念に基づき、ステークホルダーとの対話と価値創造を通じて社会課題の解決を図り、地球規模まで視野に入れたあらゆる「人」の幸せと持続可能な社会の実現に取り組みます。

・事業活動を通じて、環境負荷を低減し、地球温暖化防止に取り組みます。

・環境に配慮した製品を提供し、低炭素社会、循環経済の実現を目指します。

・社会貢献活動を積極的に推進し、地域社会の活性化や信頼関係の醸成を目指します。

・人権・労働・安全・環境等、事業活動に適用されるすべての法令や規則を厳格に遵守します。

・社会課題の解決に貢献する製品の開発と販売を促進します。

・多様化する働き方やワークライフバランスを重視した職場環境の構築を進めます。

・サプライヤーから顧客にいたる強靭なサプライチェーンを構築します。

 

2.気候変動への対応

気候変動が経済・社会・環境に及ぼす影響は年々深刻さを増しております。世界規模で脱炭素社会の実現に向けた動きが加速しており、企業にも確実な対応が求められております。

当社グループは、2022年10月、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)※1の提言に賛同を表明し、これに基づく情報開示を行ってまいりました。また、2025年7月、生物多様性に対する取り組みを強化することを念頭にTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)※2の情報開示提言へ賛同し、「TNFD Adopter※3」に登録しました。ステークホルダーの皆さまに対しては、TNFD 提言とフレームワーク※4に沿って当社グループの気候変動関連、自然資本関連情報を開示しながら対話を進めてまいります。

 

※1:G20の要請を受けた金融安定理事会により設置された、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのよ

     うに行うかを検討するための気候関連財務情報開示タスクフォース。

※2:企業・組織が自身の経済活動による自然環境および生物多様性への影響を評価し、情報開示する枠組みの構

     築を目指す国際イニシアチブ。

※3:TNFDの提言に沿った情報開示を行う意思をTNFDのWebサイト上で登録・宣言した企業・組織。

※4:TNFDフレームワークでは、企業の事業活動が自然資本や生物多様性との関係性(依存と影響)において、ど

     のようなリスクと機会があるかを評価・開示することを求めている。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、企業理念に立脚して様々なステークホルダーと良好な関係を築き、信頼され必要とされる企業となるため、CSR(企業の社会的責任)活動から、企業活動を通じた価値創造により、全てのステークホルダーに貢献するサステナビリティ活動へ軸足を移し、スピード感を持った活動を推進するため、2022年にサステナビリティ推進委員会を設置しました。サステナビリティ推進委員会は、社長が委員長となり、委員は生産技術本部、研究開発本部、営業本部、経営戦略本部、事業推進本部を担当する取締役及び執行役員と、その目的に照らし、委員長が適切と認めて選任したメンバーにより構成され、サステナビリティ基本方針を始めとしたサステナビリティに関する事項の審議を行います。

 取締役会は、サステナビリティ推進委員会で審議された重要事項についての報告や提言を受け、気候関連課題への対応方針および実行計画等についても指示・監督を行っております。サステナビリティ推進委員会のもとに、「サステナビリティ委員会」、「全社RC委員会」、「NBCP(日本化学事業継続計画)運営委員会」、「倫理委員会」の4つの委員会を配置し、サステナビリティ推進委員会はこれら4つの委員会の活動を統括・指導し、定例会議等を通じてマネジメント強化と推進に努めております。サステナビリティ委員会は、常務執行役員のもとで、全てのステークホルダーへの価値の提供や、気候変動や循環経済への対応など、サステナビリティに関する取り組みを進めております。全社RC委員会は、社長を委員長とし、環境・安全におけるレスポンシブル・ケア活動を推進し、法規制の遵守、環境保全、保安防災、労働安全衛生、製品安全、物流安全等のレベルの維持向上に努めております。NBCP(日本化学事業継続計画)運営委員会は、生産技術本部を担当する執行役員を委員長とし、顕在化した危機および潜在的な危機に対する方針や計画、訓練の継続的改善を推進しております。倫理委員会は、事業推進本部を担当する執行役員を委員長とし、日々の企業活動において遵守すべき行動指針の周知徹底を図るとともに、定期的に遵守状況の確認を行い、継続的な改善に努めております。

 

 

 

            ・ガバナンス体制

 

(2)リスク管理

 当社グループでは、リスク管理規程に基づき、事業の特徴や事業を取り巻く環境を考慮しながら、リスクが事業活動に与える影響度を分析し、サステナビリティ推進委員会の枠組みの中でリスクを管理しています。各部門において気候変動関連・自然関連リスクを含むすべてのリスクを洗い出し、各部門の責任者からなる会議体(本部長会議)により、それらリスクを分類し一覧にまとめ、発生頻度のレベル、影響度のレベル、コントロールのレベルによって評価しています。評価されたリスクについて、原因・予知・訓練・再発防止等の根本的な解決策をサステナビリティ推進委員会で検討することにより、問題の発生を未然に防ぐ対策を講じています。リスクの評価は年に1回の頻度で行います。

 気候変動に関するリスクについてはシナリオ分析に基づいて、自然関連リスクについては直接操業、バリューチェーン上流の客観的・定性的な重要性に着目し調査地域を特定し、それらのリスクを評価しました。

 2025年7月に制定したCSR調達ガイドラインを基に、サプライヤーと協働しながら環境負荷低減に取り組んでいます。また、気候変動リスクの定量的な把握を行うために、2024年4月よりインターナルカーボンプライシング(ICP)制度を導入しました。低炭素・脱炭素設備の設備投資計画において、ICP(3,000円/MT-CO換算)を適用して費用換算し、投資判断指標のひとつとして運用しています。

 

(3)-①気候変動に関する戦略

 近年地球温暖化が原因と思われる大規模な山火事や洪水が世界中で多発しており、気候変動が社会に及ぼす影響は年々深刻さを増しています。地球温暖化防止のため、国際社会は脱炭素社会の実現に向け、各国や企業に対して対応を求めています。

 当社グループも、気候変動への対応は重要な事業課題であると捉え、2030年度の温室効果ガス(GHG)排出量を2020年度比で23%削減することを目標に掲げました。また、環境課題の解決に貢献する製品、ライフサイクル全体を通して環境改善に貢献する製品を「環境貢献製品」と定義し、これらを積極的に市場へ提供する方針を立て、環境貢献製品の対全売上高比率をKPIに掲げ、全社で取り組んでいます。

 ステークホルダーの皆さまに当社グループの活動内容をご理解いただくため、今後もGHG排出削減の経過報告、廃棄物の発生量や環境負荷物質の排出量、環境貢献製品の売上比率など、気候変動関連の情報を開示し、当社グループの企業価値向上に努めてまいります。

 

 

1.5℃シナリオ※1

 気候変動に対し厳しい対策が取られ、2100年時点において、産業革命時期比の気温上昇が1.5℃程度に抑制されるシナリオ。気候変動対応が強められ、政策規制、市場、技術、評判等における移行リスクが高まるシナリオ。

 

※1:インパクトを試算する際のパラメーターは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、IEA(国際エネルギー機関)の情報を参考にRCP2.6シナリオを使用。

 

 脱炭素シナリオ(1.5℃)においては、政府の環境規制強化に伴う炭素税導入や、再生可能エネルギー需要の増加による電力価格上昇など費用の増加、世界規模での地球温暖化対策が講じられることによる資源調達費用の増加が想定されます。

 一方で、当社グループの成長分野の製品である電子セラミック材料、ホスフィン誘導体などの環境貢献製品については、市場からの要求がこれまで以上に高まりビジネスチャンスが増えていくものと考えています。また、当社グループでは、当社グループの生産工程で排出されるCO₂の削減を重要な課題と認識しており、再生可能エネルギーの活用や製造現場における脱炭素技術導入などにより、CO₂の削減に取り組んでいます。調達面においては、サプライヤーとのコミュニケーションを通じて、安定調達を継続しつつ原材料にかかわるCO₂の削減を目指してまいります。

 

4℃シナリオ※2

 気候変動への厳格な対策が取られず、2100年時点において、産業革命時期比で4℃程度気温が上昇するシナリオ。自然災害の激甚化、海面上昇や異常気象の増加などの物理的リスクが高まるシナリオ。

 

※2:インパクトを試算する際のパラメーターは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、IEA(国際エネルギー機関)の情報を参考にRCP8.5シナリオを使用。

 

 自然災害は、発生の予測が難しく、一度発生すれば、当社グループの製造拠点が被災し、化学物質の漏洩など甚大な被害をもたらす可能性があります。設備損傷や化学物質漏洩による操業停止などを回避するためには、災害対策に関する設備投資が必要となり、これによる製造コスト上昇も想定されます。温暖化進行シナリオ(4℃)では、この傾向はさらに強まることが想定されます。

 当社グループでは洪水や暴風雨などの災害が発生した際に対応ができるよう、専門の委員会を設置しBCP(事業継続計画)を策定し、緊急時においても事業活動への影響を最小限にとどめるよう備えています。引き続き、BCP体制の継続的改善を推進していきます。

 

 

・リスクと機会

気候変動1.5℃シナリオと4℃シナリオにおけるリスクと機会を下記に示します。

 

(3)-②気候変動に関する指標及び目標

 当社グループでは、脱炭素社会の実現に向けて、パリ協定で求められるCO₂排出削減レベルを考慮し、Scope1(事業活動による直接排出)およびScope2(購入した電力消費使用などによる間接排出)の排出量について、2020年度の排出量63,356tを基準に、「2030年度23%削減」の目標を設定しました。

 2024年度の当社グループのGHG排出量はScope1が27,597t、Scope2が23,821t、合計51,418tで、前年度より若干増加しました。

 社内の省エネ、節電を心掛けるとともに、再生可能エネルギーの活用や製造現場における脱炭素技術の導入などにより、GHG排出量を削減し、脱炭素社会の実現を目指します。

 

 

GHG排出量と中期削減目標(2025年度の排出量は現在算定中)

 

当社グループのCO₂排出量はGHGプロトコルに基づいて算出しており、信頼性と透明性の向上のため第三者機関による検証を受けています。

 

 

(4)-①自然資本に関する戦略

 LEAPアプローチ

 当社グループでは、自然資本に関する評価・管理を行うために、TNFDが開発したLEAPアプローチを使用して解析を行いました。LEAPアプローチは、Locate(自然との接点の発見)、Evaluate(自然への依存と影響の特定・評価)、 Assess(自然に関するリスクと機会の評価)、Prepare(対応と報告の準備)の4つのプロセスから構成されます。

 

 Locate:自然との接点の発見

 Locateフェーズでは、直接操業とバリューチェーン上流(原料、燃料)を対象範囲としました。直接操業として、国内生産拠点4ヵ所すべてを選定しました。バリューチェーン上流については、SBTs for Nature(SBTN)※1が公表しているHigh Impact Commodity List※2に掲載されている商品を提供し且つ当社グループ事業に関係が深いサプライヤー、売上比率の高い製品の原燃料のサプライヤー計8社を選定しました。これらの周辺の自然の状態を下記のツールで分析し、要注意地域の特定を行いました。

 

※1: 企業や都市が科学に基づいて自然関連目標を設定することを促すフレームワーク。

※2:SBTNが自然への影響が大きいとされるコモディティ(原材料)をリスト化したもの。

 

 要注意地域の特定には、SBTNで推奨されている分析ツールやデータベースを使用しました。要注意地域として、TNFD提言が挙げる以下5つの基準のうち1つ以上に当てはまる場所を特定しました。

・生物多様性にとって重要な地域(分析ツール:IBAT※1)

・生態系の完全性が高い地域(分析ツール:GFW※2)

・生態系の完全性が急速に低下している地域 (分析ツール:GFW)

・物理的な水リスクが高い地域(分析ツール:Aqueduct※3)

・先住民、地域社会、ステークホルダーへの便益を含む、生態系サービスの提供にとって重要な地域(分析ツー

 ル:GFW)

 

※1:Integrated Biodiversity Assessment Tool (生物多様性評価ツール)の略。

※2:Global Forest Watch(高解像度の衛星画像を利用して地球規模で森林をモニタリングするオンラインシステム)の略。

※3:WRI(World Resource Institute:世界資源研究所)が提供する水リスクに関するデータプラットフォーム。

 

分析ツールやデータベースを使用して得た分析結果を基に、以下のように優先地域を特定しました。

 

・優先地域のまとめ                                 2026年6月1日現在

 

 

Evaluate:自然への依存と影響の特定・評価

 自然関連への依存・影響を特定するために、ENCORE※1を用いて調査し、それぞれヒートマップにまとめました。

 

※1:ENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure)

金融機関のネットワーク「自然資本金融同盟」と国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCSC)が共同で開発したツールで、潜在的な自然への依存・インパクトのリストやフロー図等を入手することができる。

 

 ENCOREによって得られた情報(ヒートマップ)を基に、当社グループの直接操業、バリューチェーン上流(原料、燃料)における自然への依存度と影響度を特定・評価しました。

 自然への依存度については、直接操業とバリューチェーン上流(原料)において全ての項目が中程度以下であり、サプライチェーン上流(燃料)において「水質浄化」が高い、他の項目が中程度以下という結果になりました。

 自然への影響度については、直接操業とバリューチェーン上流(原料)において「土壌・水質汚染物質」、「外乱(騒音、光など)」が特に高い、他の項目は中程度以下、バリューチェーン上流(燃料)において「土壌・水質汚染物質」、「外乱(騒音、光など)」が特に高い、「GHG以外の大気汚染物質」が高い、他の項目は中程度以下という結果になりました。

 

・依存に関するヒートマップ

 

 

・影響に関するヒートマップ

 

Assess:自然に関するリスクと機会の評価

 リスクと機会の洗い出しにおいてTNFDのガイダンスを参考にシナリオ分析を行いました。シナリオ策定にあたっては、市場と非市場の一貫性(移行リスク)、生態系サービスの低下(物理リスク)の度合いに基づき4つのシナリオに分けて分析しました。

 下記の中で最も実現可能性が高いと考えられる「シナリオ2」を想定し、Locateで特定した優先地域、Evaluateで特定、評価した自然への依存度と影響度の調査結果を踏まえ、当社グループのリスクと機会の時間軸の定義※1を考慮し、当社グループにとって重要と思われる自然資本に関するリスク及び機会を特定しました。さらに、特定したリスクや機会への対応策を、当社の事業内容、事業地域、バリューチェーンを考慮して検討しました。

 

※1:短期(3年未満)、中期(3年を超え10年先まで)、長期(10年を超え30年先まで)と定義している。

 

 

・TNFDシナリオ分析

 

・自然に関するリスクと機会のまとめ

 

(4)-②自然資本に関する指標及び目標

Prepare:対応と報告の準備

 特定したリスク/機会の解析結果を踏まえ、さらに当社グループの中長期戦略を考慮して最も重要と思われる自然資本に関する指標と目標を選定しました。これらの課題に対してはマテリアリティを特定しKPIを掲げて取り組んでいます。社内リソースを適正に分配しながらKPIの達成を目指します。

 

・自然資本に関する指標と目標

その他の指標については、TNFDグローバル中核開示指標を参考に開示を行うとともに、環境負荷の低減を図っていきます。

 

 

・依存と影響に関するグローバル中核開示指標

 

 今後もTNFDフレームワークを参考に当社グループの気候変動、自然資本に関する積極的な情報開示を行ってまいります。また、ステークホルダーの皆さまから頂いたご意見を参考に、サステナビリティ活動の改善・推進を図り、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

3.人的資本

人的資本に関する基本方針は「5.従業員の状況 (1)人材戦略に関する基本方針等」をご参照ください。

 

(1)ガバナンス

 人材戦略に関しては、取締役会で決定した経営戦略を経て、経営トップである代表取締役社長をはじめとする執行役員で構成された経営会議にて、具体的な課題や施策(重要な組織の新設と改編、人事制度の改革等)に関する検討と決裁、進捗状況の確認を実施しております。また、定期的に経営会議から取締役会に報告し、取締役会は報告を受けた内容に関してモニタリングし、監督しております。

 

(2)戦略

 組織の発展につながる人材の拡充を実現するためには、様々な能力を持つ人材の確保と社員一人ひとりの成長が重要です。社員の自律的なキャリア形成を後押しする体系的な教育体制を整えております。

 また、社員の自発的行動を促し、組織全体を育成するという当社独自の観点からコーチング・プログラムを展開しております。

 さらに、多様な働き方やワークライフバランスを重視した職場環境の整備を進めるとともに、健康経営や労働安全衛生の推進にも取り組んでまいります。

 

 

 

①多様な人材の確保

 変化の激しい事業環境に対応していくためには、多様な視点や経験を活かすことが必要です。≪女性活躍推進≫≪キャリア採用推進≫≪外国人採用推進≫を実施し、サステナブルな企業体質を目指します。

 

≪女性活躍推進≫

 女性活躍推進においては、女性が仕事と生活を両立しながら活躍することを推進しており、女性活躍機会の拡大は、今後の当社の成長戦略には欠かせません。しかし、当社人事制度における総合職及び管理職に占める女性社員の比率は2026年3月末10.5%で、依然少ない状況であり、女性社員を増やしていくこと、並びに女性社員の育児離職を防ぐことが重要な課題であると認識しております。女性管理職比率の向上を目指し、新卒採用(大卒以上)の女性比率を2026年度の目標として30%以上とする取組みを推進しております。

 

≪キャリア採用推進≫

 多様な価値観や高度な専門性を持った即戦力となる人材を確保するため、キャリア採用を積極的に実施しております。採用者全体(大卒以上)に占めるキャリア採用の割合を2026年度の目標として20%以上とする取組みを推進しております。

 

≪外国人採用推進≫

 外国人の雇用については海外子会社を中心に採用をより一層進めます。

 

 

②人材の育成

 社員教育は、会社の成長を支える大切な要素の一つです。「成長戦略の推進と新たな価値の創造」の実現に向けて、社員一人ひとりが最新の知識やスキルを身につけ、業務遂行上必要な知識・技術・技能を修得し、能力向上を図るため≪体系的教育制度≫を設けております。また、「未来に続く日本化学」の実現に向け「何が必要で、それはどうしたらできるのか」を一人ひとりが考えて動くことのできる組織づくりを目指すため、≪コーチング・プログラム≫を実施し、社員の自発的行動を促進してまいります。

 

≪体系的教育制度≫

 日常の業務活動を通じて、それぞれに必要な知識・技術・技能の向上を図る職場内教育(OJT)に加え、新入社員から幹部職までの階層別研修や、職層にかかわらず業務を遂行するうえで必要となるスキルアップ・プログラムやグローバル人材育成プログラム等に注力し、教育機会の拡充を図っております。当社は、以下に掲げる「教育基本方針」のもと、下記の「教育体系図」・「階層別教育体系図」に示す通り、教育の機会を提供しております。また、個人の育成では、多様な教育・研修の場を提供しているほか、化学系資格取得支援として公害防止管理者や危険物取扱責任者等の資格取得について積極的にサポートしております。その結果、化学系資格取得者の割合は徐々に増加しております。さらに、グローバル人材の育成としてオンライン語学研修制度や海外トレイニー制度を導入しております。管理職上級者に対しては、次世代の経営人材育成のため教育制度の充実化を図ってまいります。

 

(当社の教育基本方針)

・教育は、会社の方針に沿って、計画的・組織的かつ継続的に行う。

・能力育成は、社員各自が向上意欲に燃え、自己啓発に努めることによって、その成果が期待されるものであり、会社は機会をとらえて必要な施設及び援助を行う。

・指導的立場にある者は、能力育成の環境を醸成するとともに、常に率先垂範して自己啓発に努めなければならない。

 

 

(教育体系図)

 

 

日本化学工業 階層別教育 体系図

 

対象

教育名

教育内容

必須能力

獲得スキル・知識・技能

管理職上級

部長・工場長

経営幹部教育

会社を経営していくために、経営幹部として必要な知識、技術、技能を修得することを目的とし、役員および管理職上級者を対象として行う。

リーダーシップ

 

目標達成マネジメント/(創造型)問題解決/活力ある職場づくり/リーダーシップ/経営戦略構築

管理職

シニアマネジャー

マネジャー

管理者教育

管理者として、組織運営上必要な管理に関する知識、技術、技能を修得することを目的とし、管理職を対象として行う。

共通

専門

能力

マネジメントの原理原則/組織活性化/意思決定/問題解決能力/部下指導

10~15年

指導職層

監督者教育

監督者として、職場における指導、監督に関する知識、技術、技能を修得することを目的とし、総合職及び専任職の指導職層を対象として行う。

 

プロジェクトマネジメント/(潜在型)問題解決力/論理的思考力/表現・説得力/後輩指導力/仕事管理力(段取り)/業務改善/(顕在型)課題解決力

5~10年

一般職層

一般社員教育

会社の現状、業界の動向、その他業務遂行上必要な基礎的知識を深め、従業員としての自己啓発を図ることを目的として、総合職及び専任職の一般職層を対象として行う。

自律

行動

 

プロフェッショナル意識(コスト・協調・規律・行動意識)/企画・発想力

1~2年

若手

新人社員教育

新入社員に対し、会社の概要、業務上必要な基礎知識等を修得させて、社員としての自覚と誇り、仕事への意欲を持たせると共に、速やかに会社になじませることを目的として行う。

基本

動作

ビジネスマナー

基礎知識/自立心、客観的視点/報告・連絡・相談/モチベーション/コミュニケーションスキル

採用時

新入社員

 

心構え

ビジネスマナー

 

≪コーチング・プログラム≫

 当社では、人材育成の一環として「未来への種まきプロジェクト」と称したコーチング・プログラム(「対話」を通して企業課題への解決策を模索する組織力向上プログラム)を2021年度から毎年実施しております。このプログラムでは、組織を越えたコミュニケーションの機会を意識的に増やすことにより、社員一人ひとりが自立し、考え、動くことで組織全体が育成されていくことを目指します。2025年度までに累計220名(全社員対比31.8%)が受講しております。また、このプログラムで育成されたインターナル・コーチは2025年度までに累計25名となり、自職場内外を問わず組織の活性化を図り、組織力の強化に努めております。

 

③職場環境の整備

 社員がやりがいを持ち、互いに尊重しあい、心理的に安心して働ける職場の実現を目指し、「働き方改革」の一環として≪ワークライフバランスの充実≫≪健康経営の推進≫≪労働安全衛生の推進≫を実施してまいります。

 

≪ワークライフバランスの充実≫

 多様化する働き方やワークライフバランスを重視し、働きやすさの向上につながる職場環境の整備として以下の施策を実施しております。

 

 

イ.従業員エンゲージメント

 職場環境の整備やエンゲージメントの向上を目的とした自己申告制度を年に1回実施しております。職場環境やエンゲージメントに関する申告に対しては各部門の責任者である執行役員が申告した社員と直接対話し、様々な改善に取り組んでおります。また、総合職層には仕事の難易度、仕事の量、仕事の適性、自己の能力発揮度、趣味、やりがいといったエンゲージメント向上につながる項目について5段階で評価してもらうとともに、外部のエンゲージメントサーベイを利用して、よりきめの細かいエンゲージメントの測定にも取り組んでいきます。さらに、女性の活躍推進を目的とした女性目線での提案の機会も自己申告制度で設けております。

 

ロ.人事制度委員会による制度見直し

 社員の代表である労働組合本部と総務人事部による人事制度委員会を年3回以上開催し、社員のエンゲージメント向上につながる制度の見直しを実施しております。委員会で取り上げられ、改訂又は新規導入された主な内容としては、入社初年度の年次有給休暇付与日数の増加、転勤支援金の導入を含む転勤に係る制度の見直し、特別休暇における忌引休暇の取得要件の見直しとウェルネス休暇の新設、永年勤続表彰記念旅行及び定年記念旅行に係る制度の見直し等があります。

 

ハ.賃金改定・賞与(一時金)に関する委員会の開催

 社員の代表である労働組合本部と総務人事部による賃金改定・賞与(一時金)に関する委員会を開催し、賃金改定を実施しております。賃上げに関しては、組合の要求に対して11年連続満額回答をしており、2025年の6.3%に引き続き、2026年は6.1%(組合員平均)の賃上げを実施しました。

 

ニ.各種離職防止制度の導入

 育児離職や介護離職を防ぐ施策として、人事制度委員会を通じた職場環境の整備に取り組んでおります。その結果、子どもの看護休暇の取得対象を中学校1年生の始期に達するまでに延長しました。

 

 

≪健康経営の推進≫

 社員が心身ともに健康で、その能力を十分に発揮できる職場は、組織力を向上させることができます。社員がチームワークを重視し、主体的かつ創造的な行動をとることで企業の活力や生産性が向上し、家庭生活の充実にも繋がります。こうした考えに基づき、健康を重視した経営を推進します。そのため日本化学工業健康保険組合と総務人事部及び安全衛生委員会とのコラボヘルスにより、体と心の健康推進のための施策を下記の通り立案しております。

 ・生活習慣病対策として生活習慣病検診

 ・特定保健指導実施率の向上(目標100%)

 ・人間ドック補助

 ・全女性社員への乳がん・子宮がん検診補助

 ・歯科健診

 ・健康管理委員会による健康増進のための中期的な計画の立案と実行

 ・外部健康相談窓口の設置

 ・メンタルヘルス対策としてストレスチェックの実施と改善活動

 ・ラインケア及びセルフケア研修

 ・ハラスメントに関する研修

 ・ハラスメントに関する内部相談窓口と外部相談窓口を設置

 

≪労働安全衛生の推進≫

 職場の「安全」は最重要課題です。労働災害ゼロを実現するために、潜在的な危険有害性の低減を図るよう取り組んでおります。安全衛生委員会を事業所ごとに月1回開催し、経営者・社員・協力会社が一体となって、安全衛生活動を積極的に推進し、安全で安心できる職場環境の構築に努めていきます。

 

(3)リスク管理

 人的資本のリスクと機会は、サステナビリティ推進委員会がリスクを管理し、取締役会にその内容を報告・提言します。取締役会はそれを受け、サステナビリティ対応について指示・監督を行います。多様化する働き方やワークライフバランスを重視した職場環境の整備を進めるとともに、社員とその家族の安全・健康を第一に考えた対応を積極的に進めることでリスク低減に努めてまいります。

 

 

 

(4)指標と目標

 人的資本に関する戦略において記載した、方針及び施策に係る指標については、連結グループにおける記載が困難であることから、当社単体での記載となっております。

人材戦略方針

項目

2026年度

目標

2025年度

実績

2024年度

実績

方針1

多様な人材の確保

女性活躍推進

女性採用比率

(注)1.

30%以上

50%

16%

キャリア採用推進

キャリア採用比率

(注)2.

20%以上

57%

40%

方針2

人材の育成

体系的教育制度

オンライン語学研修受講比率(注)3.

30%/年以上

24%/年

22%/年

技術系推奨公的資格取得人数(注)4.

10人/年以上

11人/年

5人/年

コーチング・プログラム

社内インターナル・

コーチ育成

延べ30名

延べ25名

延べ20名

方針3

職場環境の整備

健康経営の推進

特定保健指導実施率

100%

79%

87%

有給休暇取得率

85%以上

79%

78%

ワークライフバランスの充実

男性育休等取得率

100%

100%

92%

労働安全衛生

人事制度委員会の

開催

6回/年以上

4回/年

5回/年

当社社員休業災害

発生率

0件

1件

1件

(注)1.新卒採用(大学以上)に占める女性採用の割合

  2.採用者全体(大学以上)に占めるキャリア採用の割合

  3.当社人事制度における総合職及び管理職で受講した者の比率

  4.当社研究開発本部及び生産技術本部に所属する当社人事制度における総合職以上の技術者が技術系推奨公的資格を新たに取得した人数