2023年9月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 人材の採用及び育成

当社グループは、少人数で業務を遂行しております。今後の事業拡大に応じて、積極的な人材の採用及び育成に取り組んでいく方針ではありますが、人材の採用及び技術承継等が順調に進まなかった場合又は既存の人材が社外に流出した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 災害の発生

当社は、枚方工場のみを生産拠点としております。ISO45001の認証を取得するとともに、BCP(事業継続計画)の策定や防災訓練、耐震対策などを行っておりますが、当該拠点にて地震及び火災等の大規模な災害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、労働災害を予防するため、継続的な改善活動及び定期的な研修等を行っておりますが、不測の事故等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 環境への責任

当社は、環境管理体制を整備し、ISO14001の認証を取得するとともに、環境に関連する諸法規に対応した設備を保有し、また、当該関連諸法規に対応した処理を行っておりますが、人為的ミス等による環境汚染や関連諸法規の変更による追加の設備投資又は費用負担が生じるなどした場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 知的財産権

当社グループは、自社開発又は共同開発を通じて獲得した技術等について、日本及び主要各国における特許出願により、知的財産権の保護に努めておりますが、これら知的財産権の侵害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 情報管理

当社グループは、情報セキュリティ管理体制を整備し、ISO27001の認証を取得するとともに、事業活動を通じて、多くの顧客に係る重要情報や秘密情報を有しております。これらの情報に対しては、厳格な管理を行っておりますが、予測し得ない事態によって情報が流出した場合、顧客からの信用や当社グループの社会的信用の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 品質管理

当社は、品質管理体制を整備し、ISO9001の認証を取得するとともに、品質検査の結果、顧客の規格を満たすもののみ出荷を行っておりますが、予測し得ない品質トラブルや製造物責任に関する事故が発生した場合は、損害賠償保険に加入し不測の事態に備えているものの、当社の信用低下のみならず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 新規事業

当社グループは、より一層の成長を志向し、「プラント事業」を育成、成長させていく方針であります。当該新規事業の展開にあたっては、マーケットの分析やサービスの開発等に時間を要することや、必要な資源の獲得に予想以上のコストがかかるなど、必ずしも計画が順調に進行しないことも想定されます。また、既に新規事業はスタートしておりますが、今後も軌道に乗った展開ができるとは限らず、方針の変更やサービスの見直し、サービスからの撤退など何らかの問題が発生する可能性も想定されます。当該新規事業の展開が収益獲得に至らず損失が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 競合

当社グループは、精密蒸留において、長年にわたり獲得してきた信頼や蓄積されてきた技術、市場がニッチであることなどから、一定の参入障壁を確立していると自負しております。しかしながら、今後、他社による当該市場への新規参入や競合他社との競争激化、あるいは代替技術の出現等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 法的規制

当社グループは、法令の遵守を基本として事業活動を行っておりますが、消防法や毒物及び劇物取締法等に基づく各種許認可や規制等の様々な法令の適用を受けており、今後更にその規制が強化されることも考えられます。そのような場合、事業活動に対する制約の拡大やコストの増加も予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 顧客の事業環境の変化

当社グループの顧客は、電子材料、医薬、農薬等の様々な業界に属しており、各種法規制及び経済環境の変化に対応して、事業活動や研究開発活動を行っております。これら各種法規制や経済環境の変化により、顧客の活動にも変化が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 感染症による影響

当社グループは、従業員やステークホルダー各位の安全を優先し、テレワークや時差出勤等の対応を進め感染防止の対策を継続して実施しておりますが、新型コロナウイルスその他の感染症が発生し、今後の感染拡大や事態の長期化などにより、事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 特定販売先への依存

当社グループの当連結会計年度における販売実績のうち、10%を超える販売先との取引は、以下のとおりであります。

相手先

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

ダウ・東レ株式会社

188,172

15.2

東洋紡株式会社

145,038

11.7

住友商事ケミカル株式会社

144,591

11.7

東レ株式会社

129,873

10.5

 

当社グループとしましては、これらの主要顧客との取引を維持・継続するために、より一層の品質の向上に努めてまいりますが、主要顧客の方針変更等により主要顧客との取引が終了ないし大幅に縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、株主各位に対する適切な利益還元を実施していくことを基本方針としております。

当事業年度の配当につきましては、2023年8月に開示いたしましたとおり、株主還元強化の一環として1株当たりの期末配当を35円といたしました。

現中期経営計画期間(2024年9月期~2026年9月期)につきましては、将来の事業展開や経営成績及び財政状況等を勘案しつつ、配当性向30%以上、又は下限として1株あたり35円を設定し、安定的な配当を実施していく方針であります。

内部留保資金の使途につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応できる経営体制強化及び事業拡大のための投資等に充当していく予定であります。

当社の剰余金の配当は期末配当の年1回を基本的な方針としており、期末配当の決定機関は、株主総会であります。また、当社は、取締役会の決議によって、毎年3月31日を基準日として、中間配当をすることができる旨を定款に定めております。

 

基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2023年12月21日

36,231

35.00

定時株主総会