リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載します。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示します。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスクについて
①EVの普及について
当社グループの「EV充電事業」は、EV車の普及率という外部環境に大きく左右される見込みであり、EV車の普及見通しに鑑みると収益性は徐々に拡大するものと予測されます。現在、日本におけるEV及びPHVのストック台数は49万台(注1)と推定されますが、日本政府目標に基づく当社試算では2030年度には385万台(注2)まで成長することが見込まれており、日本政府によるEV購入に関する車両補助金もあります。また、国内外の主要自動車メーカーもEVの本格的な展開を予定しており、消費者にとっても、より魅力的なEVの選択肢が今後増加してくると見込まれます。しかしながら、国や自動車会社に大きな方針変更があった場合、EV車の普及が減少し、経営成績及び財政状態に影響する可能性があります。
②EV充電インフラに関する政策動向について
長期的な観点でのエネルギー業界を取り巻く環境におきましては、日本政府によるグリーントランスフォーメーション(GX)推進の方針のもと、EV及びEV充電インフラの普及に向けて政府による補助事業等が展開されております。当社グループの「EV充電事業」は、EV及びEV充電インフラに対する政府の補助事業を前提として経営戦略立案及び営業活動を行っており、国や都道府県の補助金は単年度予算に基づいて設定されるものであるため、予算額が上限に達した場合等においては、当社グループが受注したEV充電設備の設置が翌年度にずれ込む可能性があります。その他、国や都道府県の政策や規制に大きな方針変更があった場合、設置場所や補助金交付要件の変更等を通じて「EV充電事業」におけるEV充電設備の受注台数や設置可能台数が減少する可能性があります。このような場合には当社グループが受領する充電収入が減少し、経営成績及び財政状態に影響する可能性があります。
③電力小売市場について
当社グループが事業展開をしている電力業界においては、2016年4月の小売全面自由化以降、家庭向け(低圧電灯)、法人向け(特高・高圧)ともに切替数が順調に増加しております。また、社会全体でのデジタルトランスフォーメーション(DX)への要望が高まっており、「エネルギープラットフォーム事業」ではオンラインでの切替需要増加、「エネルギーデータ事業」では、電力ガス事業者からのDXサービスの導入需要増加等当社グループの業績にとっては好影響になる要素も多いと考えております。しかしながら、今後エンドユーザーの切替意欲の減退による切替数の鈍化や、新電力の競争力低下に伴うシェアの伸び悩み等の要因により、切替が進行しなかった場合、或いは電力ガス事業者に対するDXサービスの導入が順調に進展しなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④電力制度改革について
当社グループが事業展開するエネルギー分野においては、東日本大震災を契機に、再生可能エネルギー固定価格買取制度の創設、電力・ガス小売の全面自由化や送配電事業の法的分離の実施、ベースロード市場や容量市場の整備等大規模な改革が政府主導で行われてきました。そうした電力制度改革を更に推進すべく、2020年に電気事業法及び再エネ特措法の改正案が第201回通常国会で可決され、電力データの活用促進や分散型電源の推進に向けたアグリゲーター事業者の法的位置付けの整理、計量法規制の合理化、再生可能エネルギーの買取価格の市場連動型(FIP制度)の導入等が制定されており、今後も様々な制度変更が行われる見込みです。これらの制度変更は、市場の競争環境における公平性の担保を強化し、市場活性化を促す施策であり、当社グループにとっては追い風であると考えております。しかしながら、これら事業環境に影響を及ぼす規制緩和や制度改革が計画のとおりに進行しなかった場合や、想定外の形での法規制の変更等があった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤その他関連市場について
当社グループの展開するサービスは主にインターネットを通じて提供されているため、使用環境の改善や利用可能な端末の増加等を通じたインターネット関連市場の更なる発展が、当社グループの成長のためには重要であると考えています。また、当社グループがサービス展開を行う上での基盤となるクラウド関連市場やビッグデータ関連市場については、今後拡大が見込まれており、当社グループとして積極的に関連サービスを多角的に展開する方針です。
しかしながら、これら当社グループが事業展開する上での基盤となる関連市場が、新たな規制やその他予期せぬ要因により急激な変化に見舞われ、使用環境への制限等を通して発展が阻害された場合は、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1.一般社団法人 次世代自動車振興センター「EV等保有台数統計」、一般社団法人 日本自動車販売協会連合会「燃料別販売台数(乗用車)」、一般社団法人 全国軽自動車協会連合会「軽四輪車通称名別新車販売確報」より当社試算
2.経済産業省「GX実現に向けた基本方針」(2023年2月)記載の2035年の新車販売電動化比率100%目標をもとに、EV及びPHEVの比率を50%(残りの50%がハイブリッド車と想定)として当社試算
(2)事業内容及び提供サービスに関するリスクについて
①EV充電設備の設置オペレーション及びその後の設備運営について
当社グループの「EV充電事業」においては、第1[企業の概況]3[事業の内容](I)「EV充電事業」における記載のとおり、当社グループでは子会社のENECHANGE EVラボ株式会社がEV充電設備所有者である子会社のEV充電インフラ1号合同会社等への「EV充電設備の販売・設置業務」を行った後に、当社がCPOとしてその後の「EV充電設備の運営に関する包括的業務」を行っております。
ENECHANGE EVラボ株式会社ではEV充電設備の販売・設置過程において、主に海外からのEV充電機器サプライヤーより充電機器の供給を受けた後に、国内の工場で組み立てやソフトウエアのインストール等を行ったうえで保管し、設置工事実施時に他の工事部材と併せて搬送したうえで最終的にEV充電設備としてEV充電設備所有者に納品します。この過程において、ENECHANGE EVラボ株式会社では、EV充電インフラ補助金の要項の公表時点から補助金交付を受けるための工事完了期限が短期間であること、EV充電機器の発注から納品までは数ヶ月以上の期間を有すること、他の関連部材も流通在庫が不足しがちであること等を勘案し、予め充分な手元在庫を抱える運用を行っております。しかしながら、政府のEV充電インフラ補助金の要件変更や、入札制度下におけるEV充電インフラ補助金を巡る競争の激化による落札率の低下、EV充電設備の稼働が見込まれる適地の開拓・選定等が計画通りに進まない場合、EV充電設備の設置が低調となり、EV充電設備及びその部材の在庫リスクを抱える可能性があります。
また当社ではEV充電設備の設置後において、EV充電設備所有者からの業務委託を受け充電設備の運営に関するサービスを提供します。具体的にはEV充電設備を効率的に使用するためのアプリケーションの提供や設備のメンテナンス、カスタマーサポート等が挙げられます。加えて、今後はポスター掲示やEV優先車室用のコーン設置などの利用促進ツールの提供も予定しており、かかる取組により設置後のEV充電設備の稼働率向上を目指しています。しかしながら、これらの取組にも拘らずEV充電設備の稼働時間が低水準に留まった場合は、当社グループが受領する充電収入が減少するリスクがあります。係る影響により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②電力・ガス会社への依存について
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」及び「エネルギーデータ事業」においては、取引先の電力・ガス会社からの収益が主な収益源となっています。そのため、資源価格や日本卸電力取引所(以下「JEPX」)における電力取引価格の想定外の高騰、自然災害や突発的な事象等予期せぬ事態、などの影響により取引先電力・ガス会社の経営状態が悪化した場合、また電力・ガス会社における集客チャネルに関する戦略の変更等により、当社グループ以外のチャネルの重要度が高まった場合には、既存契約の条件見直しや解消、新規発注の停止等につながる可能性があります。当社グループとしては、取引先電力・ガス会社の分散を通じてリスクの低減に努めていますが、特定の時期にかかる事象が集中発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③大型案件について
当社グループの「エネルギーデータ事業」においては、顧客の個別ニーズや予算規模により受注案件が大型化した場合、売上計上が可能となるサービスのリリースに至るまでに長期間を要する可能性があります。一部大型案件の受注可否については、特定顧客の動向や判断に左右される部分が多いため、当該案件の受注が計画のとおりに進まなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④サービスのライフサイクルについて
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」においては、当社サービスを経由して電力・ガス会社の契約切替を行ったユーザーの小売供給契約期間は基本的に1年間となっていますが、その後ユーザーの意思に従って契約の更新又は解約がなされます。当社としてはユーザーにとっての最適な小売供給契約の締結をサポートするために、契約締結後もカスタマーサポートの提供や営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握等に努めており、追加的な電力・ガス会社の切替ニーズが発生した場合は、そのサポートも実施することで継続的な切替報酬を収受しております。しかしながら、当社提携外の電力・ガス会社からの営業活動等により、ユーザーが小売供給契約を当該電力・ガス会社に切替えた場合は手数料収入が減少するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤競合他社の状況について
当社グループの「EV充電事業」においては、普通充電や急速充電インフラの確立に向け、各地へEV充電設備の設置を進める事業者が複数存在しており、取引先や顧客の獲得及び補助金の申請において、徐々に競争が激化しているものと認識しております。当社におきましては、当連結会計年度末時点で、ハードウエア面においては、「EV充電エネチェンジ」の目的地充電(6kW以上)分野における設置口数は2023年12月末時点で累計2,076口となり、またソフトウエア面においては、EVドライバーにとって利便性の高いプロダクトとして、EV充電情報を掲載したアプリに加え、出力の高い普通充電器、更には株式会社e-Mobility Powerと連携した決済システムを提供する等、ユニークなポジショニングでのサービス展開を実施しているため、競合に対する優位性は保てているものと認識しております。今後EVが普及する局面において、これらの強みを強化しながら設置口数と稼働率の向上を実現し、更なる競争力の向上に努めてまいります。
「エネルギープラットフォーム事業」においては、家庭向け・法人向けユーザーに電力・ガス切替プラットフォームを展開する事業者は複数存在しており、また電力・ガス会社が自ら直接・間接的に顧客に対して営業行為を行っているため、一定程度の競争環境は存在するものと認識しております。前者の競合に対しては、提携電力・ガス事業者数の拡大、サービス価値の向上及びSEO対策や積極的なマーケティング施策をベースにしたオンラインでの集客力強化、パートナーシップの拡大によるオフラインでの集客力強化を図ってまいりました。後者の競合に対しては、複数の電力・ガス会社から最適な事業者を選択できるというサービスモデルを差別化要因として競争力の向上に努めてまいりました。その結果として、本書提出日現在での競争環境は限定的なものと認識しております。
「エネルギーデータ事業」においては、一部顧客管理システムや需給管理システムを対象にした商材展開を行っている事業者が存在しております。しかしながら、「エネチェンジクラウドMarketing」においては「エネルギープラットフォーム事業」で蓄積された独自データベースを活用しオンライン上での顧客獲得を推進させるという、ユニークなポジショニングでのサービス展開を実施しているため、本書提出日現在では競争環境は比較的軽微なものと認識しております。今後新たな競合が参入した場合も、電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」で培ったマーケティングの知見や蓄積されたデータベース、データ解析技術等を差別化要因として、競合に対する優位性は保てるものと認識しております。「エネチェンジクラウドDR」においては、今後スマートメーターの普及とともに国内外の競合他社が増加し、競争環境が激化してくる可能性がありますが、国内外の顧客企業へのサービス提供を通じて蓄積された独自データベースを活用したプロダクトの開発やデータ活用に関する知見、導入実績の積み上げにより競争力の向上に努めてまいります。「エネチェンジクラウドEV」においては、今後のEVの普及に伴い国内外の競合他社が増加し、競争環境が激化してくる可能性がありますが、「EV充電エネチェンジ」アプリのノウハウを活用した、EV充電アプリの開発運用や全国のEV充電スポット情報のAPI提供などは模倣が困難であり、競合優位性を保てるものと認識しております。「エネチェンジクラウドRE」においては、非化石証書を始めとした多様化する再エネメニューや、自己託送の業務負荷を軽減する必要性の増加などを背景として今後ニーズの拡大が見込まれており、競合環境が激化してくる可能性がありますが、様々なエネルギー関連企業との取引を通じて蓄積されたノウハウを活用し、競争力の向上に努めてまいります。しかしながら、今後他に優れた技術やビジネスモデルを持ち合わせた競合の参入により、当社グループの事業領域における競争激化の結果として当社グループユーザーの解約や電力・ガス会社との契約単価の下落が生じる他、設置口数や稼働率が伸び悩んだりした場合、若しくは当社グループサービスの導入が進まなかった場合は、当社グループの事業及び経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥検索エンジンのロジック変化について
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」においては、検索エンジン(Google及びYahoo!Japan等)から多くのユーザーを集めており、今後についても、検索エンジンからの集客を強化すべくSEO対策等の必要な対策を実施する方針です。しかしながら、検索エンジンを提供する企業が、検索アルゴリズムのロジックを変更することで検索結果の表示順位が変更された場合、または新たな検索エンジンが主流になった場合、当社の提供サービスへの集客に影響が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦技術革新等について
当社グループが事業展開するエネルギー分野においては、電力ビッグデータのAI技術による解析の他、電気自動車、蓄電池といった分野における技術革新や、技術の普及に伴う価格競争力の強化によって、従来にはなかった様々なサービスの誕生が見込まれており、それに伴った顧客ニーズの変化も発生するものと予想されます。当社グループは、これらの変化に対応するため、ENECHANGE Insight Venturesというアクセラレーションプログラムの運営を通じた海外の有望な電気自動車、蓄電池制御関連のエネルギーベンチャーとの連携を率先して行う等情報収集・連携に努めております。また、それらの技術を実用化するために必要な技術者の確保や体制の整備に努めていますが、今後当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧海外展開について
当社子会社のENECHANGE Innovation Limitedは英国に本拠を置き、主に海外におけるベンチャー投資のソーシング活動を実施しております。また、関連会社であるJapan Energy Capital 1 L.P.は主に中東地域での再生可能エネルギー発電所への投資を行っており、関連会社であるJapan Energy Capital 2 L.P.は海外のエネルギーベンチャー企業への投資を行っております。これらの取組みに関して、海外における当社グループの事業に係る法規制等の成立・改正等が実施された場合、政治情勢により事業運営に支障をきたす事態が生じた場合、予期せぬ自然災害、人為災害、テロ、戦争や感染症等が発生した場合等は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨システム障害等について
当社グループの事業は、電力やガス等のインフラ関連企業の継続的なサービス提供が前提となっています。また当社グループのサービスは、主にインターネットを介して提供されており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信インフラに依存しております。従って、自然災害、人為災害、テロ、戦争等に伴いシステム障害が発生することでサービスの提供が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業別コンティンジェンシープランを作成し、役職員に対して周知することでこれら不測の事態に対しての対応を定めていますが、かかる事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩当社が出資するファンドの投資コミット金額について
当社グループの「JEF」サービスにおいては、Japan Energy Capital合同会社より、主に海外の再生可能エネルギー発電所への投資を行うファンドであるJapan Energy Capital 1 L.P.及び海外の脱炭素化ベンチャー企業への投資を行うファンドであるJapan Energy Capital 2 L.P.のファンド運営業務等を独占的に受託しており、Japan Energy Capital 2 L.P.の運営業務等に係る報酬はJapan Energy Capital 2 L.P.の投資コミット金額に連動します。なお、Japan Energy Capital 1 L.P.への出資は完了し、今後のJapan Energy Capital 1 L.P.の運営業務等に係る報酬はJapan Energy Capital 1 L.P.の投資残高に連動します。
(3)業績変動に関するリスクについて
①四半期毎の業績変動等について
「EV充電事業」における売上高は、既設のEV充電設備の稼働時間に加え、新規に設置したEV充電設備の稼働時間の稼働時間によって変動します。新規に設置するEV充電設備の設置タイミングは、EV充電インフラに対する政府の補助金の影響を強く受けており、また国や都道府県の補助金は単年度予算に基づいて設定されるものであるため、例年6月以降から順次その年の新規設置が開始されます。また新規に設置するEV充電設備は、設置後にEVユーザーから認知を得て、本格的に稼働するまでに概ね3か月前後の時間を要するため、これらの要因を勘案すると、その年の補助金によって新規に設置された充電設備の稼働による売上高は、概ね設置年の第4四半期以降本格的に計上されます。
「エネルギープラットフォーム事業」における売上高は、特定の電力・ガス会社の撤退等に伴う切替先の電力・ガス会社を探すユーザーの増加により切替報酬が一時的に増加するといった外部環境の要因や、引越の繁忙期における切替報酬増加、または暖冬・冷夏等の特定の気象状況下における切替報酬減少等、季節要因の影響により変動します。
「エネルギーデータ事業」における売上高は、新規受注や新規機能のサービスリリースに伴う一時的な売上が発生する等の要因で変動する傾向にあります。また人材の確保を円滑に進めるための採用活動に伴う費用や、新規ユーザーを獲得するための各種プロモーション施策に係る費用が一部四半期に集中することもあります。
これらの要因により、収益が年間を通じて平準化されず、四半期決算の業績が変動する可能性があります。
②事業領域の拡大について
当社グループが取り組む事業領域では、市場の規制撤廃や新たな技術革新やサービスモデルの誕生が見込まれております。本書提出日時点において、当社グループの収益は、「EV充電事業」「エネルギープラットフォーム事業」及び「エネルギーデータ事業」による影響を大きく受けている状況であるため、当社グループは、「エネルギーの4D」に則した新たな収益源を常に模索し、事業の拡大と安定化に取り組んでおり、現在は「EV充電事業」を注力分野としています。しかしながら、事業領域を拡大し、新たな分野に進出することで、人材採用、システム開発、営業体制構築等の投資を実施したにも関わらず、当該分野における収益化が進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③為替変動について
当社グループでは、海外子会社の現地通貨建ての財務諸表を日本円に換算した上で、連結財務諸表を作成しております。また、一部外貨建ての出資や債権債務、外貨建てで収入若しくは支出が発生する取引が存在します。従って、為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)コンプライアンス・法的規制等に関するリスクについて
①法的規制について
当社グループが事業展開する電力業界においては、電気事業及びその関連事業を行う者に対し電気事業法が課せられています。当社は小売電気事業者と一般ユーザーとの間の小売供給契約締結の「媒介」(注)を行う事業者として取引に関与しており、電気事業法及び同法施行規則で定められた義務や、経済産業省が公表する「電力の小売営業に関する指針」上のガイドラインに基づいて事業を行っています。また当社は、小売電気事業者として経済産業省へ登録(法人番号6010601047805)を行っております。
これら関連法規制やガイドラインへの対応については、外部弁護士の見解確認を踏まえて四半期毎のコンプライアンス・リスク管理委員会において慎重に判断を行っていますが、新たな法令等の制定や、当社グループが想定しない形での既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 「媒介」とは、「他人(小売電気事業者及び小売供給を受けようとする者)の間に立って、当該他人を当事者とする法律行為(小売り供給契約)の成立に尽力する事実行為」をいいます。また「媒介」の他にも「取次ぎ」「代理」のパターンがあり、「取次ぎ」とは「自己の名をもって、他人(小売供給契約)の計算において、法律行為(小売供給契約)をすることを引き受ける行為」をいい、「代理」とは、「他人(小売電気事業者)の名をもって、当該他人のためにすることを示して行う意思表示」をいいます(「電力の小売営業に関する指針」)。
②知的財産権について
当社グループが事業活動を行うにあたり、第三者が保有する商標権、著作権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っており、損害賠償請求や特許権侵害の訴訟等は現在ありません。しかしながら、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払要求等が発生する可能性があり、その場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③情報管理について
当社グループでは、企業情報及び個人情報を取り扱っております。当社においては、個人情報取扱事業者として適切な管理体制を構築するため、プライバシーマークを取得し、他の情報についても厳密なセキュリティルールを施して管理することに加え、情報管理に関する社員研修も毎年受講必須とする等、社員教育・運用面の徹底もしております。また、情報管理に関しての適切な運用遵守状況を内部監査室が組織横断的に確認しております。しかしながら、万が一不測の事態によりこれらの情報が流出・漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④メディアコンテンツの品質維持について
当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」で運営しているメディアのコンテンツとして、電気やガスをはじめとしたライフサポート領域に関する記事の制作の一部を、「EV充電事業」で運営しているメディアのコンテンツとして、EVや充電設備に関する記事の制作の一部を外部委託しております。かかるコンテンツの内容については公開前に自社ガイドラインと照らし合わせた厳正なチェックを行っており、また、その運用状況を内部監査にて確認することで、著作権侵害やコンテンツの盗用等の事態を未然に防止するような体制を構築しております。しかしながら、当社の意図せざる事態によってメディアの一部コンテンツが第三者の権利侵害等を発生させていると認定された場合、当該第三者より使用差し止め請求や損害賠償請求、ロイヤリティの支払い要求等が発生する可能性があり、かかる場合において当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤広告掲載について
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」や「EV充電事業」において掲載される広告については、当社独自の広告掲載基準による確認を実施し、景品表示法等の関連法令に違反する広告や公序良俗に反する広告の排除に努めております。しかしながら、人為的な過失等に起因して広告掲載内容に瑕疵が発生した場合や広告掲載が行われなくなった場合においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥訴訟等について
当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」並びに「EV充電事業」において、サービス利用規約を定めてサービス利用者からの同意を得ることで利用者との間での紛争防止に努めております。また当社の社内規程として、「コンプライアンス規程」及び「リスク管理規程」を定め、役職員に対して当該規程を遵守させるとともに、コンプライアンス違反の恐れのある事象については経営執行会議やコンプライアンス・リスク管理委員会等に報告する仕組みを構築・運用することで、法令違反や損害賠償等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループの提供するサービスに関連して顧客、取引先、及びその他第三者との間で予期せぬトラブルが生じた結果、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては、訴訟対応費用の発生や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、本書提出日現在、重大な訴訟を提起されている事実はありません。
(5)事業運営体制に関するリスクについて
①特定人物への依存について
当社の代表取締役CEO、当社子会社のENECHANGE Innovation Limited CEO、その他関連会社1社にて主要役職を兼職している城口洋平は、当社グループの事業に深く関与しており、また、エネルギー業界に関する深い造詣を有しており、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っています。他方、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、1.事業上及び財務上の課題における記載のとおり、外部調査委員会による調査報告書において、上場企業の連結財務諸表の作成に責任を負うべき経営者として不適切な言動の観点を始めとした指摘を受けております。当社としては選任した執行役員等への権限移譲等を適切に実施し、各事業において自律的に運営できる体制を構築しつつあり、同氏への依存は大きく下がっている状況にありますが、当社は引き続き同氏のエネルギー業界に関する造詣も活用して事業運営を実施しております。そのため当社としては、このような指摘を踏まえたうえで同氏とも協力し、信頼を回復すべく再発防止策に取り組むことで城口氏の知見を活用していく方針でおりますが、何らかの理由により同氏の当社グループにおける関与が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②人材の確保・育成について
当社グループでは、事業の持続的な成長を支える優秀な人材を確保することが事業運営上重要であると考えております。このため、テレワークの恒久化、オフィススペースの縮小、テレワーク手当の支給等、優秀な人材を惹きつけることができるような取組みを積極的に実施しております。今後も優秀な人材の採用を積極的に推進し、当社グループの企業理念及び経営方針を理解した社員の確保・育成を行ってまいりますが、雇用情勢の変化等により、計画のとおりに人材が確保できない場合には、事業運営や開発計画に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③小規模組織であることについて
当社グループは小規模組織であり、ガバナンス体制や内部管理体制は当社グループの組織規模に応じたものとなっています。これらの体制については組織規模に関わらず高い水準を構築・維持することが重要であるとの考えのもと、当社グループは、コーポレートガバナンス・コードを念頭に置いた内部管理体制の構築を図っています。具体的には、各専門分野における豊富な経験を有した人材を採用するとともに、各種のコンプライアンス研修等社内教育による人材育成を進めることで、事業規模の拡大や多様化に合わせ、内部管理体制を充実・強化していく方針であります。しかしながら、同氏の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④海外子会社について
当社子会社のENECHANGE Innovation Limitedは英国を本拠として、主にJapan Energy Capital 2 L.P.を通じて行う海外のエネルギーベンチャー企業への投資を行う際の、投資対象先企業の発掘や調査業務等を実施しております。今後、現地における競争環境の激化等の要因により、同社の経営成績が悪化した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現地において内部統制上の問題を抱えたり、法令に違反したりする可能性があります。かかる事態において問題の早期発見と是正措置の実施ができない場合、当社グループの信頼性や企業イメージの低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)その他のリスクについて
①減損会計の適用について
当社グループでは、継続的に行う開発投資に係る人件費等の一部をソフトウエア資産として計上しております。今後、これらの資産を利用して提供するサービスの収益性が著しく低下した場合、当該資産について減損損失の計上が必要となる可能性があります。
また、過去に実施した株式取得や事業譲受によって生じたのれんは、当該株式取得や事業譲受による期待収益及び将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと想定しております。しかしながら、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合等においては、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②EV充電事業における新規性について
当社グループの「EV充電事業」は、2022年第1四半期から独立したセグメントとしての開示を開始しております。事業開始からの期間が短い「EV充電事業」に関して、補助金受領を含む新しい取引や事象が他セグメントと比較して多く発生する可能性が高いことが想定されます。また、徐々に他のEV充電事業者が増加している状況を鑑み、取引先や顧客の獲得競争の激化、場合によっては顧客、取引先、及びその他第三者との間で予期せぬトラブルが生じ、訴訟等に発展する可能性も想定されます。様々な前提条件を事前に検証したうえで事業を行っておりますが、当初の想定と異なる事象が発生した場合等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③Japan Energy Capital 1 L.P.への出資について
当社が出資するJapan Energy Capital 1 L.P.は、主として太陽光発電所に代表される再生可能エネルギー発電所への投資を海外にて行う、ケイマン籍のリミテッドパートナーシップ形態のファンドです。当該ファンドはキャピタルコール方式をとっており、当社の2023年12月末時点における出資額は8.9百万米ドル、回収額は4.0百万米ドルです。本ファンドにおいては、当社グループは電力データ解析技術を活用し、ファンドの投資先である発電所の運営効率化業務を積極的に果たしていくことが期待されており、当該業務を独占的に受託する業務委託先として、この種の枠組みでの事業を日本で運営する際に求められる必要な拠出額を出資コミットしております。かかる出資は、一定期間以上稼働実績のある太陽光発電所を中心とした既設再生可能エネルギー発電所を主な投資対象とし、米国ドルでの決済とする等、為替リスクを限定的とするストラクチャーを採用したうえで、想定されるリスク・リターンを精緻に分析した上で行われていますが、当該ファンドの投資先における日射量の低下に伴う売電収入の減少、自然災害・テロ等の発生による投資対象資産の損傷、地政学的リスクの高まり等による対象国における再生可能エネルギー発電事業への影響等により、当初想定されたリターンが得られず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④Japan Energy Capital 2 L.P.への出資について
当社が出資するJapan Energy Capital 2 L.P.は、主として脱炭素社会の実現を目的とした海外のエネルギーベンチャー企業への投資を行う、ケイマン籍のリミテッドパートナーシップ形態のファンドです。当該ファンドはキャピタルコール方式をとっており、当社の出資コミットは2023年12月末時点において最大5百万米ドル(既出資額は3.4百万米ドル)です。本ファンドにおいては、当社グループは投資先に対して当社の知見や実績を活用し、制度改革に合わせた日本市場参入支援や、ローカライズのサポートも同時に行うことが期待されており、当該業務を独占的に受託する業務委託先として、この種の枠組みでの事業を日本で運営する際に求められる必要な拠出額を出資コミットしております。そのため、その役割に応じて追加の出資コミットメントが要請される可能性があります。当社としましては、当該要請に対しては、取締役会において慎重な議論を経て適切に判断してまいります。また、かかる出資は、綿密なデューデリジェンスやシナジー検証を経た上で、想定されるリスク・リターンを精緻に分析した上で行われていますが、当該ファンドにおける投資実行の遅れや、投資先企業の将来的な不確定要素による業績悪化の影響等により、当初想定されたリターンが得られず、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑤配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、現状では財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えています。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針です。
内部留保資金については、財務体質の強化と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針です。
将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び当社グループを取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ですが、本書提出日現在において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。
⑥ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社では、取締役、執行役員、従業員、子会社取締役、子会社従業員、外部協力者に対するインセンティブを目的としたストックオプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は4,689,044株であり、発行済株式総数34,845,872株と潜在株式数4,689,044株の合計の11.9%に相当しておりますが、その多くは経営陣及び主要従業員の長期にわたるコミットメントを目的としたものであり、権利行使期間に一定の制限が設けられています。具体的には、当社代表取締役CEOの城口洋平に対して付与された新株予約権は、2018年から段階的に権利行使可能となる条件のため、当社グループの長期にわたる価値向上に対してのコミットメントを担保するものです。また、植野泰幸に対して付与された新株予約権は、いわゆる時価発行新株予約権信託®であり、2018年から5年間にわたり、当社取締役(代表取締役CEOの城口洋平を除く)、執行役員、従業員、子会社取締役、子会社従業員、外部協力者に段階的に付与し権利行使可能となる条件です。時価発行新株予約権信託®の活用により、長期にわたるコミットメントの強化、並びに人材採用力の強化、現金での給与・賞与等の報酬水準を抑制する効果が見込まれるため、当社グループの業績においても重要な影響を持ちます。更に、2024年1月に当社取締役、当社子会社取締役、当社執行役員、当社従業員に対して付与された新株予約権は、株主利益とアラインする業績拡大と企業価値向上を目的としており、資金コミットメント(条件達成時までのロックアップ)とキャリアコミットメント(条件達成時までのフルタイム勤務が条件)を条件として付し、目標達成に向けて資金面・キャリア面でのフルコミットメントを求める設計としております。これらの新株予約権を除くと、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は2,239,044株であり、発行済株式総数34,845,872株と潜在株式数2,239,044株の合計の6.0%に相当します。本書提出日現在においては、更なる新株予約権の新規発行は予定しておりませんが、競争環境等の変化により今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
また、国税庁は、2023年5月30日に「ストックオプションに対する課税(Q&A)」を公表し、「信託型ストックオプション」は、会社側が付与した権利を役職員等が行使して株式を取得した場合、その経済的利益が実質的な給与にみなされることから、 役職員が当該ストックオプションを行使して発行会社の株式を取得した場合、その経済的利益については給与所得として源泉所得税を徴収して、納付する必要があるとの見解を示しました。当連結会計年度においては、源泉所得税の要納付額相当分としての金額306,983千円を、連結貸借対照表の「流動負債」の「未払金」に19,186千円、「固定負債」の「長期未払金」に287,796千円計上するとともに、これに対応する債権を「流動資産」の「未収入金」に145,881千円、「固定資産」の「長期未収入金」に105,250千円計上しております。なお本債権については権利行使者ごとに一定の仮定のもとに返済可能額を算定し、権利行使者と当社間で返済することについて個別合意された金額の長期未収入金を除いたうえで回収不能見込額に対応する貸倒引当金を計上しておりますが、仮定とした取り扱いが異なる場合、実際に発生する金額と見積金額が相違する可能性があります。この他、今後の国税庁並びに社内及び外部専門家との協議の結果による対応の影響により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦大規模な自然災害等について
当社グループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、世界的に流行した新型コロナウイルス感染症については、当社グループでは新型コロナウイルス感染症の流行以降、迅速にリモートワークを推奨しており、柔軟に事業を継続できる体制の整備に努めており、当社グループのビジネスへの影響は軽微であると認識しております。しかしながら、同様の感染症の流行等により、度重なる緊急事態宣言の発令や外出自粛等により法人ユーザーの電力使用量が極端に低下し、当社グループ顧客の業績への影響が想定を超えて拡大したりした場合には、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧資金使途及び投資効果について
2021年12月に実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、「エネルギープラットフォーム事業」における、①プロモーション及びセールス・マーケティング体制強化の投資に係る資金、②当社グループの顧客基盤強化を企図した買収に係る資金、③自社サービス拡充に資する資金、「エネルギーデータ事業」における、④「脱炭素テックファンド」への出資や運営に係る資金、⑤「EV充電事業」及び「エネルギーデータ事業」の将来成長に資する資金、及び⑥「エネルギープラットフォーム事業」及び「エネルギーデータ事業」におけるエンジニア、セールス、サポート人員の採用費並びに人件費等に充当予定としておりましたが、2022年5月13日に①については充当時期を未定と変更いたしました。この背景であったエネルギー業界における卸電力価格の高騰等をきっかけにしたユーザー獲得活動の停滞が概ね正常化に向かっていると判断し、①については2023年8月10日に調達資金の使用を再開したことを公表しております。また、2024年2月に実施した第三者割当増資による調達資金の使途につきましては、今後の成長に向けた投資資金として、①「EV充電事業」のプロモーション強化及び事業運営体制強化のための投資に係る資金、②EV充電インフラのネットワーク構築のための充電機器購入に係る運転資金、③「EV充電事業」の将来成長に資する投資資金へ充当する予定です。なお、これら投資については厳密な費用対効果分析を経た上で実施する方針でおりますが、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があります。
将来において、調達時点では予定していなかった更なる事業ポートフォリオの拡大により、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があります。なお、調達資金を上記以外の目的で使用する場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
⑨継続企業の前提に関わる重要事象等
当社グループでは、当連結会計年度まで2期連続で営業損失、3期連続で経常損失及び5期連続で親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当連結会計年度において重要な営業損失2,125,017千円、経常損失2,404,967千円及び親会社株主に帰属する当期純損失4,985,167千円を計上しております。この結果、2023年12月31日現在において、連結貸借対照表上1,479,226千円の債務超過となりました。
また、一部の取引金融機関からの借入については、現時点では期限の利益喪失に関わる条項を適用する旨の通知を受けていないものの財務制限条項に抵触しております。
さらに、2024年6月27日付「外部調査委員会の調査報告書の公表に関するお知らせ」のとおり、本調査の結果認められた問題点として、「EV充電事業」の事業リスクに対応し得る態勢の不足、会計監査人との適切なコミュニケーションの不足、コンプライアンスを軽視した経営トップらの姿勢、実効性のある内部統制及びガバナンスが構築されず十分な牽制・監督機能を果たすことができていなかったことの指摘を受けております。かかる調査報告書の公表の結果として、利害関係者との関係性の悪化や会社のブランド力の毀損が生じる可能性があります。
これらの事象又は状況は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に該当しております。
当該事象又は状況を解消すべく、事業面では、「EV充電事業」において競争環境が厳しくなっている中、過去2年間のノウハウ蓄積等により広告宣伝活動の効率的な運用を進め、収益力の強化を目指します。加えて、「エネルギープラットフォーム事業」や「エネルギーデータ事業」における安定的なセグメント営業利益を継続的に増加させていくための取り組みを進めております。
また、前連結会計年度末日及び当連結会計年度末日において、一部の借入金は財務制限条項に抵触しておりますが、取引金融機関と資金計画等の協議を行い、引き続き取引金融機関と緊密な関係を維持し、継続的な支援をいただけるよう努めております。なお、当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、2024年2月26日にJICVGIオポチュニティファンド1号投資事業有限責任組合を割当先とする新株式を発行し、総額3,999,899千円の資金を調達しており、「EV充電事業」における投資に当面必要な資金を確保しております。
さらに、当社は、外部調査委員会の調査報告書の再発防止策の提言に沿って再発防止策を策定し、コンプライアンス意識の向上を図ることにより、信頼回復を図ってまいります。
以上の施策をもって、必要な資金の確保及び維持を図っておりますが、「EV充電事業」において競争環境が厳しくなっている中で収益力を強化することや取引金融機関からの継続的な支援を得る可能性は未だ不透明であること、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、取引金融機関の理解を得たうえで一部の取引金融機関からの早期返済の要求に応じたこと、調査報告書の公表の結果を受けて各種利害関係者との関係性や当社グループのブランド力が毀損する可能性があること、及び当社の代表取締役城口洋平の当社グループにおける関与が困難となる場合は事業運営に支障が生じる可能性があることを踏まえ、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
⑩内部統制について
当社グループは、当社グループが「EV充電事業」において採用するSPCスキームにおけるSPCを当社の連結範囲に含めるべきかの協議を進める中、あずさ監査法人から、SPCスキームの遂行及び会計処理を行うに当たって、SPCの連結要否の検討に必要な情報が当社取締役会等に適時かつ十分に報告又は共有がされていなかった等の内部統制上の問題点があるのではないかとの指摘を受けたことを踏まえ、公平性を確保した調査により前提となる事実関係を明らかにするとともに、SPCを非連結とした従来の会計処理の検討過程の検証、当該会計処理と類似する事案の存否、事実関係の調査及び評価、並びに内部統制上の課題を評価していただく必要性を認識し、2024年3月27日外部調査委員会を設置して調査を依頼し、2024年6月21日に同委員会から調査報告書を受領いたしました。今後は、特別調査委員会からの提言も踏まえ、再発防止策の策定と着実な実行、及び内部管理体制等の強化に努めてまいります。
ただし、これらの再発防止策の策定と着実な実行及び内部管理体制等の強化が適切になされない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態、レピュテーション並びに金融機関、大株主、取引先、監督省庁等との関係等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、その他内部統制の整備上の欠陥や運用上の認識不足等の不備により財務報告等に重大な誤りが生じた場合にも、当社の信用が失墜すると共に、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
このことから創業以来配当は実施しておらず、当事業年度においても剰余金の配当は実施しておりません。今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。なお、内部留保資金につきましては、財務体質の強化と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針であります。
将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、本書提出日現在において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
配当を行う場合には、期末配当にて年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。また、配当の決定機関は取締役会であります。なお、2020年9月1日開催の臨時株主総会決議により、会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。なお、剰余金の配当基準日は、期末配当は毎年12月31日、中間配当は毎年6月30日とする旨を定款に定めております。