事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 611 | 100.0 | -148 | 100.0 | -24.3 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、「ビジネス現場に革命的な「楽」をつくる」というミッションのもと、アナログ・煩雑な顧客対応のDX化(※1)を促進するサービスを展開しており、企業の顧客体験の一貫性をご支援しております。経営・従業員・取引先等、企業をとりまく各ステークホルダーに対して適切な人に適切なタイミングで情報を共有・利活用できる仕組みを構築し、経営改善にアプローチするステークホルダーリレーションシップマネジメント(SRM)(※2)を提供しており、現場と経営が同時にイノベーションを起こすプラットフォームを構築・提供するリーディングカンパニーを目指しております。
総人口が減少する中、2070年には高齢化率(総人口に占める65歳以上の老年人口の比率)が約4割まで上昇する一方で、生産年齢人口(15~64歳)は現在と比べて約4割の減少が見込まれるような予測を踏まえ(※3)、ビジネス現場に「楽」と「楽しさ」をもたらすことは将来に備えるべき、極めて重要な課題であると捉えております。当社は、創業以来、顧客対応はもちろん、それを超えたSRMを通じて、改めて社内外のビジネス現場のコミュニケーション「情報」の分断を解決することで、無駄な作業を減らし、人だけができることを増やしていく、それを持続可能なように楽しく、ビジネス現場を変えていく事がこれからの日本に必要であると考えております。当社では、顧客対応窓口をはじめとした、企業が取り巻くステークホルダーのDXを支援するステークホルダーDXプラットフォーム「Discovereiz」を自社開発・提供しており、ビジネス現場で発生する「情報の分断」を「つなぐ」「まとめる」「活用する」ことで、それぞれに必要な情報が集約され、その情報をもとに社内外のやり取りを最適化してまいりました。その中で、「業務が楽になった」「見えなかった情報が見えるようになったことで仕事が楽しくなった」などの喜びの声を多数いただいてきました。
「Discoveriez」は、企業内に多く存在する部門ごとのバラバラな情報、属人化した業務、散在する顧客接点情報、個別で使われているシステム内の情報の一元管理ができ、さらに、その情報を適切な状態で各部門・取引先・顧客など様々なステークホルダーに最適な情報伝達・共有ができるプラットフォームとなっております。使いやすいUI/UX(※4)、利用シーンに合わせた機能(パーツ)をノーコード・ローコードで組み合わせ、短期間導入を実現しており、業務効率化をはじめ、顧客体験の改善、売上UP、収益化を促進するような活用効果も見込めます。「Discoveriez」は、主にクラウド形式で提供しており、様々な規模・業種の企業で活用することができます。
当社は、2023年4月から課題解決の範囲拡大とパートナーとのコラボレーションの掛け合わせにより、企業のIT戦略における上流から下流工程までを一気通貫で行う課題解決プログラム「SRM Design Lab」(※5)を開始しており、自社プロダクトである「Discoveriez」に加え、パートナーとの複数領域での共創により、クライアントへの本質的な課題解決を実行支援しております。「SRM Design Lab」のプログラムイメージは下記のとおりです。
・伴走支援サービス
クライアント様のビジネス課題の解決に向けた最適なパートナー企業を紹介し、その後の案件管理からデータ利活用の提案まで一気通貫で支援
・各業種・業界との対話
・Discoveriezの機能開発・改善、パートナーとのコラボレーション
顧客対応の課題や生活者の声の収集に関する情報発信・共有の場の創出
生成AIに関連する取り組み状況としては、生成AIを活用した業務効率化支援、Discoveriezのオプション機能として提供するための効果検証(PoC)を既存顧客様を中心に開始しており、ビジネスの現場に「Discoveriez AI」による革命的な「楽」を提供しております。当社では「Discoveriez AI」を利用してオペレーターの迅速な回答、対応時間の短縮および顧客データの正確な管理を実現しております。
「Discoveriez」では、電話・メール・チャット・店舗などさまざまなチャネルから取得した顧客対応情報を一括管理することができますので、部門・企業間を横断するシームレスな情報共有を実現するだけでなく、お客さまの「声」を商品開発や業務効率化に活かせる機能が充実しております。
(「Discoveriez」の主な特徴)
(1) 電話・メール・チャットなどさまざまなチャネルの顧客対応情報を集約し、VOC(※6)の一元化を実現
「Discoveriez」では、さまざまなチャネルから取得した個別の顧客対応情報をプラットフォーム上で一括管理することができますので、アナログではできなかった迅速かつ組織横断的な情報共有をすることで、対応の抜け漏れを防ぎ、フローの最適化を図ります。問い合わせやクレームは、ビジネスにおける「気づき」の宝庫となっており、お客さまの「声」を可視化、ナレッジ化することで経営課題を発見し、商品・サービスの改善や顧客満足度の向上に活かすことができます。また、本社・店舗間だけでなく、取引先OEM(※7)企業と「Discoveriez」上で情報共有・品質管理の柱として利用している事例もあります。
(2) 自動で商品・サービスの異常を検知しアラートを発動、充実のリスクマネジメント機能とセキュアな環境
「Discoveriez」では、全ての顧客対応履歴から危険性の高いワードを自動で検出し、管理者や関係者にアラートを発動するリスクアラート機能があります。素早い情報共有により商品やサービスの重大リスクを見える化し、トラブルの拡大を防ぐことができます。また、顧客情報や過去の対応履歴も簡単に検索することや、閲覧権限などの設定を細かくコントロールできるため、あらかじめ個人情報部分をマスキングして他部門に共有することが可能です。シングルサインオン(※8)にも対応しており、ひとつのアカウントでセキュリティレベルの高いサービスを利用することができます。
(3) 専門知識ゼロでも直感的に使いやすく、自由にカスタマイズ可能な画面
「Discoveriez」は、シンプルで直感的に操作できるレイアウトで、専門知識なしでも簡単に入力・共有が可能となっているので、画面遷移やクリック数も少なく、ストレスフリーで使うことができます。また、それぞれの企業様に合わせた自社オリジナルの入力画面をプログラミングなしで自由に設定できます。
(「Discoveriez」の主な機能)
(1) 受付情報登録
登録した案件は、部署・ユーザー・権限などに応じてカスタマイズしてグルーピングが可能となっております。また、ToDoリスト、Myタスク機能などの対応内容のタスク管理も可能であり、条件検索・AND/OR検索・フリーワード検索など登録案件の検索機能も充実しております。
(2) お客さま情報登録
複数の住所・電話番号・メールアドレスの登録が可能であり、案件との紐づき、対応履歴の確認ができます。また、顧客情報は権限ごとに表示/非表示の設定が可能であり、個人情報保護機能が標準装備されております。
(3) メール機能
お客さまからのメール内容を自動分割・入力して案件として登録が可能となっており、画面から直接お客さまへの返信も可能、例文管理や送信承認機能も標準装備されております。また、社内対応依頼も案件情報からワンクリックでメール作成することができ、ご使用のメールシステムにも対応可能です。
(4) リスク検知
案件作成時に同様の内容に一致する複数案件が発生した場合に件数を表示し、登録情報の詳細を閲覧することができます。また、リスクセンサー機能により、対応スキルに関わらず、数値に基づく判断が可能となっております。
(5) 帳票出力
案件情報に入力された情報を活用し、複数の帳票をWordやExcel形式で出力する事や、ファイル出力後も編集できるため、運用に合わせた報告書作成ができます。また、帳票テンプレートは既存の報告書のレイアウトを活用することもできます。
(6) CSV出力
登録した案件は、出力項目を選択してCSVファイルとしてダウンロードすることができるので、選択データの二次加工が便利です。
(7) 集計分析機能
ドラックアンドドロップで簡単にクロス集計することが可能で、頻度の高い集計方法は保存し、次回以降は簡単集計することができます。また、クロス集計した結果はExcelやCSVの形式で出力できます。
その他、商品等・自社データベース連携、FAQ(ナレッジ)、スマートフォン対応、販売店検索機能、CTI連携(※9)音声認識などのオプション機能も充実しております。
(「Discoveriez」サービスイメージ)
日本のITにおける「情報の分断」をなくし、ビジネス現場がより「楽」になることで企業が新たな競争力を勝ち得る支援をしております。
(「Discoveriez」事業領域)
(「Discoveriez」の活用効果)
ビジネスで発生する「情報の分断」を「つなぐ」「まとめる」「活用する」ことで、様々なステークホルダーの課題解決を支援するクラウドサービス
(事例)
(ビジネスモデル~競合環境~)
(Discoveriez AI)
(ビジネスモデル~サービス価格体系)
初期費用の導入支援と月額ライセンス料のシンプルな価格体系
オプション機能は利用途中でも契約可能なため、導入ハードルが低い点も特徴
なお、当社の事業セグメントは、「ステークホルダーDXプラットフォーム事業」の単一セグメントでありますが、クラウド事業、オンプレ事業の2つのサービスに区分できます。
① クラウド事業
「Discoveriez」をクラウド型で提供しております。運用に際して、これまでの豊富な実績から得た知見を活かした業界ごとのテンプレートを用意しているため、迅速な運用開始を支援します。当社では業界知や蓄積したデータの分析により、顧客の声からビジネスのリスクやチャンスを発見・予測する技術を開発しており、セルフカスタマイズが可能な基本機能に加えて、AIを使った独自のサービスなど用途に応じたオプション機能を多数用意しております。また、当社の開発力を活かし、顧客ニーズを素早く「Discoveriez」の機能としてフィードバックすることで、顧客満足度を高める取り組みを行っております。
料金体系は導入料+ライセンス利用料となっております。
② オンプレ事業
「Discoveriez」をオンプレミス型で提供しております。ユーザー企業のBCP対策及び情報資産管理の観点から、自社サーバーで構築・運用を求められた際に、ワンストップで提供いたします。加えて、各ユーザー企業の業務フローに合わせた機能をカスタマイズで構築します。
料金体系は導入料+メンテナンス・保守費用となっております。
(ビジネスモデル~サービス提供体系)
パートナー様経由でのサービス提供を基本とした提供体系に変更
パートナー様と顧客課題の解決支援を行うことでバリューアップを目指す
(※1) DX
Digital Transformation(デジタル・トランスフォーメーション)の略語であり、デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること。
(※2) SRM
Stakeholders Relationship Managementの略で、多様なステークホルダーの声の循環を通じ、各々の関係性を可視化することで、収益拡大のための最適な改善手法を見つけ、企業価値向上の実現を目指す、新たな経営戦略・手法のこと。
(※3) 出典:内閣府(2023)「令和5年版高齢社会白書」
(※4) UI/UX
UIとは、User Interfaceの略語であり、ユーザーがPCでやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組みのこと。UXとは、User Experienceの略語であり、サービスなどによって得られるユーザー体験のこと。
(※5) SRM Degign Lab
当社HPで2023年4月3日リリースの「ジーネクスト、ステークホルダーと顧客価値共創を目指す取り組み「SRM Design Lab」を開設」より抜粋
(※6) VOC
Voice of the Customerの略語であり、指摘・要望・お褒め等の顧客の声のこと。
(※7) OEM
Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)の略語であり、他社ブランドの製品を製造すること
(※8) シングルサインオン
一度のユーザー認証によって複数のシステム(業務アプリケーションやクラウドサービスなど)の利用が可能となる仕組みのこと。
(※9) CTI
CTIとはComputer Telephony Integrationの略語であり、電話やFAXをコンピュータシステムの一部として統合、連携させたシステムの総称であり、多くのコールセンターで利用されている。「Discoveriez」では本システムと連携することで、電話番号を表示させたり、音声を録音することなどが可能となる。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という」の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は414,605千円となり、前事業年度末に比べ134,742千円減少しました。これは主に現金及び預金が93,020千円、売掛金及び契約資産が35,827千円減少したこと等によるものであります。
また、当事業年度末における固定資産は9,843千円となり、前事業年度末に比べ993千円増加しました。これは主に、本社移転に伴う設備投資により建物附属設備(純額)が1,328千円増加した一方で、差入保証金が296千円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は424,449千円となり、前事業年度末に比べ133,749千円減少しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は282,942千円となり、前事業年度末に比べ51,234千円増加しました。これは主に、未払消費税等が10,538千円減少した一方で、前受収益が59,292千円、買掛金が12,215千円増加したこと等によるものであります。
また、当事業年度末における固定負債は137,469千円となり、前事業年度末に比べ35,520千円減少しました。これは主に、借入金の返済により長期借入金が34,672千円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、420,412千円となり、前事業年度末に比べ15,713千円増加しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は4,036千円となり、前事業年度末に比べ149,463千円減少しました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ200千円増加した一方で、当期純損失を149,863千円計上したことにより、利益剰余金が149,863千円減少したこと等によるものであります。
b.経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和を受け、社会経済活動の正常化が進み、景気も緩やかな回復の動きが見られました。一方、景気の先行きについては、エネルギー価格の高騰をはじめとした物価上昇による家計への影響なども懸念されており、依然として先行き不透明な状況で推移しています。
当社が属するクラウド基盤サービス市場においては、引き続き業務上のデータ・システム等の既存要件を維持しながら他の環境への移行または新規システムに乗り換えるマイグレーション案件が中心ではあるものの、その対象領域は拡大しております。また、産業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)に対する関心も高く、業務効率化のためのDXから競争力向上を目指すDXへ対象が広がり、戦略的なDXから実践的なDXに進展しております。さらに、生成AIも高い注目を集めており、市場の成長を後押ししております。
このような状況の中、当社は、ステークホルダーDXプラットフォーム「Discoveriez」を通じて、ビジネス現場で発生する「情報の分断」を解決するべく、「分断した情報」を「つなぐ」「まとめる」「活用する」ことで、それぞれに必要な情報が集約され、その情報をもとに社内外のやり取りを最適化しており、その中で「業務が楽になった」「見えなかった情報が見えるようになったことで仕事が楽しくなった」などの喜びの声を多数いただいてきました。また、前事業年度より、課題解決の範囲拡大とパートナーとのコラボレーションの掛け合わせにより、企業のIT戦略における上流から下流工程までを一気通貫で行う課題解決プログラム「SRM Design Lab」(※1)を開始しており、自社プロダクトである「Discoveriez」に加え、パートナーとの複数領域での共創により、クライアントへの本質的な課題解決を実行支援しております。
以上のような取り組みの結果、クラウドMRR(※2)の力強い成長が貢献したものの、当事業年度の売上高は610,779千円(前年同期比5.6%減)となりました。損益面では、開発における外注費の削減等により、営業損失は148,433千円(前年同期は営業損失252,567千円)、経常損失は150,559千円(前年同期は経常損失242,434千円)、当期純損失は149,863千円(前年同期は当期純損失296,351千円)となりました。
また、当社は、ステークホルダーDXプラットフォーム事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(※1) SRM Design Lab
当社HPで2023年4月3日リリースの「ジーネクスト、ステークホルダーと顧客価値共創を目指す取り組み
「SRM Design Lab」を開設」より抜粋
(※2) MRR
Monthly Recurring Revenueの略で、毎月繰り返し得られる収益であり、月次経常収益のこと。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、318,282千円となり、前事業年度末に比べ、93,020千円減少いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における営業活動による資金は、57,994千円の支出(前年同期は54,299千円の支出)となりました。これは主に、前受収益の増減額が59,292千円、及び売上債権及び契約資産の増減額が35,827千円であった一方で、税引前当期純損失148,912千円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における投資活動による資金は、1,174千円の収入(前年同期は19,219千円の支出)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出1,638千円があった一方で、差入保証金の回収による収入2,308千円、及び投資有価証券の売却による収入1,554千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における財務活動による資金は、36,200千円の支出(前年同期は31,352千円の支出)となりました。
これは、長期借入金の返済による支出36,600千円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は「ステークホルダーDXプラットフォーム事業」の単一セグメントであるため、サービス区分別で記載しております。
(注) 1.その他には、一定期間の間最低限の仕事量を保証するラボ型開発、コンサルティング業務等が含まれております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当事業年度においては、総販売実績に対する割合が10/100以上の相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
該当事項はありません。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、次のとおりであります。
a.売上高
当事業年度の売上高は、610,779千円(前年同期比5.6%減)となりました。これは主に、新規導入案件によりクラウドMRRが増加した一方で、見込んでいた大型案件の長期化、期ずれ等が発生し、さらに、開発リソースの観点からスケジュールが後ろ倒しとなったことによるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は、409,344千円(前年同期比16.3%増)となりました。これは主に、開発や導入リソースの一部に外部委託を採用したことやサーバコストが増加したことによるものであります。
以上の結果、当事業年度の売上総利益は、201,434千円(同31.8%減)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、349,867千円(前年同期比36.1%減)となりました。これは主に、人材の最適配置転換によって人件費が減少したことによるものであります。
以上の結果、当事業年度の営業損失は、148,433千円(前事業年度は252,567千円の営業損失)となりました。
d.営業外損益、経常利益
当事業年度の営業外収益は、1,141千円(前年同期比91.6%減)となりました。これは主に、助成金収入等によるものであります。一方で、営業外費用は、3,267千円(同3.5%減)となりました。これは主に、支払利息によるものであります。
以上の結果、当事業年度の経常損失は、150,559千円(前事業年度は242,434千円の経常損失)となりました。
e.特別損益、当期純利益
当事業年度において特別利益は、1,647千円(前年同期は発生なし)となりました。これは主に、投資有価証券売却益を計上したことによるものであります。
また、特別損失は発生しておりません。
以上の結果、当事業年度の税引前当期純損失は、148,912千円(前事業年度は295,400千円の税引前当期純損失)となり、法人税等を950千円計上したことにより、当期純損失は、149,863千円(前事業年度は296,351千円の当期純損失)となりました。
なお、当社の財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社における資金需要は、主として人件費、外注費等の運転資金であります。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入、及びエクイティファイナンスを基本としており、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて都度最適な方法を選択しております。
なお当事業年度末における借入金の残高は174,846千円であります。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は318,282千円となります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標としてストック売上高、解約率(チャーンレート)を特に重視しております。今後もこの指標を目標として経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確保を図る所存であります。
当事業年度においては、クラウドサービスの導入企業数が増加したことに加え、既存導入先のリプレイスに伴いライセンス料が増額したことなどから、ストック売上高は増加しております。