2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,684名(単体) 7,524名(連結)
  • 平均年齢
    46.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    22.0年(単体)
  • 平均年収
    8,170,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.9%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

当社グループの人材戦略および従業員の給与その他の給付の額及び内容については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)重要テーマ ③人的資本(人材の活躍)経営 a)人材戦略に関する方針」をご覧ください。

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

(2026年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(名)

半導体関連材料

1,158

(135)

高機能プラスチック

2,357

(163)

クオリティオブライフ関連製品

3,527

(525)

その他

53

(6)

全社(共通)

429

(8)

合計

7,524

(837)

 

(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

(2026年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

1,684

   (202)

46.7

22.0

8,170

2.9

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

半導体関連材料

252

(27)

高機能プラスチック

465

(48)

クオリティオブライフ関連製品

568

(120)

その他

(-)

全社(共通)

399

(7)

合計

1,684

(202)

 

(注) 1 従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。

2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

 

 

(3) 労働組合の状況

1 当社と多くの連結子会社において労働組合が結成されており、その主たるものは、当社の従業員により構成されている住友ベークライト労働組合であります。

2 住友ベークライト労働組合は、情報交換をその活動の中心としている友誼団体である全国化学労働組合総連合(化学総連)に加盟しております。

3 会社と組合は相互の信頼と協調に基づき健全な労使関係を形成しております。

 

(4) 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 

①提出会社

当事業年度

管理的地位にある
労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注)1,3

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

5.9

95.7

70.7

70.6

67.9

 

 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

      2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

      3 パート労働者については、フルタイム労働者の所定労働時間(7時間40分/日)をもとに賃金の換算を行っております。

 

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める
女性労働者の割合(%)
(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)
(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注)1

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

SBカワスミ㈱

8.8

100.0

72.6

73.0

66.0

 

 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

      2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

プラスチックの総合メーカーである当社グループは創業以来、革新的なプラスチック製品の研究・開発を通じて、半導体やモビリティ、医療機器分野など幅広く社会課題に貢献してまいりました。安全や安心・快適性を追求しながら、プラスチックならではの機能を活かして社会課題を解決する役割は、今後も重要であり続けると考えております。このため、当社はパーパスを「プラスチックの可能性を広げることで、持続可能な社会を実現する」と定めました。サステナビリティ推進方針は「当社グループの基本方針(経営理念)に基づき、パーパスに向かって事業活動を行うことで、企業価値の向上を目指します」とし、サステナビリティ経営を通じて、新製品・新サービスを継続的に社会実装することにより、中長期的な企業価値向上を目指しております。

ビジョンの実現に向けて、経営の重要課題(マテリアリティ)に真摯に取り組み、プラスチックの新しい価値創造を通じて持続可能な社会の構築に貢献してまいります。

当社グループは、2020年3月に策定した「環境ビジョン2050」に基づき、温室効果ガス削減目標の達成に向けて取り組んでまいりました。こうした取り組みの結果、当社グループが掲げた2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する目標を達成したことを踏まえ、さらに高い目標として、「1.5℃目標」に適合した温室効果ガス削減目標 (Scope 1+2) を新たに設定しました。この目標がSBTiより2025年5月に認定されました。今後も「環境ビジョン2050」の実現に向けて取り組んでまいります。

 

当社グループの基本方針(経営理念)については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の基本方針」をご覧ください。

当社グループのビジョンについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」をご覧ください。

当社グループの環境ビジョン2050については、2025年9月に発行した統合報告書2025およびサステナビリティレポート2025をご覧ください。

 

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当社グループのサステナビリティ関連のリスクと機会を監視および管理するためのガバナンスの過程、統制および手続を下図のように構築しています。この考え方は取締役会にて決議した内部統制システム構築の基本方針にも織り込まれております。

取締役会は、経営の重要課題(マテリアリティ)やKPI(Key Performance Indicator)の承認に加え、各KPIの実績や今後の取り組みなどの重要事項について適切に監督しております。取締役会の監督は、(2)重要テーマに掲げる各テーマに共通して適用されており、サステナビリティ推進委員会から毎月報告を受け、その進捗状況を継続的に監視および管理しております。

取締役会メンバーのサステナビリティに関するスキルについては「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」、報酬については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご覧ください。

サステナビリティ推進委員会は、サステナビリティにかかわる方針の承認、経営の重要課題(マテリアリティ)およびKPIの達成状況の確認・計画の承認、下部委員会の方針・計画・実績の承認(SDGs推進委員会で検討されたSDGs貢献製品の承認等)などを行い、重要事項を取締役会に毎月報告しております。委員長を社長、副委員長を副社長、委員を各部門統轄役員・担当役員等としたメンバーで構成され、2か月に1回程度開催しております。

 


 

②戦略

当社グループは、2023年度に新たな経営の重要課題(マテリアリティ)を定め、2024年度から財務・非財務を一体化した戦略として中期経営計画に取り込んでおります。

経営の重要課題(マテリアリティ)の特定は、下記のSTEP1~3のプロセスに従って行いました。まず広く課題を抽出(STEP1)し、その中から重要な課題を絞り込むことによって重要課題案の選定・整理(STEP2)を行いました。その内容をサステナビリティ推進委員会にて確認し、取締役会の承認(STEP3)を得て、重要課題として特定しました。社内外の情勢や重要性の変化に応じて見直しを行ってまいります。見直す際も下記のSTEP1~3のプロセスに従って実施します。

STEP1 課題の抽出

以下を参考にして広く課題を抽出しました。

・社会課題に関する情報

・国連ガイドライン、外部ESG評価機関の項目

・住友ベークライトグループの方針、各部署の取り組み内容

・中期経営計画策定過程の議論内容

・ステークホルダーとの対話

STEP2 重要課題案の選定・整理

以下の2軸の観点で重要性の高い課題を選定しました。

・社会にとっての重要性

・住友ベークライトグループにとっての重要性

期待される効果を鑑みて、以下の観点で整理しました。

・環境・社会価値の創造

・価値創造のアクセル

・事業を継続する基盤

 

STEP3 経営層による審議・承認

特定した重要課題案について、サステナビリティ推進委員会で項目の網羅性と妥当性を確認、取締役会で承認を得ました。

 

特定した12の経営の重要課題(マテリアリティ)を以下に示します。

経営の重要課題(マテリアリティ)

環境・社会価値の創造

顧客との共創

(価値創造のアクセル)

イノベーション

人的資本(人材の活躍)経営

DX

安全衛生

(事業を継続する基盤)

製品責任

コンプライアンス

サイバーセキュリティ

人権尊重

サステナブル調達

コーポレート・ガバナンス

 

 

『環境・社会価値の創造』は、ビジョンの達成に直接的に貢献する価値を創造する重要テーマであります。プラスチックの可能性を広げ、SDGsの達成に貢献する新たな価値を製品・サービスに付与することは、新規事業のみならず既存事業において、現在および未来の事業利益の向上につながる機会と考えております。一方で環境・社会に貢献しない事業活動によって作られた製品・サービスは市場や社会から受け入れられなくなり、利益や売上が減少するリスクがあると考えて、本課題を位置付けております。

『顧客との共創』、『イノベーション』、『人的資本(人財の活躍)経営』、『DX』は、『環境・社会価値の創造』の取り組みを推進していくために必要であり、その期待される効果から価値創造のアクセルと位置付けております。『安全衛生』、『製品責任』、『コンプライアンス』、『サイバーセキュリティ』、『人権尊重』、『サステナブル調達』、『コーポレート・ガバナンス』は、上記の取り組みを進めていく上で必要な課題であり、事業を継続する基盤と位置付けております。

これら12個の経営の重要課題(マテリアリティ)に対しては、具体的な取り組みを明確化するためにKPIを設定し、サステナビリティ推進委員会で定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて軌道修正を行いながら進めております。

 

③リスク管理

サステナビリティ関連のリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、当社グループのリスクマネジメントプロセスに準拠し、実施しております。詳細については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制」をご覧ください。

 

 

 

④指標及び目標

経営の重要課題(マテリアリティ)のKPI、2025年度の実績(見込みを含む)、2030年の目標を下記に示しております。なお、詳細については、2026年9月末に発行予定の統合報告書2026およびサステナビリティレポート2026をご確認ください。

経営の重要課題

KPI

2030年度目標

2025年度実績

環境・社会価値の創造

SDGs貢献製品売上収益比率

70%以上

68.5%(見込み)

温室効果ガス(GHG)排出量削減率※1

2021年比

48%以上

50%(見込み)

価値創造のアクセル

顧客との共創

「One Sumibe活動」の成果として、顧客とテーマ化した件数/年

10件以上

11件

事業部横断で取り組むインハウス展示会数/年

8回以上

8回

イノベーション

プロジェクト実施数

5件以上

6件

事業利益への貢献

100億円

人的資本

(人材の活躍)

経営

多様性の推進:

女性活躍推進

女性管理職比率(単体)

 

 

10%

 

 

5.9%

多様性の推進:

女性活躍推進

男性の育児休業取得率(単体)

 

 

90%

 

 

95.7%

多様性の推進:

キャリア採用比率※2(単体)

 

50%

 

32.6%

自律性の強化 360°評価に基づく教育の受講者数

 

70人

 

58人

組織力の向上 マネジメント教育受講者数

 

70人

 

56人

DX

基幹システムの統合

基幹システムのデータ統合(グローバル)

要件定義を完了

システム構築着手

人生産性:※3

生産部門※4

 

2.0

 

1.25

人生産性:※3

管理部門※5

 

2.0

 

1.2

データサイエンティスト育成人数:

認定者数

 

150人

 

78人

データサイエンティスト育成人数:

スキル保有者数

 

450人

 

239人

事業を継続する基盤

安全衛生

重篤な労働災害(/年)※6

0件

0件

火災・爆発による操業停止事故

(/年)

 

0件

 

0件

外部流出漏洩事故(/年)

0件

0件

製品責任

重大品質クレーム(/年)

0件

0件

コンプライアンス

コンプライアンス研修受講率

100%

100%

重大なコンプライアンス違反(/年)

0件

0件

サイバーセキュリティ

 

重大なインシデント(/年)

0件

0件

研修受講率

100%

100%

対応訓練(/年) (単体)

2回

2回

人権尊重

人権デューディリジェンスの実施

人権DDの実施

社内・構内協力会社・高リスク原料サプライヤーを対象とした児童労働・強制労働に関する調査完了

サステナブル調達

サステナブル調達率※7

100%

91%

3TGに関するRMAP※8 適合精錬所使用率

100%

100%

コーポレート・ガバナンス

取締役会の構成、運営のあり方の観点を含めた実効性の継続的向上

実効性評価の実施と重点課題対応

実効性評価の実施と重点課題実施完了

 

※1 Scope1、2を対象

※2 対象は総合職

※3 2023年を1とした比率

※4 主要製品を対象、限界利益/直接人時で算出

※5 管理部門・情報システム部門を対象、対象時間/(対象時間-削減時間)で算出

※6 死亡および厚生労働省が定める後遺障害別等級(1-14級)に該当する災害

※7 JEITA『責任ある企業行動ガイドライン』の自己評価シートを用いて、セグメントごとの購入上位9割の主要サプライヤーのうち、所定の基準を満たす割合

※8 3TG:スズ・タンタル・タングステン・金、責任ある鉱物保証プロセス(RMAP: Responsible Minerals Assurance Process)

 

(2)重要テーマ

 ①SDGs貢献

a) ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ推進委員会の下にSDGs推進委員会を設置し、全社を挙げてSDGsに関する施策の企画および実行を推進しています。

SDGs推進委員会では、SDGs貢献製品売上収益比率の目標達成に向けて進捗を定期的にモニタリングしています。また、SDGsに貢献する製品・技術・活動について審査を行い、貢献の妥当性が認められるものについては、サステナビリティ推進委員会に報告し、承認を得ています。委員は主に各研究所長で構成されており、毎月活発な意見交換を行うことで、メーカーとして開発段階からSDGs貢献を意識する社内文化の醸成に努めています。

 


取締役会は、サステナビリティ推進委員会からの報告に基づき、SDGs推進委員会における「SDGs貢献製品売上収益比率」の進捗状況やSDGsに貢献する製品・技術・活動の審査・承認状況等を把握し、進捗を適切に監視および管理しております。

 

b) 戦略

2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)は、社会ニーズそのものであり、当社グループの基本方針(経営理念)にも通じるものです。当社グループでは、SDGsの目標3、7、8、9、12、13、14を重点的に取り組むべきSDGs領域「6+1」として定め、SDGsに寄与する製品を「SDGs貢献製品」と認定しております。当社グループは、プラスチックの可能性を広げ、SDGsの達成に貢献する新たな価値を製品・サービスに付与することが、現在および未来の事業利益の向上につながる機会と捉えSDGs貢献製品売上収益比率を指標として管理しております。なお、研究開発の初期段階からSDGs貢献を検討することがその売上収益比率の向上につながります。SDGs貢献製品の認定にあたっては、具体的な「ターゲットの選定」と「どの程度貢献するのかを示す客観的数値」の2点を判断基準とし、SDGsへの貢献実績があるように装う、いわゆる“ウォッシュ”にならないように、社内規定に基づき、審査を実施しております。

 

c) リスク管理

SDGs貢献のリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、当社グループのリスクマネジメントプロセスに準拠し、実施しております。詳細については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制」をご覧ください。

 

d)指標及び目標

KPI

目標

実績(当事業年度)

SDGs貢献製品
 売上収益比率

2030年度末 70%以上

68.5%(見込み)

 

AI半導体向けシクロオレフィンポリマー(COPLUS®)、低燃費タイヤ補強用フェノール樹脂、ヘッドアップディスプレイ(HUD)向け光学シート、パワーモジュール向け冷却器接合用セミシンタリング材などを新たにSDGs貢献製品として認定しました。SDGs貢献製品は累計で182件(2025年度4件登録)となり、2030年度末の目標である売上収益比率70%に向けて着実に進展しております。今後も売上収益比率の向上を引き続き推進してまいります。

 

 

 

 ②気候変動対応

a)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ推進委員会の下に2つの委員会を設置し、気候変動対応を実施しています。

・TCFDタスクチームをリスクマネジメント委員会の下に設置しており、気候変動に関するシナリオ分析を実施しています。この分析によりリスクと機会を特定し、その結果はサステナビリティ推進委員会に報告し、承認を得ています。また、これらの分析結果は定期的に見直し、情報開示の充実に努めております。

・カーボンニュートラル推進委員会はグループ全体でのカーボンニュートラル達成に向けた活動を強化・推進しております。具体的には、GHG排出量削減や省エネルギーに関する目標を策定し、その進捗を管理しています。また、研究段階から科学的、定量的、客観的にライフサイクルアセスメント(LCA)を実施し、環境負荷を最小限に抑える生産方式の確立に取り組んでいます。これらの目標や進捗状況はサステナビリティ推進委員会に報告し承認を得ています。


取締役会は、サステナビリティ推進委員会からの報告に基づき、TCFDタスクチームおよびカーボンニュートラル推進委員会における「温室効果ガス(GHG)排出量削減」の目標策定・進捗管理、シナリオ分析等の対応状況を把握し、進捗を適切に監視および管理しております。

 

b)戦略

当社グループは2021年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、再生可能エネルギー由来の電力への切り替えやSDGs貢献製品比率の向上に取り組むとともに、TCFD提言に基づく情報開示に向けた活動を推進しております。

また、TCFDタスクチームを中心に、2040年(長期)を想定した気候関連シナリオ分析を実施し、気候変動に伴う潜在的なリスクと機会を抽出しました。そのうち、財務影響が相対的に大きいと想定されるリスクと機会を「シナリオ分析表」のとおり特定しております。

2030年と2050年の温室効果ガス(GHG)排出量削減目標達成に向けて、カーボンプライスの上昇、GHG排出規制の強化、化石燃料価格の変動等(これらは1.5/2℃または4℃シナリオにおいて移行リスクとして抽出)への取組の前倒しを図り、長期的な移行リスクの低減と短・中期の事業機会の創出を図ってまいります。2025年度からはインターナルカーボンプライス(ICP:10,000円/t-CO2)を導入し、環境対応設備投資の促進を図ってまいります。

中期経営計画2024-26の最終年度となる2026年度においても、リスクマネジメント委員会が中心に、シナリオ分析結果からのバックキャストに基づく短期的な施策の具体化を図り、社内関係部門へ展開のうえ、スピード感をもって実行・推進してまいります。

 

◆シナリオ分析表

<1.5℃/2℃シナリオ>

 

ドライバー

想定し得るシナリオ要素

(世の中の動き)

当社影響

インパクト評価

リスク

機会

政策および法規制

カーボンプライスの引き上げ

・カーボンプライスの上昇

<1.5℃シナリオにおけるカーボンプライス(先進国)>

 2035年:180USD/t-CO2

 2040年:205USD/t-CO2

 2050年:250USD/t-CO2

 (2025年 IEA World Energy Outlook)

・製造にかかるエネルギーコストの増加による操業コストの増加

リスク

・輸送コストの増加

リスク

市場

低炭素技術の進展

・再生可能エネルギー由来の電力需要の高まりによる電力価格上昇

・操業コストの増加

リスク

・バイオマス由来原料の需要の高まりによる原料の価格上昇

・バイオマス原料の価格上昇

リスク

低炭素技術の進展に伴うガソリン需要の減少

・ナフサはこれまでの副産品でなく主産品としての地位を得る

・ガソリンやディーゼル油とともにナフサは安定的に供給されるものの、価格は上昇

・ナフサの価格上昇による仕入・調達コストの増加

リスク

人やモノの移動のデジタル代替

・炭素税やGHG排出規制などの影響により人やモノが移動するための費用負担が大きくなる

・デジタルデバイスに搭載される半導体の需要増加

・半導体関連製品の販売拡大による売上増加

機会

低炭素技術・製品の進展

・顧客からの資源循環の要求

・3R+Renewable(持続可能な資源)関連製品への切替加速

・3R+Renewable製品の早期上市による売上増加

機会

・低炭素社会へとシフト

・炭素税やGHG排出規制が強化

・経済性を考慮したCO2輸送技術の開発やそのインフラ整備が進む

・低炭素製品/サービスの販売拡大による売上増加(例:環境対応樹脂製品、水素関連製品、CCU等)

機会

xEV関連需要の拡大(電池用部材、自動車用軽量化素材)

・自動車販売台数に占めるxEV車の割合は着実に増加し、xEV車の販売台数は増加

・xEVを対象とした製品/サービスの販売拡大による売上増加

・自動車用軽量化素材の売上増加

機会

 

 

 

<4℃シナリオ>

 

ドライバー

想定し得るシナリオ要素

(世の中の動き)

当社影響

インパクト評価

リスク

機会

市場

化石燃料価格の変動

原油、天然ガスは価格が上昇

 原油

    2030年: 79USD/barrel

       2050年: 75USD/barrel

 天然ガス 日本

    2030年:8.3USD/MBtu

      2050年:8.7USD/MBtu

 (2025年 IEA World Energy Outlook)

 ※MBtu:百万英熱量

・原料仕入・調達コストの増加

・製造にかかるエネルギーコストの増加による操業コストの増加

リスク

物理リスク:急性

サイクロンや洪水などの異常気象の重大性と頻度の上昇

サイクロン、集中豪雨、洪水、干害などの激甚化、頻度上昇

・主要原料サプライヤー:操業停止

・自社製造拠点(国内外):操業停止

・操業の一時停止による売上減少

リスク

「レジリエントな都市づくり」が推進される

→自然災害に強い建材、産業用資材の需要増
(要求機能例:軽量/高耐久/耐衝撃/高断熱・遮熱/耐火等)

・建材向け各種シート製品、防水シート製品/サービスの売上増加

機会

・食肉用家畜の減少 → 長期保存用食品/加工品包装材の需要増

・農作物の収穫量の減少 → 青果物包装材の需要増

・各種包装フィルム製品の売上増加

機会

気温上昇に伴う疾病・移動制限

・地域病院・自宅等での診断および遠隔診断の必要性増

・環境変化に敏感な幼児・高齢者に対する医療機会(診断・治療)の増大

→POCT(Point of Care Testing)/医療機器の需要増大

・ヘルスケア新商品の開発・販売(脳波検知型デバイス、哺乳力センサー・システム等)/売上増加

・医薬品パッケージの需要増

機会

 

 

 

c)リスク管理

気候変動関連のリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、当社グループのリスクマネジメントプロセスに準拠し、実施しております。詳細については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制」をご覧ください。

 

d)指標及び目標

KPI

目標

実績(当事業年度)

温室効果ガス(GHG)

排出量削減

(Scope1+Scope2)

2030年度末 48%以上(2021年度比)

50%(見込み)

 

 

化学産業界の一員として、SDGsの中でも気候変動への対応は特に重要であると考えております。2020年3月に策定した「環境ビジョン2050」をもとに、国内すべての工場・研究所および欧州のグループ会社で再生可能エネルギー由来の電力に切り替えを進め、さらに太陽光発電パネルの設置拡大にも取り組んでいます。2023年度には日本政府目標である2030年度GHG排出量46%削減(2013年度比)を達成し、2024年度から1.5℃基準に適合したGHG排出量削減目標に向けて取り組んでいます。この目標はSBTiより2025年5月に認定されました。

 

    [SBT認定を取得した当社グループのGHG排出量削減目標]

Scope1+Scope2         :2030年度48%以上削減(2021年度比)

Scope3(カテゴリ-1,4,5,12) :2030年度25%以上削減(2021年度比)

 

2025年度は、東南アジアのグループ会社で再生可能エネルギー由来の電力への切り替え等が功を奏し、2030年度末GHG排出量削減目標を前倒しで達成する見込みとなりました。2026年度は、新たな目標を設定し、引き続き脱炭素に向けた活動を推進してまいります。

また、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減(Scope3)においても、削減目標を設定し、取り組みを開始しております。

 


住友ベークライトグループGHG排出量および削減計画

 

 

 ③人的資本(人材の活躍)経営

a)人材戦略に関する方針

当社グループはありたい姿の一つに「社員が生き生きと活躍できる会社」を掲げています。これを実現するため、経営の重要課題の一つとして「人的資本(人材の活躍)経営」を位置付け、多様性の推進、自律性の強化および組織力の向上の3点を方針として設定しています。

多様な社員がそれぞれの個性や能力を発揮し活躍できる環境の整備に取り組むとともに、マネジメント層のリーダーシップの強化を進めることで、当社グループの強みの一つである人材および組織力を持続的に強化することを念頭に施策を推進しております。

 当社は、公正かつ透明な人事運営を推進するため、社員一人ひとりの業務上の成果を客観的に評価、フィードバックし、その結果を賃金(昇給・賞与)や処遇(昇格など)に的確に反映させる仕組みを整えております。また、労働組合とは当社の賃金が世間水準と比較して優位性を保っているかを定期的に検証・協議し、必要な改善を実施しております。近年は物価上昇による生活費増大の不安が高まっていることを受けて、ベースアップを実施し、妥当な賃金水準の維持を図っております。

 

 

b)ガバナンス

当社グループの人的資本(人材の活躍)経営は、人事本部がコーポレート部門や各事業所・関係会社の人事部門と連携して、取締役会の監督のもと、グループ全体で取り組みを推進しております。なお人的資本(人材の活躍)経営に関する指標および目標については、人事本部がその進捗管理とモニタリングを行い、その結果をサステナビリティ推進委員会に報告することとしております。


取締役会は、サステナビリティ推進委員会からの報告に基づき、人事本部が進捗管理・モニタリングする人的資本関連KPI(女性管理職比率、男性の育児休業取得率、キャリア採用比率等)の進捗状況を把握し、適切に監視および管理しております。

 

c)戦略

 DE&Iの推進

当社グループは、経営として取り組む重要な課題の一つとして「DE&I」(ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公正性)&インクルージョン(包括性))を掲げ、2022年10月に策定した「DE&Iの実現に向けた方針」に基づき、多様な人材が個性や能力を発揮し、一人ひとりの状況に応じた公正な機会が提供され、相互の理解と尊重のもとで生き生きと活躍できる会社の実現に向けて取り組んでおります。

まずは、女性の活躍推進を第一歩として、女性従業員自身のライフイベントとキャリアを両立できるよう、女性従業員が次の3点を実現できることを目標に掲げて各種施策を講じております。

 ・安定的、長期的に働き続けることができる

 ・高いパフォーマンスを発揮することができる

 ・高い職位を目指すことができる

また、2023年4月にDE&I推進室を設置し、女性活躍の推進に加え、シニア層の活躍、介護者の支援、外国人の採用および障がい者雇用の拡大等の推進に取り組んでおります。2023年度、2024年度は社員座談会を通じて相互理解を深めるとともに、その内容を踏まえ、性別を問わず仕事と生活の双方をより充実させるための施策の導入や改定を行いました。さらに2025年度には、当社役員が、次世代の幹部候補となる女性社員に対し、キャリア形成に必要な知識、経験および人脈の拡大を支援し、成長を一層加速させることを目的として「サポーター役員制度」を試行しました。

 

 

人材育成の充実化
<人材教育(SBスクール)>

当社グループでは、人材育成に関わる教育研修や仕組みの体系を“SBスクール”と銘打ち、持続的成長に必要な知識およびスキルを学び、実践する場を提供しております。事業活動に関わる全部門・全階層を対象として、必要な教育プログラムを企画し、体系的かつ計画的に実施することにより、事業に有為な人材の育成を行い、当社グループの持続的成長と企業価値の向上につなげております。

“SBスクール”は、従業員一人ひとりの成長こそが、事業の持続的成長の源泉であるとの考えのもと、在籍する全ての従業員を受講対象としており、在学期間は入社してから退職するまでの全ての期間です。

求める人材・育てたい人材

住友ベークライト流自立的人材像

■仕事に必要な新知識・新技能の習得に意欲的な、成長志向型人材

■今が最悪、絶えずもっとよい仕事を考える、変革志向型人材

■より高い仕事の成果のため、自身の力と周囲の力の和が発想できる、チーム型人材

■知識と技能に優れ、国内・外の仕事において通用し成果を生み出す、プロフェッショナル人材

 

 

当社グループでは、中期経営計画2024-26に基づき、自律性の強化を目的とした360°評価を活用したリーダーシップ教育の幅広い層への展開と、個人および組織のパフォーマンスを向上させること(組織力の向上)を目的としたマネジメント教育の充実に重点的に取り組んでおります。

 

DXに関する取り組み

当社グループは、データサイエンスを活用したイノベーションを推進し、持続的な成長を実現するために、高度なデジタルスキルを有する人材の育成と活躍の促進に努めております。報奨制度も含めたデータサイエンティスト社内認定制度に基づき認定されたデジタル人材が活躍することで、データ科学技術を取り入れた研究・開発業務の効率化、製品機能の向上など多くの成果が生まれております。今後もデジタルスキル教育内容の充実とデジタル人材の活躍を促進する施策を継続的に実施し、さらなる成果創出を目指してまいります。

 


 

d)リスク管理 

人的資本関連のリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、当社グループのリスクマネジメントプロセスに準拠し、実施しております。詳細については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制」をご覧ください。

 

 

 

e)指標及び目標
DE&Iの推進

「戦略」において記載した多様な人材の確保と活躍に関する方針ならびに社内環境整備に関する方針に係る指標について、当社においては、関連指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、必ずしも連結グループに属する全ての会社において行われているわけではないため、連結グループにおける記載は困難であります。このため、次の指標に関する目標および実績は、連結グループにおける主要な事業を営む当社単体のものを記載しております。

 

<連結グループにおける主要な事業を営む当社単体のデータ>

KPI

目標

実績(当事業年度)

女性管理職比率

2030年度末 10%

5.9%

男性の育児休業取得率

2030年度末 90%

95.7%

障がい者雇用率

法定雇用率の維持

2.78%

 

 

・女性管理職比率の向上

これまでも性差なく管理職への登用を行ってきましたが、積極的な女性採用と離職の防止などの施策に加え、DE&I活動を通じた各種施策により、同比率の向上を目指してまいります。

 

●管理社員における女性比率の推移


(注) 1 執行役員を除く管理社員を対象としております。

2 管理社員の資格を有した出向者を含みます。

3 比率は各年度末の値です。

4 当社単体の数値です。

 

・男性の育児休業取得率の向上

当社では育児目的休暇として「妻の出産休暇」を設けており、出産日を基準に3日前から2週間後までの間に断続的に5日(有給)の休暇を取得することを可能としております。また、男性従業員の育児休業取得を促すべく、出生時育児休業の取得期間の初めの5日間を有給(100%)とする法定以上の措置を設けております。その結果、妻の出産休暇との合計で10労働日について有給での休暇取得が可能となっております。

これらの育児に関する制度を周知するとともに、男性従業員が育児に参加するために柔軟に休暇が取得できる職場環境を整備し、男性育児休業取得率は前年を上回りました(2024年度84.0%→2025年度95.7%)。今後もこの数値の維持を図ってまいります。

 

・男女の賃金の差異の低減

男性従業員の支払い賃金を100とした場合の女性従業員の賃金割合は、全労働者70.7%、正規雇用労働者70.6%、パート・有期労働者67.9%となります。

当社の賃金(例月の基準内賃金、諸手当、賞与)において、性別により支給条件が異なる賃金項目はありませんが、正規雇用労働者については管理社員の平均勤続年数が男性と女性で差があること(男性は女性の1.4倍)、非正規労働者については、60歳以上の再雇用嘱託員の賃金は定年時の資格に応じて決定することにしておりますが、再雇用嘱託員の60.8%が定年時の資格が高い男性であることから賃金差異が生じております。これらの要因に対して、積極的な女性採用と離職の防止、管理社員への登用拡大等により、男女の賃金差異の低減に取り組んでまいります。

 

・障がい者雇用率の維持・向上

当社は法令に定めるとおり障がい者を雇用していくことを、企業の社会的な使命の一つと捉えております。障がいがありながら仕事をしていくために必要な配慮を行いつつ、ほかの従業員と同様に安全・安心な職場で、その能力を継続的に発揮・育成できる環境づくりに努めております。

また、障がいのある学生をインターンシップとして受け入れるなど、個人にあった仕事や働き方を見つける機会を提供するとともに、継続的な採用活動に取り組んでおります。

 

●最近5年間の障がい者雇用率推移


(注)各年度の障がい者雇用率は、各月1日時点の障がい者数の合計値を、同時点の常用雇用者数の合計値で除して算定しております。

 

人材育成の充実化

当社では「戦略」において記載した人材育成の充実化について、「360°評価に基づく教育の受講者数」「マネジメント教育受講者数」の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は次のとおりであります。

 

KPI

目標

実績(当事業年度)

360°評価に基づく教育の受講者数

2030年度末 70名

58名

マネジメント教育受講者数

2030年度末 70名

56名

 

 

DXに関する取り組み

DXの取組における、データサイエンティストの育成に関わる指標・目標および実績は下表のとおりです。2030年度目標達成に向けて、社内教育の受講枠の拡大、受講者各自の個人目標達成のためのデータサイエンティストメンター制度を開始しております。

 

KPI

目標

実績(当事業年度)

データサイエンティスト認定者

2030年度末 150名

78名

データサイエンススキル保有者

2030年度末 450名

239名