2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,659名(単体) 7,981名(連結)
  • 平均年齢
    45.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.9年(単体)
  • 平均年収
    7,940,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

(2025年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(名)

半導体関連材料

1,132

(129)

高機能プラスチック

2,312

(166)

クオリティオブライフ関連製品

4,055

(537)

その他

55

(4)

全社(共通)

427

(9)

合計

7,981

(845)

 

(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

(2025年3月31日現在)

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,659

(205)

45.9

21.9

7,940

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

半導体関連材料

251

(18)

高機能プラスチック

455

(39)

クオリティオブライフ関連製品

555

(139)

その他

(―)

全社(共通)

398

(9)

合計

1,659

(205)

 

(注) 1 従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。

2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

1 当社と多くの連結子会社において労働組合が結成されており、その主たるものは、当社の従業員により構成されている住友ベークライト労働組合であります。

2 住友ベークライト労働組合は、情報交換をその活動の中心としている友誼団体である全国化学労働組合総連合(化学総連)に加盟しております。

3 会社と組合は相互の信頼と協調に基づき健全な労使関係を形成しております。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)
(注)1,3

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

4.2

84.0

70.5

70.9

72.7

 

 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

      2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

      3 パート労働者については、フルタイム労働者の所定労働時間(7時間40分/日)をもとに賃金の換算を行っております。

 

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)
(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)
(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)
(注)1

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

SBカワスミ㈱

8.2

85.7

68.7

69.2

57.6

 

 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

      2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

近年、環境面において、プラスチックに対するネガティブなイメージが抱かれております。しかし、安全や安心、快適性を追求しながら、プラスチックを通じてしか発現できない機能をもって社会課題を解決するという役割はこれからも重要であり続けると考えております。

当社グループの基本方針(経営理念)は、「我が社は、信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運及び民生の向上に貢献することを期する」、パーパスは、「プラスチックの可能性を広げることで、持続可能な社会を実現する」であります。これらを踏まえ、サステナビリティ推進方針「当社グループの基本方針(経営理念)に基づき、パーパスに向かって事業活動を行うことで、企業価値の向上を目指します。」を定めました。サステナビリティを経営の一環とし、新製品・新サービスを継続的に社会実装することにより、持続可能な社会の実現に貢献いたします。

2030年ビジョン「お客様との価値創造を通じて『未来に夢を提供する会社』」の実現を目指し、経営の重要課題(マテリアリティ)を2023年度に見直して、2024年度から取り組みを開始しました。

また、当社グループは、国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト(以下、UNGC)」に賛同し、2024年9月20日付で署名しました。UNGCが定める「4分野(人権、労働、環境、腐敗防止)10原則」は、当社経営の重要課題(マテリアリティ)と重なるものです。当社グループはこれらを支持し、実践してまいります。

 

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当社グループのサステナビリティ関連のリスクと機会を監視および管理するためのガバナンスの過程、統制および手続を下図のように構築しています。この考え方は取締役会にて決議した内部統制システム構築の基本方針にも織り込まれております。

サステナビリティ推進委員会は、サステナビリティにかかわる方針の承認、経営の重要課題(マテリアリティ)KPI(Key Performance Indicator)の達成状況の確認・計画の承認、下部委員会の方針・計画・実績の承認(SDGs推進委員会で検討されたSDGs貢献製品の承認等)などを行い、取締役会に定期的に報告しております。

サステナビリティ推進委員会は、委員長を社長、副委員長を副社長、委員を各部門統轄役員・担当役員等としたメンバーで構成され、2か月に1回程度開催しております。

取締役会の取り組みや実効性評価につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご覧ください。

 


 

②リスク管理

サステナビリティ関連のリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、当社グループのリスクマネジメントプロセスに準拠し、実施しております。詳細については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制」をご参照ください。

 

③戦略

当社グループは、2023年度に新たな経営の重要課題(マテリアリティ)を定め、2024年度から財務・非財務を一体化した戦略として中期経営計画に取り込んでおります。

経営の重要課題(マテリアリティ)の特定は、下記のSTEP1~3のプロセスに従って行いました。まず広く課題を抽出し、その中から重要な課題を絞り込むことによって重要課題案を選定し、その効果から整理を行いました。その内容をサステナビリティ推進委員会にて確認し、取締役会の承認を得て、重要課題として特定しました。

STEP1 課題の抽出

以下を参考にして広く課題を抽出

・社会課題に関する情報

・国連ガイドライン、外部ESG評価機関の項目

・住友ベークライトグループの方針、各部署の取り組み内容

・中期経営計画策定過程の議論内容

・ステークホルダーとの対話

STEP2 重要課題案の選定・整理

以下の2軸の観点で重要性の高い課題を選定

・社会にとっての重要性

・住友ベークライトグループにとっての重要性

期待される効果を鑑みて、以下の観点で整理

・環境・社会価値の創造

・価値創造のアクセル

・事業を継続する基盤

STEP3 経営層による審議・承認

特定した重要課題案について、サステナビリティ推進委員会で項目の網羅性と妥当性を確認、取締役会で承認。

 

特定した12の経営の重要課題(マテリアリティ)を以下に示します。

経営の重要課題(マテリアリティ)

環境・社会価値の創造

顧客との共創

(価値創造のアクセル)

イノベーション

人的資本(人材の活躍)経営

DX

安全衛生

(事業を継続する基盤)

製品責任

コンプライアンス

サイバーセキュリティ

人権尊重

サステナブル調達

コーポレート・ガバナンス

 

 

『環境・社会価値の創造』は、2030年ビジョンの達成に直接的に貢献する価値を創造する課題であります。プラスチックの可能性を広げ、SDGsの達成に貢献する新たな価値を製品・サービスに付与することは、新規事業のみならず既存事業において、現在および未来の事業利益の向上につながると考えております。一方で環境・社会に貢献しない製品・サービスは市場や社会から受け入れられなくなり、売上が減少するリスクがあると考えて、本課題を位置づけております。

『顧客との共創』、『イノベーション』、『人的資本(人財の活躍)経営』、『DX』は、『環境・社会価値の創造』の取り組みを推進していくために必要であり、その期待される効果から価値創造のアクセルと整理して位置づけております。『安全衛生』、『製品責任』、『コンプライアンス』、『サイバーセキュリティ』、『人権尊重』、『サステナブル調達』、『コーポレート・ガバナンス』は、上記の取り組みを進めていく上で必要な課題であり、事業を継続する基盤としております。

これら12個の経営の重要課題(マテリアリティ)に対しては、具体的な取り組みを明確化するためにKPIを設定し、サステナビリティ推進委員会で定期的に進捗状況を確認して、必要に応じて軌道修正しながら進めております。

 

④指標及び目標

経営の重要課題(マテリアリティ)のKPI、2024年度の実績(見通しを含む)、2030年の目標を下記に示しております。なお、詳細については、2025年9月末に発行予定の統合報告書2025およびサステナビリティレポート2025をご確認ください。

 

経営の重要課題

KPI

2030年度目標

2024年度実績

環境・社会価値の創造

SDGs貢献製品売上収益比率

70%以上

63.5%(見込み)

温室効果ガス(GHG)排出量削減率※1

2021年比

48%以上

45%(見込み)

価値創造のアクセル

顧客との共創

「One Sumibe活動」の成果として、顧客とテーマ化した件数/年

10件

11件

事業部横断で取り組むインハウス展示会数/年

8回

11回

イノベーション

プロジェクト実施数

5件以上

6件

事業利益への貢献

100億円

人的資本

(人材の活躍)

経営

多様性の推進:

女性活躍推進

女性管理職比率(単体)

 

 

10%

 

 

4.2%

多様性の推進:

女性活躍推進

男性の育児休業取得率(単体)

 

 

90%

 

 

84%

多様性の推進:

キャリア採用比率※2(単体)

 

50%

 

43%

自律性の強化 360°評価に基づく教育の受講者数

 

70人

 

52人

組織力の向上 マネジメント教育受講者数

 

70人

 

58人

DX

基幹システムの統合

基幹システムのデータ統合(グローバル)

構想策定完了

人生産性:※3

生産部門※4

 

2.0

 

1.1

人生産性:※3

管理部門※5

 

2.0

 

1.1

データサイエンティスト育成人数:

認定者数

 

150人

 

54人

データサイエンティスト育成人数:

スキル保有者数

 

450人

 

145人

事業を継続する基盤

安全衛生

重篤な労働災害(/年)

0件

2件

火災・爆発による操業停止事故

(/年)

 

0件

 

0件

外部流出漏洩事故(/年)

0件

1件

製品責任

重大品質クレーム(/年)

0件

0件

コンプライアンス

コンプライアンス研修受講率

100%

100%

重大なコンプライアンス違反(/年)

0件

0件

サイバーセキュリティ

 

重大なインシデント(/年)

0件

0件

研修受講率

100%

100%

対応訓練(/年) (単体)

2回

2回

人権尊重

人権デューディリジェンスの実施

人権DDの実施

優先課題抽出完了

サステナブル調達

サステナブル調達率※6

100%

≧85%

3TGに関するRMAP※7 適合精錬所使用率

100%

100%

コーポレート・ガバナンス

取締役会の構成、運営のあり方の観点を含めた実効性の継続的向上

実効性評価の実施と重点課題対応

実効性評価の実施と重点課題実施完了

 

※1 Scope1、2を対象

※2 対象は総合職

※3 2023年を1とした比率

※4 主要製品を対象、限界利益/直接人時で算出

※5 管理部門・情報システム部門を対象、対象時間/(対象時間-削減時間)で算出

※6 JEITA『責任ある企業行動ガイドライン』の自己評価シートを用いて、セグメントごとの購入上位9割の主要サプライヤーのうち、所定の基準を満たす割合

※7 3TG:スズ・タンタル・タングステン・金、責任ある鉱物保証プロセス(RMAP: Responsible Minerals Assurance Process)

 

(2)SDGs貢献

①戦略

2015年9月の国連サミットで採択された世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)は、社会ニーズそのものであり、当社グループの基本方針(経営理念)にも通じるものであると考えております。当社グループでは、SDGsの目標3、7、8、9、12、13、14を重点的に取り組むべきSDGs領域「6+1」として定めるとともに、SDGsに寄与する製品を「SDGs貢献製品」と認定し、その売上収益比率を増加させる取組をSDGs推進委員会で行っております。

 

②指標及び目標

KPI

目標

実績(当事業年度)

SDGs貢献製品
 売上収益比率

2030年度末 70%以上

63.5%(見込み)

 

ウェハ研磨用キャリア、内視鏡的バンド結紮術用デバイス(EBLデバイス)、コイルエンド絶縁粉体塗料、航空機内用間接照明ユニット(Cove Light Panel)などをSDGs貢献製品として新たに認定しました。SDGs貢献製品は累計で178件(2024年度13件登録)となり、2026年度末目標65%に向けて着実に進歩しております。2030年度末目標である70%の達成に向けて、引き続き売上収益比率向上を推進してまいります。

 

(3)気候変動対応

①戦略

当社グループは2021年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、再生可能エネルギー由来の電力への切り替えやSDGs貢献製品比率アップに取り組むとともに、同年、全社横断のTCFDタスクチームをリスクマネジメント委員会下に編成し、TCFD提言に基づく情報開示に向けた活動を推進しております。同タスクチームを中心に、2040年を想定した「気候関連シナリオ分析」を実施し、気候変動に伴う潜在的なリスクと機会を抽出しました。その中で、比較的財務影響が大きくなると想定されるリスクと機会を「シナリオ分析表」のとおり特定しました。

2030年と2050年の温室効果ガス(GHG)排出量削減目標達成に向けて、カーボンプライスの引き上げ、GHG排出規制の強化、化石燃料価格の変動等(これらは1.5/2℃または4℃シナリオにおいてリスクとして抽出)への取組の前倒しを図り、長期的な移行リスクを短・中期の事業機会へと転換し、売上拡大を図ります。

中期経営計画2024-26の2年目となる2025年度も、リスクマネジメント委員会が中心となって(本シナリオ分析結果からのバックキャストによる)短期的な施策の具体化を図り、社内関係部門へ展開、スピード感をもって実行・推進してまいります。

 

◆シナリオ分析表

<1.5℃/2℃シナリオ>

 

ドライバー

想定し得るシナリオ要素

(世の中の動き)

当社影響

インパクト評価

リスク

機会

政策および法規制

カーボンプライスの引き上げ

・カーボンプライスの上昇

<1.5℃シナリオにおけるカーボンプライス(先進国)>

 2030年:140USD/t-CO2

 2040年:205USD/t-CO2

 2050年:250USD/t-CO2

 (2024年 IEA World Energy Outlook)

・製造にかかるエネルギーコストの増加による操業コストの増加

リスク

・輸送コストの増加

リスク

市場

低炭素技術の進展

・再生可能エネルギー由来の電力需要の高まりによる電力価格上昇

・操業コストの増加

リスク

・バイオマス由来原料の需要の高まりによる原料の価格上昇

・バイオマス原料の高

リスク

低炭素技術の進展に伴うガソリン需要の減少

・ナフサはこれまでの副産品でなく主産品としての地位を得る

・ガソリンやディーゼル油とともにナフサは安定的に供給されるものの、価格は上昇

・ナフサの価格上昇による仕入・調達コストの増加

リスク

人やモノの移動のデジタル代替

・炭素税やGHG排出規制などの影響により人やモノが移動するための費用負担が大きくなる

・デジタルデバイスに搭載される半導体の需要増加

・半導体関連製品の販売拡大による売上増加

機会

低炭素技術の進展

・顧客からの資源循環の要求

・3R+Renewable(持続可能な資源)関連製品への切替加速

・3R+Renewable製品の早期上市による売上増加

機会

低炭素技術製品の需要拡大

・低炭素社会へとシフト

・炭素税やGHG排出規制が強化

・経済性を考慮したCO2輸送技術の開発やそのインフラ整備が進む

・低炭素製品/サービスの販売拡大による売上増加

機会

EV関連需要の拡大(電池用部材、自動車用軽量化素材)

・自動車販売台数に占めるEV車の割合は着実に増加し、EV車の販売台数は増加

・EVを対象とした製品/サービスの販売拡大による売上増加

・自動車用軽量化素材の売上増加

機会

 

 

 

<4℃シナリオ>

 

ドライバー

想定し得るシナリオ要素

(世の中の動き)

当社影響

インパクト評価

リスク

機会

市場

化石燃料価格の変動

原油、天然ガスは価格が上昇

 原油 2019年:63USD/barrel

       2030年: 79USD/barrel

       2050年: 75USD/barrel

 天然ガス 日本 2019年:10.1USD/MBtu*

              2030年:8.3USD/MBtu*

              2050年:8.7USD/MBtu*

 日本は下落 他の地域は上昇

 (2020年及び2024年 IEA World Energy Outlook)

 *MBtu:百万英熱量

・仕入・調達コストの変動による原料コストの増加

・製造にかかるエネルギーコストの変動による操業コストの増加

リスク

物理リスク:急性

サイクロンや洪水などの異常気象の重大性と頻度の上昇

サイクロン、集中豪雨、洪水、干害などの激甚化、頻度上昇

・主要原料サプライヤー:操業停止

・自社製造拠点(国内外):操業停止

・操業の一時停止による売上減少

リスク

「レジリエントな都市づくり」が推進される

→自然災害に強い建材、産業用資材の需要増
(要求機能例:軽量/高耐久/耐衝撃/高断熱・遮熱/耐火等)

・建材向け各種シート製品、防水シート製品/サービスの売上増加

機会

・食肉用家畜の減少 → 長期保存用食品/加工品包装材の需要増

・農作物の収穫量の減少 → 青果物包装材の需要増

・各種包装フィルム製品の売上増加

機会

感染症/気温上昇に伴う疾病・移動制限

・地域病院・自宅等での診断および遠隔診断の必要性増

・環境変化に敏感な幼児・高齢者に対する医療機会(診断・治療)の増大

→POCT(POCT:Point of Care Testing)/医療機器の需要増大

・ヘルスケア製品の販売拡大/売上増加

・医薬品パッケージの需要増

機会

 

 

 

②指標及び目標 

KPI

目標

実績(当事業年度)

温室効果ガス(GHG)

排出量削減

(Scope1+Scope2)

新目標

(2021年度比)

2030年度末 48%以上

45%(見込み)

旧目標

(2013年度比)

2030年度末 46%以上

2023年度達成

 

 

化学産業界の一員として、SDGsの中でも気候変動への対応は特に重要であると考えております。2020年3月に策定した「環境ビジョン2050」をもとに、国内すべての工場・研究所と欧州のグループ会社で再生可能エネルギー由来の電力に切り替え、さらに太陽光発電パネルの設置を拡大することで、日本政府目標である2030年度GHG排出量46%削減(2013年度比)を、2023年度に前倒しで達成しました。

2024年度は、新目標として1.5℃基準に適合したGHG排出量を設定し、主にタイのグループ会社で再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることで、排出量削減を進めました。また、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減(Scope3)においても、目標を設定し、取り組みを開始しました。これらの当社グループの2030年目標は、科学的に整合した目標であるとしてSBT認定を取得しました。

 

    [SBT認定を取得した当社グループのGHG排出量削減目標]

Scope1+Scope2         :2030年度48%以上削減(2021年度比)

Scope3(カテゴリ-1,4,5,12) :2030年度25%以上削減(2021年度比)

 


住友ベークライトグループGHG排出量および削減計画

 

 

(4)人材育成および社内環境整備に関する方針

①戦略

当社グループは、従業員の多様性の推進、自律性の強化、組織力の向上を実現する『人的資本(人材の活躍)経営』に取り組んでおり、具体的に次のような施策を実施しております。

DE&Iの推進

当社グループは、経営として取り組む重要な課題の一つとして「DE&I」(ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公正性)&インクルージョン(包括性))を掲げ、2022年10月に策定した「DE&Iの実現に向けた方針」に基づき、多様な人材が個性や能力を発揮し、一人ひとりの状況に応じた公正な機会が提供され、相互の理解と尊重のもとで生き生きと活躍できる会社の実現に向けて取り組んでおります。

まずは、女性の活躍推進を第一歩として、女性従業員自身のライフイベントとキャリアを両立できるよう、女性従業員が次の3点を実現できることを目標に掲げて各種施策に取り組んでおります。

・安定的、長期的に働き続けることができる

・高いパフォーマンスを発揮することができる

・高い職位を目指すことができる

また、2023年4月にDE&I推進室を設置し、女性活躍をはじめとして、シニア層の活躍、介護者の支援、外国人の採用、障がい者雇用の拡大等の推進に取り組んでおります。

2023年度は日本国内の全ての事業所の女性従業員を対象とした座談会を開催したことを受け、2024年度は女性と同数の男性も参加する座談会へ拡大させ、女性従業員と男性従業員の相互理解を深め、性別にかかわらず仕事と生活の双方を充実させることができる風土の醸成を図りました。座談会での意見は、従業員のモチベーション向上にもつながる施策の導入や改定にも取り入れております。

 

 

人材育成の充実化
<人材教育(SBスクール)>

当社グループでは、人材育成に関わる教育研修や仕組みの体系を“SBスクール”と銘打ち、当社グループの持続的成長に必要な多くのことを学び、体験する場を提供しております。事業活動に関わる全部門・全階層に対して、必要な教育プログラムを企画し、体系的かつ計画的に実施することにより、事業に有為な人材の育成を行い、当社グループの持続的成長と企業価値の向上を目指しております。

“SBスクール”は、従業員一人ひとりの成長こそが、事業の持続的成長の源泉になると考え、在籍する全ての従業員を受講対象としており、在学期間は従業員が当社に入社してから退職するまでの全ての期間です。

求める人材・育てたい人材

住友ベークライト流自立的人材像

■仕事に必要な新知識・新技能の習得に意欲的な、成長志向型人材

■今が最悪、絶えずもっとよい仕事を考える、変革志向型人材

■より高い仕事の成果のため、自身の力と周囲の力の和が発想できる、チーム型人材

■知識と技能に優れ、国内・外の仕事において通用し成果を生み出す、プロフェッショナル人材

 

 

当社グループでは、中期経営計画2024-26に基づき、自律性の強化を目的とした360°評価を用いたリーダーシップを高める教育の幅広い層への展開と、個人および組織のパフォーマンスを向上させること(組織力の向上)を目的としたマネジメント教育の充実に重点的に取り組んでおります。

 

DXに関する取り組み

 当社グループは、データサイエンスを活用したイノベーションを推進し、持続的な成長を実現するために、デジタルスキル教育講座の提供など、高度なデジタルスキルを有する人材の育成に注力しております。報奨制度も含めたデータサイエンティスト社内認定制度に基づき認定されたデジタル人材が活躍することで、データ科学技術を取り入れた研究・開発業務の効率化、製品機能の向上など多くの成果が生まれております。さらなる成果創出に向け、教育内容を充実し受講生のサポート体制を強化した教育講座を企画し、より多くのデジタル人材の輩出を目指します。

 


 

 

②指標及び目標
DE&Iの推進

「戦略」において記載した多様な人材の確保と活躍に関する方針および社内環境整備に関する方針に係る指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、必ずしも連結グループに属する全ての会社において行われているわけではないため、連結グループにおける記載は困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む当社単体のものを記載しております。

 

<連結グループにおける主要な事業を営む当社単体のデータ>

KPI

目標

実績(当事業年度)

女性管理職比率

2030年度末 10%

4.2%

男性の育児休業取得率

2030年度末 90%

84.0%

障がい者雇用率

法定雇用率の維持

2.95%

 

 

・女性管理職比率の向上

これまでも性差なく管理職への登用を行ってきましたが、積極的な女性採用と離職の防止などの施策に加え、DE&I活動を通じた各種施策により、同比率の向上を目指してまいります。

 

●管理社員における女性比率の推移


(注) 1 執行役員を除く管理社員を対象としております。

2 管理社員の資格を有した出向者を含みます。

3 比率は各年度末の値です。

4 当社単体の数値です。

 

・男性の育児休業取得率の向上

当社では育児目的休暇として「妻の出産休暇」を設けており、出産日を基準に3日前から2週間後までの間に断続的に5日(有給)の休暇を取得することを可能としております。また、2022年10月の法改正により新たに創設された「出生時育児休業」については、男性従業員の育児休業取得の妨げとならないよう、取得期間の初めの5日を有給(100%)としております。その結果、妻の出産休暇との合計で10労働日について有給での休暇取得が可能となっております。

これらの育児に関する制度を周知するとともに、男性従業員が育児に参加するために柔軟に休暇が取得できる職場環境を整備し、男性育児休業取得率は前年を上回りました。(2023年度65.5%→2024年度84.0%)今後もこの数値の維持・向上を図ってまいります。

 

・男女の賃金の差異の低減

男性従業員の支払い賃金を100とした場合の女性従業員の賃金割合は、全労働者70.5%、正規雇用労働者70.9%、パート・有期労働者72.7%となります。

当社の賃金(例月の基準内賃金、諸手当、賞与)において、性別により支給条件が異なる賃金項目はありませんが、正規雇用労働者については管理社員の平均勤続年数が男性と女性で差があること(男性は女性の1.4倍)、非正規労働者については、60歳以上の再雇用嘱託員の賃金は定年時の資格に応じて決定することにしておりますが、再雇用嘱託員の65.0%が定年時の資格が高い男性であることから賃金差異が生じております。これらの要因に対して、積極的な女性採用と離職の防止、管理社員への登用拡大等により、男女の賃金差異の低減に取り組んでまいります。

 

・障がい者雇用率の維持・向上

当社は法令に定めるとおり障がい者を雇用していくことを、企業の社会的な使命の一つと捉えております。障がいがありながら仕事をしていくために必要な配慮を行いつつ、ほかの従業員と同様に安全・安心な職場で、その能力を継続的に発揮・育成できる環境づくりに努めております。

また、障がいのある学生をインターンシップとして受け入れるなど、個人にあった仕事や働き方を見つける機会を提供するとともに、継続的な採用活動に取り組んでおります。 

 

●最近5年間の障がい者雇用率推移


(注)各年度の障がい者雇用率は、各月1日時点の障がい者数の合計値を、同時点の常用雇用者数の合計値で除して算定しております。

 

人材育成の充実化

当社では「戦略」において記載した人材育成の充実化について、「360°評価に基づく教育の受講者数」「マネジメント教育受講者数」の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は次のとおりであります。

 

KPI

目標

実績(当事業年度)

360°評価に基づく教育の受講者数

2030年度末 70名

52名

マネジメント教育受講者数

2030年度末 70名

58名

 

 

DXに関する取り組み

DXの取組における、データサイエンティストの育成に関わる指標・目標および実績は下表のとおりです。2025年度目標達成に向けて、社内教育の受講枠の拡大、受講者各自の個人目標達成のためのデータサイエンティストメンター制度を開始します。

 

KPI

目標

実績(当事業年度)

データサイエンティスト認定者

2030年度末 150名

54名

データサイエンススキル保有者

2030年度末 450名

145名

 

なお、詳細については、2025年9月末に発行予定の統合報告書2025およびサステナビリティレポート2025をご確認ください。