2026年1月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。また、必ずしも事業上のリスクには該当しない事項についても、投資判断上あるいは当社の事業活動を理解していただく上で重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しています。

 なお、将来に関する部分の記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)業績の変動要因について

①景気変動について

 当社グループのプラスチック成形事業及び成形機事業の業績は、販売先の業績、設備投資動向及び資材等の市場価格や供給状況に大きく影響を受ける傾向があります。当社グループとしては、地道な原価低減活動や調達先の見直し等を継続するとともに、自動化・省人化などの生産技術を積極的に展開し、AIなどの最新技術を取り入れながら、市場の変化に柔軟かつ効率的に対応できる生産体制の構築を目指しています。

②シリコンウェーハの生産動向

 当社グループの主力製品であるシリコンウェーハ出荷容器は、シリコンウェーハメーカーからデバイスメーカーへシリコンウェーハを出荷する際に使用するための容器であり、その需要は、シリコンウェーハの生産動向に影響を受ける可能性があります。中でも、主力製品である300mmシリコンウェーハ出荷容器「FOSB」については、当社グループの売上高に対する比率が高いことから、特に300mmシリコンウェーハの生産量及び出荷量の変動が当社グループの売上高に影響を及ぼすと考えられます。また、デバイスメーカーにおけるリユース回数の増加が当社容器の需要に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、高性能樹脂製品のライン拡大等、コア技術を活用した他分野への展開にも努めています。

③原材料の市況変動等について

 当社グループ製品の多くは、石油化学製品を原材料としておりますが、原油価格及び原料の製造や輸送等にかかる費用の変動により原料価格が影響を受ける恐れがあるため、原油市場の動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、原材料のうち一部は特定の原料メーカーにおける特注グレードのものを使用しております。当該グレードの供給体制に問題が生じた場合は、代替グレードが確保できない、代替グレードへの変更に時間がかかる等の可能性があります。当社としては、代替グレード、他メーカー品の評価を進め、一定期間分の在庫を確保する等の対策を講じておりますが、同事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④競合について

 現在のシリコンウェーハ市場は、半導体市場の成長に伴い引き続き拡大が予測されています。そして、当社グループの主力製品である300mmシリコンウェーハ出荷容器「FOSB」の市場においては、当社グループは一定のシェアを確保していますが、市場拡大に伴う新規参入の増加や、同業他社との競争の熾烈化が懸念されます。

 かかる環境下、当社グループとしては、シェアの確保・拡大のため、他社との差別化を図るための製品機能の向上、価格競争力維持を目的とした生産技術の開発及び生産プロセスの効率化を推進しています。しかし、半導体業界の技術進歩は日進月歩であり、競争が激化するマーケットの中で、当社グループの生産技術開発・生産プロセスの効率化の成否によっては、当社グループ製品の優位性の低下をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤特定販売先への依存度が高いことについて

 当社グループの主要製品であるシリコンウェーハ出荷容器は、シリコンウェーハメーカーに出荷されています。顧客各社とは、基本取引契約書を締結していますが、納入数量、価格等に関する長期納入契約等は締結していません。当社グループは、毎年継続的に製品を各社に販売しており、取引関係は取引開始以来安定しています。当社グループとしては、製品機能の向上を通じて、引き続き、各社との安定取引の継続を図ると共に、広く顧客層の拡大を進めていますが、主要販売先の購買方針によって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

⑥特定仕入先への依存度が高いことについて

 当社グループの主要仕入先である原料メーカーより、当社製品の原料の多くを仕入れています。同社とは基本取引契約書を締結していますが、長期納入契約は締結していません。同社との取引関係は取引開始以来安定していますが、主要仕入先の販売方針、供給体制に問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)その他のリスクについて

①知的財産権等について

 当社グループの事業分野に関する知的財産権については、特許権、意匠権、商標権を取得しています。当該知的財産権に基づく具体的な製品化ノウハウについては当社グループ内に蓄積しているため、知的財産権が侵害されることにより当社グループの業績が重大な影響を受けることは想定されませんが、類似製品が市場に参入してきた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは、第三者の特許等を侵害することによる紛争を避けるべく、平素から他社の知的財産権の監視に努めています。しかしながら当社グループの認識の範囲外で、第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者から権利行使を受け、これが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②品質不良等の発生によるリスク

 当社グループは、ISO9001品質マネジメントシステムを採用することで、品質保証と継続的改善体制の確立・運用を推進し、不良発生と流出の防止に努めていますが、現実的にはクレーム発生の可能性を皆無にすることは困難です。また、製造物責任賠償に関しては、PL保険に加入済みですが、大規模なクレームや製造物責任につながる事態が発生した場合には、これらのクレームに対する補償、対策に伴うコストが発生し、当社グループの業績及びブランドの評価に影響を与える可能性があります。

③人材の確保について

 当社グループは、未だ成長の途上であり、高付加価値の製品開発を推進し、事業を拡大していくには人材の確保が不可欠です。かかる認識の下、当社グループでは、製造・技術に精通した人材、営業開拓力に優れた人材等を採用・育成していく方針ですが、適切な時期にこのような人材を採用ないしは育成できなかった場合には、当社グループの業績及び業務運営に支障が生じる可能性があります。
 また、わが国では少子高齢化の影響により、労働人口が減少しています。当社グループでは、生産の自動化による省人化や多様な雇用形態・採用手法による人員確保に努めていますが、生産維持・拡大に必要な人員を確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④研究開発について

 当社グループでは、既存事業の充実や新規事業のための研究開発費が先行して発生します。適切に検討・承認手続きを取りリスクの回避を進めていますが、研究開発費用を投入したにもかかわらず、その事業が軌道に乗らなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑤設備投資について

 当社グループにおいては、新製品開発、生産能力拡大や製品の競争力維持のため、設備投資を行っています。設備投資にあたり、適切に検討・承認手続きを取りリスクの回避を進めていますが、設備投資に対して製品需要が想定を大きく下回った場合、過剰な減価償却費負担、設備除却及び減損により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥自然災害について

 当社グループでは、一部の製品を専用工場で集中生産をしています。このため、地震等の自然災害が発生した場合、当該製品の生産に影響が出る可能性があります。当社グループでは、このような事態に対応するため、同じ生産ラインを複数の工場棟に独立配置する等の対策を講じておりますが、大規模な自然災害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、新たなウイルス等の感染症拡大により、当社グループの生産体制、物流体制、営業活動等の事業活動の継続に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。なお、当社グループでは、衛生管理や対策マニュアル等の徹底により、感染症拡大予防の対策を強化しています。

⑦地政学的リスクについて

 当社グループでは、世界各地における政治・社会情勢の不安定化や外交関係の緊張、紛争等に起因する地政学的リスクが継続的に存在していると認識しています。具体的には、米中対立の激化による輸出入制限や関税の引き上げ、ロシア・ウクライナ情勢や中東地域における紛争、台湾海峡を巡る緊張の高まりなどが挙げられます。これらの事象が発生または長期化した場合、原材料やエネルギー価格の高騰、サプライチェーンの分断、物流の混乱、送金停止等が生じ、事業活動に支障をきたす可能性があります。
 こうした事態に対応するため、国際情勢の継続的なモニタリング、事業継続計画(BCP)の整備・強化、サプライチェーンの強靭化などの対策を講じておりますが、予測困難な大規模な地政学的変動が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

配当政策

3【配当政策】

 当社は、当事業年度(2026年1月期)から企業価値向上に向けた新たな取り組みとして、更なる収益力向上による事業成長やM&A、および資本市場からの要請に沿った資本政策・財務戦略の両輪を通じて、ROEとPER向上を促進します。また、有利子負債を活用するとともに、積極的な配当や自己株式取得等、新たな株主還元を強化し、資本コスト逓減による最適な資本構成も実現します。これにより、PBR1倍を恒常的に達成し、中長期的な企業価値の最大化を目指します。

 配当につきましては、当事業年度から、新たに配当性向の指標を「総還元性向またはDOE」に見直し、株主還元を強化します。

 当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本方針としております。

 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当は株主総会、中間配当は取締役会であります。なお、当社は、

「取締役会の決議により、毎年7月31日を基準日として、中間配当ができる。」旨を定款に定めております。

 当事業年度につきましては、上記方針に基づき、1株につき中間配当として10円の配当を実施し、1株につき期末配当として40円の配当を実施することを決定する予定であります。

 この結果、当連結会計年度の連結配当性向は70.5%となりる見込みです。

 

 

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2025年9月8日

90

10

取締役会決議

2026年4月23日

361

40

定時株主総会決議(予定)