人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数71名(単体) 4,360名(連結)
-
平均年齢45.3歳(単体)
-
平均勤続年数14.9年(単体)
-
平均年収7,967,374円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2025年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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樹脂加工製品事業 |
3,747 |
(974) |
ケミカル事業 |
542 |
(40) |
全社(共通) |
71 |
(8) |
合計 |
4,360 |
(1,022) |
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。なお、執行役員は従業員数には含めておりません。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、森六ホールディングス㈱に所属しているものであります。
(2)提出会社の状況
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2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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71 |
(8) |
45.3 |
14.9 |
7,967,374 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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全社(共通) |
71 |
(8) |
合計 |
71 |
(8) |
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。なお、執行役員は従業員数には含めておりません。
2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
提出会社、森六テクノロジー㈱および森六ケミカルズ㈱の労働組合は、森六労働組合と称し、提出会社の本社に同組合本部が、また、各事業会社、事業所別に支部が置かれ、2025年3月31日現在における組合員数は365人であります。なお、労使関係は安定しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
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2025年3月31日現在 |
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名 称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) |
男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2 /平均取得日数(注)4 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
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全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
平均 取得日数 |
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
|||
森六ホールディングス㈱ |
13.2 |
- |
- |
- |
- |
72.8 |
73.6 |
47.5 |
|
森六テクノロジー㈱ |
0.0 |
50.0 |
50.0 |
- |
146 |
67.4 |
65.5 |
60.1 |
|
森六ケミカルズ㈱ |
1.7 |
0.0 |
0.0 |
- |
- |
69.8 |
69.6 |
40.5 |
(注)1.上記の指標は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.育児休業取得事由に該当する労働者がいない場合、「-」として記載しております。
3.職種間や管理職比率等において男女比率に差があることから、平均賃金に差異が生じております。女性管理職比率の向上など、偏りの改善に取り組んでまいります。
4.公表事業年度の前々事業年度中に子どもが生まれ、出生後1年以内に育児休業を取得した労働者を対象に算出。平均取得日数算出において該当する労働者がいない場合、「-」として記載しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在ならびに有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全体に関する考え方及び取り組み
当社グループは、1663年の創業以来、長年にわたりお客様やお取引先様との信頼関係を礎に、社会課題の解決に貢献する事業活動を展開してまいりました。360年以上の歴史の中で、常に時代の変化を先取りしながら、事業ポートフォリオの見直しと進化を重ねてきました。現在は、樹脂成形部品の製造を担うメーカー機能と、幅広い領域をカバーする化学品商社機能を併せ持ち、世界各地のお客様の多様なニーズに応える、付加価値の高い事業活動を行っています。
グローバルな社会課題への対応に向けて、中長期的な目指す姿を明確にするとともに、国際社会やステークホルダーからの要請、事業環境の変化を踏まえてサステナビリティ重要課題を特定しています。これらを基軸に、事業活動を通じて社会課題の解決と企業価値の向上を図るサステナビリティ経営を推進しています。
当社グループは、2035年ビジョン「CREATE THE NEW VALUE」の実現に向けて、持続的な成長と価値創造を目指しています。その中間ステップである2026年3月期を初年度とした第14次中期経営計画では、基本方針を「アジリティ経営で未来を拓く」とし、変化の激しい経営環境に柔軟かつ迅速に対応する体制の構築を進めています。第14次中期経営計画では、戦略のひとつに「事業基盤のさらなる強化戦略」を掲げ、サステナビリティの視点を事業戦略に組み込み、サステナビリティ経営の実行と深化に取り組んでいきます。
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ経営を推進する体制として、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。
取締役会は、中長期的な企業価値向上に向けて、サステナビリティに関する方針や重要課題、目標の設定およびその進捗状況をモニタリング・監督しています。
サステナビリティ委員会は、国際社会やステークホルダーからの要請、事業環境の変化を踏まえた課題について審議し、その内容を取締役会に報告、取締役会の監督のもと、グループ全体でサステナビリティ経営を推進しています。
<森六グループ サステナビリティ推進体制>
※上記推進体制は、第14次中期経営計画に基づくものです。
<サステナビリティ委員会>
役割 |
重点議論テーマ(2024年度) |
構成 |
サステナビリティと事業戦略との統合に向けて、コーポレート部門、事業部門・グループ会社連携によるサステナビリティ重要課題の議論・進捗管理および取締役会への報告 |
・気候変動 ・サプライチエーンマネジメント ・人権の尊重(人権DD) ・ESG動向 ・徳島での森林づくり ・マテリアリティの進捗管理 等 |
委員長 :代表取締役社長 副委員長:サステナビリティ担当役員 委員 :当社全役員(社外役員除く)、経営企画部長、人事部長、経理部長、法務知財部長、コーポレートコミュニケーション室長 事務局 :サステナビリティ推進部 |
②戦略
当社グループは、「森六グループ経営理念」のもと、「進取の精神」と「同心協力」の価値観を共有し、「法令遵守」「人間尊重」「顧客満足」「社会貢献」を重視しながら、360年以上にわたり事業活動を展開してきました。こうした理念を土台として、2035年ビジョン「CREATE THE NEW VALUE」の実現に向け、持続的な成長の指針となる「森六グループ サステナビリティ方針」を策定しています。
当社グループは、サステナビリティと事業戦略を一体的に推進し、社会的価値・経済的価値を共に創出することを目指しており、その実現に向けて中期経営計画とサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を連動させています。第14次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)においては、事業戦略の進展や社会的要請の変化を踏まえ、マテリアリティの再評価および見直しを実施しました。これにより、より強固な事業基盤の構築を図っています。
<理念・価値観・指針とサステナビリティの関係性>
<森六グループ サステナビリティ方針>
私たちは、経営理念に基づき、新たな時代に必要とされる価値をステークホルダーと共創し、社会の持続的成長に貢献します。
1.グループの機能・リソースを最大限に活用し、従来のビジネス領域を越えた社会課題解決に挑戦します。
2.カーボンニュートラルおよび資源の循環利用に貢献する革新的なものづくりで、持続可能なモビリティ社会を目指します。
3.サプライチェーン全体を通してグリーンケミカルを提供し、エコロジカルな循環型社会の実現に貢献します。
4.人権の尊重を基盤にすべての従業員の幸福を追求し、多様な人材が働きがいをもって活躍する組織から、新たな価値を生み出し続けます。
5.ステークホルダーとの対話を通じて社会の期待・要請を理解し、透明性が高く誠実な企業活動によって相互の信頼を育みます。
<サステナビリティ重要課題(第13次中期経営計画)>
サステナビリティ重要課題 |
実施事項 |
主な実績 |
1.社会課題解決型製品・ソリューションの開発・販売 |
・環境配慮型材料開発 ・低環境負荷型部品開発 ・スタートアップ企業への出資 |
・石油由来材とその物性を強化する添加物(タルク等)の代替材として卵殻を使用した材料開発 ・同上 ・バイオものづくり事業参入を目指しdigzymeへの出資 |
2.働きがいのある職場づくり |
・エンゲージメント向上活動 ・パルスサーベイ定点調査 ・技能継承活動 |
・エンゲージメント向上事例のヒアリングおよび社内発信による浸透 ・短時間勤務制度見直しによる環境改善 ・鈴鹿工場/関東工場 技能大会実施 |
3.気候変動問題への対応 |
・CO2排出量削減活動 ・再生可能エネルギー導入 ・環境保全(森林づくり)活動着手 |
・厨房の電化、コージェネシステム導入 ・太陽光発電(自家発電/PPA)、CO2フリー電力 ・とくしま協働の森づくり事業参画 |
4.資源の循環利用 |
・マテリアルリサイクル ・水資源の循環利用 ・エネルギーの循環利用 |
・再生材の使用 ・塗料カス自動収集による水資源の有効利用 ・コージェネシステム導入 |
5.CSRマネジメントの確立 |
・サステナビリティ委員会の運営 ・統合報告書の発行準備 ・サステナビリティ浸透活動実施 |
・期中計12回開催、気候変動対応への強化 ・2024年度 統合報告書初発行 ・国内外拠点でのサステナビリティ説明会開催 |
6.D&Iの推進 |
・女性社員の計画的育成 ・男性の育児休業取得推進 ・D&I教育の実施 |
・女性活躍研修実施 ・男性育休取得経験者座談会の社内報掲載 ・アンコンシャスバイアス研修実施 |
7.労働安全衛生の強化 |
・労働災害の発生防止活動 ・労働安全衛生教育強化 |
・安全および5Sパトロールの定期開催、交通安全啓蒙活動 ・新入社員研修、注意喚起ポスター掲示 |
8.人権の尊重 |
・人権方針の整備 ・人権教育の実施 ・人権デューデリジェンス着手 |
・人権週間にポスター掲示等による社内啓蒙活動 ・e-ラーニングによる研修実施 ・人権リスクの洗い出し |
9.CSR調達の推進 |
・購買方針説明会実施 ・CSR調達の実施 ・サプライヤーエンゲージメントの強化 |
・購買方針説明会でのCSR調達方針説明 ・SAQの実施 ・取引先訪問によるCO2排出量削減アドバイス実施 |
③リスク管理
当社グループのリスク管理の基本的な考え方、対応については「森六グループリスク管理基本方針」「森六グループリスク管理基本規定」「森六グループリスク管理マニュアル」を制定し、グループ全体のリスク低減を図るとともに従業員一人ひとりのリスク管理意識の向上を目指しています。リスク管理体制については、取締役の管理のもとに「グループリスク管理委員会(以下「委員会」)」を設置しています。委員会のもとで、事業部門や海外子会社における潜在的なリスクをグローバルに予見し、事前に対応することで、リスクの極小化を図るとともに、機会の識別・評価・管理を行うことを目指しています。
事業部門・国内外子会社は年に1回、グループ共通のリスク項目、評価基準(事業への影響・発生の可能性)に基づきリスクを評価、特定、優先順位付けをしており、その結果を基に年間対応計画を策定・実行しています。これらのリスク管理プロセスは、委員会に報告され、委員会は事業部門・国内外子会社が適切なリスクコントロールを出来るように指示を行っています。委員会にて報告、指示された内容は、取締役会にも報告され、取締役会は業務遂行の適正を確保するための体制整備などを指示しています。また、コーポレート共通リスクに対応する部門は、事業部門・国内外子会社に対し、リスク対応の助言・支援を担っています。リスクが顕在化し、危機が発生した場合は「森六グループリスク管理基本規定」に則り、速やかに経営層・関係部署に報告され、迅速に対応を行える仕組みを構築しています。
サステナビリティ課題については「森六グループリスク管理マニュアル」の業務遂行におけるリスクの中に規定されており、グループ全体のリスク管理と機会の識別と評価の管理プロセスに組み込まれています。
④指標および目標
サステナビリティ重要課題では、気候変動問題への対応を最重要課題の一つであると位置づけ、2030年までに達成する最重要KGIとして設定し、グループ全体で目標達成に向けた取り組みを行っています。なお、KGIの進捗については、中期経営計画・年度ごとに落とし込み、モニタリングを行いながら進捗を管理しており、サステナビリティ推進活動の実効性を高めるため、取締役の報酬とも連動させています。
<サステナビリティ重要課題の最重要KGI>
項目 |
基準年 |
2023年度実績 |
目標数値 |
目標年度 |
GHG排出量削減率 |
2019年度 |
37.61% |
50% |
2030年度 |
(2)気候変動
当社グループは、気候変動が中長期的に事業に与える影響を重要な経営課題の一つと認識しており、気候変動の緩和および適応に向けた取り組みを加速しています。
これまでTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、同提言に基づく開示を進めてまいりましたが、現在はその枠組みを引き継ぐISSB(国際サステナビリティ基準審議会)によるIFRS S2(気候関連開示)の趣旨を踏まえた開示の高度化にも取り組んでいます。
今後起こり得る気候変動シナリオを想定し、関連するリスクと機会を体系的に評価した上で、戦略や施策に反映し、<リスクと機会>の表のとおり具体的な対応を推進しています。その結果、2019年度を基準年としたCO2排出量は2023年度時点で37.61%削減されました。今後も、気候関連リスク・機会の適切な把握と対応を通じ、脱炭素社会の実現と持続可能な成長の両立を目指してまいります。
①ガバナンス
気候変動への対応は、グローバル社会における最重要課題の一つであるとともに、当社グループの中長期的な持続可能性に直結する重要な経営課題と位置づけています。この認識のもと、サステナビリティ委員会をはじめとする推進体制を通じて、気候関連課題に関するリスク・機会の評価および対応方針を策定し、中期経営計画に反映しています。また、重要事項については取締役会への報告・審議・決議を通じて、取締役会での監督機能の強化を図っています。
②戦略
当社グループは、脱炭素社会の実現に向けて、気候変動に関する重要なリスクおよび機会を特定し、それらに対する対応策の検討と事業戦略への反映を進めています。具体的な取り組みとしては、省エネルギーの推進をはじめ、原材料や生産設備の低炭素化に向けた対応や、再生可能エネルギーの導入拡大などを加速させています。これらの施策を通じて、気候変動の緩和(排出削減)および適応(影響への対応)の両面からの対応を図り、事業の持続可能性の向上に取り組んでいます。
今後も、事業環境の変化や事業戦略の進展に応じて、気候関連リスクおよび機会の見直しを継続的に行い、サステナビリティ委員会にて審議のうえ、必要に応じて取締役会へ提言・報告を行ってまいります。
<リスクと機会>
気候変動関連リスク項目 |
リスク |
機会 |
||
移行リスク (1.5~2℃シナリオ分析) |
政策・規制 |
プラスチック規制 |
・プラスチック規制によるプラスチック製品需要減および収益減 ・バイオマスプラスチックへの切替に伴うコスト増 |
・プラスチック代替材料での新規部品開発による競争力向上 ・プラスチックリサイクルによる製造過程の効率化 ・バイオマスプラスチックなどの新規材料の拡販による売上増 |
再エネ政策 |
・再生可能エネルギー導入による投資コスト増 ・エネルギー市場の構造変化による、エネルギー価格の不安定化 |
・エネルギーコスト低減による、競争力向上 ・環境への配慮やエネルギー効率の向上による市場競争力向上 ・社会的責任や企業の持続可能性向上による、ステークホルダーとの信頼関係構築 |
||
技術 |
低炭素技術の進展 |
・既存の製品・サ-ビスが低炭素製品に置き換わることによる、既存の製品・サ-ビスの需要低下 |
・生産事業・商事事業の協業により、環境配慮型材料開発を行うことでの環境配慮型製品・材料の需要増加 ・EV化に伴うビジネス機会の拡大 ・低炭素設備の導入によるエネルギー効率向上とコストの削減 |
|
市場 |
製品と サービス |
・資源循環型材料開発の遅れによる機会損失 ・規制や環境変化によるプラスチック製品の使用制限 ・原材料の調達や物流への影響による供給難 |
・新たな市場や顧客を開拓することでの事業拡大や事業多様化 ・サプライチェーン全体での環境負荷削減への取り組みによる調達網構築 ・消費者ニーズの変化への対応による収益増加 |
|
物理リスク (4℃シナリオ分析) |
急性 |
異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂等) |
・異常気象による製造停止やサプライチェーンの遮断 |
・グローバル複数拠点での供給対応力を活かした調達リスク回避 |
気候変動関連リスク項目 |
2024年度 実施事項 |
今後の対応策 |
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移行リスク (1.5~2℃シナリオ分析) |
政策・規制 |
プラスチック規制 |
・マテリアルリサイクルプロセスの改善 ・環境配慮型商材の拡販 ・廃プラスチックのマテリアルリサイクル(アプトン、養生フィルム、食品フィルムの製造) |
・環境配慮型プラスチックでの製品開発の拡大 ・プラスチック使用量や廃棄量の目標設定 ・マテリアルリサイクルの促進 ・環境配慮型商材の更なる拡販 |
再エネ政策 |
・太陽光発電の増強および拡張 ・CO2フリー電力の導入拡大 ・自社拠点での蓄電池運用(太陽光由来の再エネ有効活用と独自運用) ・製造プロセスや設備の改善によるエネルギー活用効率向上 |
・太陽光+蓄電池による再生可能エネルギーの長時間活用 ・太陽光軽量化発電セルの導入 ・蓄電池システムの拡張ならびに新設 ・自社拠点での風力発電導入 |
||
技術 |
低炭素技術の進展 |
・環境配慮型材料開発とそれを利用した部品(試作品)の製造 ・太陽光発電の増強および拡張 ・自社拠点での蓄電池運用 ・コージェネレーション設備の活用 ・低炭素製造設備(油圧式から電気)への切り替え ・バイオ由来のバイオスティミラントの開発 ・環境配慮型商材の拡販 ・カーボンナノチューブの展開 |
・開発部品の量産へ向けた取り組み ・再生可能エネルギー導入拠点の拡大 ・低炭素技術開発とイノベーションを促進するための投資拡大 ・環境配慮型製品につながる技術開発(製品の更なる軽量化、資源の循環利用 ・環境配慮型商材の更なる拡販 ・バイオ由来のバイオスティミュラントの開発継続 ・カーボンナノチューブの展開推進 |
|
市場 |
製品と サービス |
・サプライチェーンの可視化と評価(CSR調達) ・環境配慮型製品開発 (環境材30%のプラスチックを用いた部品開発) ・プラスチック資源循環法に則ったガイドライン策定 ・加飾技術開発の進化による環境負荷低減 |
・化学物質の安全性や環境への影響評価 ・持続可能な製品開発やイノベーションへの更なる投資 ・更なる軽量化技術の開発および仕様の標準化 ・サーキュラーエコノミーの推進による循環型ビジネスモデルの構築 ・気候変動に対応・適応するための新たな商材の供給 |
|
物理リスク (4℃シナリオ分析) |
急性 |
異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂等) |
・BCPの構築による自然災害への備え ・太陽光発電+蓄電池活用による給電システム構築 |
・自然災害対策の更なる強化(各拠点の状況に合わせた安全対策強化) ・カーポートタイプ太陽光発電+蓄電池活用による重要設備への電源供給、近隣住民への給電 |
③リスク管理
気候変動に関連するリスクについては、サステナビリティ委員会において、事業への影響や対応方針について審議を行っています。あわせて、課題解決に向けた取り組み状況や、非財務KGI等による指標のモニタリングも実施しており、委員会での審議内容は取締役会へ報告のうえ、社外取締役による監督・助言を経て、中期経営計画等の経営戦略に反映しています。
④指標および目標
気候変動への対応として、当社ではGHG排出量削減に向けた中長期的な目標を設定するとともに、進捗を定量的な指標に基づき管理しています。以下に、基準年・実績・目標値・達成期限を含めた主要な指標を示します。
本指標はScope1(自社の直接排出)、Scope2(他社から供給されたエネルギーの間接排出)を対象としており、2023年度実績については国内主要拠点におけるGHG排出量に基づき算定しています。
測定方法については、エネルギー使用量等の実績値に、環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」等に基づく排出係数を適用しています。
Scope3(その他の間接排出)については、当社事業に関連性の高いカテゴリーを選定のうえ、一部項目について算定を進めています。現時点では中長期目標は設定しておらず、今後も引き続き関連情報の把握・精緻化に取り組んでまいります。
項目 |
基準年 |
2023年度実績 |
目標数値 |
目標年度 |
GHG排出量削減率 |
2019年度 |
37.61% |
30% |
2024年度 |
50% |
2030年度 |
(3)人的資本・多様性
当社グループでは、経営のレジリエンス向上の実現に向けては、多様な人材が集まり、従業員が当社グループでの仕事を通じて成長し、活躍することが不可欠であると考えています。実現に向けた取り組みの1つ目は、「多様な人材の確保と育成」です。既存事業の強化はもちろん、新たな事業を創出していくには、多様な人材を継続的に採用・育成して、一人ひとりが自主性、創造性を発揮できる環境づくりが欠かせません。2つ目は、「人材と組織の活性化」です。当社グループを支える人材や組織がポテンシャルを最大限発揮できるよう従業員エンゲージメント向上に取り組んでいます。3つ目は、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」です。多様な人材が活躍してこそイノベーションが生まれるという考え方のもと、性別・年齢・国籍を問わない人材の採用・登用を積極的に進めています。
①ガバナンス
当社グループでは、人的資本への取り組みを重点施策の1つとして設定し、多様な人材の採用や登用等に取り組んでいます。
また、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)として「働きがいのある職場づくり」、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を設けており、サステナビリティ委員会において進捗報告や課題の議論が実施され、取締役会への報告も行っています。人的資本に係る課題はKPIとして設定されており、取締役の報酬にも連動しています。
②戦略
1)人事ポリシーの策定
当社グループでは、全従業員が目指すべき姿を示す「人事ポリシー」を策定し、多様な能力・スキルを発揮できる人材の育成に取り組んでいます。また、会社の持続的な成長には、経営戦略の実行とともに、従業員一人ひとりの成長が不可欠です。そのため、日々の業務を通じて成長の機会を得られ、意欲的に活躍できる環境づくりを重視しています。従業員の成長とエンゲージメントを大切にし、誰もが働きがいを感じられる職場を目指します。
2)ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社グループは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進の一環として、社長メッセージの発信やリーダー層向けのアンコンシャス・バイアスワークショップを実施し、D&Iへの理解を深めました。特に、リーダー層に対しては、意識改革を通じて職場風土改善につなげるために、約70名を対象に多様な視点を共有する機会を設けました。
また、女性社員が能力を最大限発揮できる環境整備を進め、研修やeラーニングを実施しています。2024年度には女性活躍推進をグループ全体で強化し、多様な人材を積極的に採用しました。今後もエンゲージメントサーベイを活用しながら、継続的な意識改革とグループ全体への浸透を目指します。
3)社員が力を発揮できる環境の整備
当社グループでは、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出すため、柔軟で働きやすい環境づくりを推進しています。フレックスタイム制度やリモートワークの導入により、多様なライフスタイルや働き方に対応するとともに、努力や成果を正当に評価する制度を整え、社員の挑戦意欲とモチベーションの向上につなげています。
これらの取り組みに加え、従業員意識調査「MI400 Our Voice」を通じて職場の実態を継続的に把握しています。「社員エンゲージメント」と「社員を活かす環境」の向上を重要な指標とし、2021年には「個人の尊重」「協力体制」「リーダーシップ」を重点テーマに設定しました。継続的な改善に取り組んだ結果、2024年度の調査では全項目でスコアが上昇しました。
また、従業員が自ら挑戦できる機会と活躍を支援する仕組みを提供するため、第14次中期経営計画では心理的安全性を重視した職場づくりや、より高い役割へチャレンジ可能な社内公募、リスキリング等の施策を計画しています。
4)成長を支え、働きがいを高める研修
当社グループでは、従業員が自らのキャリアを描き、挑戦を続けられるよう、学びの環境を進化させています。従来の階層別研修や専門性を高める教育に加え、キャリアビジョン形成を後押しする教育プログラムやeラーニングを導入し、いつでもどこでも学べる仕組みを整備し、対面とオンラインを柔軟に組み合わせた研修体系により、キャリアやスキルに応じた学習機会を提供しています。
単なる知識習得にとどまらず、実践力の強化や視野の広がりにもつながる内容とすることで、社員が継続的にスキルを磨き、より高度な業務へとステップアップできるよう支援しています。
5)多様な働き方とライフステージに寄り添う支援制度
当社グループは、多様な働き方を実現するため、フレックスタイム制度や在宅勤務制度の導入、年次有給休暇の半日単位や時間単位取得制度を整備するなど、ワークライフバランスに配慮した柔軟な働き方を支援しています。また、産休・育休、看護休暇、介護短期休暇に加え、万が一の病気やけがに備えた「あんしん休暇(失効有給休暇積立制度)」など、ライフステージの変化に応じた働き方をサポートする制度を充実させています。
これらの取り組みの結果、2025年3月には「子育てサポート企業」として「くるみん認定」を取得しました。今後も育児や介護、看護など、さまざまなライフイベントに対応し、社員が自分らしく長期的に活躍できる職場作りを推進していきます。第14次中期経営計画の初年度である2026年3月期からは、時短勤務の対象となる子の年齢を小学校3年生修了まで延長し、さらに安心して働ける環境を整備いたします。女性従業員のみならず、男性社員においても育児休暇や時短勤務の取得が増加し、働きやすい職場環境の風土醸成が進んでいます。
③リスク管理
人的資本は、サステナビリティ重要課題の中に組み込まれており、当社グループのリスク管理項目の1つとして取り組みを行っています。リスク管理は人事部が主導となり、関係部署と連携のうえ人事部よりサステナビリティ委員会や取締役会にて進捗報告や課題の共有を行っています。
④指標および目標
サステナビリティ重要課題において、社員エンゲージメントの向上を最重要課題の一つであると位置づけ、取り組んでいます。
従業員意識調査「MI400 Our Voice」においては、「社員エンゲージメント」と「社員を活かす環境」を重点カテゴリーとし、第14次中期経営計画策定時に見直しを行った結果、期中におけるモニタリングとして各項目に関する肯定回答の5ポイントアップを新たな目標として掲げました。期中は、毎年パルスサーベイ(簡易調査)を実施し、その結果を基に各職場は改善に向けたアクションに取り組んでいきます。
<重点カテゴリーにおける肯定回答率>
重点カテゴリー |
基準年 |
目標数値 |
目標年度 |
社員エンゲージメント |
2024年度 |
45%以上(5ポイントUP) |
2027年度 |
社員を活かす環境 |
47%以上(5ポイントUP) |
※本指標および目標は、提出会社である森六株式会社を対象範囲としているため連結子会社は含んでおりません。
(4)人権
当社グループは、経営理念・行動指針の中に人間尊重を掲げており、2023年に「森六グループ人権方針」を策定しました。この方針は、当社グループの経営理念、行動指針と一貫性のあるものであり、当社グループの事業活動における人権尊重に関わる全ての文書や規範、方針の上位に位置付けています。
①ガバナンス
人権への取り組みは、サステナビリティの重要課題における重点施策の一つとして位置づけています。サステナビリティ委員会では「人権の尊重(人権デューデリジェンス)」を重点的な議論テーマの一つとし、進捗状況の報告や課題の検討を行っています。また取締役会にも定期的に報告を行い、取締役会が人権の遵守およびその取り組み状況を監督しています。
②戦略
人権への取り組みは、当社グループの持続的な事業活動を支える基盤と認識し、グループのすべての役員・従業員ならびにお取引先様を含むビジネスパートナーの皆さまと共に推進しています。取り組みを通じて、従業員一人ひとりの自主性や創造性の発揮、サプライチェーン全体での共創を通じた持続的な成長を目指しています。
具体的な取り組みとして、事業活動を進めるうえで配慮すべき人権に関する事項について、幅広い視点から把握に努め、潜在的なリスクにも配慮し、その防止または軽減に向けた対応を進めています。また、こうした取り組みの実効性を検証しながら、必要に応じた情報開示の仕組みを整備し、人権デューデリジェンスを継続的に進めていきます。当社グループが人権への影響を及ぼしたことが判明した場合には、適切な手段を通じて誠実に対応してまいります。
1)人権に関する配慮事項の把握
人権デューデリジェンスの一環として、当社グループの事業運営において特に留意すべき人権課題について整理を進めています。当社事業の特性や国際的な人権基準などを参考にしながら、リスクの程度や発生の可能性などを踏まえて、対応の優先度を検討しています。その過程で、従業員に関わる人権課題として、「ハラスメント」「労働安全衛生」「長時間労働」「賃金・生活賃金」「ジェンダー関連」「環境・気候変動」「知的財産権」「児童の権利」「強制労働」「賄賂・腐敗」「差別」など、配慮すべき点があることを認識しています。
サプライチェーンに関しては、持続可能な社会の実現と全体での成長を図るため、2023年に「森六グループ CSR調達ガイドライン」を策定し、その中で人権尊重を重要な柱の一つとして位置付けています。このガイドラインはお取引先様に広く共有されており、人権に関する自己評価アンケートも実施しています。今後は、サプライチェーン全体において、人権に関する配慮事項をより丁寧に把握し、必要に応じた対応を進めていく計画です。
2)人権に配慮した施策の推進
把握した人権課題については関係部門と連携し、その未然防止や影響の軽減に取り組んでいます。また、社内での意識醸成を目的として、世界人権デーに合わせて全従業員を対象としたeラーニングを実施するなど、啓発活動にも注力しています。
③リスク管理
サステナビリティ重要課題に人権に関するリスクが含まれており、当社グループ全体のリスク管理項目にも組み込まれています。人事部が主導となり、関係部署と連携のうえ人事部よりサステナビリティ委員会や取締役会にて進捗報告や課題の共有を行っています。
④指標および目標
2026年3月期を初年度とする第14次中期経営計画の策定に伴い、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の見直しを行い、グローバルにおけるサプライチェーンの人権リスクの評価、情報開示などのPDCAサイクル確立に向けた取り組みを指標および目標としています。
2025年度計画 |
2025年度目標 |
2026年度計画 |
2027年度計画 |
2027年度目標 |
サプライチェーンの人権リスク洗い出し着手 |
海外拠点での人権リスクの調査・分析 |
高リスク地域でのリスク評価 |
高リスク地域でのリスク評価(拡充) |
情報開示 |
(5)知的財産
当社グループでは、知的財産を事業競争力の源泉であると認識し、知的財産と事業・開発が三位一体となった経営戦略を推進しています。その強化に向けてグループ会社の開発・設計等の技術部門と連携し、国内外で知的財産リエゾンの配備をグローバルで展開する等、グループ全体での知的財産への取り組みを強化しています。
①ガバナンス
当社グループの知的財産強化に向けた推進体制として、コーポレート部門である法務知財部が中心を担っております。知的財産活動の取り組みは中期経営計画の重点施策となっており、その重要性から知的財産投資に関する報告を取締役会にて定期的に実施し、取り組み進捗について取締役会がモニタリング・監督を行っています。取締役を始めとし、知的財産に関わる施策強化や意識浸透のための取り組みをグループ全体で進めています。
②戦略
1)当社グループの開発・設計等の技術部門との取り組み
知的財産の取り組みにおいては、主要グループ会社における開発・設計等の技術部門と連携し、現状に則した施策の策定・実施を行っています。具体的には知的財産情報を分析し、経営戦略に組み込んでいく仕組みづくりを進めております。新規事業の創出においてもM&Aを行う際には、買収先企業の知的財産を分析・評価する機能強化を進めています。
また、知的財産を質・量ともに充実させていくにあたり、発明群をテーマごとにカテゴリー分類し、グローバルでの権利網の配備を目指しています。権利網の配備に向けては、「森六と言えば○○」と言われるような独創的な技術に関わる発明群、あるいは潜在的なアイデア発明など従来よりも幅広い視野に立った発明の取得を進め、さらにその可視化を進め、競合他社の状況も分析し、グローバルでの権利網の戦略的な構築に取り組んでいます。
2)発明の発掘に向けたネットワーク基盤の構築
知的財産戦略を推進していくための基盤づくりとして、主要グループ会社の開発・設計等の部門において知的財産リエゾンを選任しています。法務知財部と各部門のリエゾン担当者が連携して発明の発掘に取り組み、出願件数の増加、知的財産力の向上を図っていきます。また、同様のリエゾン担当者を、主要海外マーケットである米国、中国拠点でも選任完了し、今後は海外拠点においてもさらにネットワーク強化を図っていきます。
3)従業員の意識醸成
従業員における知的財産への意識向上には、草の根的な活動も欠かせません。新入社員向けの研修に「知財基礎知識」カリキュラムを追加するなど様々な取り組みを展開しています。一方、法務知財部のスキル向上に向け、知的財産に関わる資格の取得などにも取り組んでいます。
③リスク管理
知的財産は、事業等のリスク項目の1つに特定されており、当社グループのリスク管理に組み込まれています。当社グループは独自の技術とノウハウの蓄積および知的財産権の取得に努めています。当社知的財産権への侵害によって当社の事業活動に影響を与える可能性があります。また、製品や技術の開発・設計等において、第三者の知的財産権を侵害、損害賠償等の訴訟等を起こされた場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性もあります。
これらのリスクに対し当社グループは、当社知的財産権の侵害発見に努めるとともに、他社の知的財産権を尊重し、侵害のないようリスク管理に努めています。
④指標および目標
第13次中期経営計画では「付加価値の創造」をテーマに、技術領域の拡張と独自技術の保有を重点施策として、樹脂製品加工事業の保有特許50件、出願件数35件を目標値としました。その他にも国内主要拠点での特許リエゾン制度の導入や知財新システム利用による効率化を目指し取り組みを進めました。
項目 |
実績 |
目標 |
樹脂製品加工事業 保有特許 |
60件 |
50件 |
特許出願件数 |
51件 |
35件 |
特許リエゾン制度 (樹脂製品加工事業) |
・開発部、生産技術部、米国、 中国への設置完了 ・国内のリエゾン教育実施 |
国内主要拠点への人選・ 制度導入開始 |