リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、以下の事項は当社グループのリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループのリスクを網羅的に記載したものではなく、これら以外にも予測しがたいリスクが存在する可能性があると考えております。
なお、記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
市場の変化 |
当社グループは、日本、北米、欧州およびアジアを含む世界各国で事業を展開しております。これらの市場における景気低迷、疫病の流行による社会的かつ経済的混乱、およびそれに伴う需要の低下は、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、世界各国の経済状況の変化を随時把握し、本社と各海外拠点が一体となり、状況に応じた対策を行っております。
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海外活動 |
当社グループは、海外市場への進出を積極的に進めており、海外では予期しない法的規制の変更、慣習等に起因する予測不能な事態の発生等、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、現地の法的規制や慣習等へ適切に対応するために、現地情報の収集を積極的に行い、当社グループ内で情報共有しております。これらについて、社内セミナー等を開催し、社員教育をさらに充実させてまいります。 |
特定の得意先への依存 |
当社グループの主要な販売先は、本田技研工業㈱およびそのグループ会社(以下、「同社」)であり、樹脂加工製品事業においては、売上高の90%以上を占めております。 同社の自動車生産台数および販売動向の変動は、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、独自の樹脂加工技術、ケミカル材料技術を融合することで新たな技術革新を行い、モビリティ領域での新規顧客獲得を推進しております。 また、新事業育成への資源配分やポートフォリオの最適化を進め、他業種への参入を目指しております。 |
原材料、部品および商品の一部の取引先への依存 |
当社グループは、多数の外部取引先から原材料、商品および部品(以下、「購入品」)を購入しております。製品の製造および販売に使用するいくつかの購入品については、一部の取引先に依存しております。このため、これらの購入品について、何らかの理由により主要な取引先から安定的な供給を受けられない場合は、当社グループの生産活動および販売活動に影響を及ぼし、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、購入品の安定調達において、顧客との確認を行いながら複数の調達先を確保できるよう、サプライチェーンの多様化を推進しております。 ・国内および海外の複数拠点からの調達 ・拠点がある地域でのサプライヤー確保 ・購入品を同一品質で供給できるサプライヤーの複数確保 |
製品の品質 |
当社グループは、世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しております。製造する製品に、重大な品質不具合が発生した場合には、多額のコストや当社グループの評価に影響を与え、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、品質マネジメントシステムISO9001や自動車産業品質マネジメントシステムISO/TS16949の認証を受け、当該規格下において各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。 万一、問題が発生したときには、市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。 |
リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
取引先の信用 |
当社グループは、多様な商取引により国内外の販売先に対して信用取引を行っており、信用リスクを負っております。安定かつ継続的な商品・製品の調達に努めておりますが、仕入先等の財務状況の悪化や経営破綻等により、商品・製品の継続的な供給が困難となる場合もあります。これらのリスクが顕在化することによって、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、取引先の信用情報を随時収集し、当社グループ内で情報共有しております。これらの情報より、取引条件の見直し、事業推移や財務状況に応じた取引金額の制限を実施することで、信用リスクの軽減につながる与信管理、仕入先管理を行っております。 |
研究開発活動 |
当社グループは、顧客の満足が得られるように新製品の開発を進めております。開発した新製品または新技術が顧客や市場からの支持を獲得できなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、独創的な新製品、新技術の開発を展開しております。顧客への技術プレゼンテーション、国内外の展示会への開発製品の出展などにより、業界関係者との意見交換を行い、市場ニーズを捉えながら研究開発活動を実施しております。 |
原材料の価格変動 |
当社グループは、ナフサを原料として製造される石油化学製品の取扱いを樹脂、工業薬品、有機化学、塗料、油脂加工、電子材料、自動車分野など広範に行っております。石油化学製品はこれら原料市況ならびに需給バランスの要因から、製品ごとに固有の市況を形成しており、その変動は当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、石油化学製品の価格設定をナフサ価格に連動する方式に基づく取引契約を締結するなど、市況変動のリスクの低減化を行っております。 在庫商品は、当該ロットに関して、数量・価格を決めた契約を取引先と締結するなど、市況影響を受けない取引条件締結を進めております。 |
為替レートの変動 |
当社グループは、外貨建による取引を行っており、外貨建取引については為替変動により円換算後の価格が、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外に現地法人を有しており、外貨建の財務諸表を作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、これらを日本円に換算する際の為替レート変動に伴う換算リスクがあります。 |
当社グループでは、外貨建による取引での為替変動リスクを最小限にするために、為替予約によるヘッジを実施しております。 |
金利の変動 |
当社グループは、営業活動や投資活動に係る資金を金融機関からの借入等により資金調達しておりますが、有利子負債には変動金利条件となっているものがあり、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、今後の金利上昇に備えて、長期資金については、固定金利を選択するなど、金利動向に伴うリスクの軽減に努めております。 |
株価の変動 |
当社グループは、市場性のある株式を有しており、これら株価の変動により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、保有株式を継続的に見直し、縮減する等リスクを軽減する施策を講じております。 |
リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
知的財産権 |
当社グループは、独自の技術とノウハウの蓄積および知的財産権の取得に努めております。第三者による知的財産権侵害により、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは、第三者の知的財産権に配慮しながら製品や技術の開発を行っていますが、第三者の知的財産権を侵害していると判断され、損害賠償等の訴訟等を起こされた場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、製造する製品に関する特許および商標を保有もしくはその権利を取得することで、当社グループが保有する技術等について保護しております。また、他社の知的財産権に対する侵害のないようリスク管理に努めております。 |
自然災害 |
当社グループの日本における主要拠点は首都直下地震、南海トラフ巨大地震の予想震源域近傍に集中しています。そのため、巨大地震が発生した場合には、当社グループの主要拠点が直接に被害を受け、操業が遅延または中断し、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、従業員の安全を最優先としたBCP基本方針を策定し、平時から防災体制の整備・強化、備蓄品の準備、全役職員を対象とした避難訓練や防災訓練を実施しております。また、被災後の早期復旧を可能にするための事業継続計画を策定し、毎年見直しを行い、形骸化させない体制を整備しております。 |
戦争・テロ・感染症・暴動・ストライキ等の人為災害 |
当社グループは、世界各国において事業展開しており、戦争、テロ、暴動、ストライキ等が発生した地域においては、原材料や部品の購入、製品の生産・販売および物流サービス等に遅延、混乱および停止が生じる可能性があります。それらが長引く場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、従業員の健康と安全確保を最優先とし、事象発生内容に応じて危機管理に関する方針とガイドラインに従い、対策を実施しております。事象の被害内容によっては、社長を本部長とする対策本部を設置し、グループ一体で事態対応を行っております。 |
法的規制 |
当社グループは、事業展開する各国において、商品の販売、安全基準、有害物質や生産工場からの汚染物質排出レベルなどの様々な法的規制の適用を受け、これらの関連法規を遵守した事業活動を行っております。 しかしながら、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や、これらの規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、法的規制等の変化へ適切に対応するために、情報の収集を積極的に行い、当社グループ内で情報共有しております。 万一、法的規制に抵触したときには、市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。 |
情報セキュリティ |
当社グループは、業務上必要な機密情報や個人情報を有しております。外部からのサイバーテロやコンピュータウイルスの侵入、自然災害によるインフラ障害等により機密情報の漏洩や喪失があった場合、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、情報システム資源に対する適切な取り扱い方法を明確にした情報システムセキュリティ規定を策定し、ハードウエア、ソフトウエア、データなどの情報資産を保護するための安全対策を実施しております。また、従業員へ情報セキュリティ教育を実施し、情報セキュリティの知識と意識付けの定着を推進しております。 |
固定資産の減損損失 |
当社グループは、有形固定資産などの固定資産を保有しております。このため、当該資産または資産グループが属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化などにより、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、固定資産のうち減損の兆候があるかどうかの判定を実施し、減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額することとし、随時適切に減損処理しております。 |
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主に対する利益の還元を経営上の重要な施策の一つとして位置づけており、将来における事業展開と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保資金を確保しつつ、安定した配当を継続実施していくことを基本方針としております。配当につきましては、DOE(自己資本配当率)の指標を用いて、DOE2.2%を目途に配当を実施し、将来的には3.0%の水準まで引き上げる方針といたします。
当該方針に基づき、当事業年度につきましては、経営環境や業績の見通しなどを総合的に勘案し、1株当たり100円00銭の配当(うち中間配当50円00銭)を実施することを決定しました。この結果、当事業年度のDOEは2.2%となりました。
当社は、期末配当が3月31日、中間配当が9月30日をそれぞれ基準日としており、年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。また、経営の機動性と柔軟性の向上を図り、もって株主利益の向上に資するため、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令の別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定める」旨を定款に定めております。
内部留保資金につきましては、研究開発、設備投資等に有効活用するとともに、投入することにより、持続的な成長と企業価値の向上を図り、株主還元の増大に努めてまいります。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年11月14日 |
751 |
50 |
取締役会決議 |
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2024年5月14日 |
751 |
50 |
取締役会決議 |