リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、当社グループの事業等に関するリスクについては、当連結会計年度末時点において当社が判断したものであり、これらに限られるものではありません。また、当社は下記リスクを回避し、また顕在化した時に適切な対応が行われるよう、社内体制の整備と強化に努めております。
(1)事業環境におけるリスク
① 少子化の影響について
当社は国内のウェディング事業を主軸に事業展開を進めております。
一方で総務省統計局の調査等により、国内では少子化が進み、結婚適齢期に当たる男女が減少傾向にあることが示唆されており、中長期的には挙式披露宴市場が縮小する可能性もあります。
当社は新しいサービスや店舗コンセプトを取り入れて新規需要を喚起するなどし、これら市場のリスクに対応しておりますが、市場の縮小が当社の想定を上回るペースで進んだ場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 婚礼様式のトレンドについて
当社は近年大きくシェアを拡大してきたハウスウェディング市場においてその牽引役を果たし、市場をリードしてまいりました。
当社は今後も社会情勢、生活様式、世代別のニーズや各種トレンドの変化に対して十分なマーケティングを行い、婚礼様式の最先端の把握に努めてまいりますが、ハウスウェディングに代わる新たな婚礼様式が台頭するなどした場合、変化への対応が遅れることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 季節変動について
一般的に挙式披露宴は春(3月~5月)、秋(9月~11月)に多く行われる傾向があり、当社の各会場においても同様の季節変動の影響を受けております。
当社はこの季節変動を考慮した計画策定を行っておりますが、何らかの理由により繁忙期の婚礼受注を計画どおりに獲得できなかった場合は、各会場の業績が大きく影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)事業運営上のリスク
① 事業にかかる各種法的規制について
当社グループが建設・運営する施設については、建築基準法、消防法及び下水道法等並びに建築構造や建築地域にかかる排水・騒音対策等の各種条例による規制を受けております。
また、当社グループ事業においては、貸金業法、割賦販売法、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、利息制限法、旅行業法、保険業法、特定商取引法、公衆浴場法、旅館業法、労働基準法等の規制を受けております。
当社は法令遵守の精神に基づき、これらの法的規制に則り事業を進めておりますが、万が一法的規制に抵触し、建築計画や事業計画に関して何らかの是正措置を命じられた場合には、新規出店や店舗のリニューアルなどを計画どおりに行うことができず、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 衛生管理について
当社グループは料飲商品を提供しているため、食品衛生法の規制対象となり、管轄保健所から営業許可を取得し、事業を行っております。
当社グループは料飲商品の安全性を特に重視し、食材の安定的な確保及び徹底した安全衛生管理に努めております。従業員への教育研修のほか、外部専門機関による衛生検査、検便検査、従業員への体調に関するヒアリング等を定期的に実施しており、普段から食品衛生管理体制の遵守を心がけております。しかしながら、万が一当社グループや当社グループ関連施設において食中毒等の衛生事故が発生した場合には、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止等を命じられることがあります。この結果、金銭的な損失に加えて、当社グループの社会的信用の低下を招くことで、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 出店形態について
当社グループは、直営店を出店するに当たり、事業環境に応じた出店ができるよう、事業用借地権、リースバック方式、不動産流動化スキーム等を適宜活用しております。
当社グループは各店舗の収益性や条件を十分に考慮した上で各契約を行っておりますが、万が一当社が想定していた運営期間よりも短期で閉店せざるを得ない状況となった場合には違約金の支払いや固定資産の除却損などが発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 地震その他の天災
当社グループの設備や挙式披露宴に影響を及ぼす大規模な自然災害により長期間にわたり業務を中断する等、想定以上の事態が発生し、保険等により填補できない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 感染症その他の疫病
感染症その他の疫病のため経済活動・社会活動が制限される状況が続く場合には、長期間にわたり業務を中断する等、想定以上の事態が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥ 人材の確保・育成について
当社グループは、今後の事業展開において、人材の確保・育成が最も重要な課題の一つであると考えております。そのために当社グループは人材採用活動を積極的に行う一方で、目標管理とその成果が適切に評価に反映される人事制度や手厚い教育研修制度を確立する等、優秀な人材育成と確保のための体制作りに注力しております。しかし、今後の事業展開において、必要な人材が計画どおりに確保・育成できない場合には、各事業の業績拡大が計画どおりに進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦ 労務管理について
当社グループは、労働基準法などの関係法令を遵守し、労働時間や有給休暇の取得状況を管理するなど、適正な労働環境の整備に努めており、労働衛生にも十分な配慮をしております。
しかし、万が一当社グループにおいて、これらの法令に抵触するなど労務管理が不十分な事態が生じた場合には、社会的な信用の低下を招き必要な人材の確保に支障をきたすなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 個人情報の取扱いについて
当社グループは、事業活動のために必要なお客様や取引先の個人情報や機密情報を取得しております。これらの個人情報や機密情報の保護については、個人情報保護法に則るほか、社内規程に基づき管理体制を強化しておりますが、万が一予期せぬ事態により漏洩等の事故が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑨ 店舗設備について
当社グループが運営する直営店舗では、建物および建物附属設備を自社で所有または賃借して運営しております。設備の安全性、機能性等には十分に留意し、経年劣化を考慮した修繕、リニューアル工事等を適宜行っておりますが、大規模な積雪や暴風雨など従来の規模を上回る天候の変動などにより設備が損壊して、挙式披露宴の施行に必要な安全性、機能性が確保できなくなった場合には、当社グループの社会的信用度の低下や損害賠償請求等の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)財務面等に関するリスク
① 敷金保証金について
当社グループが現在出店している直営店にはデベロッパー等からの賃借があり、出店時には敷金保証金の差し入れを行っております。当社グループは、新規に出店する際の与信管理を徹底するとともに、特定のデベロッパーに対し出店が集中しないように取り組んでおりますが、賃借先の倒産等の事由により、敷金保証金の全部又は一部が回収できなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 有利子負債について
当社グループは、金融機関から、自己所有物件の取得・改修や子会社への投融資等を目的とした資金調達を行っております。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による業績の悪化にともない金融機関からの借入を行った結果、有利子負債残高は大幅に増加しております。この借入金については、金融機関と合意した返済条件に従い返済を着実に返済を進めてまいります。
各金融機関からは引き続きご支援をいただいており当面の資金繰りに問題はないと判断しておりますが、今後の金融情勢の変動などにより金利が大幅に上昇した場合には、支払利息の増加など当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 減損会計について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損の測定等を実施しております。今後、保有資産から得られるキャッシュ・フローが悪化し、将来キャッシュ・フローが見込めない等の事象が生じた場合には減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 繰延税金資産について
当社グループは、「税効果会計に係る会計基準」を適用しており、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産を計上するにあたっては、将来のタックスプランニングに基づき回収可能性を判断しておりますが、将来の課税所得が想定を下回り繰延税金資産の回収可能性の判断を見直す必要が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩すなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 建築コストの上昇について
当社グループは、長期経営計画方針においてホテル事業を成長戦略の柱として位置付けております。今後ホテルの新規出店を進めるにあたり、当社グループの想定を上回る建築コストの上昇が生じた場合には、初期投資の負担増やランニングコストの上昇などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社グループは、企業の継続的な成長を実現するための投資を行いつつ、株主の皆様への利益還元を適正かつ安定的に行うことを基本方針としております。
当社グループの剰余金の配当回数は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は中間配当、期末配当ともに取締役会であります。
当社は、中間配当及び年間配当を行うことができる旨及び会社法第459条の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行う事ができる旨を定款に定めております。
当事業年度の1株当たりの配当金額は、中間配当1株当たり10円、期末配当1株当たり10円の合計1株当たり20円としております。
今後におきましては、確保した利益は、まずは中長期的な成長へ繋げるための原資として有効活用するとともに、業績向上、財務体質の強化を図ってまいります。また、株主の皆様への適正かつ安定的な利益配分を行うことができる収益基盤を作り上げてまいります。
次期(2025年3月期)の配当予想につきましては、上記の基本方針に則り、中間配当は1株当たり10円、期末配当は1株当たり10円としております。
第一種優先株式につきましては、株式引受契約において、1株につき年間88,000円の配当を支払う旨を定めておりますが、2024年4月2日付けでその全株式につき当社が取得し、消却しております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。