事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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AI/DX事業 | 3,272 | 55.1 | 776 | 49.6 | 23.7 |
AI Security事業 | 2,668 | 44.9 | 789 | 50.4 | 29.6 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は「驚きを心に」をコンセプトとして、人々の生活が便利に楽しくなるように、AIを活用したサービスをBtoCおよびBtoB領域で展開しております。第17期(2025年4月期)は、各領域におけるオーガニックでの成長を目指した取り組みに加え、2024年5月に新規SaaS「HEROZ ASK」を正式リリースしました。また、グループ全体では、第15期(2023年4月期)にグループ会社化したバリオセキュア株式会社(以下、「バリオセキュア」という。)および株式会社ストラテジット(以下、「ストラテジット」という。)との連携強化・シナジー増大に取り組みました。さらに、第16期(2024年4月期)には、2023年11月に株式会社エーアイスクエア(以下、「エーアイスクエア」という。)を、2024年3月には株式会社ティファナ・ドットコム(以下、「ティファナ・ドットコム」という。)をグループ会社化しました。加えて、第17期(2025年4月期)には、2024年8月に新たにVOIQ株式会社(以下、「VOIQ」という。)をグループ会社化し、AI・SaaS関連領域での事業基盤をさらに強化しました。これらの取り組みにより、当社グループはAI技術を活用した新規事業の展開と成長を加速させています。
AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、ととらえております。近年、LLMを含むAI技術が社会全体に浸透しつつある中で、AIを単なる業務ツールとして断片的に利用するのではなく、根本的な価値創造を目指す人とAIの共創が重要なテーマとなっています。さらに、AIが社員のように自律的にタスクや業務を遂行する「AIエージェント」に対する期待が高まっており、AIエージェントの実現とその拡充を通じて、新たな価値提供や業務プロセスの変革が求められる時代に突入しています。
また、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。
このように、国内外では、AIXを含むIT関連投資、特にAIエージェントに関する技術革新が急速に進展しています。当社は、今後のAIエージェントの技術革新の方向性を示すものとして「AI Agent2.0」を独自に定義しました。「AI Agent2.0」では、課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行を完全自律的に遂行し、業務全体を再構築する「Meta Agent」の実現を目指しています。また、当社グループは、「HEROZ3.0」としてグループ戦略「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツール提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化する「Agentic Work」というかたちで価値を提供することを目指しています。これにより、社会全体への価値提供と事業成長をさらに加速していきます。
図:当社が考えるAI革命とは
図:当社が将棋界で起こしたAI革命
図:HEROZ3.0のグループ戦略「AI BPaaS」
図:AIエージェントにより進化する「AI BPaaS」
図:当社が考えるAI Agent2.0
具体的な事業内容としては、「AI/DX事業」「AI Security事業」の各セグメントにおいて、各企業・業界のAIX推進やグループシナジーの強化に努めています。また、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むSaaS・AIエージェント・セキュリティ関連分野での積極的な研究開発を通じ、グループ全体の事業拡大を目指しています。その取り組みの一環として、2024年5月には生成AIを活用したAIアシスタントSaaS「HEROZ ASK」を正式リリースし、ストラテジットではSaaS連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を展開しました。これらの製品は、業種や用途ごとに特化したソリューションを提供し、ユーザ企業の業務効率化や顧客体験の向上に大きく貢献しています。これらのSaaSに加え、エーアイスクエアが提供する「QuickSummary2.0」や、ティファナ・ドットコムの「AIさくらさん」シリーズなど、各種AIエージェントが当社グループの事業成長を支えるドライビングフォースとなっています。それぞれの製品が、AI技術を活用した革新的なソリューションとして、グループ全体のシナジー拡大とAIX推進を牽引しています。さらに、2024年8月にはVOIQ株式会社を新たにグループ会社化し、インサイドセールス支援事業を通じてAIXを推進しています。これらの取り組みを通じ、HEROZ3.0として掲げる「AI BPaaS」を実現するため、今後も機能の拡充・強化や新製品の研究・開発に注力してまいります。
図: 当社グループの事業セグメント
(1)AI/DX事業
AI/DX事業は、当社グループに蓄積されたAI・SaaS関連技術・ノウハウ・データ等を活用し、AI関連ソリューションの提供やSaaS導入支援・SaaS間連携開発等を提供することにより各企業・業界のAI/DX化推進を目指すセグメントとなります。当セグメントは、「BtoCサービス」と「BtoBサービス」に分類されます。
① BtoCサービス
BtoCサービスは、主に当社の将棋アプリ「将棋ウォーズ」を個人ユーザに提供するサービスとなります。
当社のAI技術は、将棋のような頭脳ゲームAIの開発過程で蓄積されました。具体的には、ビッグデータと呼ばれる、従来のデータ処理技術では処理することが困難であると考えられる膨大なデータ群から、機械学習等の技術に基づいて重要な示唆を導き出す技法になります。例えば、将棋AIの開発においては、過去のプロ棋士の棋譜を活用した機械学習の導入以降、評価関数と呼ばれる局面の優劣を判断する関数の精度が大幅に向上し、コンピューター将棋の棋力の向上が見られました。
図:将棋AI開発について
上図のとおり、機械学習導入以前の将棋AI開発においては、エンジニアによる手作業、つまり最善と考えられる指し手を規定するためのプログラムを一行ずつ記述することによって、AIを開発することが一般的でした。しかしながら、手作業によるプログラミングでは将棋AIの棋力向上には限界がありました。そこで、より精度が高い将棋AIを高効率に開発するために機械学習が導入されることになりました。機械学習を用いることにより、コンピューターが過去のプロ棋士の棋譜データを自ら反復学習し、パラメーター調整等を自動で行いながら、手作業では記述しきれない精緻なプログラムを構築することが可能となりました。その結果、当社エンジニアが開発した将棋AIが2013年に現役プロ棋士に勝利するなど、AIが日進月歩で進化していることが示されております。また、2015年10月には、情報処理学会から「コンピューター将棋プロジェクトの終了宣言」が出されております。
図:将棋AI分野での機械学習の適用とその進歩
現在は、このような手法に加えて、深層学習(ディープラーニング)(注1)や強化学習(注2)といった手法を実施しながら、日々AIの精度を向上させております。
当社ではこのAIを活用したアプリケーションを、主に、Google Inc.が運営するGoogle PlayやApple Inc.が提供するApp Store等世界標準のプラットフォーム(注3)を通じてBtoCサービスとして展開しており、主な収益はそれらの有料課金収入となります。またアプリケーションの運営効率化のためにもAIを活用しております。現在提供しているアプリケーションの特徴としては、当社の戦略的な重点分野であるAIの活用に加えて、リアルタイムオンライン対戦技術を活用したサービスとしていることが挙げられます。当社では、同時対戦型アプリケーションの豊富な開発経験をもとに、高品質なリアルタイムオンライン対戦をユーザに提供することが可能となっております。主力アプリケーションである将棋ウォーズは、会員数600万人以上を誇る世界最大のスマートフォン将棋ゲームアプリ(日本将棋連盟公認)で、現代特有のAIとグラフィックや音楽により、ユーザは新しい将棋の世界観の中で全世界のプレイヤーとオンライン同時対戦が可能です。本アプリにおいては、ユニークな課金を行っております。これは、ユーザがオンライン対戦しているときに、アプリ内で「棋神」と呼ばれる、当社エンジニアが開発したAIが、ユーザに代わって指し手を進めてくれる機能であり、5手160円でユーザに販売されております。また、終局後にはAIが算出する評価関数に基づいてプレイ中の分析結果を振り返ることもでき、棋力向上に役立てることができます。日本将棋連盟公認の免状・認定状(六段~5級)申請も可能となっており、将棋の全国大会の予選において使われることもあるほか、民放キー局のAIをテーマにしたテレビドラマで使用される等、各種メディアとの連携を強化しています。なお、将棋ウォーズは2025年4月期に通算対局数が10億局を突破するなど、利用拡大が続いているほか、将棋人口最大化の達成に寄与すべく、日本将棋連盟創立100周年を記念した「羽生九段アバター」の配布など各種キャンペーンにも力を入れております。
また、BtoCサービスにおいては、2022年5月より、当社の将棋AIを活用したプロ仕様の将棋AI研究をサポートするプラットフォーム「棋神アナリティクス」の提供を開始し、2022年12月には同サービスのライト版もリリースいたしました。「棋神アナリティクス」は、ブラウザで手軽に最新の将棋AI解析が出来るサービスであり、高額な初期投資をせずに、誰でも簡単に操作できるUI/UX環境を用意したところに特徴があります。そして、2024年春には、将棋の第82期名人戦七番勝負に関して、毎日新聞社が運営するユーチューブチャンネル「囲碁将棋チャンネル 毎日新聞」での将棋対局中継に、棋神アナリティクスが活用されました。歴史も深く、将棋界の最高峰ともいえる名人戦において、局面の評価値・解析において棋神アナリティクスが用いられ、ライブ配信を通じて「観る将」を含む多くの将棋ファンにお楽しみいただきました。現状、棋神アナリティクスは主にプロ棋士・アマチュア強豪を対象にサービス提供を拡大しておりますが、将来的に将棋人口の最大化に寄与できるよう、より多くの将棋ファンに利用されるサービスとなるべくサービス充実に努めてまいります。
そのほか、2023年10月には、将棋初段昇段を目指すeラーニングサービス「棋神ラーニング」をリリースいたしました。「棋神ラーニング」は、将棋初心者~級位者を対象にした、将棋アマ初段昇格を目指すe-ラーニングサービスであり、「将棋ウォーズ」ならではのカリキュラムを、メディアで活躍中の人気棋士の動画解説と共に楽しめる内容となっております。通常、将棋初心者が初段になるまでは数年かかると言われるところを、将棋初心者が1年で初段になれるサービスとして設計しており、楽しく、短期間で確実に強くなれるコンテンツを多数ご用意しております。
当連結会計年度は、「僕とロボコ」のコラボ企画や、棋神戦ヨーロッパ大会の実施、棋神のアップデート等を実施したほか、2025年2月には累計対局数が10億局を突破しました。この記念として、新サービス「スプリント」をリリースしました。本サービスは、10億局の棋譜データを活用し、中終盤の互角に近い形勢の局面を抽出することで、対局開始直後からクライマックスのような緊張感を楽しめる全力勝負モードを提供します。「スプリント」は、AIによる棋譜解析技術を活用し、スピーディかつ戦略的な新しい将棋体験を提案するものであり、将棋の新たな楽しみ方を広げる試みとして提供しております。スプリントリリースの効果等もあり、将棋ウォーズのMAU(Monthly Active User)や対局数は引き続き増加しており、今後も、新規サービスのリリース・機能アップデートなどを通じ、ユーザの皆様の満足度向上・将棋人口最大化を追求してまいります。
図:棋神アナリティクスによる棋譜解析画面(実際の名人戦の配信画面とは異なります)
図:棋神ラーニング
図:新対局モード「スプリント」
(注)1.深層学習(ディープラーニング)とは、入力に対して出力を決める処理の層を深く(ディープ
に)したニューラルネットワーク(人間の脳機能を模すことで効率の良い学習を施すことができ
る数学モデル)を用いることで、教師データが持つ特徴を手作業ではなくコンピュータープログ
ラムが抽出し、精度向上を目指す機械学習の一手法のことを指します。
(注)2.強化学習とは、明確な教師データが与えられない環境において、コンピュータープログラムが試
行錯誤によってその価値を最大化するように振る舞う、機械学習の一手法を指します。
(注)3.プラットフォームとは、ソフトウエアやハードウエアを動作させるために必要な、基盤となるハ
ードウエアやOS、ミドルウエア等のことをいいます。また、それらの組み合わせや設定、環境のことで、Google Inc.が運営するGoogle Play及びApple Inc.が提供するApp Store等が含まれます。
② BtoBサービス
BtoBサービスは、HEROZがBtoB向けに提供するAIソリューション関連サービスのほかに、グループ会社である「ストラテジット」「エーアイスクエア」「ティファナ・ドットコム」「VOIQ」が展開する各種ビジネスが分類されます。各産業においてAIX・AI革命を巻き起こすべく、個別のソリューション提供とAI SaaSの両軸からビジネスを展開し、成長に向けた取り組みを行っております。
(ⅰ)HEROZ
当社は、BtoBサービスとして各産業へ様々なAIソリューションを展開しているほか、2024年5月には生成AIを活用したアシスタントSaaS「HEROZ ASK」も正式リリースし、今後ストック型ビジネスとしての事業成長も目指していきたいと考えております。
当社が提供するBtoB向けのAI関連ソリューションビジネスにおいては、金融、建設、エンターテインメント等の各業界に当社のAI技術を活用してBtoB向けAIを提供しておりますが、精度の高いAIサービスを提供するためには、各業界に蓄積されたデータを継続的に機械学習する必要があります。そのため、当社では積極的にパートナーシップ戦略を実行しております。すなわち、各産業を代表する事業会社と資本を含む提携を実施することで、長期的な視点に立ち、継続的にデータを活用した学習を行うことが可能となっております。
当社では、下記表に掲げた「金融」「建設」「エンターテインメント」を重点領域として設定し、AIシステムの初期設定構築から運用・継続フェーズにおいてAIサービスを提供しております。
領域 |
提供しているAIの内容 |
金融 |
株価等の市場予測を行うAIや、ユーザの投資行動を分析し投資パフォーマンス向上に資するフィードバックを行うAI等 |
建設 |
物件の構造や類似物件の設計情報等を活用して最適な構造設計を行うAI等 |
エンターテインメント |
機械学習により頭脳ゲームにおいてユーザの対戦相手となるAI、ユーザの行動分析を行いその精度やユーザの継続率を向上させるAI等 |
収益構造については、AIシステムの構築時に、顧客から初期設定フィーを受領し、その後、AIシステムを運用して継続利用する顧客から月次で継続フィーを受領する収益構造を基本としております。すなわち、当社のビジネスモデルはフロー収入となる初期設定フィーに加えて継続フィーを受領しているストック型ビジネスとなります。また、AIの性質上、機械学習を継続するほどその精度が向上することから、顧客にとっては当社のAIサービスを継続使用するインセンティブが働くため、当社は安定した収益基盤を確保することが可能となります。
図:当社のAIソリューションの仕組み
図:AI SaaSの収益性
また、OpenAI社によるChatGPTのリリースを受けた大規模言語モデルに関する機運の高まりを受け、当社のBtoBサービスにおいても、ChatGPTを含む生成AIに関する取り組みを強化しております。その一環として、先述したとおり、2024年5月に生成AIを活用したAIアシスタントサービス「HEROZ ASK」を正式リリースいたしました。
HEROZ ASKは、ChatGPTを活用したエンタープライズ向けAI アシスタントSaaSであり、リリース後も機能追加・拡充を継続しており、2025年1月には新機能「議事録AI」を、4月にはAPI連携機能をリリースしました。5月には累計契約顧客数が250社を突破し、なおも売上・顧客数ともに増加しており、「AI BPaaS」の基幹となるSaaSとしてAIXを推進するドライビングフォースとして、今後も機能アップデート・事業拡大に取り組んでまいります。
図:HEROZ ASKの特長
(ⅱ)ストラテジット
ストラテジットは、「戦略(Strategy)」と「IT」を統合し経営改善に貢献するというVisionと、SaaSのチ
カラを全ての企業にというMissionを掲げ、SaaSの活用・価値向上を進めるうえで課題となる穴を埋める存在と
して、SaaS事業者向けシステムの開発や、SaaS連携アプリストアの運営、および、SaaS導入コンサルティング
事業を展開しております。また、2024年5月には、より簡単でシームレスなSaaS間連携の実現と、ストック型ビジネスへの転換を目指し、SaaSベンダー向け連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を正式リリースいたしました。
ストラテジットが提供するSaaS導入支援サービスでは、Oracle社が提供するクラウドERP「NetSuite」等の導入に関して、様々な企業に支援を行っております。ERPとは、「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略で、統合基幹業務システム、基幹システムと言われております。ERPは、企業の「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」などの基幹となる業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムであり、企業全体の業務を効率化し、迅速に適切な経営判断をくだすために重要な基幹となるシステムです。従前はオンプレミス型ERPの導入が主流でしたが、近年ではクラウド環境で使用できる「クラウドERP」の普及が進んでおり、オンプレミス型よりも短期間かつ低コストで導入でき、メンテナンスが不要であるなどメリットが多く、大企業のみならず中小企業の需要も急速に拡大しております。
図:SaaS市場の外観と当社グループが考える大きなトレンド
また、同様にストラテジットが提供するAPI連携開発サービスに関しては、近年大企業のみならず中小企業においても、急速に、会計・人事だけでなく様々なSaaSプロダクトを活用する状況となっております。一方で、企業においては会計・人事等の各SaaSプロダクトを単独で利用する場合は、各SaaSでのデータ管理が必要となり、重複したデータ登録等が発生し、業務効率の向上が困難となる事象が発生しており、SaaS間のデータ連携が重要になってきております。ストラテジットにおいては、これらのSaaS間のデータ連携において、API(Application Programming Interface)を活用したAPI連携開発サービスを提供しております。APIを活用することで、互いのSaaSのデータ連携を行うことが可能となり、各SaaSプロダクトが保有する機能を拡張させ、双方のSaaSプロダクトを更に便利に利用することが可能となります。
特にストラテジットにおいては、SaaS連携開発に必要なノウハウを結集した開発プラットフォームに関する特許を保有しており、一般的な受託開発に比べ、高品質なシステム連携を低コストで提供し、安定的に運用することが可能となっております。
そして、2024年5月には、SaaSベンダー向けの連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」(以下、「JOINT」という。)を正式リリースいたしました。複数のSaaSを利用している場合、各種SaaSが連携されていないことによる手作業の発生や業務効率・利用満足度の低下等が起こりやすく、かつ連携を実現するに際しても主に技術的な面でハードルを抱えがちですが、JOINTは、国内外50以上の主要なSaaSとの連携を実装してきた実績を活かし、各種SaaSの連携開発・管理・運用までを、効率的に、簡単に対応できるプラットフォームとなっております。JOINTの活用により、「①連携アプリの構築」「②アプリストアの構築」「③アプリ提供後の管理の標準化」等を簡単に実現可能となっているほか、ChatGPTなどのLLM外部連携についても、本来数カ月かかる連携アプリ開発を最短1週間で実装できるなど、実装期間の大幅な削減が可能となっております。
2025年4月には、当社のデータ連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS/for Biz」にHEROZ株式会社が提供する生成AIプラットフォーム「HEROZ ASK」を組み込んだ新機能を本格展開します。この新機能により、AIが最適なデータ連携ワークフローを提案・自動構築し、業務プロセスの効率化と自動化を実現しました。今後はさらに、ローコード補助機能を通じて開発者の負担軽減を図り、幅広い業種で生産性向上を支援してまいります。
SaaS市場は今後も拡大を続けると見込まれており、生成AI等も急激に広まっていく中で、各種SaaS間のシー
ムレスな連携は今後も重要なニーズ・トレンドとなるものと想定しております。今後、JOINTの拡販・機能拡充・新製品の開発等を通じて、ストック型ビジネスとしての更なる事業成長・ARR拡大を目指してまいり
ます。
図:JOINT iPaaS for SaaS
(ⅲ)エーアイスクエア
エーアイスクエアは、「最先端の自然言語処理AIによる業務の高度化の実現」を掲げ、機械学習やディープラーニングを自然言語処理へ応用し、コンタクトセンター領域において、自動応答システムや自動要約・分類システムをはじめとする業務自動化ソリューションを展開しております。同社が展開するコンタクトセンター向けの生成AIを活用したソリューションとして、各種AIツールの提供を行っております。
また、コンタクトセンター領域における周辺サービスとして、高度なAI開発力やサービス実装のノウハウを活かし、AIモデルの作成や、業務の高度化に向けたコンサルティング等のサービスも展開しております。
コンタクトセンター領域、その中でも特にコールセンター領域においては、今後も市場規模は引き続き成長す
ることが想定されている一方で、継続的な採用の難しさと高い離職率により慢性的な人手不足が大きな課題と
なっています。
図:コンタクトセンターが抱える課題
昨今、ChatGPTをはじめとする生成AIの進化は著しいものがありますが、コールセンター白書の調査におい
ても、現時点においてはコールセンターでの生成AIの活用は依然として非常に低い状況となっております。
図:生成AIのコールセンターでの活用について
コールセンター領域においてはより一層の生成AI活用が進むものと考えられることから、今後、当社とエ
ーアイスクエアにおいては、コールセンター領域へ継続的なソリューションを提供してきたエーアイスクエアの知見を活かしながら、当社の「HEROZ ASK」を組み合わせた、コールセンター領域における統合的な生成AI活用に向けたサービスの提供を進めていく予定です。
図:当社とエーアイスクエアによる統合的な生成AI活用のサービス提供図
(ⅳ)ティファナ・ドットコム
ティファナ・ドットコムは、「WebとAIの力で、世の中を笑顔にしたい」という思いのもと、主に、法人
向けAIを用いてDXソリューションの開発・販売事業を行うAI事業を展開しております。
具体的には、現在多数の駅・商業施設や官公庁等で導入され、案内・接客対応で活躍中のDXソリューショ
ン「AIさくらさん」シリーズを提供しております。AIさくらさんは、駅や空港などにおいてアバターを通じ
た接客や受付として活躍しているほか、社内ヘルプデスクや窓口等でのお客様対応、企業の業務改善、メン
タルヘルスのモニタリング等、企業のニーズに合った様々なシリーズを展開し、各社に適したサービスを通
じて顧客の業務自動化を実現しております。
図:AIさくらさん
図:AIさくらさんシリーズ(一部)
図:AIさくらさんの導入実績(国土交通省運輸支局)
LLMを含む先端AI技術が更に社会に浸透・実装されることが推進される一方で、現在の日本のビジネスの現
場では、情報の精度の低さや情報統制の観点からLLMを信頼しきれないという声や、LLMの活用方法のイメー
ジが湧きづらく、難しく取り組みにくい・検索ツールとしての使い方しかできていないという声が上がって
おります。このような状況を踏まえ、LLMのポテンシャルをビジネスの現場でフルに活用していくには、LLM
の情報の精度やセキュリティ面を整備する事はもちろん、業務における活用イメージの解像度を上げる分か
りやすさや、日本の企業に特化した使用感の改善が急務であると考えられます。
このような環境の中で、ティファナ・ドットコムは、AIさくらさんシリーズの展開を通じて、生成AIを誰
にでもわかりやすく、親しみやすいかたちで社会実装し、人とAIが当たり前のように共存・共創する社会の
実現を目指しております。報告書提出現在も駅や商業施設・空港での接客や、民間企業・教育委員会でのメ
ンタルケア等、領域・分野を問わずAIさくらさんが活躍しており、今後も様々なAIさくらさんシリーズの
開発・展開を通じて事業拡大に努めるとともに、グループ内の各種SaaSとのシナジー創出・増大にも取り組
み、AIの社会実装・AIXを推進してまいります。
(ⅴ)VOIQ
VOIQは、「AIを活用した営業支援ソリューションの提供」を掲げ、アウトバウンドコールを中心としたインサイドセールス支援事業を展開しております。同社は、AIを活用した営業効率化や商談創出の支援を通じて、企業の営業活動における課題解決を目指しております。
具体的には、AIを活用したアウトバウンドコール業務を中心に、ターゲットリストの最適化や営業トークスクリプトの作成、商談後のフィードバックおよび改善提案を提供しています。また、生成AI技術を活用したセールス支援ツールの導入により、人手に依存しない効率的な営業モデルを構築し、クライアント企業の営業成果の最大化を支援しております。
同社が提供するサービスは、インサイドセールス業務を担う企業にとって不可欠な「安定的な商談創出力」を実現するものであり、これによりクライアント企業は営業活動のボトルネックを特定し、改善を図ることが可能となります。特に、生成AIを活用したリスト最適化や音声解析を通じたトーク改善など、最新技術を取り入れた支援内容が特徴です。
VOIQは、当社グループのAI BPaaS事業(Business Process as a Service)の一環として、bizy株式会社よりセールス支援事業を事業譲渡により譲受し、当該事業のさらなる拡大を目指しております。本事業譲渡により、bizy株式会社が提供してきたアウトバウンド営業支援のノウハウやリソースを継承し、これをAI技術により進化させることで、利益率の向上や事業規模の拡大を図っております。営業活動の効率化と成果創出に向けた統合的なソリューションを提供し、当社グループのインサイドセールス力向上に寄与しております。
図:生成AIを活用したインサイドセールス支援
[事業系統図]
AI/DX事業の事業系統図は、以下のとおりです。
(2)AI Security事業
AI Security事業は、バリオセキュアが提供するインターネットセキュリティ関連の事業となります。同社は、"Your NET Guardian, alongside your invaluable Future."(企業のネットセキュリティに伴走し、安心・安全なビジネスを支えます)をミッションとし、セキュリティ対策の「24/365 WORK」を請け負う Security BPaaS「Vario Ultimate ZERO」を提供しています。
"Justice for your NET"(企業のネットインフラに正義の味方を常駐派遣する)をバリューとし、自社開発の国産製品をベースとしたネットワークセキュリティ導入・運用管理サービスを提供しております。
(1)事業の特徴
a.独自のビジネスモデル
バリオセキュアは、セキュリティサービスで利用する機器の調達、機器にインストールする基幹ソフトウエ
アの開発、機器の設置/設定、機器設置後の監視/運用までをワンストップで行っております。
エンドユーザは、機器の選定や運用サービスを個別に検討する必要がなく、手間がかからずにサービスを
利用することが可能となります。また、バリオセキュアがワンストップでサービスを提供しているため、問題
が発生した際に原因の究明と対応が行い易く、エンドユーザは、問い合わせやトラブルに対するサポートを迅
速に受けることができます。
b.リカーリングレベニューの構造
バリオセキュアは、監視/運用サービスを基本に各種セキュリティサービスを月額費用により提供しており
ます。導入企業が増加すれば、年々収益が積み上がる「リカーリングビジネス」と呼ばれるモデルであり、収
益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。2025年2月末で、全国47都道府県に7,670拠点(VSR設
置場所数)のマネージドセキュリティサービスを提供しており、継続的な収益の安定化を実現しております。
第10期事業年度の「リカーリングビジネス」であるマネージドセキュリティサービスによる売上収益の売上収
益全体に占める比率は87.9%です。
[リカーリングレベニューモデル]
c.ビジネスパートナー(販売代理店)モデル
バリオセキュアの販売モデルは、販売代理店を介した間接販売及びバリオセキュアによる直接販売に分類で
きますが、間接販売が中心となっております。通信事業者やインターネットサービス事業者、データセンター
事業者など、バリオセキュアのサービスを付帯することでお客様へ付加価値を提供することを期待する販売代
理店と契約しております。これら販売代理店と日本全国をカバーする販売網を構築し、継続的な営業案件の創
出が可能となっております。
販売代理店は、「相手先ブランド提供パートナー(以下、「OEMパートナー」という。)」及び「再販売
パートナー」に大別されます。「OEMパートナー」とは、販売代理店自らのブランドでセキュリティサービ
スを提供し、顧客(エンドユーザ)と直接、契約を締結するパートナーを指します。「再販売パートナー」
とは、バリオセキュアの代理店として顧客(エンドユーザ)の開拓、営業活動を行い、顧客(エンドユーザ)
との契約主体はバリオセキュアとなるパートナーを指します。
バリオセキュアでは、さらに営業活動を推進するためにセキュリティの専門家であるバリオセキュアが、販
売代理店の代わりにお客様に対して直接技術面の説明をする営業同行や、サービスの導入から設置までワンス
トップで支援することも実施しております。
(2)サービスの概要
バリオセキュアは、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであることから、セグメント別の記載は省略しており、サービス毎に記載しております。バリオセキュアが提供しているサービスは次のとおりであります。
a.マネージドセキュリティサービス
マネージドセキュリティサービスで提供している商品は、VSRを利用した統合型インターネットセキュリテ
ィサービス、データのバックアップサービス(VDaP)、エンドポイントセキュリティサービス(Vario EDR)
及びVarioマネージドLAN/Wi-Fiサービスなどがあります。
(i)VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービス
インターネットからの攻撃や内部ネットワークへの侵入行為、またウイルスの感染やデータの盗用とい
った各種の脅威から企業のネットワークを守り、安全にインターネットの利用を行えるようにする総合的
なネットワークセキュリティを提供するものです。
バリオセキュアの統合型インターネットセキュリティサービスでは、ファイアウォール、IDS(不正侵入
検知システム)、ADS(自動防御システム)などの多様なセキュリティ機能を1台に統合した自社開発のネ
ットワークセキュリティ機器VSRをインターネットとユーザの社内ネットワークとの間に設置し、攻撃や侵
入行為、ウイルスといった脅威を取り除くいわばフィルタとして作動します。VSRは、バリオセキュアデー
タセンターで稼働する独自の運用監視システムにより自動的に管理・監視され、運用情報の統計情報や各
種アラートが人手を介することなくリアルタイムに処理されます。統計情報やアラートはコントロールパ
ネルと呼ぶレポーティング機能により、インターネットを介してユーザ企業の管理者にリアルタイムに提
供されます。また、バリオセキュアでは24時間365日のサポートセンターを構築しており、国内全都道府県
に対応した保守網並びに機器の設定変更等の運用支援体制を構築しております。
従来は、前述のようなセキュリティシステムを導入するには、各種のセキュリティ機器を購入し、これ
らを自社で導入、メンテナンスする必要がありました。そのためには高度な技術を有する技術者や、高額
な投資を要求されることから多くの企業では十分なネットワークセキュリティ対策を導入することが困難
な状況でした。また、セキュリティシステム導入後も監視やアラートへの迅速な対応、ソフトウエアのア
ップデートなどの運用面での負担は非常に大きい状況でした。
バリオセキュアのサービスではVSRが1台で多様なセキュリティ機能を提供します。機器の購入は不要で
レンタル機器にてセキュリティシステムを導入することができます。また、セキュリティ機能ごとに月額
費用が設定されており、ユーザ企業は多様なセキュリティ機能の中から必要なオプションを選択すること
ができ、VSRは様々なニーズに対応可能です。ユーザは、契約の開始時点のみ発生する初期費用及び月額費
用を払うだけで、コントロールパネルの利用や設定変更、ソフトウエアのアップデート、監視や出張対応
による現地での保守など、ネットワークセキュリティの運用に際して必要となる殆どの工数をバリオセキ
ュアに委託することができ、業務負担を低減することができます。
このように、バリオセキュアの統合型インターネットセキュリティサービスは、ネットワークセキュリ
ティの導入から管理、運用・保守までをサービスとしてワンストップで提供し、ユーザから初期費用及び
定額の月額費用を徴収する積み上げ型のビジネスモデルとなっております。
ユーザは、自社で専門技術を持つIT責任者を設置することが困難な中堅、中小企業がメインです。
2025年2月末で7,670拠点(VSR設置場所数)の日本全国で稼働しております。
バリオセキュアのVSRは自社開発品です。自社の技術者やシステムインテグレーター(SIer)(*1)を
通じてセキュリティ機器を導入・運用する企業は、海外の仕様書を見ながら初期設定やカスタマイズを施
し、自社で定期的なソフトウエアのアップデートを行い、トラブル発生の際には海外メーカーに数日間か
けて問い合わせるなど、一般的には多大な労力と時間を必要とします。バリオセキュアは自社開発品を初
期導入から運用・保守までワンストップで提供しているため、迅速な対応が可能となっております。不具
合やトラブルは、顧客(エンドユーザ)からバリオセキュア又は販売代理店への問い合わせのほか、バリ
オセキュアがリモート監視により能動的に検知してサポートを行っております。運用・保守は、バリオセ
キュアのエンジニアが可能な限り、遠隔操作により対処します。ハードウエア等の故障については、業務
委託先の倉庫等全国に在庫を配備し、4時間以内の駆け付け目標により機器交換に迅速に対応しておりま
す。
(*1)システムインテグレーター(SIer)とは、情報システムの設計、構築、運用等の業務を顧客より
請け負う情報通信企業を言います。
(ii)データのバックアップサービス(VDaP)
一般的に企業の大切なデジタルデータが、インターネットの脅威から隔離され、障害が発生した場合で
もそれまでの事業の継続性を担保することが、企業の大きな課題となっております。
バリオセキュアのバックアップサービスは、ハードウエアの機器にバックアップデータが保存される
VDaPとデータセンターへの保存を組み合わせたバックアップサービスとなっております。一時的に企業の
デジタルデータをVDaPにバックアップした後に、自動的にデータセンターへもデータを転送することで、
より一層の耐障害性を高めております。バックアップデータの保持は、最新及び過去のデータがバージョ
ン管理されたデータとして保持されております。データの復旧を行う際にも、お客様が利用しやすいイン
ターフェースを提供することで、必要なデジタルデータを簡単に選択して、復旧することができます。
VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスの監視/運用サービスにおける経験を活か
し、機器の設置、障害時の対応に関しても、その仕組みを活かすことで効率的に全国をカバーしたサービ
ス提供を実施しております。
(iii)エンドポイントセキュリティサービス(Vario EDR)
サイバー攻撃が巧妙になり、従来のウイルス対策ソフトでは検知できないウイルスやマルウェアによる
企業のセキュリティ被害の拡大が懸念されます。
バリオセキュアのマネージド型EDRサービス「Vario EDR」では、社内やテレワーク利用PCのセキュリテ
ィリスクを検知し安全な業務環境を実現します。EDR(Endpoint Detection & Response)は、ウイルス対策
ソフトが検知できずに侵入したウイルスやマルウェアの行動を監視し、サイバー攻撃の実行を阻止する仕
組みです。サイバー攻撃対策に有効なEDRですが、リスク判定や判断後の対応が難しいことから運用負担が
大きくなる傾向にありますがVario EDRサービスでは、リスクレベルのスコア化と、サイバー攻撃の発見と
対応を支援する仕組みにより、セキュリティ対策を少ない運用負担で実現します。
(iv)VarioマネージドLAN/Wi-Fiサービス
企業のDX化に伴い情報システム担当者への業務負担は増加傾向にあります。
バリオセキュアのVarioマネージドLAN/Wi-Fiサービスでは、オフィスLAN/Wi-Fi環境の管理負担やセキュ
リティ強化をマネージドサービスとして機器の管理や脆弱性対応を行うことで、オフィス内のネットワー
ク環境の安全性を維持します。オフィスのネットワークは、構成するネットワークスイッチやWi-Fiアクセ
スポイントの安定稼働が前提に成り立っています。現在のネットワーク環境をより安定的に運用するため
に必要不可欠な脆弱性対応をはじめとするセキュリティリスクの軽減や、不測の事態に備えた迅速な障害
特定に対応する仕組みをマネージドサービスとして提供することで、安心のビジネスインフラを最小限の
管理負担で実現します。
b.インテグレーションサービス
バリオセキュアのインテグレーションサービスには、中小企業向け統合セキュリティ機器(UTM)である
VCR(Vario Communicate Router)の販売とネットワーク機器の調達や構築を行うネットワークインテグレー
ションサービス(以下、IS)があります。
(i)VCR
サイバーセキュリティ基本法の改定といった法規制の影響もあり、より小規模(従業員数50名未満)の
事業者やクリニックなどでセキュリティ意識が高まっていることを受け、セキュリティアプライアンス機
器であるVCRの販売も行っております。VCRは、マネージドセキュリティサービスと異なり、UTM製造の世界
有数の企業であるSOPHOS Ltd.の製品を自社ブランドとして輸入し、中小企業を専門とする販売代理店を通
じてエンドユーザに販売する事業として実施しております。なお、販売した機器、ハードウエア障害など
については、バリオセキュア又は販売代理店のサポート窓口経由で、メーカーが保証期間に亘りサポート
しております。
(ii)ネットワークインテグレーションサービス(IS)
統合型インターネットセキュリティサービスでは、外部へのアクセスを可能にするインターネットと社
内のネットワークの境界を監視するゲートウェイとしてバリオセキュア機器を設置することから、企業よ
りゲートウェイ周辺で利用するネットワーク機器の調達や設定、インターネットへの接続全般の設計や構
築のニーズがあります。そのため、通信ネットワーク及び機器等の導入のための設計、調達、構築を専門
に行う人員を配置し、ネットワークの設計/調達/構築全般を実施し、企業ネットワーク領域全般への業容
拡大を図っております。なお、販売した機器、ハードウエア障害などについては、バリオセキュア又は販
売代理店のサポート窓口経由で、メーカーが保証期間に亘りサポートしております。
[事業系統図]
AI Security事業(バリオセキュア)の事業系統図は以下のとおりです。
注:販売代理店との間の契約では、一部、顧客(エンドユーザ)とバリオセキュアが直接代金の授受及びサポートを行う契約があります。また、Vario EDRについては定額の月額利用料のみ発生いたします。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
Ⅰ 経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。
その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。
そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。
このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。当連結会計年度は、AI/DX事業・AI Security事業ともに、当社グループが提供する様々なAIエージェントが事業成長を牽引し、前連結会計年度から更に売上成長を達成しました。
また、2024年8月には、当社のグループ会社であるVOIQ株式会社が、bizy株式会社の展開するセールス支援事業等の譲り受けを行いました。本事業譲受を通じて、VOIQ社がグループ全体におけるインサイドセールスの機能を担うとともに、セールス領域・コンタクトセンター領域において、当社グループのAI関連技術を活用し、AIエージェントとしての成長・AI BPaaSモデルの推進を進めております。VOIQ社は、事業譲受後、早々に当社やバリオセキュア株式会社を中心にインサイドセールス機能を担ったほか、HEROZ ASKの活用等を通じてその他のグループ会社についても支援を広げており、またグループ外の顧客への受注も増加しております。今後も、スピード感をもってシナジー増大を進めてまいります。
なお、セグメント別の経営成績の概況は以下のとおりです。
(ⅰ)AI/DX事業
当連結会計年度において、当社グループのAI/DX事業については、BtoC領域におけるコラボ企画の実施・新サービスリリース・機能追加や、BtoB領域におけるグループ会社追加・オーガニックでの案件数増加等の効果により、安定した収益を上げました。なお、当連結会計年度に子会社化したVOIQ株式会社は、AI/DX事業となります。
BtoC領域については、もともと市場において有している圧倒的なネットワーク外部性に加え、将棋への注目度向上が続いたこともあり、「将棋ウォーズ」「棋神アナリティクス」「棋神ラーニング」ともに安定した収益を上げました。当連結会計年度は、「僕とロボコ」のコラボ企画や、棋神戦ヨーロッパ大会の実施、棋神のアップデート等を実施したほか、2025年2月には、将棋ウォーズで累計対局数10億局を達成し、達成を記念して新サービス「スプリント」をリリースしました。スプリントリリースの効果等もあり、将棋ウォーズのMAU(Monthly Active User)や対局数は引き続き増加しており、今後も、新規サービスのリリース・機能アップデートなどを通じ、ユーザの皆様の満足度向上・将棋人口最大化を追求してまいります。
また、BtoB領域についても、LLMやAIエージェントに関する投資拡大・注目度向上を受け、案件数・引き合いの増加や大型案件の獲得等もあり、収益が拡大しております。当連結会計年度前半は、契約開始時期のズレ等により売上計上の進捗に遅延が見られておりましたが、後半にかけて徐々に案件が開始し、下半期については、売上・稼働案件数ともに前年同期を大きく上回る成長を達成しました。加えて、「HEROZ ASK」「AIさくらさん」等のリカーリング売上も引き続き増加したほか、株式会社ストラテジットが提供する「JOINT iPaaS for SaaS」も下半期にかけて徐々に売上が拡大しております。BtoB領域においては、2026年4月期以降も見込み案件が多く、引き続き、前期を上回る成長を目指してまいります。
当セグメントにおいて、LLMの活用・社会実装は事業戦略の中核となるテーマであります。その取り組みとして、2024年5月に生成AIを活用したエンタープライズ向けAI アシスタントSaaS「HEROZ ASK」を本リリースしました。HEROZ ASKは、リリース後も機能追加・拡充を継続しており、2025年1月には新機能「議事録AI」を、4月にはAPI連携機能をリリースしました。5月には累計契約顧客数が250社を突破し、なおも売上・顧客数ともに増加しており、当社のAI BPaaSの中心となるSaaSとして、今後も機能アップデート・事業拡大に取り組んでまいります。
(ⅱ)AI Security事業
AI Security事業は、当社グループ会社であるバリオセキュア株式会社が提供する、インターネットセキュリティ関連の事業となります。
同社は、主に中小企業向けのセキュリティ対策を支援するため、「マネージドサービスの対応領域拡大・競争力強化」「成長セキュリティ市場への参入」「既存販売網と異なる新規営業体制の強化」を中期経営計画の目標として定め、実現に向けて人材の獲得、サービス企画・事業開発の強化、ソフトウエア開発等の事業投資を行ってまいりました。
そして、当連結会計年度においては、中堅・中小企業向けサイバー攻撃対策として、セキュリティ対策の構築から運用まで、24/365WORKで請け負うSecurity BPaaS(BPO as a service)「Vario Ultimate ZERO」を2024年8月より販売開始いたしました。
このような状況のもと、マネージドセキュリティサービスの売上収益は、ストック型の積み上げとその低解約率(0.71%)(注)により、安定的に推移しました。特にエンドポイントセキュリティ対策としてサイバー攻撃の兆候を検知するVarioマネージドEDRは、引き続き高い成長となりました。
(注)解約率(金額ベース)=年間解約金額÷(各年度の期初ベース月次売上収益×12)
費用面に関して、コーポレート機能については適切なコストコントロールを進めましたが、一方で、事業・サービス拡大に伴う、主に営業・マーケティング人材の採用強化による人件費等の増加、また昨今の物価高騰に伴う通信費・各種ライセンス費用等の増加や、新規プロダクト(HEROZ ASK・JOINT)への先行投資等により、売上原価・販売費及び一般管理費は前期比で増加しております。
また、2025年5月29日に「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて発表いたしました通り、特別損失として減損損失96,987千円を計上したほか、主にグループ会社に関して繰延税金資産を新たに計上したこと等により、連結全体での法人税等調整額(△は利益)は減少し△16,359千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,929,797千円(前期比22.5%増)となり、EBITDA(注)793,932千円(前期比11.9%減)、営業利益306,429千円(前期比32.1%減)、経常利益228,233千円(前期比38.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失177,709千円(前期は1,134,535千円の損失)となりました。
(注)EBITDA(営業利益+減価償却費+敷金償却+のれん償却額(特別損失計上分を除く)+株式報酬費用+棚卸資産評価損)
なお、当社グループの当連結会計年度におけるセグメント別の損益状況については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ456,434千円増加し、8,147,668千円となりました。これは主に、現金及び預金が1,004,074千円、ソフトウエア仮勘定が226,058千円減少した一方で、預け金が1,410,387千円、ソフトウエアが318,161千円増加したことによります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ398,071千円増加し、2,946,230千円となりました。これは主に、短期借入金の増加200,000千円及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の増加450,606千円があったこと等によります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ58,363千円増加し、5,201,437千円となりました。これは主に、利益剰余金が177,709千円減少した一方で、非支配株主持分が208,799千円増加したことによります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首より404,390千円増加し、3,145,823千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、219,035千円(前期は464,004千円の収入)であります。
この主な要因は、税金等調整前当期純利益131,245千円、減価償却費259,069千円、のれん償却額157,771千円、法人税等の支払額204,030千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、479,275千円(前期は1,217,003千円の使用)であります。
この主な要因は、有形固定資産の取得による支出86,907千円、無形固定資産の取得による支出332,364千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、664,630千円(前期は303,958千円の使用)であります。
この主な要因は短期借入れによる収入200,000千円、長期借入れによる収入800,000千円及び長期借入金の返済による支出349,394千円等によるものであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
② 受注実績
提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年5月1日 至 2025年4月30日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
AI/DX事業 |
3,262,257 |
148.2 |
AI Security事業 |
2,667,539 |
101.1 |
合計 |
5,929,797 |
122.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年5月1日 至 2024年4月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年5月1日 至 2025年4月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社USEN ICT Solutions |
797,465 |
16.5 |
868,706 |
14.6 |
Apple Inc. |
614,212 |
12.7 |
658,543 |
11.1 |
ソフトバンク株式会社 |
584,728 |
12.1 |
- |
- |
3.ソフトバンク株式会社の当連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
Ⅱ 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
① のれんの評価
のれんについては、内訳は下記の通りであり、いずれも取得時点での対象会社の将来の事業計画等に基づいて超過収益力を検討し、計上しております。
・987,195千円 2022年9月に、バリオセキュア株式会社を連結子会社化した際に発生したもの
・240,810千円 2023年11月に、株式会社エーアイスクエアを連結子会社化した際に発生したもの
・632,444千円 2024年3月に、株式会社ティファナ・ドットコムを連結子会社化した際に発生したもの、及
び、条件付取得対価の内容に基づき追加的に認識したもの
・36,000千円 当連結会計年度において子会社として設立したVOIQ株式会社が計上したもの
のれんの減損判定については、グループ会社における継続した営業損失の発生、経営環境の著しい悪化、事業計画からの大幅な乖離等の有無をもとに減損の兆候の有無を検討しています。減損の兆候を識別した場合には、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定しています。減損損失の認識が必要と判定された場合、当該のれんについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。
なお、当連結会計年度においては、減損の兆候はなく、減損損失は認識しておりません。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、グループ会社の事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
② その他の固定資産の評価
当社グループでは、のれんの他にも、有形固定資産、ソフトウエアなどの固定資産を保有しており、当連結会計年度末時点において、連結貸借対照表において有形固定資産を215,401千円、無形固定資産(のれんを除く)を675,947千円計上しております。
その他の固定資産の減損判定にあたっては、定期的に各資産グループについての減損の兆候の判定を行い、減損の兆候がある場合には、その回収可能価額を見積もっております。回収可能価額の見積りには、当該資産グループから得られると見込まれる将来キャッシュ・フローを使用しております。将来キャッシュ・フローの予測は、将来の市場動向や事業活動の状況等を勘案して策定しておりますが、将来キャッシュ・フローの予測が変更され、回収不能と判断される場合、減損損失を計上する可能性があり、当連結会計年度においては、グループ会社の株式会社ストラテジットにおけるソフトウエアの一部に関して、減損損失96,987千円を計上しております。
上記の減損損失計上に関しては、判定に使用する事業計画の策定及び回収可能価額の算定等において、当該資産グループに紐づく売上高・費用見込みや設備投資予定額、将来キャッシュ・フローの不確実性等を考慮した割引率が主要な仮定となっており、過去及び直近の実績や経営環境等を勘案して決定しております。株式会社ストラテジットのソフトウエアに関しては、上記の仮定に基づき事業計画・将来キャッシュ・フロー等を精査した結果、回収不能と認められる部分について、減損損失を計上することとなりました。
なお、当連結会計年度に計上することとなった減損損失はソフトウエアの一部であり、今後の事業計画・経営環境等を鑑みて、回収可能と認められる部分については引き続きソフトウエアとして計上しております。当連結会計年度末時点での当該ソフトウエアの残高は、98,006千円となります。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
当社グループとしては、各グループ会社との情報交換・連携を緊密にするとともに、グループ会社における業績状況・事業環境等を定期的にモニタリングし、これらのリスクに対応してまいります。
③ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産については、将来事業年度の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で繰延税金資産を計上しています。今後の経営環境の変化等によっては、翌事業年度において、当該将来事業年度の課税所得の見積り及び繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
④ 関係会社株式の評価
市場価格のある株式等は、その時価が著しく下落した時は、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当事業年度の損失として認識しております。
また非上場の関係会社に対する投資等、市場価格のない株式等は取得価額をもって貸借対照表価額としていますが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した時には、回復可能性が十分な論拠によって裏付けられている場合を除いて、相当の減額を行い、評価差額を当事業年度の損失として認識しております。
なお、当事業年度においては、株式会社ストラテジットの株式について231,892千円の関係会社株式評価損を計上しております。
株式の評価については慎重に検討を行っておりますが、今後の経営環境の変化等によって発行体の業績・事業状況が悪化した場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
そのほか、貸倒引当金、賞与引当金、株主優待引当金の計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおり計上を行っております。いずれも過去の実績に基づき算定しており、会計上の見積りの重要性は低く、当社の経営成績等に与える影響は軽微であると判断しております。
(2)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
①財政状態の分析
財政状態に関する分析は、「Ⅰ 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
②経営成績の分析
a 売上高
当連結会計年度の売上高は、5,929,797千円(前期比22.5%増)となりました。セグメント別の分析は以下のとおりです。
・AI/DX事業
AI/DX事業については、BtoC領域におけるコラボ企画の実施・新サービスリリース・機能追加や、BtoB領域におけるグループ会社追加・オーガニックでの案件数増加等の効果により、安定した収益を上げ、売上高は3,262,257千円となりました。なお、売上高については連結内部の取引消去後の金額となります。
BtoC領域については、もともと市場において有している圧倒的なネットワーク外部性に加え、将棋への注目度向上が続いたこともあり、「将棋ウォーズ」「棋神アナリティクス」「棋神ラーニング」ともに安定した収益を上げました。当連結会計年度は、「僕とロボコ」のコラボ企画や、棋神戦ヨーロッパ大会の実施、棋神のアップデート等を実施したほか、2025年2月には、将棋ウォーズで累計対局数10億局を達成し、達成を記念して新サービス「スプリント」をリリースしました。スプリントリリースの効果等もあり、将棋ウォーズのMAU(Monthly Active User)や対局数は引き続き増加しており、今後も、新規サービスのリリース・機能アップデートなどを通じ、ユーザの皆様の満足度向上・将棋人口最大化を追求してまいります。
また、BtoB領域についても、LLMやAIエージェントに関する投資拡大・注目度向上を受け、案件数・引き合いの増加や大型案件の獲得等もあり、収益が拡大しております。当連結会計年度前半は、契約開始時期のズレ等により売上計上の進捗に遅延が見られておりましたが、後半にかけて徐々に案件が開始し、下半期については、売上・稼働案件数ともに前年同期を大きく上回る成長を達成しました。加えて、「HEROZ ASK」「AIさくらさん」等のリカーリング売上も引き続き増加したほか、株式会社ストラテジットが提供する「JOINT iPaaS for SaaS」も下半期にかけて徐々に売上が拡大しております。BtoB領域においては、2026年4月期以降も見込み案件が多く、引き続き、前期を上回る成長を目指してまいります。
当セグメントにおいて、LLMの活用・社会実装は事業戦略の中核となるテーマであります。その取り組みとして、2024年5月に生成AIを活用したエンタープライズ向けAI アシスタントSaaS「HEROZ ASK」を本リリースしました。HEROZ ASKは、リリース後も機能追加・拡充を継続しており、2025年1月には新機能「議事録AI」を、4月にはAPI連携機能をリリースしました。5月には累計契約顧客数が250社を突破し、なおも売上・顧客数ともに増加しており、当社のAI BPaaSの中心となるSaaSとして、今後も機能アップデート・事業拡大に取り組んでまいります。
・AI Security事業
AI Security事業について、当連結会計年度の売上高は2,667,539千円となり、前連結会計年度に比べ27,867千円増加しました。なお、売上高については連結内部の取引消去後の金額となります。
マネージドセキュリティサービスでは、Vario EDRが主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービス
の案件獲得等によるライセンス数が増加したほか、インテグレーションサービスでも、ネットワーク構築も
含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)における高単価な件
数の納品が増加しており、主にこれらの効果により売上高が伸長しております。一方で、VCRにおいては、競
合環境の激化により販売数の回復に至っていないため、売上が減少しました。
b 売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益
当社グループの売上原価、販売費及び一般管理費については、人材関連費用、広告宣伝費、機械学習用サーバ等設備の減価償却費・通信費、BtoCサービスに係る課金決済手数料、支払手数料が主な内容となります。
当連結会計年度は、コーポレート機能については適切なコストコントロールを進めましたが、一方で、事業・サービス拡大に伴う、主に営業・マーケティング人材の採用強化による人件費等の増加、また昨今の物価高騰に伴う通信費・各種ライセンス費用等の増加や、新規プロダクト(HEROZ ASK・JOINT)への先行投資等により、売上原価・販売費及び一般管理費は前期比で増加しております。また、2025年5月29日に「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて発表いたしました通り、特別損失として減損損失96,987千円を計上したほか、主にグループ会社に関して繰延税金資産を新たに計上したこと等により、連結全体での法人税等調整額(△は利益)は減少し△16,359千円となりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上原価は3,241,852千円となり、当連結会計年度の売上総利益は2,687,944千円となりました。また、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,381,515千円となり、当連結会計年度の営業利益は306,429千円(前期比32.1%減)となりました。
c 営業外収益、営業外費用、経常利益、特別損益
営業外収益及び費用については、当社が出資する投資事業組合に関する運用損益や、借入金に関する支払利息、株主優待関連費用等が主な内容となります。そのほか、当連結会計年度は特別損失としてソフトウエアの減損損失96,987千円が発生しております。
これらの結果、当連結会計年度の経常利益は228,233千円(前期比38.1%減)、税金等調整前当期純利益は131,245千円(前期は純損失707,315千円)となりました。
上記a~cの結果を受け、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は177,709千円(前期は1,134,535千円の損失)となりました。なお、法人税等調整額を含む法人税等合計は106,003千円となっております。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの分析・検討内容については、「Ⅰ 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載した通り、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。
その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDXに関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、ChatGPTのリリースに端を発した、各産業におけるAIXに関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLMを含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。
そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。
このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。現在市場に流通しているAIエージェントの多くは、特化型エージェントやワークフロー補助型エージェントなど、ある程度定式化されたプロセス内での業務遂行・実行を行うものとなっておりますが、当社グループは、そこからさらに進化した「AI Agent2.0」として、「Meta Agent」(課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行までを完全自律的に遂行し、業務全体を再構築できる自律型AIエージェント)の実現を目指し、社会全体への価値提供・事業成長に繋げてまいりたいと考えております。
(6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や自社サーバ購入等を目的とした資金需要は自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討してまいります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,145,823千円、有利子負債の残高は2,054,662千円となっております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、事業内容の関連性及び事業規模に基づき事業セグメントを集約し、「AI/DX事業」及び「AI Security事業」の2事業を報告セグメントとしております。
・AI/DX事業
当社グループに蓄積されたAI技術・ノウハウ・データを活用し、AI・SaaS導入支援やSaaS間連携開発等を提供することにより各企業・業界のAI/DX化推進を目指す事業が対象となります。具体的には、HEROZ株式会社のBtoCサービス、BtoBサービスに加えて、株式会社ストラテジットが提供するSaaS導入支援やAPI連携開発、株式会社エーアイスクエアが提供するコンタクトセンター領域のサービス、株式会社ティファナ・ドットコムが提供するDXソリューション「AIさくらさん」、VOIQ株式会社が提供するAIを活用したインサイドセールス支援事業等が含まれています。
・AI Security事業
マネージドセキュリティサービス・インテグレーションサービスを中心に、AI技術を利用して高度なインターネットセキュリティの実現を目指す事業が対象となります。具体的には、バリオセキュア株式会社が提供するAI Security事業になります。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
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(単位:千円) |
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報告セグメント |
調整額 (注)1 |
連結財務諸表計上額 |
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AI/DX事業 |
AI Security事業 |
計 |
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売上高 |
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外部顧客への売上高 |
2,201,968 |
2,639,671 |
4,841,640 |
- |
4,841,640 |
セグメント間の内部売上高 又は振替高 |
10,573 |
752 |
11,326 |
△11,326 |
- |
計 |
2,212,542 |
2,640,423 |
4,852,966 |
△11,326 |
4,841,640 |
セグメント利益 |
677,064 |
789,192 |
1,466,256 |
△1,014,905 |
451,351 |
その他の項目 |
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減価償却費 |
73,372 |
108,071 |
181,443 |
- |
181,443 |
のれん償却額 |
33,871 |
138,267 |
172,139 |
- |
172,139 |
(注)1.セグメント利益の調整額△1,014,905千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3.セグメント資産及び負債は、取締役会に対して定期的に提供されておらず、経営資源の配分決定及び業績評価の検討対象になっていないため記載を省略しております。
4.その他の項目ののれん償却額は、販売費及び一般管理費に計上されている金額であり、特別損失で計上しているのれん償却額891,209千円は含めておりません。
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
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(単位:千円) |
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報告セグメント |
調整額 (注)1 |
連結財務諸表計上額 |
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AI/DX事業 |
AI Security事業 |
計 |
||
売上高 |
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外部顧客への売上高 |
3,262,257 |
2,667,539 |
5,929,797 |
- |
5,929,797 |
セグメント間の内部売上高 又は振替高 |
9,562 |
- |
9,562 |
△9,562 |
- |
計 |
3,271,820 |
2,667,539 |
5,939,359 |
△9,562 |
5,929,797 |
セグメント利益 |
775,896 |
789,335 |
1,565,231 |
△1,258,802 |
306,429 |
その他の項目 |
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減価償却費 |
129,100 |
129,968 |
259,069 |
- |
259,069 |
のれん償却額 |
71,928 |
85,843 |
157,771 |
- |
157,771 |
(注)1.セグメント利益の調整額△1,258,802千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3.セグメント資産及び負債は、取締役会に対して定期的に提供されておらず、経営資源の配分決定及び業績評価の検討対象になっていないため記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:千円) |
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
Apple Inc. |
614,212 |
AI/DX事業 |
株式会社USEN ICT Solutions |
797,465 |
AI Security事業 |
ソフトバンク株式会社 |
584,728 |
AI Security事業 |
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:千円) |
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
Apple Inc. |
658,543 |
AI/DX事業 |
株式会社USEN ICT Solutions |
868,706 |
AI Security事業 |
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
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(単位:千円) |
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AI/DX事業 |
AI Security事業 |
計 |
全社・消去 |
合計 |
減損損失 |
96,987 |
- |
96,987 |
- |
96,987 |
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
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(単位:千円) |
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AI/DX事業 |
AI Security事業 |
計 |
全社・消去 |
連結財務諸表計上額 |
当期償却額 |
33,871 |
1,029,476 |
1,063,348 |
- |
1,063,348 |
当期末残高 |
890,665 |
1,073,038 |
1,963,704 |
- |
1,963,704 |
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
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(単位:千円) |
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AI/DX事業 |
AI Security事業 |
計 |
全社・消去 |
連結財務諸表計上額 |
当期償却額 |
71,928 |
85,843 |
157,771 |
- |
157,771 |
当期末残高 |
909,255 |
987,195 |
1,896,451 |
- |
1,896,451 |
(注)前連結会計年度に行われた株式会社ティファナ・ドットコムとの企業結合について、取得原価の配分が完了していなかったため、その時点で入手可能な合理的情報に基づき暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に取得原価の配分が完了し、会計処理を確定しております。また、当連結会計年度において同社株式の取得に係る条件付取得対価の一部について追加の支払が確定したことにより、AI/DX事業においてのれん55,165千円を追加的に計上しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
該当事項はありません。