2026年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 30,946 100.0 8,990 100.0 29.1

3【事業の内容】

 現在、スマートフォンやIoTの普及により、日々生み出されるデータは加速度的に増加しております。当社グループは、この様々なデータ(ビッグデータ)を「新しい資源」として捉えており、この資源を活用して企業や社会に様々な価値をもたらすソフトウェア及びサービスの提供を行っております。

 

 当社グループは、当社、連結子会社8社および持分法適用会社1社で構成されており、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。

 

[帳票・文書管理ソリューション(BDS)]

 帳票・文書管理ソリューションでは、帳票に関する業務基盤として国内で最も多く利用されているソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しています。請求書、納品書、発送伝票、eチケットなどの業務帳票から公的機関が発行する各種証明書まで社会の様々な場所で帳票の作成や出力、管理に利用されています。主力の「SVF」は、帳票の作成や出力を担っています。現在では「SVF」での帳票出力の85%はデジタル化されています。文書管理基盤の「invoiceAgent」と合わせて企業、公的機関の多くでデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に貢献しています。

 当社グループは帳票ソフトウェアの先駆者として、多くの顧客にご利用頂いており、機能の豊富さやシステムの安定性等が評価されております。その結果、「SVF」の帳票市場(帳票運用製品)における市場シェアは、65.1%(注)となっております。主なソフトウェア及びサービスは以下のとおりです。

(注)デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社発刊 ミックITリポート2021年11月号「帳票設計・運用製品の市場動向 2021年度版」図表2-3.[運用]製品のベンダー別売上・シェア動向 2020年度実績

(主な連結会社) 当社、文雅科信息技術(大連)有限公司、文雅科信息技術(上海)有限公司、

WINGARC SINGAPORE PTE. LTD.

 

(a)SVF

 当社グループの主力製品である「SVF」は、帳票開発の効率化と多様な出力要件に応えるための帳票基盤ソリューションです。「SVF」は、日本固有の複雑な帳票フォームをノンプログラミングで直感的に設計し、PDF、Excel、紙などへ多様な形式で出力できるソフトウェア/ソリューションです。独自開発のソフトウェアにより高い汎用性を有しており、メーカーやOSの種類に依存しない帳票運用を実現しています。企業や公的機関の多くで複数のシステムを共通化した帳票基盤として活用されており、システム運用の効率化や内部統制の強化に貢献しています。

 「SVF Cloud」は、従来の「SVF」の強みに加え、柔軟性とリアルタイム性を兼ね備えた帳票クラウドサービスです。クラウド上でのSFAサービスを提供している株式会社セールスフォース・ドットコムと連携した「SVF Cloud for Salesforce」やビジネスプラットフォームを提供しているサイボウズ株式会社と連携した「SVF Cloud for kintone」を提供しております。更に、Web API機能により様々なクラウドサービスと連携し、企業間のシステムの違いやシステム変更にも柔軟に対応することができます。また、外出先で、スマートフォンやタブレットからその場でPDFの見積書を出力する、といったリアルタイム性が求められる場面での利用も可能となっております。

 

(b)invoiceAgent

 「invoiceAgent」は、企業や公的機関で流通している帳票を電子化し、保管から流通までを一元管理することで、生産性の大幅な向上を実現するソフトウェア及びクラウドサービスです。「invoiceAgent」は、電子文書の保管・管理業務を効率化するとともに、電子化された文書からデータを自動的に抽出し、他の業務システムにシームレスに連携させることができます。さらに、企業間で紙をベースにやり取りされている見積書や請求書等の書類をプラットフォーム上で電子的に送付・受領を行うことが可能で、関連する業務の大幅な効率化が可能です。また、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法及び2023年10月に導入されたインボイス制度に対応しており、企業は「invoiceAgent」を導入することによりこれらの法的要件を満たすことが可能となります。

 

[データエンパワーメントソリューション(DE)]

 データエンパワーメントソリューションでは、エンドユーザーに対して、ソフトウェアの販売、クラウドサービス、保守サポートの提供を主に行っております。これらは様々な種類のデータを組み合わせ、分析することにより、気づきや今までにない価値を生み出すビジネスの基盤となる(一般的にビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)と呼ばれる)ソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しています。生産性の向上やビジネスプロセスの効率化による経営スピードの向上を実現することをコンセプトとし、データの集計、分析、可視化、意思決定支援というデータ活用の一連の流れをカバーしております。企業の業務プロセス等に組み込まれるなどして、経営者から現場の業務担当者まで多くの方々にご利用頂いております。

主なソフトウェア及びサービスは以下の通りです。

(主な連結会社) 当社、株式会社Everforth、株式会社traevo、ウイングアークNEX株式会社、WINGARC AUSTRALIA PTY LTD

 

(c)Dr.Sum

 「Dr.Sum」は、企業内外のデータを収集、蓄積し、そのデータを加工・分析することによって企業の意思決定に活用することを目的としたソフトウェアです。数百億件ものビッグデータを数秒で処理できる性能と、ユーザーが使い慣れたwebベースとExcelベースのユーザーインターフェースを備えており、システム担当者でなくともビッグデータの集計や分析を容易に行うことが可能となっております。また、「Dr.Sum」上で販売や会計といった社内の様々なデータを統合管理することで、企業を支える情報分析基盤として利用されております。また、様々なクラウドサービスの普及によりクラウド上に存在するデータが加速度的に増加しているため、クラウドサービスとの連携が容易な「Dr.Sum Cloud」のニーズも拡大しております。

 

(d)MotionBoard

 「MotionBoard」は、企業をとりまく様々なデータを価値ある情報に変え、企業にイノベーションをもたらすことをコンセプトとした情報活用ダッシュボードです。

 第一の特徴は多彩な表現力です。PC画面上にグラフィカルな数多くのチャートを自由に配置可能で、業務内容の確認から事業戦略の遂行状況の確認まで、目的に合わせた使い方が可能です。また、GIS機能を備えており、位置情報を持つデータを地図上にプロットすることが可能です。これにより、競合店舗情報と人口動態情報を組み合わせた店舗戦略や走行情報を利用したトラックの運行管理等、新しい情報活用の形が生まれております。第二の特徴は、リアルタイム処理です。「MotionBoard」は、基幹システム、情報系システム、SFAや CRM、外部のクラウドサービス等様々なデータソースとリアルタイムに接続し、これらの情報を一つのチャート上で統合し、分析して可視化することができます。またノンプログラミングで利用できることが特長で、多くは企業内のシステムに組み込まれる形で利用されています。近年では、Salesforceと連携した営業の生産性向上や小売業でのビッグデータ活用に加え、IoTで発生するデータの分析、可視化や閾値の設定によるリスク検知等にも利用されています。第三の特徴は、高いメンテナンス性です。通常、情報システムの構築は、高度な知識を持ったシステム担当者が行うことが一般的ですが、「MotionBoard」は、ユーザーが自由な発想で可視化や分析を行うことを想定しているため、データの設定から表示項目やチャートの選定、配置までユーザー自身で行うことが可能です。これにより、業務フローの変更等にも迅速に対応できます。

 

(e)プロフェッショナルサービス

 当社グループのソフトウェア及びサービスは、導入が容易であることが特徴の一つですが、大規模案件では、複雑なシステム要件が発生することがあります。そのような場合には、システムに熟知した当社の技術スタッフが、導入支援サービスの提供を行っております。また、近年では、製造業でのIoTを用いた工場の可視化や小売業でのビッグデータ分析といった業界特有の課題解決のニーズが増加しており、このような要望に対しては、社内の専門チームが要件定義から導入まで、総合的なコンサルティングサービスを提供しております。

 

[用語の説明]

 本書において使用しているIT業界特有の主な用語についてご説明いたします。

用語

説明

SIer

システムインテグレーター(System Integrator)の略。主に企業のシステム構築、運用業務を一括して請け負う事業者。

IoT

Internet of Thingsの略。通信技術やインフラの発達により、インターネットを介して、あらゆるものがネットワークにつながること。

AI

Artificial Intelligenceの略。人間の脳が行っているような認識や判断といった作業を自律的に行うソフトウェアやシステム。

SFA

Sales Force Automationの略。案件管理や見込管理等、企業の営業活動の効率化を目的とするソフトウェアやシステム。

CRM

Customer Relationship Managementの略。顧客属性や対応履歴を管理し、顧客ごとに最適な対応を行うことで、長期的に良好な関係を築き、結果として収益の最大化を目的とするソフトウェアやシステム。

API

Application Programming Interfaceの略。外部の他のプログラムから機能やデータなどを呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めたもの。開発効率やシステム間連携が大幅に向上する。

BI

ビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)の略。企業活動によって生じた様々なデータを集計・分析し、企業の意思決定を支援するソフトウェアやシステム。

GIS

Geographical Information Systemの略。デジタル化された地図情報と位置情報を持ったデータを統合し、情報全体の視覚的な把握を可能とするソフトウェアやシステム。

KPI

Key Performance Indicatorの略。企業における業績管理評価のための重要な指標。

DX

デジタルトランスフォーメーションの略。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

 

 事業系統図は次のとおりであります。

[事業系統図]

 

 

 (注) 上記系統図の子会社は当社グループの事業上重要なものについて記載しております。

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。

 

 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。

 

(1)経営成績の状況

 当連結会計年度(2025年3月1日~2026年2月28日)における我が国の経済環境は、雇用・所得環境の改善や企業収益の底堅さを背景に、設備投資は堅調に推移し、訪日外客数の回復を背景としたインバウンド需要も引き続き内需を下支えしました。一方で、物価上昇の継続により個人消費の回復にはなお弱さもみられ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。海外経済においては、世界全体では成長の底堅さがみられる一方、イラン戦争勃発による石油の供給不安、中東・ウクライナ等の地政学リスク、中国経済の減速懸念など、先行きに対する懸念は拡大しております。

 

 当社グループが属する企業向けIT市場においては、企業の競争力強化や業務効率化を目的としたDX投資が継続しており、クラウド移行、既存システムの刷新・モダナイゼーション、データ活用基盤の整備に加え、生成AIの業務実装やAI活用を前提とした業務プロセスの見直しが加速しております。こうした動きは大企業にとどまらず、中堅・中小企業にも広がっており、IT投資の重点は、単なるデジタル化から、業務変革、生産性向上、顧客接点の高度化を伴う実効性重視の取り組みへとシフトしております。また、官公庁・自治体分野においても、ガバメントクラウドへの移行、地方公共団体の情報システム標準化、行政サービスの高度化が進展しているほか、政府における生成AI活用基盤の整備も進められており、今後もデジタル基盤の整備や情報連携基盤の構築、住民・事業者向けデジタルサービスの拡充が期待されております。

 

 このような環境のもと、国内の企業向けIT市場は、生産性向上やデジタルビジネスの強化、既存システムの刷新への投資が継続しており、2026年は前期比5.1%増と堅調な成長が見込まれています。(注1)

 一方、クラウド市場においては、移行が容易なシステムのクラウドマイグレーションのピークは過ぎたものの、基幹システムのモダナイゼーションが本格化しています。さらに、生成AIがAIアシスタントからAIエージェントへと発展し、多くの業務での利用拡大や精度向上のためのデータ基盤整備が進んでいることから、クラウド市場は今後も大きく成長すると想定されています。2026年のクラウド市場は、前期比20.4%増と引き続き非常に高い水準で推移する見込みです。(注2)

(注)1 IDC Japan, 2025年12月「国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別/地域別予測アップデート 、2025年~2029年」(JPJ53023525)国内IT市場 産業分野別 支出額予測、2023年~2029年(1)、企業分野小計

2 IDC Japan, 2026年3月「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2026年~2030年」(JPJ53498826)国内パブリッククラウドサービス市場サービスセグメント(大分類)別売上額予測、2025年~2030年

 

 このような事業環境のもと、当社グループは、帳票・文書管理ソリューション(BDS)、データエンパワーメントソリューション(DE)それぞれにおいて、積極的に投資を進めてまいりました。

 

◇帳票・文書管理ソリューション(BDS)

 業務の効率化や競争力の強化を目的として大企業を中心とした基幹システムへの投資が進んでいることに加え、企業内外での電子化された帳票活用のニーズは強く、本ソリューションへの強い需要が続いております。また、新たに提供を開始したデジタルトラストサービス「Trustee(トラスティ)」は、ますます増加する企業間取引における電子文書の信頼性担保を目的としており、今後の大きな成長が期待されております。本ソリューションでは、帳票をベースとした企業の基幹業務を変革するDXソリューションを提供してまいります。

 

 

2025年8月

「invoiceAgent」において、配信側の管理・取引画面「Transaction Designer」および取引先の帳票確認画面「私書箱」の双方での電子押印や取引先の帳票確認画面「私書箱」上で取引帳票をもとに明細を修正し、デジタル化された帳票の返信が可能となる機能強化を実施。

2025年8月

企業間取引における電子文書の信頼性担保を目的として、デジタルトラストサービス「Trustee(トラスティ)」の提供開始。1,000文書/1秒の日本最速で低コストのタイムスタンプサービスを実現。

2025年11月

株式会社インフォマートが提供する請求書クラウドサービス「BtoBプラットフォーム 請求書」と電子取引サービス「invoiceAgent 電子取引」が2026年夏頃より直接連携を開始。紙やPDFを介した手作業が不要となり、請求業務の大幅な工数削減を実現。

2025年11月

帳票クラウドサービス「SVF Cloud」が「Trusteeタイムスタンプ」のサービス提供を開始。文書の発行元が高速、低コストでタイムスタンプを付与することにより送付文書の改ざんリスク低減を実現。

2025年12月

帳票基盤ソリューション「SVF Ver.11」の提供を開始。デジタルトラストサービス「Trustee」との連携をはかり、デジタル環境での企業間取引における帳票運用の信頼性向上に貢献するデジタル帳票基盤を提供。

 

 2026年4月から「invoiceAgent」を帳票のライフサイクルを担うデジタル帳票基盤「SVF」ブランドへ統合し、「invoiceAgent」は、帳票の保管を行う「SVF Archiver」及び帳票の流通を行う「SVF Transact」の2つのSVFのサブブランドとなります。なお、2027年2月期以降の売上収益の開示区分につきましては、「SVF Archiver」「SVF Transact」を旧invoiceAgentとして、開示を継続してまいります。

 

◇データエンパワーメントソリューション(DE)

 クラウドサービスの浸透により企業規模に関わらず、多くの企業が様々なデータを保有するようになっています。一方、専任者の不在やシステム運用に関する問題から、蓄積されたデータを競争力向上のために活用できている企業は多くはありません。

 当社グループは、企業のデータ活用を促進させるため、当社グループのソフトウェア・クラウドサービスに、様々な業種・業務に精通しているスペシャリストのノウハウを組み合わせた効果の高いソリューションを提供しています。また、クラウドサービスの開発に力を入れており、クラウド上での大規模なデータ集計を可能とする「Dr.Sum Cloud」、様々なクラウドサービスと連携してデータの入力や可視化を実現する「MotionBoard Cloud」、さらにそれぞれ生成AI機能を搭載し、ユーザー自身による業務の効率化を強力に推し進めます。本ソリューションでは、ビッグデータから新たな価値を生み出すDXソリューションを提供してまいります。

 

2025年4月

インテリジェントコンテンツ管理プラットフォーム「Box」のAI機能Box AIとBIダッシュボード「MotionBoard」が連携。Box AI機能により、MotionBoard上で翻訳を含めた議事録の確認や、長文コンテンツの要約が行えるほかチャット形式でユーザーが現場で必要な情報の取得が可能。

2025年4月

生成AIを活用したSQLを自動で解析・解説する新機能を「Dr.Sum Copilot」で提供開始。これにより「Dr.Sum Copilot」では自然言語からのSQL生成を行うことに加え、既存のSQLを自動で解析・解説が可能となり業務効率化と属人化の解消に貢献。

2025年7月

株式会社シムトップスと、生産管理現場のリアルなデータと経営指標を連携し、現場と経営をデータでつなぐ生産マネジメント基盤「DIRECTOR Cockpit」の提供を開始。製造現場のスケジュール・進捗・負荷・実績・KPIといったデータをリアルタイムに統合・可視化し、現場から経営までの情報を共有できるマネジメント環境を実現。

2025年12月

生成AIを搭載した「MotionBoard Cloud」の提供を開始。ユーザーの指示や会話に応じてインタラクティブにダッシュボードの生成が可能な「AIウィジェット」を実装し、AIとの対話を通じて、ダッシュボード開発や業務アプリの作成が可能となり、業務現場での業務効率化を実現。

 

 上記の他に、2025年6月に自治体向けCMSを提供しているウイングアークNEX株式会社を完全子会社化しました。住民接点領域を強化することにより、自治体向けサービスの拡充を進めてまいります。

 

 この結果、当連結会計年度の売上収益は30,945百万円(前期比7.8%増)、営業費用(その他の営業収益を控除後)は、人員の採用による人件費や外注・業務委託料の増加などで21,955百万円(前期比7.1%増)、営業利益は8,989百万円(前期比9.4%増)、税引前利益は9,087百万円(前期比10.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は6,500百万円(前期比9.6%増)となりました。

 

 また、当社グループは、上記のIFRS会計基準により規定された財務指標以外に、以下のEBITDAを重要な経営指標と位置付けております。

(単位:百万円)

決算期

2025年2月期

2026年2月期

増減

増減率

営業利益

8,216

8,989

773

9.4%

減価償却費及び償却費

(注1)

1,433

1,537

103

7.2%

EBITDA(注2)

9,650

10,526

876

9.1%

(注)1.2020年2月期より、IFRS第16号の適用により、オフィスの賃借契約に係る使用権を使用権資産として認識しており、当該資産に係る減価償却費も併せて計上しておりますが、EBITDA算出におきましては、「減価償却費及び償却費」からは当該使用権資産に係る減価償却費を除いております。

2.EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費

 

 EBITDAは、営業利益、減価償却費及び償却費の増加により10,526百万円(前期比9.1%増)と増加しました。

 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。

 

≪ソリューション別売上収益≫                             (単位:百万円)

ソリューション区分

2025年2月期

2026年2月期

増減

増減率

帳票・文書管理

ソリューション

SVF

15,288

15,633

345

2.3%

invoiceAgent

(注)

2,273

2,488

214

9.5%

その他

1,199

2,133

933

77.8%

小計

18,761

20,255

1,493

8.0%

データエンパワーメント
ソリューション

Dr.Sum

3,398

3,517

119

3.5%

MotionBoard

3,760

3,959

198

5.3%

その他

2,787

3,213

426

15.3%

小計

9,946

10,690

744

7.5%

合計

28,708

30,945

2,237

7.8%

 

(帳票・文書管理ソリューション)

 当ソリューションは、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類を設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」及び企業間取引の電子化を実現する「invoiceAgent」(注)が主な構成要素となっております。

「SVF」

 ライセンス/サービスは、前年の大型案件の反動で前期比9.4%減と前年を下回りました。一方、保守については着実な契約獲得と契約更新活動により、前期比4.4%増と堅調に推移しました。クラウドサービスについては、契約社数の増加に加え、1社あたりの利用金額の増加により、前期比28.5%増と前年を大きく上回りました。サブスクリプションも大企業を中心に柔軟な契約形態を求める企業が増加しており、前期比44.4%増と前年を大きく上回りました。

この結果、売上収益は15,633百万円(前期比2.3%増)となりました。

「invoiceAgent」(注)

 ライセンス/サービスはサブスクリプションを中心に販売していることから、前期比20.4%減と前年を大きく下回りました。保守については、契約を順調に積み上げたことから、前期比3.5%増と前年を大きく上回りました。クラウドサービスについては、法改正需要が一服し売上成長率は低下したものの、帳票電子化に対する需要は依然強く、前期比13.4%増と前年を上回りました。サブスクリプションは、大企業を中心に柔軟な契約形態を求める企業が増加しており、前期比17.3%増と前年を大きく上回りました。この結果、売上収益は2,488百万円(前期比9.5%増)と前年から増加となりました。

 「その他」は、新たにウイングアークNEX株式会社の売上収益を連結したことから、前期比77.8%増と前年を大きく上回りました。

 この結果、当ソリューションの売上収益は20,255百万円(前期比8.0%増)となりました。

(注) 2026年4月から「invoiceAgent」を帳票のライフサイクルを担うデジタル帳票基盤「SVF」ブランドへ統合し、「invoiceAgent」は、帳票の保管を行う「SVF Archiver」及び帳票の流通を行う「SVF Transact」の2つのSVFのサブブランドとなります。なお、2027年2月期以降の売上収益の開示区分につきましては、「SVF Archiver」「SVF Transact」を旧invoiceAgentとして、開示を継続してまいります。

 

(データエンパワーメントソリューション)

 当ソリューションは、企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化することにより、業務の効率化や生産性の向上を実現するソフトウェア及びサービスである「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっております。

「Dr.Sum」

 ライセンス/サービスは、前年の大型案件の反動で前期比19.0%減と前年を大きく下回りました。保守については、前期比3.2%増と堅調に推移しました。クラウドサービスについては、引き続き大企業を中心にクラウド上でのデータ活用ニーズは強く、前期比34.4%増と前年を大きく上回りました。サブスクリプションは、大企業を中心に柔軟な契約形態を求める企業が増加しており、前期比53.0%増と前年を大きく上回りました。この結果、売上収益は3,517百万円(前期比3.5%増)となりました。

「MotionBoard」

 ライセンス/サービスは、データ活用に関する底堅い需要から前期比9.0%増と前年を大きく上回りました。保守については、契約を順調に積み上げたことから、前期比5.6%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、ポートフォリオ整理の観点から一部のサービスを終了した影響により、前期比1.7%増と前年とほぼ同様の結果となりました。サブスクリプションは、大企業を中心に柔軟な契約形態を求める企業が増加しており、前期比21.9%増と前年を大きく上回りました。この結果、売上収益は3,959百万円(前期比5.3%増)となりました。

 「その他」は、大企業を中心にデータ活用に関するプロフェッショナルサービスの需要が非常に強く、前期比15.3%増と前年を上回りました。

 この結果、当ソリューションの売上収益は10,690百万円(前期比7.5%増)となりました。

 

 また、当社グループが提供するソフトウェア及びサービスについては、ソフトウェアライセンスや導入時のサービス提供等継続的な契約を前提としない取引と、ソフトウェアの保守サポート契約、サブスクリプション契約やクラウドサービスの利用契約のような継続的な契約を前提とした取引により構成されています。継続的な契約を前提とした取引は、導入企業が増加するにつれて年々売上収益が積みあがるリカーリングビジネスと呼ばれる収益モデルであり、これらのビジネスから得られる収益(リカーリングレベニュー)は、当社グループの収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。

 

≪契約区分別売上収益≫                                (単位:百万円)

契約区分

2025年2月期

2026年2月期

増減

増減率

ライセンス/サービス

11,213

10,657

△556

△5.0%

リカーリング

保守

10,880

11,345

465

4.3%

クラウド

5,245

7,074

1,828

34.9%

サブスクリプション

1,368

1,868

500

36.5%

小計

17,494

20,288

2,793

16.0%

合計

28,708

30,945

2,237

7.8%

(注)より詳細な情報につきましては、当社IRサイト(https://ir.wingarc.com/)財務情報ページ内の最新の「FACT BOOK」をご参照下さい。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産は、73,490百万円(前期末比5,053百万円増)となりました。流動資産は18,013百万円(前期末比189百万円増)、非流動資産は55,477百万円(前期末比4,864百万円増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、連結子会社の取得による現金及び現金同等物1,375百万円の減少があったものの、営業債権及びその他の債権1,448百万円の増加によるものです。非流動資産の増加の主な要因は、顧客関係・技術関連資産の償却に伴うその他の無形資産856百万円の減少があったものの、保有する投資有価証券の時価上昇によりその他の金融資産3,351百万円の増加、ウイングアークNEX株式会社が連結子会社となったことに伴うのれん2,535百万円の増加があったことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、26,458百万円(前期末比132百万円減)となりました。流動負債は15,300百万円(前期末比460百万円増)、非流動負債は11,157百万円(前期末比592百万円減)となりました。流動負債の増加の主な要因は、その他の流動負債378百万円の増加があったことによるものです。非流動負債の減少の主な要因は、繰延税金負債の増加870百万円があったものの、借入金返済に伴う長期借入金1,420百万円の減少があったことによるものであります。

 

(資本)

 当連結会計年度末における資本は、47,032百万円(前期末比5,186百万円増)となりました。資本の増加の主な要因は、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少3,959百万円があったものの、その他の資本の構成要素の増加2,436百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金6,500百万円の増加によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、13,339百万円(前期末比1,375百万円減)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、7,197百万円(前期は8,196百万円の獲得)となりました。これは主に、法人所得税の支払額2,834百万円の計上、営業債権及びその他の債権の増加額1,448百万円の計上があったものの、税引前利益9,087百万円の計上、減価償却費及び償却費1,808百万円の計上があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、2,895百万円(前期は1,657百万円の使用)となりました。これは主に、子会社の取得による支出2,266百万円、社内インフラサービス構築などによる無形資産の取得による支出385百万円を計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、5,792百万円(前期は4,802百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,453百万円、配当金の支払額3,954百万円を計上したことによるものであります。

 

 

2.生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

ソリューションの名称

当連結会計年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

金額(百万円)

前期比(%)

帳票・文書管理ソリューション

20,255

8.0%

データエンパワーメントソリューション

10,690

7.5%

合計

30,945

7.8%

(注)1.当社グループの事業セグメントは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしているため、ソリューション別の販売実績を記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2024年3月1日

至 2025年2月28日)

当連結会計年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本電気株式会社

1,904

6.63

2,060

6.66

 

 

3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表はIFRS会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性のある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」を参照ください。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」を参照下さい。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「1.経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループにおける主な資金使途は人件費、研究開発費、外注・業務委託料等の営業費用、主に社内インフラ用のソフトウェア・サーバ等の設備投資、M&Aや出資に係る投資、借入金の返済、配当の支払となっております。これらの資金需要につきましては、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金で賄っており、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。

 

(6)目標とする指標の分析

・EBITDA

(単位:百万円)

 

2025年2月期

2026年2月期

増減

増減率

EBITDA

9,650

10,526

876

9.1%

(参考)売上収益

28,708

30,945

2,237

7.8%

 EBITDAは、売上収益の増加及びコストコントロールが奏功したことにより、10,526百万円(前期比9.1%増)と前年を上回りました。

 

・契約継続率

 

2025年2月期

2026年2月期

増減

契約継続率

93.7%

93.4%

△0.3ポイント

 契約継続率は、顧客企業でのシステム終了等の影響により、0.3ポイントの減少となりましたが引き続き高い水準を維持しております。

 

セグメント情報

6.セグメント情報

(1)報告セグメントの概要

 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。

 

(2)セグメント収益及び業績

 当社グループは単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

(3)製品及びサービスに関する情報

 提供している製品及びサービス並びに収益の額については、注記「25.売上収益」に記載のとおりです。

 

(4)地域別に関する情報

 外部顧客からの売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、以下のとおり、省略しております。

① 外部顧客からの売上収益

 国内の外部顧客からの売上収益が連結損益計算書の売上収益の大部分を占めるため、記載を省略しております。

 

② 非流動資産

 国内に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の大部分を占めるため、記載を省略しております。

 

(5)主要な顧客に関する情報

 外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先はありません。なお、10%未満でも主要な割合を占める相手先は以下の通りです。

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

前連結会計年度

(自 2024年3月1日

至 2025年2月28日)

当連結会計年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

日本電気株式会社

1,904,162

2,060,773

(注)前連結会計年度及び当連結会計年度は、当該割合が10%未満ですが、継続して記載をしております。