2026年5月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,077名(単体) 2,336名(連結)
  • 平均年齢
    32.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    3.4年(単体)
  • 平均年収
    8,100,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.8%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループの人材戦略に関する基本方針については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本に関する取り組み ② 戦略」に記載しています。この人材戦略に基づき、給与・報酬については、従業員の役割、能力及び成果を適切に反映するとともに、優秀な人材の確保及び定着、業績及び市場動向等を総合的に勘案して決定しています。

 

 

 

 

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2026年5月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

Sansan/Bill One事業

1,767

(690)

Eight事業

272

(47)

報告セグメント計

2,039

(737)

全社(共通)

297

(46)

合計

2,336

(783)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(契約社員を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイトを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業セグメントに区分できない部門及び管理部門に所属しているものです。

 

(2) 提出会社の状況

2026年5月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(百万円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

2,077

(771)

32.1

3.4

8.1

3.8

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

Sansan/Bill One事業

1,601

(683)

Eight事業

221

(45)

報告セグメント計

1,822

(728)

全社(共通)

255

(43)

合計

2,077

(771)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(契約社員を含む。)であり、臨時雇用者数(アルバイトを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

2.平均年間給与は、当社正社員を対象とし、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定の事業セグメントに区分できない部門及び管理部門に所属しているものです。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は結成されていませんが、労使関係は円滑に推移しています。

 

(4) 使用人等のみに対して付与した新株予約権の内容

当社は、使用人等に対する新株予約権を付与しています。当該新株予約権の内容については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況 ① ストックオプション制度の内容」に記載しています。

 

(5) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

 

当事業年度

管理職に占める
女性労働者
の割合(%)
(注1)

男性労働者の
育児休業
取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注3)

全労働者

うち正規雇用労働者

うち非正規雇用

労働者

14.2

80.2

53.1

81.1

52.1

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を算出しています。

 

② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次の通りです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティ全般への取り組み

当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献することが持続可能な社会の構築に寄与し、ひいては当社グループの持続的な成長や企業価値の向上につながるものと考えており、事業環境や経営状況、事業ステージといったさまざまな要素を考慮した上で、全てのステークホルダーとの協働や連携を通じてサステナビリティの実現に向けた活動を推進することとしています。このような考えの下、国際ガイドラインやステークホルダーの視点を参考に重要課題候補を抽出し、社会と経営双方にとっての重要性を取締役会が評価した上で、事業と親和性の高い社会課題を重要課題(マテリアリティ)として特定し、経営戦略に反映しています。2022年8月や2023年8月の取締役会での決議を経て、2030年5月期における長期目標と連動した取り組みを推進しています。

 

重要課題の特定プロセス

(ⅰ) 重要課題候補の選定

SASB(Sustainability Accounting Standards Board)スタンダードやSDGs(持続的な開発目標)におけるゴール、ターゲットといった国際ガイドラインや原則に加え、業界動向やESG評価機関の観点も参照し、当社グループとの関連性が高い課題を洗い出します。また、当社取締役や機関投資家との議論等を通じて、外部視点と経営視点の双方から重要課題候補を選定します。

(ⅱ) 課題の重要性評価

(ⅰ)で選定した各課題について、「持続可能社会を実現する上での社会(ステークホルダー)にとっての重要性」と、「当社グループがビジョンの達成や事業成長を実現する上での重要性」の2軸で評価を実施します。評価は当社の全取締役が個別に行い、専門性と多様な視点を取り入れながら、課題の優先順位を可視化します。

(ⅲ) 取締役会での議論・決議

(ⅱ)での評価結果について、取締役会で議論、審議を行い、重要課題を特定します。特定した重要課題に関連する内容は、マテリアリティオーナーである取締役の下で戦略的な取り組みに反映されます。2022年8月の取締役会において、5つの分野に整理される10の重要課題を特定した上で、2023年8月の取締役会にて、2030年5月期における長期的な定量目標を策定しました。

 

 

 

5つの重要分野と10の重要課題

重要分野

(1)

セキュリティと利便性の両立

利便性を確保した上で、全従業員を対象としたデータプライバシーの保護や情報セキュリティ対策を講じ、安全性の高いサービス提供を安定的に行います。

 

重要課題

1.安全かつ安定的なインフラサービスの提供

2.データプライバシーの保護と情報セキュリティの徹底

(2)

革新的なAXサービスで働き方を変革

ビジネスインフラになるべく、当社の強みであるデータ化技術を活用し、社会・経済の生産性を大きく向上させる革新的なAXサービスの開発及び提供に取り組みます。

 

重要課題

3.生産性向上に寄与するAXサービスの推進

4.革新的なビジネスインフラの創造

(3)

人材の多様性を尊重し、イノベーションを生み出す

出会いの力でビジネスの課題解決につながるイノベーションを生み出すため、多様性に富んだ全ての人材が活躍できる機会の創出や環境の整備を推進します。

 

重要課題

5.人材の採用・育成・活躍推進

6.ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

(4)

急速な事業成長を支える強固な経営基盤の確立

コーポレートガバナンスの強化やコンプライアンスの徹底により、事業成長を支える経営基盤の強化を推進します。

 

重要課題

7.コーポレートガバナンスの強化

8.コンプライアンスの徹底

(5)

事業活動を通じた自然環境の保全

 AXの推進やペーパーレス化の支援、環境に配慮したサービスの導入等、事業活動を通じて気候変動問題への対応に取り組むことで、自然環境の保全を推進します。

 

重要課題

9.気候変動問題への対応

10.自然資源の効率的活用

 

 

 

① ガバナンス

当社グループが特定した重要課題それぞれに対して当社取締役を責任者(マテリアリティオーナー)として設定し、その監督の下で対応方針や取り組み内容を検討する会議を年2回開催しています。本検討内容を含むサステナビリティの実現に資する事項については、毎年取締役会が報告を受けて監督しており、重要事項については、取締役会で審議し、決定しています。

 

マテリアリティオーナーとの会議

重要分野

責任者(マテリアリティオーナー)

主な議題

(1) セキュリティと利便性の両立

取締役/執行役員/CISO/DPO
塩見 賢治

·プライバシーポリシーの改定検討

·サイバーセキュリティの現状認識と課題

(2) 革新的なAXサービスで働き方を変革

取締役/執行役員/COO 

富岡 圭

·ユーザー数拡大の見通し

·アナログ業務のデジタル化促進における課題

(3) 人材の多様性を尊重し、イノベーションを生み出す

取締役/執行役員/CHRO/CAXO 

大間 祐太

·AI活用の進展を踏まえた人材戦略に関する課題
 整理

·新卒採用・人材育成に関する現状分析

·リファラル採用の促進に関する課題整理

·ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進のための施策検討

(4) 急速な事業成長を支える強固な経営基盤の確立

取締役/執行役員/CFO 

橋本 宗之

·取締役報酬制度の現状認識と課題整理

·取締役会及び指名報酬諮問委員会の構成

·コンプライアンス体制や関連方針、研修内容に関する開示の推進

(5) 事業活動を通じた自然環境の保全

代表取締役社長/CEO/CPO 

寺田 親弘

·ペーパーレス機能利用件数の見通し

·GHG排出量の削減及びカーボンニュートラルに向けた施策

 

 

 

② 戦略

当社グループでは、特定した5つの重要分野と10の課題について、マテリアリティオーナーである取締役が責任を持って各種取り組みを推進しています。各分野ともにリスクと機会、それらのビジネスモデル・バリューチェーンへの影響と財務的影響について分析を行い、その結果は、2030年5月期における目標達成のための施策に反映しています。

なお、財務的影響については、リスクの発現が不確実であること及び複数の要因が複合的に関与するため、影響額の区分識別が困難であることから、現時点では定量的情報を提供していません。

 

重要分野

 

ビジネスモデル・バリューチェーンへの影響

財務的影響

(1) セキュリティと利便性の両立

リスク

顧客の重要な情報資産を扱うサービスを提供しているため、自然災害や不正アクセス、内部の過失等によって、個人情報の漏洩、システム障害等が発生した場合、顧客の信頼喪失や法的リスクにつながる可能性があります。また、さまざまな機能追加等に伴い、より高度な情報セキュリティ対応が求められる可能性があります。

·信頼性の低下による売上高の減少

·情報漏洩・システム障害による損害賠償や復旧対応費用の発生

機会

高度な情報セキュリティ対策の下で、利便性と安全性の両立を実現した信頼性の高いサービスを提供することで、顧客基盤の拡大や利用継続率の向上につながる可能性があります。また、法令遵守やプライバシー保護への対応が先進的であることがレピュテーションの向上につながり、新規顧客獲得に寄与する可能性があります。

·信頼性の向上による売上高の拡大

(2) 革新的なAXサービスで働き方を変革

リスク

技術トレンドの変化や顧客ニーズへの対応が遅れた場合、当社グループの提供サービスが競争力を喪失し、顧客の離脱やサービスの陳腐化を招くおそれがあります。また、当社サービスの利用による業務生産性の向上効果が十分に発揮されない場合、新規顧客の獲得や既存顧客の利用継続判断に影響を与えるおそれがあります。

·競争力の低下による売上高の減少

·技術革新対応のための開発費用の増加

機会

働き方の変革や生産性向上につながる革新的なサービスや機能を提供することで、各サービスの社会的価値が高まり、さらなる事業成長につながる可能性があります。また、当社グループのサービスが社会や企業の基盤として機能する状態となれば、より持続的な成長実現につながる可能性があります。

·サービス価値の向上による売上高の拡大

 

 

 

重要分野

 

ビジネスモデル・バリューチェーンへの影響

財務的影響

(3) 人材の多様性を尊重し、イノベーションを生み出す

リスク

多様性の受容や包摂的な組織文化の醸成が不十分であった場合、人材の定着率が低下し、組織の生産性や創造性が損なわれるおそれがあります。また、従業員エンゲージメントの低下は退職者の増加を招き、採用及び育成コストが上昇するおそれがあります。加えて、各種ハラスメント等への対応が不十分な場合、レピュテーションリスクが顕在化するおそれがあります。

·開発力低下による売上高の減少

·採用及び育成費用の増加

 

機会

多様性に富んだ人材が活躍する環境を整備することで、創造的なイノベーションの創出や多様な顧客ニーズへの対応が可能となり、当社の競争力が向上する可能性があります。また、従業員エンゲージメントを維持・向上させることで、それぞれの人材が強みを発揮できる組織風土が醸成され、優秀な人材のさらなる獲得につながる可能性があります。

·新規サービスの創出による売上高の拡大

·採用及び育成費用の減少

(4) 急速な事業成長を支える強固な経営基盤の確立

リスク

事業の急成長に伴い、ガバナンス体制や内部統制の整備が追いつかない場合、不適切な意思決定や法令違反等が発生し、当社の事業運営や社会的信用に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。また、組織の急拡大に伴い、コンプライアンスに対する意識の浸透が十分でない場合、内部統制の実効性が低下する可能性があります。

·信頼毀損による売上高の減少

·コンプライアンス違反に伴う対応費用の発生

 

機会

適切なガバナンス体制の構築は、迅速かつ的確な意思決定等を支える強固で盤石な経営基盤となり、事業の持続的な成長につながる可能性があります。また、ガバナンス体制の透明性と信頼性の確保は、さまざまなステークホルダーとの建設的な対話につながり、中長期的な企業価値向上に寄与する可能性があります。

·信頼性向上による売上高の拡大

·透明性の向上による安定的な資金調達基盤の確保

(5) 事業活動を通じた自然環境の保全

リスク

脱炭素や循環経済等への対応が不十分な場合、顧客や投資家をはじめとしたステークホルダーからの評価が悪化し、各サービスの競争力の低下につながるおそれがあります。また、気候変動対策に関連する費用が上昇するおそれがあります。

·信頼性の低下による売上高の減少

·エネルギー関連費用の増加

機会

環境負荷の軽減につながるサービスや機能を提供することで、当社サービスに対する顧客からの選好が高まり、さらなる事業成長につながる可能性があります。また、適切な気候変動対策に取り組むことで、将来における費用削減につながり、当社の利益率向上に寄与する可能性があります。

·新規需要獲得による売上高の拡大

·エネルギー関連費用の減少

 

 

③ リスク管理

当社グループでは、サステナビリティ対応におけるリスクについては、経営や事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスクと同義あるいは密接な関係にあると捉えており、分析や把握については、全社的なリスク管理の一環として実施しています。リスク等の内容については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、サステナビリティ上の重要課題に関する評価指標及び2030年5月期における目標を次の通り定め、進捗をモニタリングしています。

 

重要

分野

重要課題

評価指標及び2030年5月期目標

当連結

会計年度

前連結

会計年度比

(1)

1.安全かつ安定的なインフラサービスの提供

重大なインシデント発生件数:
0件

0件

-

2.データプライバシーの保護と情報セキュリティの徹底

個人情報保護士取得率:
80%以上の維持

87.6%

△3.0pt

(2)

3.生産性向上に寄与するAXサービスの推進

当社サービスでのアナログ情報のデータ化件数:5億件

3.2億件

+19.7%

4.革新的なビジネスインフラの創造

当社サービス利用者数:
2,000万人

1,129万人

+15.2%

(3)

5.人材の採用・育成・活躍推進

リファラル採用比率:35%

Unipos投稿率:80%

10.0%

50.9%

△2.1pt

△8.6pt

6.ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

女性管理職比率:30%以上

女性従業員比率:45%以上

19.9%

36.2%

△0.3pt

△0.8pt

(4)

7.コーポレートガバナンスの強化

女性取締役比率:30%以上

20.0%

-

8.コンプライアンスの徹底

重大なコンプライアンス違反件数:0件

コンプライアンス関連の研修受講率:100%

0件

100%

-

-

(5)

9.気候変動問題への対応

スコープ1+2:
カーボンニュートラル

166t-CO2

△56.0%

10.自然資源の効率的活用

当社サービスにおけるペーパーレス機能の利用件数:1.2億件

0.3億件

+33.0%

 

(注) 1.連結実績の算定に必要な数値実績の把握が現状困難なため、当社単体の実績を集計しており、当連結会計年度時点で当社グループの事業範囲の96.0%(連結売上高に占める単体売上高の割合)をカバーしています。

2.個人情報保護士は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が設定する資格の称号です。

3.当社サービスに関する実績は、「Sansan」「Bill One」「Contract One」「Eight」における該当実績を集計しています。

4. Uniposは、Unipos株式会社が提供するピアボーナス®を軸とするサービスです。

5.女性管理職比率の算出範囲に、課長職より1つ下位の職階も含めています。

6.スコープ1は、当社が所有するオフィスや設備において直接排出されたGHG排出量を集計しています。スコープ2は、各オフィスにて購入した電力や熱エネルギー等の使用を通じて間接的に排出されたGHG排出量を集計しています。

 

(2) 気候変動課題への取り組み

当社グループでは、気候変動問題に関して、適切な体制の下で事業上のリスクや機会を把握・監督し、課題への対応力を高めていくことは、安定的な経済発展や生活の基盤確保等を目指して低炭素経済への移行を進める上で、極めて重要な取り組みであると捉えています。このような考え方の下、当社は気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が公表する提言に賛同を表明しており、当該枠組みに基づく開示を以下の通り、行っています。

 

① ガバナンス

気候変動課題への取り組みについては、代表取締役/CEOの監督の下、IR・サステナビリティ推進部及び財務経理部がシナリオ分析をはじめとする気候変動に係るリスク・機会の評価及び対応策の検討を行うとともに、GHG排出量の実績及びカーボンニュートラルに向けた取り組みの進捗状況を半期毎に取りまとめています。これらの内容を含む気候変動に係る各種指標や事業上のリスク、機会といった事項は、取締役会が毎年報告を受け、監督しており、事業戦略や計画は、当該重要事項を考慮した上で決定しています。

 

② 戦略

当社グループでは、気候変動がもたらすリスクと機会を経営戦略上の重要な要素として捉えており、気候変動に対する対応力・適応力を高めることが、持続的な事業成長の前提となるものと認識しています。このような考え方の下、当社グループでは、優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として「気候変動問題への対応」を特定しており、その分析においては、主にIPCCの共有社会経済経路・代表的濃度経路といったシナリオを利用し、気温上昇を1.5℃(SSP1-1.9)や2℃未満(SSP1-2.6)に抑えた事業環境のほか、4℃上昇(SSP5-8.5)が生じた事業環境を分析しています。その上で特定した事業上のリスク、機会及び対応策は下表の通りです。

なお、分析の対象期間として、現在から2026年中までを短期、2030年までを中期、2050年までを長期として設定し、当社グループの全事業を対象範囲としています。また、利益影響度は、年間10億円未満の場合を小、10億円以上30億円未満の場合を中、30億円以上の場合を大として表示しています。

 

 

(ⅰ)リスクの特定

種類

シナリオ

分析

リスクの内容

発現
時期

利益

影響度(年間)

対応策

移行リスク

市場

紙資源からのデジタル移行

1.5℃/2℃未満

社会全体で環境保護意識が高まり、紙資源を使用した各種ビジネスツールの利用が漸次的に減少し、デジタル情報やツールの利用が拡大する

紙の名刺や請求書、契約書等をデータ化し、生産性の向上を実現する当社サービスの一部機能の活用頻度や重要性が低下する

中期

小

デジタル情報の活用を主軸とした利便性の高い機能を拡充し、プラットフォームとしての価値を向上させることで、アナログ情報のデータ化による価値と同等以上の付加価値を提供する

4℃

紙資源からのデジタル移行は緩やかだが、災害やパンデミック等への対応として、デジタル情報やツールへのニーズは維持される

小

クリーンエネルギーの利用

1.5℃/2℃未満

クリーンエネルギーの利用に対する社会要請や需要が拡大し、各種エネルギー価格が高騰するほか、温暖化によって情報通信設備の冷却負荷が増加する

SaaS型のビジネスモデルを中心に事業展開する当社にとって必要不可欠なサーバー価格や電力等の各種エネルギー価格が上昇し、営業費用が増加する

中・長期

小~中

サーバーや電力をはじめとした必要資源・資材の調達先を適正化することでコスト削減に努めるほか、省エネの実施によって効率を向上させ、エネルギー使用量を削減する

4℃

クリーンエネルギー移行が進まないため、発電コストは比較的低位で推移するが、猛暑による冷房需要で一部のコストが上昇する

小

法規制

炭素税率の上昇

1.5℃/2℃未満

多くの国や地域においてGHG排出量に対する各種規制が強化されるほか、カーボンプライシングとして新たに炭素税や高い税率が導入される

税金負担額をはじめ、カーボンオフセットのための非化石証書やクレジットの購入費用が増加する

中・長期

小

再生可能エネルギーの利用拡大や、省エネの実施によるエネルギー効率の向上等によって、税金負担額やカーボンオフセットに係る費用を削減する

4℃

GHG排出量に対する制度的対応や社会受容が十分に進展せず、カーボンプライシングとしての炭素税や税率は緩やかな上昇に留まる

小

 

 

 

種類

シナリオ

分析

リスクの内容

発現
時期

利益

影響度(年間)

対応策

物理的リスク

急性

自然災害の増加

1.5℃/2℃未満

自然災害の発生が緩やかに増加する

利用するサーバーや、紙の請求書等のデータ化を担う拠点が浸水し、サービス提供が停止するほか、当社が保管するサービス利用企業の書類の汚損が発生し、サービス価値が低下する

中・長期

小~中

事業継続計画(BCP)の一環として、複数サーバーの利用によるシステムの冗長化、サービス運営上の重要拠点の分散化や緊急時用のマニュアル整備等を行うことで、自然災害時におけるサービスの継続性を確保する

4℃

大きな被害につながる集中豪雨や洪水といった自然災害が激甚化かつ頻発化する

小~大

 

 

(ⅱ)機会の特定

種類

シナリオ

分析

機会の内容

発現
時期

利益

影響度(年間)

対応策

製品/サービス

紙資源からのデジタル移行

1.5℃/2℃未満

社会全体で環境保護意識が高まり、紙資源の使用を抑制するサービスへの需要が拡大するほか、業務効率化を目的としたデジタル情報やツールの導入ニーズが急速に拡大する

デジタル情報の活用によってさまざまな業務フローの効率化を実現しながら、紙の利用抑制にもつながる機能を備えた当社の各種AXサービスに対する需要が拡大する

中・長期

小~大

デジタル情報の活用を主軸とした利便性の高い機能を拡充し、ユーザーへの提供価値を向上させるほか、営業やマーケティング活動を強化し、さらなる需要を喚起する

4℃

社会全体の環境保護意識が限定的な水準に留まり、企業の行動も業務効率化を目的とした範囲に限られる中で、デジタル情報やツールに対するニーズの拡大は緩やかに推移する

小

 

 

 

③ リスク管理

当社グループでは、各領域の管掌取締役とIR・サステナビリティ推進部及び財務経理部との協議の下でシナリオ分析を行い、気候変動に関する事業上のリスクと機会を特定し、重要性の評価や利益影響度の算出、対応策の検討を行っています。当該事項は年次で取締役会に報告され、取締役会は、これらリスクや対応策といった重要事項を考慮した上で、事業戦略や計画を決定しています。また、気候変動に関する重要なリスクは、内部監査等で実施する全社的なリスク分析の結果と統合し、管理しています。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、気候変動に関する評価指標としてGHG排出量を選定しており、当連結会計年度における実績は下表の通りです。また、スコープ1及びスコープ2の削減目標として、2030年までのカーボンニュートラルの実現を掲げており、目標の達成に向けて、クリーンエネルギーの活用をはじめとしたさまざまな施策について取り組んでいます。

当連結会計年度は、2024年11月に再生可能エネルギー由来電力を供給するオフィスへ移転したこと等により、スコープ1及びスコープ2の合計排出量が大幅減少しました。また、スコープ3の削減目標の設定についても、さまざまな内部・外部要因等を踏まえて、総合的な検討を進めています。

 

項目

単位

当連結

会計年度

前連結

会計年度比

スコープ1

t-CO2

0

-

スコープ2(ロケーション基準)

t-CO2

164

△55.9%

スコープ2(マーケット基準)

t-CO2

166

△56.0%

スコープ1+2(マーケット基準)

t-CO2

166

△71.1%

スコープ3

t-CO2

34,101

△20.3%

スコープ1+2+3(マーケット基準)

t-CO2

34,267

△21.0%

スコープ1+2+3 GHG排出量原単位
(売上高当たり)

t-CO2/億円

156.9

+57.5%

 

(注) 1.連結実績の算定に必要な数値実績の把握が現状困難なため、当社単体の実績を集計しており、当連結会計年度時点で当社グループの事業範囲の96.0%(連結売上高に占める単体売上高の割合)をカバーしています。

2.スコープ1は、当社が所有するオフィスや設備において直接排出されたGHG排出量を集計しています。スコープ2は、各オフィスにて購入した電力や熱エネルギー等の使用を通じて間接的に排出されたGHG排出量を集計しています。スコープ3は、スコープ1及びスコープ2以外のバリューチェーン全体(カテゴリ1から15まで)におけるGHG排出量を集計しています。算出方法や対象とする範囲の精緻化に伴い、過去数値を更新しています。

 

 

(3) 人的資本に関する取り組み

① ガバナンス

当社グループは、生成AIの急速な普及という環境変化を踏まえ、AIを前提とした組織開発を重要な経営戦略として位置付け、AI活用と人材戦略を一体で推進しており、人事領域とAI推進領域を統合的に管掌する取締役/執行役員/CHRO/CAXO(Chief AI Transformation Officer)が責任を担っています。CHRO/CAXO直下には、採用・育成・組織開発・制度設計・労務を担う人事部門と、社内全体のAI活用を推進する部門が連携して人材戦略を実行しています。また、各事業部にはHRBP(Human Resource Business Partner)を配置しており、事業の戦略的要請と人事機能を結びつける体制としています。

本検討内容を含む人的資本に関する取り組みについては、定期的に取締役会が報告を受けて監督しており、重要事項については、取締役会で審議し、決定しています。取締役会への報告においては、主要KPIの進捗状況、採用・育成・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン等の重点施策の実施状況及び中長期目標に対する現状評価を定期的に共有しており、必要に応じて人材戦略の見直しや追加投資の判断を行っています。また、指名報酬諮問委員会においても、人材戦略に関連する経営幹部の育成・後継者計画について審議しています。

 

② 戦略

当社グループでは、持続的な事業成長や新しい価値創出を実現していく上で、人材を最も重要な経営資本の1つに位置付けており、人材の多様性を受け入れ、多岐にわたる経歴をもつ1人ひとりが高い意欲を持って働ける環境を整備することが重要であると捉えています。このような考え方の下、当社グループでは、優先的に取り組むべき重要課題として「人材の採用・育成・活躍推進」及び「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進」を特定しており、以下の5つの領域で取り組みを行っています。

また、当社グループは、第20期から第22期にかけての中期財務方針を新たに策定し、売上高と調整後営業利益の成長の両立を掲げています。この方針を実現するためには、優秀な人材の確保及びAIを活用した業務変革の推進による生産性向上が、持続的な事業成長を実現する上で重要な経営課題であると考えています。

こうした経営戦略上の要請を踏まえ、当社グループでは、将来の事業成長を担う人材を継続的に確保・育成するため、採用から育成、配置及び登用までのタレントパイプライン(将来の事業成長を担う人材を継続的に確保・育成する仕組み)を構築し、その実現に向けた取り組みの1つとして、新卒採用を積極的に推進しているほか、人材獲得競争力の維持・向上を図るため、処遇の継続的な見直しを行っています。

 

(ⅰ) 優秀な人材の採用

重要な成長戦略の一環として継続的に人材採用を強化しており、当連結会計年度末の連結従業員数は2,336名となり、開発や営業、バックオフィス等のさまざまな組織は多様な経歴をもった人材で構成されています。採用においては、高い専門性やスキルに加えて、当社グループの企業理念に共感するミッションドリブンな姿勢を重視しており、この方針に基づき、主に以下の取り組みを実施しています。

名称

内容

新卒採用の推進

AIを前提とした環境で学び、早期から高い付加価値を発揮することが期待される人材を継続的に確保するため、新卒採用を積極的に推進しています。インターンシップ等を通じて入社前から相互理解を深め、当社グループの企業理念に共感する多様な人材の獲得に取り組んでいます。

リファラル採用の推進

当社グループでは、ミッションやビジョン、バリューズといった企業理念と、自らのありたい姿が合致する人材ほど、入社後に活躍できる可能性が高いと考えています。この考えに基づき、リファラル採用を重視しており、採用者紹介のインセンティブ制度や、社内のデジタルサイネージでの事例共有を通じて、全社で取り組みを強化しています。

HRBP(Human Resource Business Partner)組織の設置

各事業部にHRBPを配置し、採用計画の立案から面接、内定者フォローまでを一貫して支援しています。現場と連携した体制により、人材要件の精緻化と早期の立ち上がりを実現しています。

 

 

(ⅱ) 人材の育成・活躍推進

従業員1人ひとりの自律的な成長を促し、その能力を最大限に発揮できる環境を整備することで、組織全体の成果向上と新たな価値創出へつなげることを目的として、主に以下の取り組みを行っています。

名称

内容

ミッショングレード制度の採用

人事制度として「ミッショングレード制度」を採用し、業務上の権限や責任、処遇等を等級によって定めています。この等級は、これまでの実績だけではなく、今後の期待値に応じて決定することで、個人の成長にレバレッジをかけています。

OKR(Objectives and Key Results)と360度評価

人事評価では、四半期毎に組織で設定するOKR(Objectives and Key Results)に基づき、個人の組織への貢献度を評価しています。また、半期毎に360度評価を実施することで、直属の上長だけでなく、業務上関わりのある同僚や他部門の関係者からのフィードバックも総合的に反映しています。これにより、従業員の成長促進と組織全体のパフォーマンス向上につなげています。

SCOP(Sansan Culture Onboarding Program)

新入社員を対象に、初期研修プログラム「SCOP」を実施しています。配属後半年間にわたり、月1回の理念対話機会を設け、組織文化への理解と早期定着を支援しています。

TOPGUN(新卒社員向けの成果型研修)

総合職の新卒社員を対象に、入社後約半年間の成果型研修「TOPGUN」を実施しています。チーム単位で実際のビジネス課題に取り組み、戦略立案から商談、クロージング、サポートまでを自ら遂行することで、実務力と当事者意識を早期に醸成します。事業部門の従業員がマネージャーとして伴走し、企業カルチャーや業務理解の定着も支援します。

カタチ議論

企業理念について全従業員で議論する機会を設けており、会社の価値観や文化に向き合うことは、個人の成長や生産性向上の観点で重要な機会となっています。

コーチャ・キャリトーク

社内の有資格者による1on1コーチング「コーチャ」と、キャリア課題に専門的に向き合う面談制度「キャリトーク」を通じて、個人の内省と行動変容を支援しています。これにより、従業員の自律性を高め、成長実感の醸成と中長期的なキャリア形成を後押ししています。

生成AI活用プログラム

全従業員を対象とした生成AI活用のためのオンボーディングプログラムを通じて、業務での活用事例の共有や、各部署での活用支援を実施する等、全職種におけるAI活用の定着と業務効率化を推進しています。

強マッチ

キャリアサマリや性格診断結果に基づき、従業員同士が自身の強みや行動特性を共有できる制度「強マッチ」を導入しています。各従業員の強みは人材管理システム上で可視化・共有され、部門を超えたコミュニケーションの活性化やマネジメント精度の向上、適材適所の配置の強化に寄与しています。

Unipos

ピアボーナス®を軸とする全従業員参加型のプラットフォームを活用し、社内における称賛事例を可視化することで、会社文化の浸透や従業員のエンゲージメント向上を図っています。

エンゲージメントサーベイ

月に1回、正社員、契約社員に対してエンゲージメントサーベイを実施し、回答の分析結果をセルフマネジメントや組織マネジメント、全社的な社内制度・施策の立案等に活用しています。

ヨリアイ

社内の交流を促進し、新しいアイデアやコラボレーションを生み出すことを目的に、飲食費補助制度「ヨリアイ」を導入しています。オフィス内でのドリンク無償提供やチーム単位の飲食費補助等を通じて、多様なコミュニケーションの場を創出しています。

 

 

 

(ⅲ) ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

当社グループが対象とする市場はあらゆる業種・業態の企業であり、顧客課題を理解し解決するためには、多様なバックグラウンドを持つ人材が組織に不可欠であると考えています。経歴や性別、年齢や文化的背景といった特定の属性にかかわらず、優秀な人材を積極的に採用・登用する方針の下、全ての従業員に公平な評価と登用の機会を設けています。毎期のモニタリングを通じて、特定の属性に依存しないフェアな評価運用を維持し、多様なロールモデルを創出してキャリアパスを示す取り組みを強化していきます。また、出産や育児、介護等のライフイベントとキャリアの両立を目的とした支援を提供しています。こうした公平な機会を前提としつつ、性別・国籍・障がいの有無等、属性毎に固有の課題にも配慮した支援に取り組んでいます。

 

a. 女性の活躍推進

女性の活躍支援として、月経・PMS等の女性特有の健康課題に対し、低用量ピルの処方費用の補助や医師による相談窓口を通じて、心身の不調や不安の軽減を支援しています。また、女性社員向けのキャリア支援コミュニティ「We(Women's Empowerment)」や、社外の女性リーダーから個別にキャリア相談・助言の機会を得られる外部プログラムを通じて、ロールモデルの紹介、学習機会の提供を行い、社内外におけるネットワークの醸成や、管理職登用の後押しをすることで、多様なキャリア形成を支援しています。

 

b. 外国籍従業員の活躍推進

 海外での積極的な事業展開を志向する上で、外国籍をもつ従業員の採用を強化しており、海外拠点における外国籍従業員と日本国内における日本国籍従業員との交流機会を創出し、コミュニケーションを活性化させることで、多様性を受け入れながらミッションを実現していく企業風土の醸成に努めています。

 

c. 障がい者雇用

 障がい者雇用については、当社サービスの「Sansan」「Bill One」「Contract One」のデータ化業務等を通じた、事業に直結した役割を担っています。障がいの特性に配慮したオンボーディングプログラムの拡充を通じて、障がい者の就労機会と活躍機会の拡大に取り組んでいます。

 

(ⅳ) 労働安全衛生と健康

従業員が安心して健康に働ける環境の整備に取り組んでいます。全ての従業員が心身ともに健康であり、安心して能力やパフォーマンスを発揮し続けることができる環境を整備できるよう、法令の遵守、健康障害防止策の実施、健康保持増進のための各種施策の導入や運営に取り組んでいます。

 

(ⅴ) 人権

日本国内はもとより世界でのビジネス展開・拡大を志向する上で、人権の尊重は極めて重要な要素であると捉えています。当社グループでは、人権尊重の取り組みを推進する指針として人権に関する基本方針を取締役会の承認の下、制定し、その内容を役職員に周知するとともに、当社ウェブサイトにて公表しています。

 

③ リスク管理

当社グループでは、人的資本に関するリスク等については、経営や事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク等と同義あるいは密接な関係にあると捉えており、分析や把握については、全社的なリスク管理の一環として実施しています。リスク等の内容については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。

 

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、人的資本に関する取り組みについて、主には次の通り評価指標を定め、進捗をモニタリングしています。また、一部の指標については、2030年5月期における目標を設定しています。

重要課題

評価指標(2030年5月期目標)

当連結会計年度

前連結会計年度比

人材の採用・育成・活躍推進

リファラル採用比率(35%)

10.0%

△2.1pt

年間教育・研修時間

244,989時間

+3.9%

従業員1人当たりの年間教育・研修日数

15.3日

△6.7%

社内コーチング延べ参加人数

757人

△0.3%

Unipos投稿率(80%)

50.9%

△8.6pt

Uniposでの称賛投稿数

51,151件

△16.7%

エンゲージメントサーベイ回答率

77.4%

△1.4pt

社員間交流施策への投資額

38百万円

+52.0%

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進

女性管理職比率(30%以上)

19.9%

△0.3pt

女性従業員比率(45%以上)

36.2%

△0.8pt

外国籍従業員比率

6.5%

△0.5pt

障がい者雇用比率

2.8%

△0.1pt

 

(注) 1.連結実績の算定に必要な数値実績の把握が現状困難なため、当社単体の実績を集計しており、当連結会計年度時点で当社グループの事業範囲の96.0%(連結売上高に占める単体売上高の割合)をカバーしています。

   2.教育・研修時間は、当社単体を対象に、カルチャー・理念浸透、コンプライアンス・法定研修、スキル研修、階層別研修及びキャリア支援に係る教育・研修の実施時間を集計しています。1人当たりの年間教育・研修日数は、1日を8時間として換算し、各月末時点の従業員数の平均を用いて算出しています。   

3.女性管理職比率の算出範囲に、課長職より1つ下位の職階も含めています。

4.外国籍従業員比率は、当社及び当社子会社のSansan Global Pte. Ltd.、Sansan Global Development Center, Inc.、Sansan Global (Thailand) Co., Ltd.を対象に算出しています。

5.障がい者雇用比率は、3月期決算の期間(4月から翌年3月)に読み替えて算出しています。

 

 

(4) 情報セキュリティ関連の取り組み

① ガバナンス

当社グループでは、事業活動を通じて取り扱う全ての情報資産を厳格に管理し、プライバシーを尊重することが企業の社会的責務であり、当社グループの持続的な成長や企業価値の向上のために不可欠な経営基盤であると考えています。このような考え方の下、情報セキュリティ部門の管掌を担う当社取締役をCISO(最高情報セキュリティ責任者)、DPO(データ保護責任者)及び個人情報保護管理者として任命しています。また、専門部署として情報セキュリティ部を設置し、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)機能や内製SOC(Security Operation Center)による24時間365日の監視及び分析体制を構築しています。

同取締役は、定期的にリスクの対応状況を経営会議に報告し、経営レベルでの迅速な意思決定を促しています。また、取締役会に対しては、主要KPIの進捗状況や重点施策の実施状況を定期的に報告しています。取締役会はこれらの報告を受けて監督し、重要事項については審議・決定するほか、必要に応じて対策の見直しや追加投資の判断を行っています。

 

 

② 戦略

当社が提供するサービスは、名刺や請求書、契約書等の重要な情報資産を扱うことから、安全性・信頼性を高い水準で維持し続けることが事業運営上の前提条件となっています。このような考え方の下、当社グループでは、優先的に取り組むべき重要課題として「安全かつ安定的なインフラサービスの提供」及び「データプライバシーの保護と情報セキュリティの徹底」を特定しており、以下の6つの領域で取り組みを行っています。

 

(ⅰ) 各種規程の制定と目的

情報漏洩やサイバー攻撃等のリスクに対応するため、各種規程やガイドラインを整備し、管理体制を強化しています。「個人情報保護基本規程」では、JIS Q 15001に準拠した個人情報の取り扱いを定め、情報システムや情報資産の管理に関する規程を設けています。また、情報資産が適切かつ安全に管理され、有効に活用されることを目指し、情報システムの技術的な安全管理ルールや、サービス毎のプロダクトセキュリティガイドラインも策定しています。なお、全ての規程は年に一度見直しを行い、常に最新性を保つことで実効性を確保しています。

 

(ⅱ) セキュリティに関する教育

全社のセキュリティ意識向上のため、全役職員に「個人情報保護士」資格の取得を義務付けています。また、入社時と年に一度、情報セキュリティと個人情報保護に関する研修を全役職員に実施しています。さらに、取締役が毎月セキュリティに関する情報発信を行い、最新のリスクや取り組みを共有しています。情報資産は機密性に応じて区分し、それぞれのリスクに応じた管理策と取り扱い手順を定義しています。これらのルールの徹底を図るため、役職員の中からセキュリティ委員を指名し、役職員間で相互監査を行う体制を整えています。

 

(ⅲ) セキュリティ人材の確保と育成

主体的に高度なセキュリティ対策を講じることができる人材の採用や育成を強化しています。具体的には、セキュリティに関する専門知識やスキルを持つ人材を国内外から採用しているほか、特定分野に優れた人物を社内で選抜し、有識者による専門家育成を行っています。加えて、各サービスのエンジニアが実務を通じたセキュリティ意識と対応能力の向上を図っています。そのほか、高度なセキュリティ関連資格の取得を推奨し、自己学習を促進しています。

 

(ⅳ) 脅威への防衛体制

複雑化するサイバーセキュリティ、情報セキュリティ上の脅威に適切に対応し、安心安全なサービスの提供を行うため、防御、監視活動並びにこれらを支える体制を構築しています。ネットワークの通信制御を含む多層防御のアーキテクチャを採用し、各端末ではEDR(Endpoint Detection and Response)を導入しており、異常検知時には自社のSOCにて迅速な調査、対応が可能な体制を整備しています。また、プロダクトセキュリティチームは、サービスの開発段階から一貫してセキュリティ向上に取り組んでいるほか、CSIRTを組織することで、インシデント発生時には即座に対応できる体制を整えています。

名称

内容

24時間365日の監視活動

自社及び外部ベンダーと協力し、サイバー攻撃に対して24時間365日の監視活動を行い、異常検知時には速やかに調査及び対応を実施しています。また、社内の情報機器に対する不正行為を予防する監視活動を行っています。

定期的な脆弱性診断、ペネトレーションテストの実施

外部機関のハッカーを登用し、意図的にサイバー攻撃を行わせることで、各サービスやシステムのセキュリティレベルをテストし、強化につなげています。社内環境においてもペネトレーションテストを実施し、役職員に対しては標的型攻撃メールやBCP(Business Continuity Plan)訓練をしています。

 

 

 

(ⅴ) 技術的な取り組み

第三者機関や社内専門部署による脆弱性診断のほか、さまざまな技術的な取り組みを進めています。

名称

内容

通信の暗号化

外部からアクセスされたデータセンターへの通信は、ユーザー認証HTTPSによる高度な暗号化等を行っています。

紙書類のスキャン後、端末の画像を削除

名刺や請求書等の紙書類をスキャンした後、端末から画像データを削除しています。

サービスの高可用性

全てのサーバーは、ネットワーク機器の多重化等により負荷分散がなされており、障害発生時にはサービスを迅速に復旧させることが可能です。また、データセンターの二重化を行い、災害時のサービス停止リスクを最小化しています。

ゼロトラストセキュリティの採用

全社でゼロトラストセキュリティを採用し、守るべき情報資産へのアクセスにはゼロトラストベースの管理策を適用することで、社内ネットワークの内外を問わず、安全に業務を遂行できる環境を整備しています。

 

 

(ⅵ) リスクへの対応

 情報セキュリティに関するリスクの発生に備え、以下の観点において体制を構築しています。

名称

内容

リスク評価と管理

リスクの発生可能性と技術及びビジネスにおける影響度を定量的に算出し、リスクの重大度を5段階に分類し、管理しています。

インシデント・脆弱性対応体制

インシデントや脆弱性を発見・検知した場合には、情報セキュリティ部がCSIRTとして初期対応を行い、CISOが最終的な判断と対応指示を行う体制を整備しています。重大な事案については経営会議及び取締役会への報告を速やかに行います。

報告しやすい文化の醸成

「軽重を問わず報告する」文化や、「報告者を責めない考え方」を明文化し、社員が萎縮せず報告できる環境を整えています。

サイバーレジリエンスの構築

攻撃や障害の発生時にも事業継続と迅速な回復を実現するため、情報資産の管理や監視・防御、インシデント対応ガイドラインの整備等を通じ、予防から検知・対応・回復・学習に至る一連の体制を構築しています。

 

 

③ リスク管理

当社グループでは、プライバシーや情報セキュリティに関するリスクは、経営や事業に重大な影響を及ぼす可能性があるものと認識し、全社的なリスク管理の一環として、その把握と分析に努めています。全社的なリスクの内容については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。

情報セキュリティリスクについては、評価基準を定めた上で、体系的なリスク評価と管理を実施しています。まず、脅威と脆弱性の観点からリスクの発生可能性と影響度を定量的に評価し、その結果に基づきリスクの重大度を分類します。その後、分類されたリスク毎に受容可否を判断し、必要に応じた適切な管理をしています。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、データプライバシーや情報セキュリティに関する取り組みについて、主には以下の評価指標を定め、進捗をモニタリングしています。また、一部の指標については、2030年5月期における目標を設定しています。

重要課題

評価指標及び2030年5月期目標

当連結

会計年度

前連結

会計年度比

安全かつ安定的なインフラサービスの提供

重大なインシデント発生件数:0件

0件

-

データプライバシーの保護と情報セキュリティの徹底

個人情報保護士取得率:80%以上の維持

87.6%

△3.0pt

プライバシー・情報セキュリティ関連研修の総参加時間

5,930時間

+5.5%