2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 499,677 100.0 166,725 100.0 33.4

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社39社、関連会社6社及び共同支配企業2社(2026年3月31日現在)より構成されており、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。

主要な会社は次のとおりであります。

当社、シオノギファーマ株式会社、シオノギヘルスケア株式会社、シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社、鳥居薬品株式会社、シオノギビジネスパートナー株式会社、Shionogi Inc.、Qpex Biopharma, Inc.、
Tetra Therapeutics Inc.、Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC、Shionogi B.V.、ViiV Healthcare Ltd.、
台湾塩野義製薬股份有限公司、北京塩野義医薬科技有限公司、塩野義(香港)商業有限公司、
塩野義有限公司、その他32社

事業の内容と当社グループ各社の当該事業における位置付けを事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 


 

(注)1.連結子会社27社、関連会社4社及び共同支配企業1社は小規模のため表中には表示しておりません。

2.当社は、2026年4月6日付でShionogi-Apnimed Sleep Science, LLCの持分を追加取得し、同社を連結子会社としました。さらに、2026年6月1日付で当社および当社の連結子会社であるShionogi Inc.との間で締結した出資契約に基づき、同社はShionogi Inc.の完全子会社となりました。

 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

また、当社グループの事業は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績等
a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は2兆5,768億70百万円で、前連結会計年度末に比べて1兆415億21百万円増加となりました。

非流動資産は、ViiV Healthcareへの追加出資により持分法適用関連会社となったことから、持分法で会計処理されている投資が増加となりました。また、鳥居薬品の連結子会社化やJT医薬事業の吸収分割に伴う有形固定資産やのれん、無形資産の増加により1兆2,665億35百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,896億90百万円増加となりました。なお、当該のれんや無形資産等の金額については取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額であります。流動資産は大型投資に伴う借入により現金及び現金同等物の増加、3ヶ月超の定期預金(流動資産のその他の金融資産に含みます)、営業債権の増加等により1兆3,103億35百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,518億31百万円増加となりました。

資本については1兆6,862億5百万円となりました。配当金の支払及びその他の資本の構成要素の減少の一方で、当期利益の計上等により、前連結会計年度末に比べて3,237億8百万円増加となりました。

負債については8,906億65百万円で、前連結会計年度末に比べて7,178億13百万円増加となりました。

非流動負債は632億35百万円で、繰延税金負債の増加等により前連結会計年度末に比べて197億75百万円増加となりました。流動負債は8,274億30百万円で、大型投資に伴う借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて6,980億37百万円増加となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の経営成績は、以下のとおりであります。

なお、2025年9月より鳥居薬品を連結範囲に含めております。また、2025年12月よりJT医薬事業を吸収分割により承継しております。

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増減

増減率(%)

売上収益

499,677

438,268

61,409

14.0

営業利益

166,725

156,603

10,121

6.5

コア営業利益※1

160,752

158,362

2,389

1.5

税引前利益

238,916

200,750

38,165

19.0

親会社の所有者に帰属する

当期利益

205,159

170,435

34,723

20.4

EBITDA※2

187,720

179,296

8,424

4.7

 

※1 コア営業利益:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益など)を調整した利益

※2 Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:コア営業利益に減価償却費を加えた利益

 

 

売上収益は4,997億円(前期比14.0%増)となりました。海外事業およびロイヤリティー収入の安定した成長に加え、JTグループの医薬事業(JT医薬事業、国内グループ会社である鳥居薬品、米国グループ会社のAkros社)のM&Aにより鳥居薬品を連結子会社化し売上収益を計上したことで、国内事業も大きく拡大しました。これらの結果、各事業が順調に進展し、当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を上回り、4期連続で過去最高を更新しました。

利益面につきましては、米国事業における新製品の上市に向けた準備、成長に向けた事業投資に伴うPMIなどに積極的に取り組んだ結果、前連結会計年度に比べて販売費及び一般管理費を中心に費用が増加したものの、営業利益は1,667億円(同6.5%増)となり4期連続で過去最高を更新しました。また、税引前利益につきましては2,389億円(同19.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,052億円(同20.4%増)、EBITDAにつきましては1,877億円(同4.7%増)となりました。

当連結会計年度は、2030年Visionの実現に向け、事業の拡大とグローバル化に向けた大規模な事業投資を実施しつつ、売上収益および各利益項目すべてにおいて過去最高業績を達成することができました。

 

※ Post Merger Integration:企業買収後の統合プロセス

 

・国内医療用医薬品

国内の医療用医薬品の売上収益は1,235億円(前期比25.0%増)となりました。2025年9月1日に鳥居薬品を連結子会社化したことで、同社の売上を7ヵ月分計上しています。加えて、塩野義製薬および鳥居薬品の注力製品を、両社でコ・プロモーションすることによって、それぞれの強みを活かした営業活動を推進し、相互補完的に医療機関への情報提供を強化したことによって、売上収益の拡大を実現しました。

製品別にみると、急性呼吸器感染症薬の売上収益は338億円(同34.8%減)となりました。前連結会計年度と比較してCOVID-19の流行が極めて低調に推移したことから、抗新型コロナウイルス薬ゾコーバの売上は減少しました。一方で、冬季におけるインフルエンザ流行の拡大に伴い、抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザの売上は増加しました。両薬剤ともに、それぞれの治療薬市場において、高いマーケットシェアを維持し続けることで、一定の売上収益を計上しましたが、急性呼吸器感染症領域全体の売上収益は前連結会計年度を下回る結果となりました。一方で、QOL疾患領域においては、不眠症治療薬クービビックについて、発売から1年が経過し、14日間の投薬期間制限が解除されたことから処方機会が拡大し、売上収益は26億円(同224.1%増)と前連結会計年度を大きく上回りました。さらに、2026年3月には、新規作用機序を有するうつ病治療薬ザズベイの販売を開始しました。

 

・海外子会社および輸出

海外事業における売上収益は650億円(前期比9.9%増)となりました。欧米においてはセフィデロコル(米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名:Fetcroja)の販売が好調に推移し、米国事業は287億円(同22.9%増)、欧州事業は208億円(同23.4%増)の売上収益となりました。中国事業は62億円(同28.3%減)の売上収益となりました。これは、医療費抑制政策による影響を受けた後発医薬品の売上減少が主な要因です。一方で、2026年1月にグラム陰性菌による複雑性尿路感染症を適応としてセフィデロコルの承認を取得したほか、2025年5月にはオピオイド誘発性便秘症治療薬ナルデメジンの新薬承認申請が受理されるなど、新薬事業への転換に向けた取り組みを着実に進めました。

 

・ロイヤリティー収入およびViiV Healthcareからの配当金収入

ViiV Healthcareからのロイヤリティー収入は、 経口2剤合剤や長時間作用型製剤(Long Acting Injectable:LAI製剤) の力強い成長により2,613億円(前期比8.7%増)となりました。その他のロイヤリティー収入は、スイス F. Hoffmann-La Roche Ltd に導出した抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザの売上が堅調であったことに加え、2025年12月1日に事業買収により当社が承継したJT医薬事業関連のロイヤリティーが新たに計上されたことから、173億円(前期比304.9%増)と大幅に増加しました。ViiV Healthcareからの配当金は、同社の事業が順調に進展したことで524億円(同30.0%増)となりました。

 

・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しましたとおり、当社グループは、2023年6月にSTS2030を改定し、STS2030 Revisionとして再策定しました。

STS2030 Revisionでは、達成すべき財務経営指標として3つの成長性指標と3つの株主還元指標を設定しました。成長性指標については、トップラインの成長を優先して進めていくことから売上収益、またその成長をグローバルに成し遂げていくことから海外売上高 CAGR(Compound Annual Growth Rate:年平均成長率)、そして成長に向けた積極的な投資を行っていくことと稼ぐ力を測るためにEBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:利払い・税引き・償却前利益、コア営業利益に減価償却費を加えた利益)の3つを設定しております。また、株主還元指標として、事業成長と財務施策の観点からEPS、DOE、ROEの3つを継続して設定しております。

当社は、2025年度に大規模な事業投資を複数実施し、新たな成長フェーズへと歩みを進めております。そのため、経営指標についても、今後公表予定の新中期経営計画での更新を予定しております。今後も、取り組むべき施策をひとつひとつ着実に実行するとともに、さらなる収益ドライバーを確立するためのM&Aや導入、提携などの事業開発機会の探索を継続し、強固な財務基盤を活かして各案件の価値に見合った投資を積極的に実行していくことで、経営指標の達成を目指してまいります。

 

業績評価指標(KPI)

2025年度

実績

2025年度
目標※1

2030年度
目標※1

成長性

売上収益

4,997億円

5,300億円

8,000億円

海外売上高 CAGR

(ロイヤリティー収入を除く)

15.2%

成長計画を見直し

(次年度以降の成長を見据え、 KPIを再設定する予定)

成長計画を見直し

(次年度以降の成長を見据え、 KPIを再設定する予定)

EBITDA

1,877億円

1,960億円

株主還元

EPS※2

241.11円

200円以上

DOE

4.0%

4%

ROE

13.5%

14%以上

 

※1 当社は、2025年5月12日に開示いたしました2024年度決算において、2025年度目標の主要業績評価指標(KPI)のうち、売上収益を5,500億円から5,300億円、EBITDAを2,000億円から1,960億円に修正いたしました。また、海外売上高CAGRについては、2026年度以降のさらなる成長を見据え再設定する予定です。

※2 当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っております。2025年度目標のEPSには株式分割後の数値を記載しております。

 

 

c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加や売上債権の増加、法人所得税の支払額の増加等の一方で、税引前利益の増加等により、前連結会計年度に比べて181億12百万円多い2,135億72百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、持分法適用会社株式の取得による支出や定期預金の増減等により、前連結会計年度に比べて3,900億56百万円多い5,061億37百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入により、前連結会計年度に比べて6,642億29百万円多い5,993億21百万円の収入となりました。

これらを合わせた当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は3,366億2百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、7,113億97百万円となりました。

 

〔キャッシュ・フロー指標のトレンド〕

 

2024年3月

2025年3月

2026年3月

親会社所有者帰属持分比率

87.2

88.7

65.4

時価ベースの親会社所有者
帰属持分比率

155.1

124.4

114.6

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率

0.1

 

0.1

 

3.2

 

インタレスト・

カバレッジ・レシオ

937.5

 

639.7

 

620.5

 

 

(注) 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計

時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。

 

② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品事業

173,941

45.1

 

(注) 金額は、正味販売見込価格により算出したものであります。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品事業

20,559

77.2

 

(注) 1.金額は、実際仕入額によっております。

2.当連結会計年度における著しい変動の要因は、鳥居薬品およびJT医薬事業を取得したことによるものです。

 

c.受注状況

当社グループは、主として販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しております。

当社及び一部の連結子会社で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品事業

499,677

14.0

 

(注) 1.販売金額は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ViiV Healthcare Ltd.

240,404

54.9

261,335

52.3

 

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。

 

セグメント情報

 

4.セグメント情報

(1) 報告セグメントに関する情報

当社グループは、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一事業であります。製品別の販売状況、会社別の利益などの分析は行っておりますが、事業戦略の意思決定、研究開発費を中心とした経営資源の配分は当社グループ全体で行っており、従って、セグメント情報の開示は省略しております。

 

(2) 製品及びサービスに関する情報

製品及びサービスごとの外部顧客への売上収益は、「5.売上収益」に記載のとおりであります。

 

(3) 地域に関する情報

売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりであります。

① 売上収益

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

日本

130,003

152,107

欧州

265,673

298,810

うち、イギリス

245,512

266,860

北米

23,437

33,088

うち、アメリカ

23,437

33,088

その他

19,154

15,670

合計

438,268

499,677

 

(注) 1.売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

2.日本以外の区分に属する主な国又は地域は、以下のとおりであります。

(1) 欧州・・・・・イギリス、スイス等

(2) 北米・・・・・アメリカ等

(3) その他・・・・アジア等

 

② 非流動資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2025年3月31日)

当連結会計年度

(2026年3月31日)

日本

311,493

407,746

欧州

2,949

2,743

米国

40,525

30,111

その他

8,832

3,320

合計

363,801

443,921

 

(注) 1.非流動資産は、資産の所在地により、国又は地域に分類しており、金融商品及び繰延税金資産を除いております。

2.日本以外の区分に属する主な国又は地域は、以下のとおりであります。

(1) 欧州・・・・・イギリス等

(2) その他・・・・アジア等

 

 

(4) 主要な顧客に関する情報

売上収益が当社グループ全体の売上収益の10%以上の相手先は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

ViiV Healthcare Ltd.

240,404

261,335