2026.06.03更新

ストーリー・沿革

価値創造に関する情報ソースがAIによって要約されています。 情報ソース: 統合報告書2025

サマリ

塩野義製薬は、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針のもと、低分子創薬力と感染症・QOL疾患での実績を武器に成長してきた創薬型製薬企業です。HIVフランチャイズや多剤耐性菌治療薬セフィデロコル、インフルエンザ薬やCOVID-19治療薬など自社創製薬をグローバルに展開し、ロイヤリティビジネスで得た資金を再投資してパイプラインとヘルスケアソリューションを拡充しつつ、医薬品にとどまらないHaaS企業への変革を進めています。

目指す経営指標

・中期経営計画「STS2030 Revision」において、FY2025に売上収益5,300億円、EBITDA1,960億円を目標とし、FY2030に売上収益8,000億円を掲げている
・STS2030 Phase2(2023〜2025年度)で、3年間合計3,000億円規模の研究開発費と8,800億円規模の成長投資を行う計画であり、感染症とQOL疾患の両フランチャイズを伸ばす
・FY2025の財務KPIとしてDOE4%以上、EPS200円以上、ROE14%以上を設定し、14期連続増配と機動的な自己株式取得を通じて株主還元を行う方針
・HIVロイヤリティー収入を中心とした強固なキャッシュ・イン・フローと健全な財務基盤を活かし、資本コストを上回るリターンを生む投資を継続することで、長期的な企業価値向上を目指している

用語解説

■低分子創薬
体の中で働くたんぱく質などを狙って、分子のサイズが小さい化合物(低分子化合物)を設計・合成し、飲み薬などとして開発するタイプの創薬です。塩野義製薬はこの低分子創薬を得意分野として、HIV薬や抗菌薬など多くの自社創製薬を生み出してきました。

■QOL疾患
「Quality of Life(生活の質)」に大きく影響する疾患をまとめて指す言葉です。命に直結する重症疾患だけでなく、不眠症や難聴、肥満症など、長く付き合うことで日常生活の満足度を下げてしまう病気を対象領域として位置付けています。

■HIVフランチャイズ
塩野義製薬が長年取り組んできたHIV領域の創薬と製品群を、ひとつの事業の柱(フランチャイズ)として捉えた呼び方です。ドルテグラビル関連薬や長時間作用型カボテグラビルなど複数のHIV治療薬からの売上・ロイヤリティ収入を束ねた事業ポートフォリオを意味します。

■ロイヤリティビジネス(HIVロイヤリティー収入)
自社が創製した薬の権利を他社と提携し、販売はパートナー企業が担い、その売上に応じて継続的に対価(ロイヤリティ)を受け取るビジネスモデルです。塩野義製薬はHIV薬などで得られるロイヤリティー収入を、研究開発やM&Aへの再投資原資として活用しています。

■多剤耐性菌
複数の抗菌薬が効かなくなった細菌のことです。従来の抗菌薬では治療が難しく、世界的な医療課題になっています。塩野義製薬は、多剤耐性菌にも効果が期待される抗菌薬セフィデロコルを自社創製し、AMR対策の中核製品として位置付けています。

■AMR
「Antimicrobial Resistance(薬剤耐性)」の略で、細菌やウイルスなどの微生物が薬に強くなり、従来の薬が効きにくくなる問題を指します。塩野義製薬はAMRを社会を脅かす重要な感染症課題と捉え、セフィデロコルなどの新しい抗菌薬開発を重点テーマとしています。

■セフィデロコル
塩野義製薬が創製した注射用抗菌薬で、グラム陰性菌と呼ばれる細菌、とくに多剤耐性菌に対する治療を目的とした新薬です。鉄を利用した独自の取り込み機構を持ち、既存薬が効きにくい重症感染症の治療選択肢としてグローバル展開されています。

■ゾフルーザ
塩野義製薬が創製したインフルエンザ治療薬で、1回の内服で治療できることが特徴の薬です。ウイルスが増える仕組み(複製)をブロックする新しいタイプの薬として、インフルエンザの治療選択肢を広げています。

■ゾコーバ
塩野義製薬が創製した経口のCOVID-19治療薬です。ウイルスの増殖に必要な酵素を阻害することで、新型コロナ感染症の症状悪化を防ぐことを狙った薬で、インフルエンザ薬などと組み合わせた急性呼吸器感染症ビジネスの一角を担っています。

■クービビック
塩野義製薬が販売する不眠症治療薬で、睡眠に関わるオレキシンという物質の働きを抑えることで自然に近い睡眠を促す薬です。夜間の入眠・中途覚醒などで悩む人のQOLを高めることを狙ったQOL疾患領域の製品です。

■テビケイ
ドルテグラビルを有効成分とするHIV感染症治療薬で、塩野義製薬が創製に関わった薬です。ウイルスの増殖に関わるインテグラーゼという酵素を阻害し、HIVの体内での増え方を抑える作用を持っています。

■トリーメク
ドルテグラビルと2種類のヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬を1錠にまとめたHIV治療薬です。1日1回1錠で服用できることから、服薬負担を減らし、治療を続けやすくすることを狙った配合剤として位置付けられています。

■カボテグラビル(長時間作用型HIV治療)
塩野義製薬が創製に関わったインテグラーゼ阻害薬で、注射剤として長時間作用する(長時間作用型:LAI)HIV治療薬です。数カ月に1回の投与で効果が持続することを目指しており、毎日の内服が負担となるHIV患者の新しい選択肢として期待されています。

■S-365598/VH184
塩野義製薬が開発している次世代HIV治療薬候補で、既存薬とは異なる特徴を持つ長時間作用型の薬剤を目指しているパイプラインです。カボテグラビルに続くHIVフランチャイズ強化の柱として開発が進められています。

■シノミン
塩野義製薬が戦後に発売したサルファ剤(抗菌薬)のひとつで、同社が感染症領域で存在感を高めるきっかけとなった代表的な自社創製薬です。こうした歴史的製品群が、現在の抗菌薬ビジネスの基盤になっています。

■バクタ
塩野義製薬が手掛けた合成抗菌剤で、2種類の有効成分を組み合わせたことにより、広い菌種に効果を持つ薬です。日常診療で広く使われ、同社の感染症領域のブランド確立に貢献してきました。

■セデス
塩野義製薬を代表する鎮痛薬ブランドで、頭痛や生理痛などの軽度から中等度の痛みを和らげる市販薬として長く販売されています。一般消費者にとっての「シオノギ」の認知拡大にも大きく寄与してきた製品です。

■クレストール
高コレステロール血症の治療薬で、塩野義製薬が提携を通じて日本を中心に販売してきたスタチン系薬剤です。生活習慣病領域の主要製品として、同社の収益基盤を支えてきました。

■急性呼吸器感染症ビジネス
インフルエンザやCOVID-19など、急性の呼吸器感染症を対象に、治療薬やワクチンを組み合わせて展開する事業領域を指します。ゾフルーザやゾコーバなど自社創製薬を核に、複数のウイルスに対応できるポートフォリオを構築しようとする戦略です。

■ヘルスケアソリューション
従来の「薬をつくって売る」だけでなく、検査・予防・デジタルツール・サービスなどを組み合わせて、健康課題に対してトータルで価値を提供する取り組みを指します。塩野義製薬は医薬品やワクチンと一体で提供する新しいビジネスモデルとして位置付けています。

■HaaS企業
「Healthcare as a Service」の略で、単に医薬品を供給する企業から、サービスとして継続的にヘルスケア価値を提供する企業へ転換していく姿を表したコンセプトです。塩野義製薬は、創薬・ワクチン・デジタル・サービスを組み合わせたHaaS企業への進化を長期ビジョンに掲げています。

■SHIONOGI Group Vision
塩野義製薬グループが共有する長期ビジョンで、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」という方向性を示したものです。感染症とQOL疾患という重点領域で、医薬品とサービスを組み合わせた新しいヘルスケアの形を創ることを目指しています。

■STS2030 Revision
塩野義製薬が掲げる2030年までの中期経営計画の改訂版で、「Shionogi Transformation Strategy 2030」を略した名称です。HIVビジネスからのロイヤリティを活かしながら、感染症とQOL疾患の両フランチャイズ強化とHaaS企業への変革を進めるための具体的な成長戦略を示しています。

■STS2030 Phase2
STS2030のなかで2023〜2025年度を位置付けた実行フェーズです。この期間に研究開発と成長投資を集中的に行い、感染症とQOL疾患を伸ばすとともに、M&Aやアライアンスを通じてグローバルでの事業基盤を一気に広げる段階と定義されています。

■メディシナルケミスト
新薬候補となる低分子化合物を設計・合成する専門職の化学者を指す言葉です。塩野義製薬は、自社や統合したグループ会社に多くのメディシナルケミストを抱え、低分子創薬力の源泉として重視しています。

■PMI(Post Merger Integration)
M&A後に、買収先と自社の組織・制度・文化などを統合していくプロセスを指します。手代木氏は、過去にPMIの難しさを経験したことを踏まえ、今回の統合では人と文化を重視した丁寧なPMIを行う必要があると強調しています。

■Pre Merger Integrity
塩野義製薬が統合方針として掲げる独自の概念で、M&Aの前段階から「正しい統合を行えるか」を自ら点検し、相手企業と自社の価値観のすり合わせや準備を徹底する考え方です。PMIとセットで機能させることで、統合による組織混乱を防ぎ、シナジーを最大化しようとしています。

■DE&I
「Diversity, Equity & Inclusion」の略で、多様性、公平性、包括性を重視する考え方です。塩野義製薬は、性別・国籍・バックグラウンドの違いを尊重し、誰もが力を発揮できる職場づくりを経営の重要テーマとして位置付けています。

■人的資本
社員一人ひとりの知識・スキル・経験・価値観などを企業の大切な資本と捉える考え方です。塩野義製薬は、教育・キャリア支援や多様な働き方の整備を通じて人的資本を高めることが、創薬力や企業価値向上につながると明確に打ち出しています。
2026年3月期有価証券報告書より

沿革

 

2 【沿革】

1878年3月

初代塩野義三郎薬種問屋を創業 和漢薬を販売

1886~1897年

取扱品を洋薬に転換 直接欧米の商社と取引を開始

1910年2月

塩野製薬所を建設

1919年6月

株式会社に組織を変更 社名を株式会社塩野義商店(資本金150万円)とする

1922年5月

神戸醋酸工業の土地、建物を買収し、杭瀬工場として発足

1943年7月

塩野義製薬株式会社と改称

1945年8月

塩野義化学を合併し、赤穂工場として発足

1946年1月

油日農場(滋賀県)を開設

1949年5月

東京、大阪両証券取引所に株式上場

1963年12月

台湾塩野義製薬股份有限公司(現・連結子会社)を設立

1968年3月

摂津工場(大阪府)を建設

1976年8月

日亜薬品工業株式会社(現・連結子会社 シオノギファーマ株式会社)を設立

1983年3月

金ケ崎工場(岩手県)を建設

2001年2月

シオノギUSA,INC.(米国)を設立

2008年1月

シオノギ分析センター株式会社(現・連結子会社 シオノギファーマ株式会社)を設立

2008年8月

シオノギUSAホールディングス,INC.(米国、現・連結子会社 Shionogi Inc.)を設立

2008年10月

サイエルファーマ,INC.(米国、2010年1月 シオノギファーマ,INC.に商号変更)の株式取得

2010年10月

シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社(現・連結子会社)を設立

2011年4月

Shionogi Inc.がシオノギUSA,INC.及びシオノギファーマ,INC.を吸収合併

2011年7月

医薬研究センター(大阪府)を建設し、創薬研究機能を集約

2011年10月

C&Oファーマシューティカル テクノロジー ホールディングス Ltd.(中国、現・連結子会社)の株式取得

2012年2月

シオノギ Ltd.(現・連結子会社 Shionogi B.V.)を設立

2013年3月

北京塩野義医薬科技有限公司(中国、現・連結子会社)を設立

2016年1月

シオノギヘルスケア株式会社(現・連結子会社)を設立

2016年4月

シオノギヘルスケア株式会社にコンシューマーヘルスケア事業を承継

2018年10月

シオノギファーマ株式会社(現・連結子会社)を設立

2018年11月

Shionogi B.V.(オランダ、現・連結子会社)を設立

2019年3月

Shionogi B.V.がシオノギ Ltd.を吸収合併

2019年4月

シオノギファーマ株式会社に医療用医薬品等の製造及び製造受託等を承継

2019年4月

シオノギファーマ株式会社がシオノギファーマケミカル株式会社及びシオノギ分析センター株式会社を吸収合併

2019年10月

エムスリー株式会社と合弁会社ストリーム・アイ株式会社(現・連結子会社)を設立

2020年5月

Tetra Therapeutics Inc.(現・連結子会社)の株式取得

2020年8月

平安塩野義(香港)有限公司(現・連結子会社 塩野義(香港)商業有限公司)を設立

2020年11月

平安塩野義(中国)有限公司(現・連結子会社 塩野義有限公司)を設立

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行

2022年8月

Yui Connection株式会社(現・連結子会社)を設立

2023年7月

シオノギビジネスパートナー株式会社の株式一部売却(現・持分法適用関連会社)

2023年7月

Qpex Biopharma, Inc.(現・連結子会社)の株式取得

2023年10月

Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC(現・持分法適用共同支配企業)を設立

2025年1月

平安塩野義(香港)有限公司(現・連結子会社 塩野義(香港)商業有限公司)を完全子会社化

2025年3月

平安塩野義(中国)有限公司(現・連結子会社 塩野義有限公司)を完全子会社化

2025年9月

鳥居薬品株式会社を連結子会社化

2025年12月

日本たばこ産業株式会社の医薬事業の会社分割(簡易吸収分割)による事業承継およびAkros Pharma Inc.の連結子会社化

2026年3月

ViiV Healthcare Ltd. への追加出資による持分法適用関連会社化

2026年4月

田辺ファーマ株式会社からのエダラボン事業の承継およびRadicava事業会社の設立

2026年4月

Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC を連結子会社化

 

 

関係会社

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金又は出資金

(百万円)

主要な事業の

内容

議決権の所有
割合(%)

関係内容

[連結子会社]

 

 

 

 

 

シオノギファーマ株式会社

(注)2

大阪府摂津市

90

医薬品事業

100.0

当社が医薬品の製造及び試験・分析を委託しております。

役員の兼任等………無

シオノギヘルスケア株式会社

大阪市中央区

10

医薬品事業

100.0

当社が一般用医薬品を販売しております。

役員の兼任等………無

シオノギテクノアドバンス

リサーチ株式会社

大阪府豊中市

9

医薬品事業

100.0

当社が実験系研究支援業務を委託しております。

役員の兼任等………無

鳥居薬品株式会社

(注)2

東京都中央区

5,190

医薬品事業

100.0

当社が医薬品を製造販売しております。

役員の兼任等………無

Shionogi Inc.

(注)2

米国

ニュージャージー州

12

米ドル

医薬品事業

100.0

当社が医薬品の開発業務を委託しております。

当社が医薬品を製造販売しております。

役員の兼任等………有

Tetra Therapeutics Inc.
(正式名称:Tetra Discovery Partners Inc.)

米国

ミシガン州

37

千米ドル

医薬品事業

100.0

当社が医薬品の研究開発業務を委託しております。

役員の兼任等………有

Qpex Biopharma, Inc.

(注)4

米国

カリフォルニア州

4,107

米ドル

医薬品事業

100.0

(100.0)

当社が医薬品の研究開発業務を委託しております。

役員の兼任等………有

Shionogi B.V.

(注)2

オランダ

アムステルダム

630

千英国ポンド

医薬品事業

100.0

当社が医薬品の開発業務を委託しております。

当社が医薬品を製造販売しております。

役員の兼任等………有

台湾塩野義製薬股份有限公司

台湾

台北市

92

百万台湾元

医薬品事業

100.0

当社が医薬品及び原料を販売しております。

役員の兼任等………有

北京塩野義医薬科技有限公司

中国

北京市

30

医薬品事業

100.0

当社が医薬品の市場調査業務を委託しております。

役員の兼任等………有

塩野義(香港)商業有限公司

(注)2・4

中国

香港特別行政区

361,794

千香港ドル

医薬品事業

100.0

(100.0)

当社が医薬品の販売を委託しております。

役員の兼任等………無

塩野義有限公司

(注)2・4

中国

上海市

1,061,224

千中国元

医薬品事業

100.0

(100.0)

当社が医薬品の開発及び製造販売を委託しております。

役員の兼任等………無

[持分法適用関連会社]

 

 

 

 

 

シオノギビジネスパートナー株式会社

大阪市中央区

10

医薬品事業

20.0

当社が各種サービス業務を委託しております。

役員の兼任等………無

ViiV Healthcare Ltd.

英国

ロンドン

48

千英国ポンド

医薬品事業

21.7

当社と開発・製造販売に関するライセンス契約を締結しております。

役員の兼任等………有

[持分法適用共同支配企業]

 

 

 

 

 

Shionogi-Apnimed

Sleep Science, LLC
 (注)5

米国

マサチューセッツ州

178,200

千米ドル

医薬品事業

50.0

当社が医薬品の研究開発業務を受託しております。

役員の兼任等………有

 

(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。

2.特定子会社に該当しております。

3.上記以外に連結子会社が27社、持分法適用関連会社が1社及び持分法適用共同支配企業が1社ありますが、いずれも事業に及ぼす影響度が僅少であり、かつ全体としても重要性がないため、記載を省略しております。

4.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

5.当社は、2026年4月6日付でShionogi-Apnimed Sleep Science, LLCの持分を追加取得し、同社を連結子会社としました。さらに、2026年6月1日付で当社および当社の連結子会社であるShionogi Inc.との間で締結した出資契約に基づき、同社はShionogi Inc.の完全子会社となりました。