事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 1,170,611 | 100.0 | 542,002 | 100.0 | 46.3 |
事業内容
3【事業の内容】
当企業集団は、連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という。)、子会社15社及び親会社の子会社2社により構成されており、主な事業内容と企業集団を構成する各会社の当該事業に係る位置づけの概要は次のとおりであります。
医薬品事業18社
国内事業:当社が製造した医薬品を、全国の特約店を通じて販売しております。製造については、一部医薬品の原材料をエフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド[本社:スイス]から購入しております。また、中外製薬工業㈱及びジェネンテック・インコーポレーテッド[本社:米国]に医薬品の製造を委託しております。研究業務については、㈱中外医科学研究所に医薬品の研究業務の一部を委託しており、また同社に研究用施設等の管理業務を委託しております。
開発業務については、㈱中外臨床研究センターに臨床開発業務の一部を委託しております。
また、中外製薬ビジネスソリューション㈱は当社の事務処理業務を請け負っております。
海外事業:欧州では、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドが販売統轄会社として位置づけられております。
エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドが当社一部製品を輸入し販売しております。
欧州において、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド及び中外ファーマ・ユー・ケー・リミテッドが英国における販売活動を、中外ファーマ・フランス・エスエーエスが欧州における輸入販売及びフランスにおける販売活動を、中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチがドイツにおける販売活動を行っております。
台湾において、台湾中外製薬股份有限公司が医薬品の販売を行っております。中国においては、日健中外製薬有限公司が医薬品の販売を行い、医薬品学術情報を提供しております。また、泰州日健中外製薬工業有限公司が医薬品の生産を行っております。
海外での研究開発活動は、中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド(米国)、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド(英国)、日健中外製薬有限公司(中国)及び台湾中外製薬股份有限公司(台湾)が医薬品の開発・申請業務を、中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド(シンガポール)が医薬品の研究を行っております。
また、中外ベンチャー・ファンド・エルエルシー(米国)がスタートアップへの投資活動を行っております。
企業集団の関係概要図は次のとおりであります。
2024年12月31日現在
・子会社のうち、上場している会社はありません。
・2024年3月に中外ファーマ・フランス・エスエーエスと中外ファーマ・ヨーロッパ・ロジスティクス・エスエーエスを、前者を存続会社として統合しております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
(単位:億円)
<連結損益の概要(IFRSベース)>
当連結会計年度の売上収益は1兆1,706億円(前年同期比5.3%増)、営業利益は5,420億円(同23.4%増)、当期利益は3,873億円(同19.0%増)となりました。これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費16億円、無形資産の減損損失41億円、事業再構築費用79億円及び事業所再編費用5億円が含まれています。
<連結損益の概要(Coreベース)>
当連結会計年度の売上収益は、製商品売上高及びその他の売上収益が伸長し、1兆1,706億円(前年同期比5.3%増)となりました。売上収益のうち、製商品売上高は9,979億円(同2.4%増)となりました。国内製商品売上高は、新製品のフェスゴ、バビースモが伸長するとともに、主力品のヘムライブラ、アクテムラ等が好調に推移した一方、前年同期に計上されたロナプリーブの政府納入や、薬価改定及び後発品浸透の影響を受けたことにより、前年同期比で減少しました。海外製商品売上高は、ロシュ向けのヘムライブラ輸出の大幅な増加等により、前年同期を大きく上回りました。その他の売上収益は、ヘムライブラに関する収入の増加に加え、一時金収入の増加等により1,727億円(同26.2%増)となりました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により33.9%と前年同期比で8.4ポイント改善しました。結果、売上総利益は8,325億円(同19.0%増)となりました。
研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴う費用の増加等により1,769億円(同8.7%増)、販売費及び一般管理費は前年同期並みの1,022億円(同0.2%増)となりました。その他の営業収益(費用)は製品譲渡に係る収益等で、27億円の収益(前年同期は製品譲渡に係る収益や有形固定資産の売却益等が発生し161億円の収益)となりました。以上から、Core営業利益は5,561億円(同23.4%増)、Core当期利益は8期連続の増益を達成し、3,971億円(同19.0%増)となりました。
※Core実績について
当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
株主還元を行う際の指標には、Core EPS及びCore配当性向を指標として使用しております。Core EPSは、Core実績をもとに算出された、当社株主に帰属する希薄化後1株当たり当期利益であり、Core配当性向は、Core EPS対比の配当性向です。
<製商品売上高の内訳>
(単位:億円)
[国内製商品売上高]
国内製商品売上高は、新製品及び主力品が伸長したものの、前年同期に計上されたロナプリーブの政府納入や、薬価改定及び後発品浸透の影響により、4,611億円(前年同期比17.4%減)となりました。
オンコロジー領域の売上高は、2,477億円(同4.8%減)となりました。新製品の抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤「フェスゴ」の売上が好調に推移したものの、薬価改定及び後発品浸透の影響により、主力品の抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」などの売上が減少しました。また、抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」は、同剤を含む配合皮下注製剤である「フェスゴ」の市場浸透影響を主因に前年同期を下回りました。
スペシャリティ領域の売上高は、2,134億円(同28.3%減)となりました。新製品の眼科用VEGF/Ang-2阻害剤抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ」の伸長や、2024年5月に発売したpH依存的結合性ヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体「ピアスカイ」の好調な市場浸透に加え、主力品の血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ヘムライブラ」やヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」が好調に推移しました。一方で、前年同期に計上された抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブ」の政府納入(812億円)や、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」行政備蓄の売上減少による影響を大きく受け、前年同期を下回りました。
[海外製商品売上高]
海外製商品売上高は5,368億円(前年同期比28.9%増)となりました。ロシュ向け輸出については、「ヘムライブラ」が前年同期比で大幅に増加しました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ467億円増加し、9,476億円となりました。うち、純運転資本は、主に営業債務の減少により前連結会計年度末に比べ261億円増加し、4,487億円となりました。また、長期純営業資産は主に宇都宮工場におけるバイオ原薬製造棟(UT3)及び藤枝工場における合成原薬製造棟(FJ3)への投資により前連結会計年度末から206億円増加し、4,989億円となりました。
次項「③ キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ2,573億円増加し、9,963億円となりました。その他の営業外純資産は、主に未払法人所得税の増加により前連結会計年度末から282億円減少し、△425億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ2,759億円増加し、1兆9,015億円となりました。
※純営業資産(NOA)及び純資産について
連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。
※純営業資産(NOA)について
純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、5,848億円(前年同期比19.0%増)となりました。
調整後営業利益から有形固定資産の取得による支出504億円や純運転資本等の増加288億円等により、営業フリー・キャッシュ・フローは4,934億円(同8.6%減)の収入となりました。純運転資本等の増加要因は前項「② 財政状態の状況」に記載したとおりです。
営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税1,005億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは3,868億円(同6.3%増)の収入となりました。
フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払1,332億円等を調整したネット現金の純増減は2,573億円の増加となりました。
また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は815億円増加し、当連結会計年度末残高は5,402億円となりました。
※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について
連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産の状況
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
(注)IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は売価換算(仕切単価ベース)であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。
b. 商品仕入実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
(注)IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は実際仕入高であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。
c. 受注の状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d. 販売の状況
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.IFRSに基づく金額を記載しております。また、金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。
3.販売高は売上収益(製商品売上高とその他の売上収益)であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、これまで、運転資金並びに設備投資及び研究開発活動を自己資金で充当しております。2021年度に始動しましたTOP I 2030 は「R&Dアウトプットの持続的な創出」に代表されるイノベーションへの継続的な経営資源の配分を掲げています。引き続き資金流動性の確保と事業活動から創出されるキャッシュ・インフローの最大化に努めるとともに、継続的なイノベーション投資に必要な財務健全性を維持していく方針です。また、計画外の急な資金需要が生じた場合の財源につきましては、金融機関からの借入や短期社債等を利用するなどの体制を整えており、既存の手許資金も含めて十分な流動性を確保しております。
今後についても資本財源は事業活動を通じて獲得した資金を基盤とする方針であり、継続的なイノベーションへの投資を通じ、持続的な企業価値の向上を目指す方針です。なお、資本配分としての配当につきましては、戦略的な投資資金需要や業績見通しを勘案した上で、Core EPS対比平均して45%の配当性向を目処に、株主の皆様へ安定的な配当を行うことを目標としております。
③ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度においては、昨年10月25日に公表した修正予想に対して、Core売上収益は、ロシュ向け輸出や国内における新製品・主力品の市場浸透が好調だったことから、1兆1,706億円(修正予想比1.8%増)となり、3年連続で1兆円を超えました。製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により33.9%(同0.1%ポイント改善)、研究開発費・販売費及び一般管理費・その他の営業収益(費用)の合計は2,764億円(同0.5%増)となりました。この結果、Core営業利益は5,561億円(同3.0%増)となりました。また、長期にわたる投資効率の指標として重点的に管理しているCore ROIC*の実績は、ロナプリーブ政府納入に伴う純運転資本の変動が収束したことと、税引後営業利益の増加により42.9%(前年比8.3%ポイント増)となりました。
2021年に開始した成長戦略「TOP I 2030」の4年目となる2024年は、創薬、開発、製薬、Value Delivery、成長基盤という5つの改革分野において、概ね順調な進展が見られました。
創薬においては、R&Dアウトプット倍増という非常にチャレンジングな目標達成に向け、様々な取り組みを行っております。現在、抗体、低分子に続く第3のモダリティとして中分子医薬品開発に取り組んでおり、今期は新たに1プロジェクトが前臨床開発段階に進みました。ポートフォリオの拡充は順調に進展しており、中分子創薬のプラットフォーム化に向けた取り組みも加速させています。また、強みとする抗体医薬品においても、次世代抗体技術の開発とプロジェクトの創出が進んでおります。このような自社での創薬研究を加速すべく、ロボティクスによるラボオートメーション化や、AI等のデジタル基盤活用など、創薬力を最大限に発揮する体制を整備しました。加えて、オープンイノベーションにも注力しています。創薬スタートアップ企業等への投資を目的としたコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として米国に設立した中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーは、活動初年度においてすでに複数の投資実績を有しており、今後の成果が期待されます。このように種々の進捗が見られておりますが、先に述べたチャレンジングな目標達成のためには更なる強化の余地があると考えており、取り組みを加速していきます。
開発については、2024年は合計10プロジェクトが承認され、新薬・適応拡大を含め6プロジェクトが承認申請に移行しました。また、ロシュ品・自社品含めて計2プロジェクトの第Ⅲ相国際共同治験、2プロジェクトの第Ⅰ相臨床試験を開始しました。非臨床段階から最適な開発ルートを見定め、精度の高いGo/No-Go判断と効果的な開発計画の策定によって開発を加速させることで、毎年上市の達成に向けて取り組んでおります。
製薬では、R&Dアウトプット倍増に対応する頑健かつ競争力のある供給体制の実現を目指しています。中分子プラットフォーム技術構築においては、多くの関連技術において着実な進展が見られました。また、それらの技術をプロジェクトに適用し、GMP原薬・治験薬の製造を完遂するなど、技術確立が進みました。各生産拠点における新規建築プロジェクトも計画通りに進展し、藤枝工場の新たな低中分子治験薬・商用生産棟である「FJ3」が竣工となりました。浮間工場で稼働を開始した「UK4」は、国際製薬技術協会(ISPE : International Society for Pharmaceutical Engineering)のFacility of the Year AwardsにおけるSocial Impact賞を前年の「FJ2」に続き2年連続で受賞するなど、最新の生産設備が社外からも高く評価されています。また、当社が掲げる中期環境目標2030の達成に向けて、サステナブルな生産体制構築にも引き続き取り組んでいきます。
Value Deliveryにおいては、多様化する顧客ニーズに対応し、患者さんや医療関係者が求める情報を的確かつ迅速に提供すべく、人・デジタルを融合したエンゲージメントモデルの進化と組織体制の変革が進んでおり、顧客満足度調査においても昨年に続き高い評価をいただいております。また、個別化医療に資する独自エビデンスの創出、患者さんや医療現場に価値をもたらすエビデンスの創出を目指し、社内外データの統合的な活用にも継続して取り組んでいます。今後も効率化を進めることで、高い生産性を維持していきます。
成長基盤の「人・組織」については、2025年から導入する新人事制度においてジョブポスティングへの移行や雇用上限年齢の撤廃を掲げ、適所適財を加速するとともに、社員の挑戦と自律的なキャリア形成を後押ししていきます。創薬力の高度化や全バリューチェーン効率化の柱である「デジタル」については、生成AI技術の活用促進を目的としたMicrosoft Copilotの導入や、複数のモデル使い分け機能、全社データの高度な検索・回答機能を有するChugai AI Assistantの内製と活用推進を通じて複数のユースケースが現場から創出されており、業務への実装と効率化が進展しました。世界水準でのサステナブル基盤としての「環境」については、2030年の環境目標を設定し、種々の取り組みを行っており、概ね順調に進捗しておりますが、廃棄物の削減目標については達成に向けた課題があり、検討を継続しております。なお、サステナビリティにおいて重要な指標である「Dow Jones Sustainability World Index」に5年連続で選定され、医薬品セクターで世界第2位の評価をいただきました。プロダクトスチュワードシップや人的資本マネジメント、税務戦略に関する評価が昨年を上回り、特に社会面の項目を中心に全体として高い評価を受けました。その他、質と効率を両立した次世代クオリティマネジメントを目指す「クオリティ」にも着実に対応するとともに、「PHCソリューション**」では、2024年4月にPHCソリューションユニットを新設し、ソリューション開発から実用化までの戦略立案を推進しています。社会が求めるヘルスケアの提供価値への期待が高度化・多様化する中、医薬品と患者さんの間を繋ぎ、個別に最適化された提供価値を最大化することで、ヘルスケアシステム全体における創出価値の最大化へ貢献していきます。
*ROICについて
投下資本利益率(ROIC:Return On Invested Capital)は事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかを知ることができます。
**PHCソリューションについて
医薬品以外のソリューション(製品・サービス)(プログラム医療機器、体外診断用医薬品、コンパニオン診断、デジタルバイオマーカーなど)
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループはIFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 1.重要な会計方針等 (2)重要な会計上の判断、見積り及び前提」に記載のとおりです。
セグメント情報
2.セグメント情報
当社グループは、単一の医薬品事業に従事し、複数の事業セグメントを有しておりません。当社グループの医薬品事業は、新規の医療用医薬品の研究、開発、製造、販売活動から成り立っております。これらの機能的な活動は事業として統合した運営管理を行っております。