2025年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    5,104名(単体) 7,872名(連結)
  • 平均年齢
    42.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.0年(単体)
  • 平均年収
    13,507,769円(単体)

従業員の状況

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2025年12月31日現在

従業員数(人)

7,872

 

(注)1.従業員数は就業人員数を記載しております。

2.当社グループは、医薬品事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、グループ全体での従業員数を記載しております。

 

(2)提出会社の状況

2025年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(円)

5,104

42才7カ月

15年5カ月

13,507,769

 

(注)1.従業員数は就業人員数を記載しております。

2.当社は、医薬品事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、当社全体での従業員数を記載しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

当社グループには、当社及び国内関係会社(株式会社中外医科学研究所、株式会社中外臨床研究センター、中外製薬工業株式会社、中外製薬ビジネスソリューション株式会社)を対象とした中外製薬労働組合が組織されており、2025年12月末現在の組合員数は4,861名であります。労使は、相互信頼をベースとした協力的な関係を維持しております。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

 

当事業年度

補足

説明

管理職に
占める
女性労働者
の割合(%)
(注)1

マネジャー
に占める
女性労働者
の割合(%)(注)2

男性労働者
の育児休業
取得率(%)
(注)3

男性労働者
の育児休業
日数(日)
(注)4

労働者の男女の
賃金の差異(%)(注)5

全労働者

うち正規雇用
労働者

うち
その他の
雇用

労働者

21.2

19.2

93.4

37.7

81.4

81.2

76.3

管理職

一般職

94.7

85.3

役員

相当

123.8

G4

92.5

部長

相当

95.7

G3

87.6

課長

相当

96.6

G2

92.2

G1

108.1

 

 

<男女の賃金差異について>

・当社は、年齢・属性に捉われず誰もが活躍でき、役割・成果に応じたメリハリのある評価・処遇の実現を目指した人事制度を運用しており、処遇は男女同一であり、現在の賃金差異は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。

・管理職においては、職務等級制度により、ポジションに基づき賃金が決まることから94.7%と賃金差異は小さく、役職の階層別では95%を超える水準となっています。

・差異の要因の一つである女性マネジャー比率の向上に向け、2022年に2030年末時点のKPIを設定し、女性マネジャーの登用やキャリア形成支援を強化しています。具体的には、若手女性社員を対象とした自部門外の女性マネジャーとの対話プログラム「ななめCheck-in」を実施し、64名の参加者がキャリア形成や仕事と育児の両立に関する示唆を得る機会となりました。また、女性の後継候補人財に対し全経営役員が育成と登用を支援する「スポンサー制」も導入しています。こうした施策を通じて、「マネジャーという役割に前向きになれた」「自身のキャリアの視野が広がった」などの声が寄せられ、挑戦意欲の醸成につながっています。これらの結果、女性マネジャー比率は2022年の15.9%から2025年には19.2%まで上昇しています。

・2025年から導入した新人事制度においては、職務等級制度とジョブポスティングの仕組みを組み合わせることで、社員が年齢や属性にかかわらず主体的にキャリアを構築できる環境を整備しました。ジョブポスティング応募者に占める女性の割合は30.0%、合格者に占める女性割合は35.2%と、全社の女性社員比率(33.9%)と同水準であり、性別に関わらず挑戦できる機会が確保されていることが示されています。

 


 


 

 

 

・一般職の賃金差異(85.3%)については、ライフイベントによる男女の育児休業・短時間勤務取得状況の差や、時間外勤務時間等の差異が主な要因です。特に、育児休業・短時間勤務者の割合が多いG3(87.6%)においては、その影響が顕著にみられます。当社では、男性の育児休業取得率は90%を超える高い水準にあるため、男女共に育児参画する企業文化の定着を目指し、男性の育児休業の長期取得に向けた目標を設定し、継続的に意識啓発や環境整備を進めています。外部講師によるセミナーや、長期育児休業を取得した男性社員による座談会を通じて、本人・上司・同僚の声を共有し、職場の理解を促しました。また、「夫婦セミナー」を開催し、社外の配偶者も参加可能とすることで、男女共に育児に参画し活躍できる社会の実現を目指しています。これらの取り組みにより、男性の育休取得平均日数は2022年の18.9日から2025年には37.7日に増加しました。

 


 

・これらの取り組みにより、男女の賃金差異は2022年の77.7%から2025年には81.4%へと改善しています。女性活躍推進の目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。

 

(注)1.管理職に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」の規定に基づいて算出しています。但し、管理職の定義については、課長級(部下の有無に関わらない)の社員も含めており、当社基準で算出しています。

2.マネジャーに占める女性労働者の割合(%)は、部下のいる管理職(マネジャー)、プロジェクトリーダー、高度専門職等のポジションを担う者であり、当社基準で算出しています。対象は中外製薬株式会社及び連結子会社を含めた人数です。

3.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。

4.男性労働者の育児休業取得日数(日)は、「公表前事業年度に復職した労働者の平均育児休業取得日数」を算出しています。

分子:公表前事業年度に育児休業を終了し、復職した労働者の合計育児休業取得日数(日)、分母:当該育児休業取得人数(人)

5.労働者の男女の賃金差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出しています。

・育児休業取得者、短時間勤務者(パートタイマ―を含む)の労働時間の補正は行っていません。

・一般職には4つの等級(G1~G4)があります。

・その他雇用労働者は、契約社員(シニア社員を含む)及びパートタイマーです。

・2025年内の海外勤務者、及び入社者(キャリア入社者、新卒入社者、転籍者)は含めていません。

・2025年12月末付の労働者数に基づき算出しています。

 

 

② 連結子会社

 

当事業年度

補足説明

名称

管理職に
占める
女性労働者
の割合(%)(注)6

男性労働者
の育児休業
取得率(%)
(注)7

労働者の男女の
賃金の差異(%)(注)8

全労働者

うち正規雇用
労働者

うち
その他の
雇用労働者

中外製薬工業
株式会社

14.1

95.7

73.1

75.7

43.4

中外製薬ビジネス
ソリューション
株式会社

32.3

75.7

72.3

72.9

常時雇用する労働者数:300人以下101人以上
配偶者が出産した男性労働者の数:0
育児休業を取得した男性労働者の数:0

株式会社
中外医科学研究所

23.1

100.0

77.9

81.2

41.5

常時雇用する労働者数:300人以下101人以上

株式会社
中外臨床研究
センター

50.0

100.0

83.3

85.6

常時雇用する労働者数:300人以下101人以上
その他雇用労働者:女性人数は0

 

 

<男女の賃金差異について>

・各グループ会社における男女の賃金差異に関する理由・背景については、上記の中外製薬株式会社と同様です。

 

(注)6.管理職に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出しています。但し、管理職の定義については、課長級(部下の有無に関わらない)の社員も含めており、当社基準で算出しています。

7.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。

8.労働者の男女の賃金差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出しています。

・育児休業取得者、短時間勤務者(パートタイマ―を含む)の労働時間の補正は行っていません。

・その他雇用労働者は、契約社員(シニア社員を含む)及びパートタイマーです。

・2025年内の海外勤務者、及び入社者(キャリア入社者、新卒入社者、転籍者)は含めていません。

・2025年12月末付の労働者数に基づき算出しています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。詳細につきましては当社ホームページをご参照下さい。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

中外製薬ウェブサイト「サステナビリティサイト」(2025年活動情報は2026年5月頃公開予定)

https://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/index.html

 

(1)サステナビリティ課題全般

当社は、サステナビリティを事業活動の中心に据えて社会課題の解決をリードし、その活動を通じて創出される価値を様々なステークホルダーと共有し、社会と共に発展する「共有価値の創造」を経営の基本方針としています。

私たちの掲げるミッションは「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献すること」です。そのミッションに基づき、私たちだからこそ生み出せるイノベーションで、「患者中心の高度で持続可能な医療」を実現することによって共有価値を創造します。

 

① ガバナンス

当社のサステナビリティ全体の責任者は、取締役会ならびに経営会議の議長である代表取締役 CEO が担当しています。当社は、サステナビリティに関連する課題は経営上の重要な課題として認識しており、取締役会においては、サステナビリティに関する方針の審議や各個別課題の進捗のモニタリングなどにより、サステナビリティに関する取り組みについて監督しています。

 

また、執行面の責任については経営会議メンバー全員が関与・コミットする体制となっており、サステナビリティに関する具体的な計画や政策、投資については、経営会議で審議を実施した上で、全社の経営戦略及び業務執行上の重要な意思決定を行っています。

 

より具体的かつ専門的な事案については、経営会議の諮問機関として四つの委員会が推進する体制となっています。地球環境保全をはじめとするサステナビリティ全体に関する事項の俯瞰的・統合的な方針や戦略の策定ならびに実行についてはサステナビリティ委員会、法令順守や各種コンプライアンスに関連することはコンプライアンス委員会、リスクマネジメントについてはリスク管理委員会、サステナビリティに関するコミュニケーションについては広報IR委員会で議論する体制となっています。各委員会の委員長は、いずれも経営会議のメンバーで構成されています。

 


 

 

<サステナビリティ委員会>

サステナビリティ委員会は、当社グループ全般(中外製薬株式会社及び国内外の関係会社)と社会の長期的な発展と持続可能性を目指し、そのための方針・戦略策定、及びその実行の推進を行うことで、企業価値の持続的向上を図ることを目的とする経営専門委員会です。ESG推進統括役員を委員長とし、広報IR統括役員、人事統括役員、リスク管理統括役員、コンプライアンス統括役員、経営企画部担当役員からなる委員により構成されています。全社的なサステナビリティに関する方針の策定、マテリアリティやその指標等の策定、リスク及び機会の特定と対応、環境、人的資本、社会貢献など、サステナビリティの推進に関連する事項について協議する場となっています。

 


 

サステナビリティ委員会の2025年活動内容及び2026年活動計画については経営会議・取締役会へ報告を行いました。

 

<取締役のサステナビリティスキル>

当社はサステナビリティを事業活動の中心に据えており、サステナビリティを含む経営上の重要な課題をマテリアリティ(重要課題)として整理しています。マテリアリティ(重要課題)は取締役会での議論や意見を踏まえて策定しており、マテリアリティ(重要課題)がスコープとする幅広い社会課題に対して、取締役の知識・スキルを確保するため、有識者による勉強会を定期的に開催しています。

 

<サステナビリティと役員報酬の連動>

当社はサステナビリティに関する取り組みを業務執行取締役における報酬に組み込んでおり、2021年から運用しています。当社の業務執行取締役の報酬の指標は、固定部分と業績連動に分けられており、業績連動部分の賞与において、財務成果だけでなく、環境対策などESG課題の達成状況も業績連動の指標に反映しています。

 

役員株式報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照下さい。

 

② 戦略

当社はサステナビリティを事業活動の中心に据えており、「患者中心の高度で持続可能な医療」の実現を目指しています。この経営の基本方針に基づき、当社の価値創造のプロセス全体を表現したのが「価値創造モデル」です。

 


 

価値創造の源泉を活用しながら、サステナビリティを含む経営上の重要な課題を整理し、経営の方向性や方針を定める上での基軸(重要な要素)となるのがマテリアリティ(重要課題)です。当社は、2019年に初めてマテリアリティ(重要課題)を特定しました。以降、社内外との対話を通じ、社会からの期待・要望や戦略の進捗のもと、随時アップデートし、価値創造戦略の基盤として活用してきました。

 

2024年には、ダブルマテリアリティ(環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)と企業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ))の考え方に基づき、リスクと機会を分析し、総合的にマテリアリティの見直しを行いました。

 

見直しにあたり、医療関係者、患者団体、アカデミア、金融市場関係者、公益財団法人、NGOなど、幅広い外部ステークホルダーからの視点を積極的に取り入れると共に、事業活動を取り巻く将来の環境動向・リスクを踏まえ、当社が社会から期待され、求められている課題を網羅的に抽出しました。また、将来にわたる事業環境の展望・分析に加え、サステナビリティに関するグローバルなイニシアチブであるSDGs、GRI(Global Reporting Initiative)、SASB(Sustainability Accounting Standards Board)などを活用したギャップ分析を実施し、当社が十分に満たせていない事項なども精査して取り入れ、マテリアリティを価値創造の方針を考える基軸と捉え直し、従来の26項目から、16項目の重要課題を特定・集約しました。

 

また、「Challenges」、「Co-creation」、「Commitments」という3つの軸によるストーリーとして整理しています。

 

「Challenges」として、独自のサイエンス力と技術力、新たな発想で、革新的な医薬品とサービスの創出へ挑戦します。その挑戦を支えるべく、「Co-creation」として、ロシュをはじめ多様なパートナーと真に求められている新しい価値を共創します。そして、「Commitments」として、持続可能な社会に向け、ヘルスケアを中心とした社会課題の解決に取り組み、誠実かつ先進的に行動します。これら3つの軸による価値創造を進めることにより、患者中心の高度で持続可能な医療を実現していきます。

 

「Challenges」においては、革新的な医薬品とサービスを連続的且つ継続的に創出することは当社の中核的な事業活動であり、社会課題解決に向けて重要な活動であると認識しています。独自の技術を核とした創薬技術の確立や、開発品のポートフォリオの拡充に加え、患者さん一人ひとりに最適なソリューションを創出して提供することを重要な課題と捉えています。また、保険医療のアクセスに関わる課題を解決すると共に、高い品質と安定的な製品供給、そして、患者さん及び臨床試験被験者の安全性を確保することが極めて重要な責務です。

 

 

「Co-creation」について、当社が解決を目指す高度かつ複雑な社会課題の解決に向けては、多様なパートナーとの連携による価値創出が不可欠と捉えています。特に当社が重要視するのが、当社のイノベーション創出を支える社員です。当社は人的資本に関する取り組みを強化しており、育成と成長、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、ウェルビーイングなどに関する様々な施策を展開しています。また社外のパートナーとの連携も強化しており、オープンイノベーションの推進や戦略的な投資、政府機関等での活動にも積極的に参画しています。また、デジタルトランスフォーメーションは、成長戦略におけるキードライバーの一つとして位置づけており、プライバシー保護に取り組みながら、デジタルテクノロジーの積極的かつ責任ある利活用を推進しています。

 

「Commitments」については、コーポレート・ガバナンスとステークホルダーエンゲージメントを重視しながら、高い倫理観に基づく事業活動と高度なリスクマネジメントを展開します。地球環境の保全に留まらず、再興を目指して地球市民として世界最高水準の環境に関する取り組みを推進していきます。

 

これら重要課題を踏まえ、当社が中長期で目指す姿として、2030年のトップイノベーター像を策定し、その実現に向けた成長戦略として「TOP I 2030」を設定しています。成長戦略についての詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。

 


 

③ リスク

当社が考えるサステナビリティに関する主要なリスクについては、全社的リスクマネジメントプロセスの中で可視化して特定しています。リスク選考に係る方針を「リスクアペタイト ステートメント」として明示し、全社的に対処すべきリスクを「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分けてリスク管理を行っています。リスク管理の体制については、「リスク管理ポリシー」及び「リスク管理規程」を制定し、経営専門委員会として「リスク管理委員会」、各部門及び国内外の子会社ごとに「部門リスクコンプライアンス委員会」を設置しています。

その中でも、サステナビリティに関するリスクとしては、制度・規制・政策に関連するリスク、ITセキュリティ・情報管理に関するリスク、大規模災害、サプライチェーン、パンデミックなどの外部環境の動向に左右される事項、ならびに人権や地球環境問題などの企業市民としての社会的責任が大きい事項について、注視して取り組んでいます。

当社の考えるリスクの詳細と、当社グループにおけるリスクマネジメントについては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。

 

 

④ 指標及び目標

当社では重要課題について、外部環境の変化や、戦略の進捗、社会からの要請を踏まえて定期的に見直しを行い、それらを加味した単年度計画を立案し、進捗を管理することで、機動的な戦略遂行・計画の修正を行っています。

また、経営の基本方針である「共有価値の創造」のプロセス全体を表現した価値創造モデルを策定しております。戦略の進捗ならびに外部環境変化の評価に基づき、機動的な資源配分の見直しや経営計画の修正を行い、目指す姿の実現に向けてアジャイルな対応を図っています。

 

価値創造モデルにおいては、価値創造の源泉となる経営資源(資本)を整理しています。具体的には、①人財(人的資本)、②技術・知的財産(知的資本)、③ロシュや外部との協働(社会関係資本)、④製薬・設備(製造資本)、⑤環境・エネルギー(自然資本)、⑥財務・経営関連(財務資本)の6つを重要な源泉としており、それぞれに現状を定量・定性の両面から捉え、それを踏まえた重点テーマと課題を特定、認識し、対策を進めています。その中で、とりわけ重視しているのが、イノベーションを起こし、当社の価値創造の原動力となる人的資本と、事業を支える重要な基盤となる自然資本です。

 

価値創造の源泉

 

カテゴリ

重点テーマ

価値創造の源泉

課題認識と対策

人財

(人的資本)

●社員の働きがい・生きがいの向上

●イノベーション創出に資する人財の獲得・育成

●DE&Iの継続的な推進

●社員 組織風土(エンゲージメント、社員が活きる環境)

●高度専門人財の獲得・育成

●一人ひとりが主体性を発揮し、活躍できる環境構築

●イノベーション創出への環境・仕組み構築と企業文化の維持向上

技術・知的財産

(知的資本)

●マルチモダリティの進展

●世界最高水準の創薬技術・基盤特許の拡充

●デジタルによる創薬基盤強化

●バイオロジーの深化

●抗体エンジニアリング技術、低分子・中分子創薬技術

●研究プロセス・ライブラリー

●研究・製薬に関わる知的財産

●研究開発投資への集中

●マルチモダリティ技術補完と知財戦略充実

●疾患バイオロジーの理解深耕、外部との協働

ロシュや外部との協働

(社会関係資本)

●ロシュ・グループ等を通じた自社品のグローバル展開

●技術、サイエンスおよびDXにおける外部協働

●ステークホルダーとの対話

●ロシュ品の独占販売権・インフラ

●アカデミアとのネットワーク、スタートアップへの投資

●患者団体・患者・投資家等との対話

●ロシュとの協働における継続的かつ高い貢献

●アカデミアやスタートアップ等との協働

●患者団体等との共有価値創造に向けた活動

製薬・設備

(製造資本)

●モダリティや技術進化、DXに対応した研究・生産の先鋭化

●柔軟かつスピーディーな開発・次世代生産体制

●安定供給・品質確保の徹底

●研究拠点(横浜、浮間、シンガポール)

●生産拠点(浮間、藤枝、宇都宮)

●品質マネジメントシステム

●R&Dアウトプット増大に対応する体制構築

●品質・供給リスクへの継続的対応、リスク低減

環境・エネルギー

(自然資本)

●気候変動対策や生物多様性保全への貢献

●サーキュラーエコノミーに対応した資源循環

●脱炭素・水資源管理に向けた技術・運用知見

●環境マネジメントシステム

●外部とのネットワーク

●環境負荷とコストのベストミックスの推進

●EHSリスクの低い製造プロセスの開発

●外部パートナーとの連携

財務・経営関連

(財務資本)

●収益構造の継続進化

●戦略投資を確保するキャッシュ・フロー拡大

●収益構造

●継続的な再投資

●資本市場での継続的な評価向上

 

 

 

(2)人的資本への取り組み

① 当社における人的資本の位置づけ

当社では、患者中心の高度で持続可能な医療の実現を目指す上でカギとなるのは「人財」だと考えています。イノベーションを起こすのは人財であり、社員一人ひとりが価値創造の原動力だからです。当社の成長戦略「TOP I 2030」で掲げる「R&Dアウトプット倍増」、「自社グローバル品 毎年上市」という高い目標を達成するためには、今まで以上に人財の「個」の力を高め、「人的資本」の価値を向上させる必要があると考えています。自律型人財、すなわち、会社のビジョンと、自身のパーパスをシンクロさせ、主体的に考えながら周囲を巻き込んで事業を推進できる人財の育成は極めて重要な課題であり、そのような人財を「輝く社員」と定義し、輝く社員が増えイノベーションが生まれるよう、人財マネジメント方針に基づき様々な人事施策を講じています。特に、2025年1月からは新人事制度を導入し、ジョブ型人事制度の拡大やジョブポスティング制度の導入、高度専門ポジションの拡充、雇用上限年齢の撤廃を進めることで、「個」の成長・挑戦を一層加速させながら、3つの個(描く・磨く・輝く)を実現し、個が変わり(輝く社員の増加)、会社が変わり、ひいては成長戦略「TOP I 2030」の達成に繋がることを目指しています。

 

② 戦略

人財の価値を最大限に引き出すために、当社では人財マネジメント方針に基づき以下の戦略を実行しています。

 

・個を描く

「社員一人ひとりがキャリアを描き、未来の自己実現と「TOP I 2030」とをシンクロさせる」ことをテーマに掲げ、次世代経営人財とサイエンス人財やデジタル人財等の高度専門人財の発掘・採用・育成に力を入れて取り組んでいます。本取り組みを通じて、志を持って挑戦し続ける人財、Core Valuesを体現する人財、主体性のある人財を増加させることを目指しています。社員が主体的にキャリアをデザインし、その実現に向けて成長・挑戦することを、より一層後押ししていきます。

 

・個を磨く

「社員の自主性を尊重し、社員が挑戦し、自律的な学びや専門性を強化する」ことをテーマに掲げて、イノベーションを生み出すためには、個々のスキルアップと社員の挑戦を後押しする仕組みが不可欠です。成長実感を促す人財育成、社外ネットワーク機会の創出、次世代経営人財の計画的な育成などができる体制の強化を目指しています。自律的に挑戦・学習し自らの専門性を磨き続ける人財を支援すべく、ラーニングマネジメントシステムである「I Learning」による学びの強化、社内外における交流機会の創出に注力しています。特に、戦略的提携アライアンス先であるロシュ社との人財交流は当社ならではの取り組みであり、育成への投資に継続的に取り組んでいきます。

 

・個が輝く

「社員が自身の力を最大限に発揮し、挑戦によって成長が実現できる環境を整える」ことをテーマに掲げて、挑戦を促す風土、自律支援型マネジャー、多様性を活かすDE&Iを推進する組織文化を醸成し、それらをより強固なものとすることを目指しています。具体的には、働きがい改革や女性活躍の推進、多様な社員がいきいきと活躍する環境づくり、「Check in(上司と部下の1on1)」を通じた自律支援型マネジメントの実践、健康経営の推進のほか、2025年1月から導入された新人事制度では、自ら手挙げで異動先を決められるジョブポスティング制度を導入し、社員自らがキャリアを描き、主体的に実行できる仕組みにして、社員一人ひとりの挑戦や成長を後押ししていきます。

 

 


 

このように、社員一人ひとりが自身の力を最大限に発揮し、イノベーション創出が促進されるための環境づくりを目指し、以下に取り組んでいます。

 

・「挑戦・成長」を推奨する組織文化の醸成

「TOP I 2030」の実現に向けて、部門や職種、職位の違いに拘わらず自由闊達に議論する文化への変革を目指しています。その一環として、社員の自発的な手挙げによるジョブポスティング制を導入しました。

導入初年度となる2025年のジョブポスティングでは、募集ポジション約1,000件に、約2,300件の応募がありました。30~40代の応募が多いものの、年代に関わらず多くの社員が手を挙げて自身で描いたキャリアを掴んでおり、一般社員が「最大4段階の飛び級昇格」をする実績も出ています。

また、会社・組織目標とシンクロした未来に実現したい挑戦的な目標(ビヨンド目標)を設定し、その実現に向けて創出した価値を加点的に評価する新たな評価制度や、自身の想いと会社の目指す姿を重ね主体的行動によって社内外へ意義・影響を与えた活動を社員から募り、皆で発表し称え合う表彰制度等を通じて、社員の更なる挑戦・成長を後押ししています。

 

・働きがい改革の推進

2022年より多様な社員一人ひとりの自己実現を目指して、自律的で柔軟性の高い働き方や主体的な行動による能力発揮を支援する「働きがい改革」を進めています。社員一人ひとりの「働きがい」を高めるべく、キャリア自律や成長支援による「社員エンゲージメント向上」と時間と場所の柔軟性の高い働き方や上司・部下の「Check in(1on1)」での対話を通じた関係構築や成長・挑戦の後押し等による「多様な社員が活きる環境づくり」を両輪で推進し「TOP I 2030」実現に向けて輝く個の更なる増加を図り、グローバル好業績企業と同水準を目指します。

 

・DE&Iの推進

「多様な価値観や専門性から革新は生み出される」を共通認識とし、異なる考え方やアイデアを尊重し合いながら、多様な人財がそれぞれ最大限の力を発揮し、インクルーシブな組織文化を醸成することで、共に挑戦し、イノベーションの促進を目指しています。この実現に向けて、環境整備や社員の意識醸成、組織文化醸成に関わる様々な取り組みを推進しています。女性活躍推進においては、女性を含め多様な人財が当たり前にビジネス上のあらゆる場面に参画し、意思決定の多様性を広げると共に、活躍できる状態を目指し、2030年末に全ての階層における女性マネジャー比率を社員比率と同水準とすることを目標に掲げています。若手女性のキャリア形成・成長支援に向けた「ななめCheck in」を実施し、ポジション任用前の女性の早期からの自律的なキャリア形成の意識醸成及び成長を支援、そしてマネジャーやリーダーの視点や行動の理解を深め、マネジメントやリーダーシップに対する意識・行動変化を支援しています。

また、育児や介護、健康課題等と仕事の両立、LGBTQ、障がい者雇用といった社員一人ひとりを取り巻く様々な課題に取り組むことで、多様な社員が生き生きと活躍し、主体的に挑戦・成長できる環境づくりに継続して注力しています。

 

LGBTQの取り組みとして、当社には有志社員で構成されるLGBTQアライグループがあります。LGBTQアライとは、LGBTQ+の課題に対して、LGBTQ+を理解し、支援する人のことを指します。中外LGBTQアライグループのミッションステートメントとして「私たちはLGBTQ+やアライについて職場の理解と意識を高め、アライの仲間を増やしていきます。」「あらゆる性のあり方を尊重し、社員誰もが自分らしく、いきいきと働ける職場風土を目指します。」を掲げ、日々活動が行われています。

 

・健康経営の推進

健康経営を働きがい改革の土台として位置づけ、「社員の自律的な健康管理」と「会社の積極的な働きかけ」にも注力しています。特に、従業員の健康の観点では、喫煙率、がん再検査受診率、高ストレス者面談希望率(希望者/受検者)を重要指標として設定し、進捗のモニタリングを行いながら、誰もが充実して働き続けていくことを目的に様々な取り組みを加速させていきます。

 

③ 指標及び目標

人財マネジメント方針で定める3つの「個」(描く・磨く・輝く)をそれぞれ強化することで「志を持って挑戦し続ける人財の増加」・「人財を支える仕組みの整備」・「挑戦・成長を促す文化の醸成」の実現を目指しています。これら3つの実現・掛け合わせにより、人的資本の価値が向上し連続的なイノベーションの創出に繋がると考えており、その要素を因数分解し、成果指標として可視化・公式化しています。公式は以下の図のように「3つの個」の枠組みに基づき設計しており、計9つのテーマ、17の重点指標を定義しています。2030年に向けた数値目標を設定し、各指標を定期的にトラッキングしていくことで、集中的に取り組むべき課題と対策を明らかにし、連続的イノベーションを実現するための体制を整えています。

 


 

④ 重点指標とその進捗人的資本の向上に向けた3つの「個」(描く・磨く・輝く)に応じた9つのテーマ、17の重点指標の進捗は以下のとおりです。(社員意識調査は隔年で実施)

 


 

 

(3)気候変動への取り組み

① 地球環境保全に関する考え方

地球環境保全はすべての事業活動を支える重要な基盤であり、長期的視点で環境リスクを低減することは、気候変動や資源枯渇に備えた事業継続リスクへの対応であると考えます。そして、将来コストの低減、イノベーションを生み出す施設・設備体制構築、ステークホルダーの信頼獲得につながることから、当社の企業価値向上にも大きく影響するものと考えています。また、製薬企業として人々の健康に貢献するという当社のミッションを果たすためには、健康の前提となる地球環境の保全が不可欠であると考えています。

当社グループは世界的な環境コンセンサスを踏まえた挑戦的な「中期環境目標2030」を掲げ、ロシュや外部パートナーとの連携による革新的な環境保全活動とエビデンスに基づく能動的な情報開示により、環境課題の解決をリードする世界のロールモデルを目指していきます。

気候変動に関連する取り組みについては、2020年1月に気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同しており、TCFDで推奨されているフレームワークに沿って情報開示しています。また、生物多様性に関連する取り組みについては、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に賛同し、2025年6月にTNFD Adopterへ登録、TNFDで推奨されているフレームワークに沿って2025年7月に情報開示し、ステークホルダーとの対話にも活用しています。

 

② 戦略

重点分野

当社グループは2030年に到達を目指すトップイノベーター像とそれを実現するための新たな成長戦略「TOP I 2030」を策定しています。その実現に向けた「成長基盤改革」の重点分野の一つに「サステナビリティ・環境」を設定し、2030年を最終年とする「中期環境目標2030」を推進しています。「中期環境目標2030」では、環境課題分析からマテリアリティとして特定した気候変動・エネルギー対策、資源の循環促進・適切な水管理、生物多様性保全に基づき、以下3つの課題を重点分野として定め、積極的に環境保全活動に取り組んでいます。なお、「中期環境目標2030」の進捗状況については、年1回、経営会議及び取締役会にて定期報告を実施しているほか、重要な事案については随時報告を実施しています。

 

・気候変動対策

世界的な環境コンセンサスと比較してよりチャレンジングな目標を掲げ、温室効果ガスの排出量の削減とエネルギーの効率的使用の実現に向けて、ロシュ、外部パートナー及びアカデミアとの連携による新たな環境対策の創出及び推進に取り組みます。

 

・循環型資源利用

廃棄物全体の削減目標だけでなく、主な海洋汚染源であるプラスチック廃棄物の削減についても目標を設定し、環境に配慮したプラスチックの共同技術開発やサーキュラーエコノミーに基づく事業活動の推進を通じて、廃棄物ゼロエミッションの実現に向けて取り組みます。加えて、水は医薬品製造にとって重要な原材料の一つであり、世界的にも重要な資源であることから、水の使用量削減・汚染防止に取り組みます。

 

・生物多様性保全

かけがえのない地球を次世代につなぐため、自然資本の保全・回復への取り組みに加え、研究開発型の製薬企業として多くの化学物質を取り扱っていることから、事業活動における環境インパクトに応じた独自の目標を設定し、製品製造プロセスの検証も含めた有害化学物質削減に取り組みます。

 

気候変動に関するリスクと機会のシナリオ分析結果

当社グループのCO₂排出量は事業から直接排出される排出量(Scope 1、Scope 2)は少なく、大半はサプライチェーンから排出され、排出量(Scope 3)が多いことが特徴です。このような認識に基づき、シナリオ分析を実施しました。

 

 

・シナリオ分析の前提条件

中外製薬は、気候変動対策を検討するにあたり、脱炭素社会への移行に向けたシナリオについて国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示す、脱炭素への取り組みが進んだシナリオ(1.5℃)と緩和対策なく現状のまま社会が進むシナリオ(4℃)のそれぞれにおいて、どのようなビジネス上の課題が顕在化しうるかについて、全社を対象にシナリオ分析を実施しました。

分析対象は中外製薬グループ全体とし、原料調達を含めたサプライチェーン全体を考慮しています。また、シナリオを想定する上での時間軸としてIPCCが報告書等においてマイルストーンとして設定する2030年及び2050年を見据えた分析を行っています。

 

・気候関連リスクの識別及び評価のプロセス

中外製薬グループは、気候変動リスクを含むリスクを定量的に管理するツールとしてリスクマップを作成しています。経営会議の諮問委員会の一つであるリスク管理委員会は、リスクマップで特定されたリスクのうち、特に経営に大きな影響を与えるものを全社リスクとして特定し、対応する部署を選定します。特定したリスクについて影響度(財務的影響)及び発生可能性(発生頻度)から固有リスクスコアを算出します。固有リスクに対して既に講じた対策、対策を講じるための体制の有無、専門家の見解等のリスク低減・回避のための手段をスコア化し、固有リスクスコアから差し引いた残余リスクスコアに基づいて優先順位を決定します。残余リスクが「高」に分類される3.67以上のリスクを、戦略面で重大な影響があると判定し、優先的に対応策を検討します。なお、残余リスクの分類は高(3.67~5.00)、中(2.34~3.66)、低(1.00~2.33)の3段階であり、高、中、低の順に対応します。

 

・財務影響額の程度の定義

特定したリスクに関する固有リスクスコアを算出する際の財務影響額の定義は以下のとおりです。

低位:1億円未満、中位:1億円以上50億円未満、高位:50億円以上

 

・シナリオ分析の結果を受けての方向性

シナリオ分析の結果、特定された気候変動に伴う当社のリスクと機会は以下のとおりです。特定されたリスクと機会を踏まえ、当社グループとしては気候変動対策を積極的に推し進めるとともに、戦略や目標の設定に活かしていきます。

 


 

 

③ 指標及び目標

当社グループは、中長期的な視点をもって環境保全活動を推進しており、2020年に前回の中期環境目標の結果分析や社会からの期待・要望の変化を踏まえ、より長期的な視点かつ包括的で、ロシュグループの環境目標とも整合性を持たせた意欲的な「中期環境目標2030」を策定しています。

 


 

また、中期環境目標2030の達成に向けて、ビジネスの成長に必要な投資枠(成長投資)とは別に、環境投資枠(環境投資)を設定し、2022年から環境投資額を試算しています。環境負荷が相対的に大きい研究本部、製薬技術/生産技術本部における環境投資額は、累計で1,359億円と試算しています。

2025年度の実績は、下記ページにて2026年5月頃公開を予定しています。

「環境投資」ページ

https://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/environment/investment.html

 

気候変動対策に関する2024年及び2025年実績

Scope 1+2 CO₂排出量及びサステナブル電力比率について

当社グループは、化石燃料使用施設の電化推進、再生可能エネルギーへの転換等の施策を実施してきました。その結果、2025年には中外製薬グループ全拠点において調達電力の100再生可能エネルギー化を達成しました。2024年及び2025年のCO₂排出量は、基準年比52.2減の53,895トン及び55.8減の49,887トンで、2025年目標である40削減を達成しました。

 

Scope 12 エネルギー消費量について

コジェネレーションシステムによる電気・ガスの最適配分、新規施設へのヒートポンプ導入等の施策を推進してきました。2024年及び2025年のエネルギー消費量は、基準年比12.3減の6.3GJ/m²及び16.1減の6.0GJ/m²で、2025年目標である5削減を達成しました。

 

フロン類使用量削減について

自然冷媒への転換を基本方針として、新規建設や設備更新時における計画的な削減を推進してきました。2024年及び2025年のフロン類使用量は、基準年比16.8減の37,027kg及び26.3減の32,804kgで、2025年目標である25削減を達成しました。ただし、パッケージエアコン等のフロン類削減には大規模工事が必要となり、研究・生産活動への影響が懸念されることから、事業活動との調整を図りながら、解決策の検討を進めていきます。

 

Scope 3 CO₂排出量削減について

当社グループは、サプライチェーン全体でのCO₂排出量を2030年までに基準年比30削減する目標を掲げ、CO₂削減目標未設定のサプライヤーに対して目標設定及び推進を働きかけています。2024年のCO₂排出量は基準年である2019年比で1.4増の980,487トンでした。製品・サービスの購入量減少に伴い、サプライヤーによるCO₂排出量(カテゴリー1)は削減したものの、新棟建設に伴う資本財(カテゴリー2)の増加により、全体として増加しました。今後も2030年目標の達成に向けて、サプライヤーへの働きかけを継続していきます。

 

 


 

温室効果ガス排出量(Scope 1、Scope 2、Scope 3(カテゴリー2、4、5、6))については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)の国際保証業務基準(ISAE)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証を受け、当社ホームページ「サステナビリティに関するデータ集」で開示しています。

保証報告書又は限定的保証が付された2025年度の実績は、下記ページにて2026年5月頃公開を予定しています。

「サステナビリティに関するデータ集」ページ

https://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/data/policy.html