2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 130,087 100.0 12,567 100.0 9.7

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社、子会社2社及び関連会社1社の計4社により構成されており、主な事業内容は次のとおりであります。

 

(医薬品事業)

杏林製薬㈱は医薬品の製造販売等を行っております。医薬品原材料の一部については関連会社である日本理化学薬品㈱より仕入を行っております。

キョーリン リメディオ㈱は、医薬品の製造販売等を行っております。

キョーリン製薬グループ工場㈱は、医薬品の製造及び試験等を行っております。

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと下記のとおりであります。

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

国内医療用医薬品業界は、2024年4月に薬価改定が実施される等、継続的な医療費抑制策の推進によって一層厳しい環境下にあり、医療用医薬品市場は一桁台前半の成長率で推移しました。

当社グループは、2023年度に策定した長期ビジョン「Vision 110(2023年度~2032年度)」及び中期経営計画「Vision 110 -Stage1-(2023年度~2025年度)」の達成に向けて邁進しています。その2年目となる2025年3月期は、経営方針に「変革を成し遂げる」と掲げ、事業活動として①創薬の変革を成し遂げる、②パイプラインの拡充、③新薬の普及最大化、④コスト競争力の向上の4つのポイントに積極的に取り組みました。

当連結会計年度における売上高は、薬価改定(杏林製薬㈱7%台)の影響はあったものの、新薬の伸長により、新医薬品等(国内)の売上高は前期を上回る実績で推移しました。また自社創製化合物の導出に伴う契約一時金収入を計上したことにより、新医薬品(海外)の売上高は前期を大幅に上回りました。後発医薬品の売上高も増加し、全体の売上高は130,087百万円と前期比10,554百万円(前期比8.8%増)の増収となりました。

利益面では、上記した新薬の伸長や契約一時金収入などによる増収により、売上総利益は前期に対して7,907百万円増加しました。他方、販売費及び一般管理費は、導入品獲得に伴う研究開発費の増加により、前期に対して1,573百万円増加(研究開発費は2,495百万円増加)しました。結果、営業利益は、前期比6,333百万円増12,567百万円(前期比101.6%増)、経常利益は13,219百万円(前期比93.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,086百万円(前期比66.0%増)となりました。

なお、当連結会計年度より、棚卸資産の評価方法について変更を行っており、前連結会計年度については、遡及適用後の数値で比較分析を行っています。

 

当連結会計年度の業績

売上高

130,087百万円

(前期比

8.8%増

営業利益

12,567百万円

(前期比

101.6%増

経常利益

13,219百万円

(前期比

93.8%増

親会社株主に帰属する当期純利益

9,086百万円

(前期比

66.0%増

 

 

売上高の状況につきましては、以下のとおりです。

〔新医薬品等(国内)〕

2024年4月の薬価制度改革では、薬価改定の実施とともに革新的新薬のイノベーション評価を推進するための薬価上の措置が取られる等、国内医療用医薬品事業を取り巻く環境は大きく変化しています。このような環境に対応し持続成長を図るべく、杏林製薬㈱は新薬比率の最大化を中期経営計画の重点戦略の一つに掲げており、営業部門では「新薬の普及最大化」を目指して、積極的な活動を展開しています。当連結会計年度におきましては、各医療機関の意向に沿ってMRによる訪問面談を行うとともに、デジタルプロモーションの効果的な活用により、複合的な情報提供を実施することで営業力の補完・強化を図り、新薬の普及最大化に取り組みました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」、喘息治療配合剤「フルティフォーム」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の売り上げが増加しました。他方、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」等の売り上げは、小児用製剤を中心に長期収載品の選定療養等の影響を受け、減少しました。

診断事業に関わる取り組みとしては、体外診断用医薬品(SARSコロナウイルス核酸検出キット、インフルエンザウイルス核酸キット)の拡販に注力するとともに、GeneSoC専用の研究用試薬及び体外診断用医薬品の開発を推進しています。2024年10月には、既存の「遺伝子解析装置 GeneSoC mini」に改良を加えた「遺伝子解析装置 GeneSoC mini 2」を発売しました。今後とも呼吸器・性感染症領域等において、GeneSoC関連製品を通して感染症の予防・診断・治療への貢献に取り組みます。

以上の結果、新医薬品等(国内)の売上高は84,158百万円(前期比1.9%増)となりました。

 

〔新医薬品(海外)〕

「ガチフロキサシン」に関わる一時的な収入に加え、自社創製化合物のノバルティス社(本社:スイス)への導出に伴い受領した契約一時金を計上したことから、新医薬品(海外)の売上高は8,860百万円(前期比2,195.2%増)となりました。

 

〔後発医薬品〕

安定供給問題への対応に最大限注力するとともに主要品目の売り上げ拡大に努め、後発医薬品の売上高は37,068百万円(前期比1.4%増)となりました。

品質確保の取り組みについては、杏林製薬㈱、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱の全てのグループ会社が一丸となり、GMPなどの法令遵守の徹底を図るとともに、品質管理体制のより一層の強化に努めています。今後とも信頼性の確保に最大限注力し、高品質で安心・安全な製品を提供していきます。また安定供給の取り組みについても、2024年4月に稼働した高岡工場において、後発医薬品及び当局から増産要請のあった「ムコダイン錠」を製造し、7月に初出荷を行う等、安定供給体制のより一層の強化に努めています。

※医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準

 

②キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、3,506百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益12,770百万円、減価償却費4,603百万円、棚卸資産の増加12,330百万円、仕入債務の増加1,252百万円、未払又は未収消費税等の増減額1,703百万円、法人税等の支払額1,317百万円によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、6,323百万円の支出で、これは主に有形固定資産の取得による支出5,697百万円、無形固定資産の取得による支出596百万円によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、3,952百万円の収入で、これは主に長期借入れによる収入20,000百万円、長期借入金の返済による支出10,200百万円、配当金の支払額3,015百万円、短期借入金の返済による支出2,700百万円によるものです。

この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して1,135百万円増加し、15,021百万円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

前年同期比(%)

医薬品事業

109,085

105.9

合計

109,085

105.9

 

(注)上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。

 

 

b.商品仕入実績

当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

前年同期比(%)

医薬品事業

9,895

94.4

合計

9,895

94.4

 

(注)上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。

 

c.受注実績

当社グループは販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

d.販売実績

当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

前年同期比(%)

医薬品事業

130,087

108.8

合計

130,087

108.8

 

(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アルフレッサ ホールディングス株式会社

20,863

17.5

21,486

16.5

株式会社メディパルホールディングス

19,764

16.5

21,265

16.3

株式会社スズケン

18,473

15.5

17,923

13.8

東邦薬品株式会社

14,116

11.8

13,746

10.6

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して15,990百万円増加し、193,618百万円となりました。このうち、流動資産は136,134百万円と前連結会計年度末と比較して16,894百万円の増加となりました。主な増減要因は、現金及び預金の増加1,135百万円、有価証券の増加1,393百万円、商品及び製品の増加3,763百万円、仕掛品の減少1,509百万円、原材料及び貯蔵品の増加10,076百万円、流動資産のその他の増加2,194百万円等によるものです。また、固定資産は57,483百万円と前連結会計年度末と比較して903百万円の減少となりました。主な増減要因は、有形固定資産の増加1,353百万円、無形固定資産の減少330百万円、投資有価証券の減少2,064百万円、退職給付に係る資産の増加158百万円等によるものです。

負債総額は、前連結会計年度末と比較して10,441百万円増加し、57,333百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加1,252百万円、短期借入金の減少2,700百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少10,000百万円、未払法人税等の増加2,252百万円、長期借入金の増加19,799百万円等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して5,549百万円増加し、136,285百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の増加6,062百万円等によるものです。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中期経営計画「Vision110-Stage1-」において、連結ベースでの売上高年平均成長率2%以上、研究開発費控除前 営業利益対売上高16%以上を数値目標としております。当連結会計年度における連結売上高は前期比8.8%増、研究開発費控除前 営業利益対売上高は17.7%であり、中期経営計画「Vision110-Stage1-」を通した売上高年平均成長率は3.9%、研究開発費控除前 営業利益対売上高は13.0%を予想しております。これらの指標を達成するための取り組みにつきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題」に記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

(資金需要)

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品仕入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。

また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において6,153百万円の設備投資を実施いたしました。

(財務政策)

当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。

2026年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約4,700百万円を予定しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

当社グループは単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

当社グループは単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

1.製品及びサービスごとの情報

当社グループは単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

アルフレッサ ホールディングス株式会社

20,863

株式会社メディパルホールディングス

19,764

株式会社スズケン

18,473

東邦薬品株式会社

14,116

 

(注)当社グループは単一セグメントであるため、関連するセグメント名の記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

1.製品及びサービスごとの情報

当社グループは単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

アルフレッサ ホールディングス株式会社

21,486

株式会社メディパルホールディングス

21,265

株式会社スズケン

17,923

東邦薬品株式会社

13,746

 

(注)当社グループは単一セグメントであるため、関連するセグメント名の記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日

該当事項はありません。