事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
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利益
-
利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 50,643 | 100.0 | 2,619 | 100.0 | 5.2 |
事業内容
3【事業の内容】
(1)当社グループの事業の内容について
当社グループは、当社、連結子会社であるDaito Pharmaceuticals America, Inc.及び大桐製薬(中国)有限責任公司によって構成されており、原薬及び製剤(医療用医薬品・一般用医薬品)の製造販売及び仕入販売、原薬及び製剤に係る製造受託、並びに健康食品他の販売を主な事業としております。
なお、当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであるため、販売品目毎の内容を記載しております。
<当社の主な販売品目>
① 原薬…原薬とは医薬品(注1)を製造するための原材料(医薬品原料)であり、当社グループはその製造販売、仕入販売及び製造業務受託を行っております。
② 製剤…当社グループは、医療用医薬品(注2)や一般用医薬品(注3)の製剤の製造販売、仕入販売及び製造業務受託を行っております。
(注1) 医薬品(薬)とは、化学物質が生体に作用する性質を、人間や動物の病気を治すための道具として利用したものであり、原薬とは、このような性質を持っている化学物質自体のこと。原薬は少量で高い薬理効果を示す場合が多いものの、この少量の原薬だけを正確に服用することはまず不可能なため、これらに乳糖やでん粉などの添加剤を加えて溶け易く、または吸収しやすく、あるいは使いやすい量・嵩にすることによって、その化学物質が最も有効に働きやすい形に加工されます。この加工されたものは製剤(錠剤や顆粒剤等)と呼ばれ、これらに必要な包装や表示がなされると、医薬品(薬)となります。
なお、医薬品の一般的な製造工程の概要は以下のとおりであります。
(注2) 医療用医薬品とは、病院や診療所が発行する処方箋に基づいて処方される医薬品のこと。
医療用医薬品は、大別して新薬(先発品)とジェネリック医薬品(後発品)に分けられます。
先発品は、化合物の特定・薬理活性(薬理効果)の特定動物による毒性の確認などの基礎データから、人による有効性・安全性のデータ、さらには有用性のデータを揃えて申請し、承認・許可・発売に至るまでに多額の費用と十数年の歳月を要します。
一方、後発品(ジェネリック医薬品)は、先発品の特許が切れた後に他の製薬会社が承認・許可を得て製品化でき、同じ有効成分、同等の効き目、安全性をもち、研究開発費が少額ですむため、薬価が先発品より低く設定されております。
(注3) 一般用医薬品とは、薬局や薬店で販売され、医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のこと。大衆薬やOTC(Over The Counter)医薬品などとも呼ばれております。
③ 健康食品他…健康食品や、医薬部外品等の医薬関連商品。
(2)当社グループの事業の特徴
① 医薬品業界における当社グループの位置づけ
当社グループは、設立から今日に至るまでに培った豊富な経験と技術を活かし、医薬品原料である原薬の製造・販売に加え、製剤の製造・販売も行っており、原薬から製剤までの一貫した製造が可能な体制のもと、国内外の医薬品メーカーと幅広く取引を行っております。また、自社開発品や他の医薬品メーカーとの共同開発品の製造・販売並びに国内大手メーカー等からの製造受託を積極的に行っており、先発品からジェネリック医薬品までの医薬品業界における多様なニーズに対応できる事業展開を行っております。
② 原薬
自社開発品や共同開発品の製造・販売並びに他社商品の取り扱いを行っており、国内外の医薬品メーカー・医薬品原料メーカー・商社と幅広く取引しております。
医薬品(新薬)の開発において、医薬品原料となる原薬の製造工程等については、当該医薬品の特許等とも密接に係わるため、大手新薬メーカーにおいて、特に、特許期間中は、当該医薬品の原薬の生産について、基本的に大手新薬メーカー及びグループ会社等において、生産を行うのが一般的である一方、ジェネリック医薬品については、特許が切れていること、ジェネリックメーカー(ジェネリック医薬品の製造販売業者)として、幅広いジェネリック医薬品を効率的に取り揃える必要性等から、原薬を自社で製造せず、他社から購入することが一般的であると当社グループでは考えております。
このような医薬品業界の原薬に対する方針により、当社グループはジェネリックメーカーを中心として、主に自社開発の原薬を供給しております。
また、近年、わが国においては、高齢化社会の進展に伴い、国民医療費は長期にわたり増加傾向にあり、医療費を抑制するための政府の重点施策としてジェネリック医薬品(後発品)の使用促進が行われております。2017年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する」と明記され、国のジェネリック医薬品使用促進政策が実施されております。2024年4月~2025年3月期には数量シェアが86.5%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となり、ジェネリック医薬品の普及は拡大して参りました。
このようなジェネリック医薬品の市場動向から、当社グループでは、大量生産から少量多品種生産に対応できる生産設備を保有し、国内大手から中小のジェネリックメーカーに至る幅広いニーズに対応しております。
③ 製剤
国内大手メーカー等からの先発品の製造受託を積極的に行っており、またジェネリック医薬品市場に対応するため、ジェネリック医薬品の開発・製造も行っております。
また、2005年の改正薬事法施行により、新薬メーカーは、生産設備を自社で持たなくても新薬の承認を受けることが可能となりました。これにより、多額の研究開発費を投じて新薬開発に取り組んでいる新薬メーカーは、効率的な事業展開を図るため、研究開発と販売に財源と人材を集中させ、製造をグループ外の中堅メーカーに全面的に委託するニーズが高まってきているものと当社グループでは考えております。
このような中、当社グループでは、日本国内のGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)はもとより、FDA(米国食品医薬品局)及びEMA(欧州医薬品庁)の要求する基準をも充足しております。医薬品の製造において最も重要視される品質管理能力を高めることで、大手新薬メーカーからの信頼を獲得するとともに、多様な剤形に対応しうる生産設備を保有することで、大手新薬メーカーからの製造受託を行うことが可能になっております。
④ 研究開発、生産及び営業体制
当社グループでは、原薬及び製剤を幅広く生産可能な体制を構築しております。これにより、原薬から製剤に至る多くの情報収集が可能となっており、研究開発活動に役立てております。
また、当社グループでは、研究開発及び製造に経営資源を集中させるため、MR(医薬情報担当者)を有さず、医療機関への営業行為を行っておりません。そのため、当社が開発したジェネリック医薬品については、当該医薬品の薬効領域で強い販売力を持っている医薬品メーカーと製品毎に連携し、販売・販促活動を依頼しております。
当社グループの事業系統図は次のとおりであります。
[事業系統図]
※1 当社は、2025年6月1日付で連結子会社である大和薬品工業株式会社を吸収合併しております。
※2 Daito Pharmaceuticals America, Inc. は当社製品の米国への輸出業務の支援を目的として、2008年6月に設立され、現在は市場調査等を行っております。
※3 大桐製薬(中国)有限責任公司は、中国市場での医薬品製剤の販売と、当社の医薬品製剤の製造受託を目的として、2012年9月に当社の子会社としております。
※4 株式会社フェルゼンファーマは、日本国内における医薬品製剤の販売チャネルの多様化を目的として、2017年9月に出資しております。
※5 千輝薬業(安徽)有限責任公司及び安徽鼎旺医薬有限公司は、中国市場での原薬・製剤の販売強化を目的として、2024年8月に出資比率を引上げております。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、各国の通商政策等の影響を受け、海外経済は一部減速しているものの、企業収益が改善傾向にある中で設備投資は緩やかに増加しました。また、個人消費は物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善を背景に若干の増加傾向が続き、経済全体として緩やかな回復が続きました。
医薬品業界におきましては、2024年9月の社会保障審議会医療保険部会において、「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」が策定され、「主目標:医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全ての都道府県で80%以上」(旧ロードマップから継続)、「副次目標:後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上」が掲げられました。また、2024年10月からは、ジェネリック医薬品のある長期収載品を患者様が希望された場合は、患者様に追加で金銭的負担を求める「選定療養」が導入され、ジェネリック医薬品の数量シェアは更に高まっております。
一方で、後発医薬品を中心とする供給不安は長期化しており、過当競争状態の是正、過度な低価格競争からの脱却、規模の経済が生かせる企業規模へ再編していくための環境整備など、多くの課題を抱えております。
このような状況において、当社グループでは、中期経営計画「Daito Transformation Plan 2027」のもと、患者様及び医療関係者様の皆様への高品質な医薬品の安定供給に努めて参りました。
売上高の販売品目ごとの業績は次の通りであります。
原薬では、2024年12月に薬価収載された製剤用の原薬製品の販売を開始し、また商品の販売も堅調に推移したことから、売上高は22,872百万円(前期比5.7%増)となりました。
製剤では、長期収載品を中心に製造受託の減少があったものの、ジェネリック医薬品及び一般用医薬品の販売が堅調に推移し、売上高は27,592百万円(前期比10.1%増)となりました。
健康食品他につきましては、市場における競争激化等により、厳しい状況で推移し、売上高は178百万円(前期比10.1%減)となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は50,643百万円(前期比8.0%増)となりました。売上高の増加に伴う利益の増加があったものの、主に減価償却費の増加、製品構成の変化、長期滞留在庫の評価減の増加等により営業利益は2,619百万円(前期比32.7%減)、経常利益2,705百万円(前期比31.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,908百万円(前期比42.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ519百万円の減少となり、2,207百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は5,897百万円(前期比714百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権の増加額4,891百万円、法人税等の支払額842百万円等があった一方で、税金等調整前当期純利益2,958百万円、減価償却費4,332百万円、棚卸資産の減少額2,419百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7,365百万円(前期比1,434百万円の増加)となりました。これは主に、生産設備の拡充に伴う有形固定資産の取得による支出6,789百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,002百万円(前年同期は183百万円の使用)となりました。これは主に長期借入れによる収入6,000百万円等があった一方で、長期借入金の返済による支出3,099百万円、自己株式の取得による支出623百万円、配当金の支払額998百万円等があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
区分 |
当連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
前年同期比(%) |
原 薬(百万円) |
20,871 |
104.9 |
製 剤(百万円) |
23,931 |
103.7 |
健康食品他(百万円) |
- |
- |
合計(百万円) |
44,802 |
104.3 |
(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの生産実績を記載しております。
2.金額は販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。
区分 |
当連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
前年同期比(%) |
原 薬(百万円) |
1,905 |
149.0 |
製 剤(百万円) |
2,657 |
102.0 |
健康食品他(百万円) |
110 |
85.1 |
合計(百万円) |
4,672 |
116.5 |
(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの商品仕入実績を記載しております。
2.金額は実際仕入額によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
区分 |
当連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
|||
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
製 剤 |
24,355 |
104.6 |
5,840 |
107.8 |
(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの受注実績を記載しております。
また、当社は製剤の一部について受注生産を行っているため、その分の金額を記載しております。
2.金額は販売価格によっております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分 |
当連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
前年同期比(%) |
原 薬(百万円) |
22,872 |
105.7 |
製 剤(百万円) |
27,592 |
110.1 |
健康食品他(百万円) |
178 |
89.9 |
合計(百万円) |
50,643 |
108.0 |
(注)1.セグメント情報を記載していないため、販売品目ごとの販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、前連結会計年度において特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、相手先別の情報の記載を省略しております。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
株式会社フェルゼンファーマ |
- |
- |
5,225 |
10.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
医薬品業界におきましては、2021年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」において「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保、新目標についての検証、保険者の適正化の取組みにも資する医療機関等の別の使用割合を含む実施状況の見える化を早期に実施し、バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討、フォーミュラリの活用等、更なる使用促進を図る。」と示され、後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保、並びに使用促進を行う方針が示されております。
国のジェネリック医薬品使用促進策が進められ、ジェネリック医薬品の普及が拡大する一方、2021年度から2年に1度の薬価改定に加え、中間年においても改定を行う毎年薬価改定が実施されております。今後、医薬品業界の事業環境は厳しいものとなることが予想され、当社としても一層の経営効率化への努力が求められております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、原薬では原薬製品及び商品の販売が増加し、製剤ではジェネリック医薬品および一般用医療薬品の販売が堅調に推移し、売上高は50,643百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、製品構成の変化、減価償却費の増加、棚卸資産の評価減、円安による原材料費高騰等の影響により、42,005百万円となりました。
この結果、差引売上総利益は8,637百万円となり、前連結会計年度に比べ1,201百万円減少しました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,017百万円となり、前連結会計年度に比べ、72百万円増加しました。これは主に研究開発費の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は2,619百万円となり、前連結会計年度に比べ1,274百万円減少しました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、持分法適用会社の投資利益75百万円などにより245百万円となり、前連結会計年度に比べ119百万円増加しました。営業外費用は支払利息の増加などにより160百万円となり、前連結会計年度に比べ62百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は2,705百万円となり、前連結会計年度に比べ1,217百万円減少しました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は638百万円となり、前連結会計年度に比べ177百万円増加しました。これは主に、投資有価証券売却益や補助金収入があったことなどによるものであります。特別損失は385百万円となり、前連結会計年度に比べ219百万円増加しました。これは固定資産圧縮損や除却損の増加があったことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,908百万円となり、前連結会計年度に比べ1,386百万円の減少となりました。
b.財政状態の分析
<資産、負債及び純資産の状況>
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ296百万円増加し、78,004百万円となりました。これは主に、電子記録債権の増加2,958百万円及び売掛金の増加2,029百万円があった一方で、原材料及び貯蔵品の減少1,824百万円、商品及び製品の減少1,033百万円等があったことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末より493百万円増加し、25,936百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加1,900百万円及び1年内返済予定の長期借入金999百万円の増加があった一方で、未払金1,557百万円の減少及び支払手形及び買掛金の減少580百万円等があったことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末より197百万円減少し、52,067百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金の減少564百万円等があったことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度より0.3ポイント低下し、66.7%となったほか、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度より2.7ポイント減少し、3.7%となっております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
医薬品業界におきましては、2021年6月閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」において「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保、新目標についての検証、保険者の適正化の取組みにも資する医療機関等の別の使用割合を含む実施状況の見える化を早期に実施し、バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討、フォーミュラリの活用等、更なる使用促進を図る。」と示され、後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保、並びに使用促進を行う方針が示されております。
国のジェネリック医薬品使用促進策が進められ、ジェネリック医薬品の普及が拡大する一方、2021年度から2年に1度の薬価改定に加え、中間年においても改定を行う毎年薬価改定が実施されており、今後、医薬品業界の事業環境は厳しいものとなることが予想されます。
当社グループにおいて、医薬品の製造設備に関する設備投資を実施した際には、原薬及び製剤の本格的な製造に至るまでに試作期間等を含めたバリデーションのための期間が必要となります。バリデーションとは、医薬品の製造、設備及び工程において、品質特性に適合する製品が生産されることを保証し、文章化することを言います。当社グループの場合は本格的な製造を開始するまでには設備の竣工後、半年から1年程度のバリデーション期間を要することが一般的になっております。
なお、減価償却費の計上はバリデーションの開始時期から行うため、売上高の計上よりも減価償却費の計上が先行することとなります。そのため、バリデーションは連結損益計算書において損益の悪化要因として影響することが見込まれます。
d.資本の財源及び資金の流動性についての情報
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料購入費用及び製造費用、商品仕入費用、研究開発費、生産能力強化のための設備投資費用等であります。
これら資金需要への対応は、主に自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本としております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、11,887百万円であります。また、複数の金融機関との間で合計17,500百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高:-百万円、借入未実行残高:17,500百万円)
なお、2024年7月に発表した中期経営計画「DTP2027」では、高品質な医薬品の安定供給体制の維持と持続的な成長に必要な投資を確保しつつ、安定的且つ積極的は株主還元を実施することを資本配分方針としており、その内訳は経常投資:約55億円、成長への投資:約195億円+α、株主還元:50億円以上としております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社の報告セグメントは、「医薬品事業」のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:百万円)
|
原薬 |
製剤 |
健康食品他 |
合計 |
外部顧客への売上高 |
21,645 |
25,050 |
199 |
46,895 |
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:百万円)
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
東和薬品株式会社 |
5,195 |
医薬品事業 |
当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:百万円)
|
原薬 |
製剤 |
健康食品他 |
合計 |
外部顧客への売上高 |
22,872 |
27,592 |
178 |
50,643 |
2.地域ごとの情報
(1)売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2)有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
(単位:百万円)
顧客の名称又は氏名 |
売上高 |
関連するセグメント名 |
株式会社フェルゼンファーマ |
5,225 |
医薬品事業 |
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)
「医薬品事業」セグメントにおいて48百万円の固定資産の減損損失を計上しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)
該当事項はありません。